公式コラム

役に立たない資格ランキング|204人に聞いた取得して後悔した資格とその理由

資格の門太郎

資格は就職や転職に役立つイメージがありますが、実際には「取得したもののあまり評価されなかった」「仕事で使う機会がなかった」と感じる人も少なくありません。

そこで今回は、204人を対象に「取得したけれど役に立たなかった資格」についてアンケートを実施しました。この記事では、役に立たないと感じた資格のランキングや、その理由、資格選びで後悔しないためのポイントを紹介します。

ただし、ここで紹介する資格がすべての人にとって無意味というわけではありません。就職・転職、収入アップ、趣味、教養など、目的によって資格の価値は大きく変わります。資格取得を考えている方は、自分の目的に合っているかを確認しながら参考にしてください。

Q
204人はどこから聞いたのか?

本記事で紹介しているランキングは、クラウドソーシングサービスを利用して独自に実施したアンケート結果をもとに作成しています。

調査では、資格を取得した経験のある男女204人を対象に、「取得したものの、あまり役に立たなかったと感じた資格」について回答してもらいました。あわせて、なぜ役に立たないと感じたのか、就職・転職で評価されたか、仕事や収入アップにつながったかなどについても意見を集めています。

なお、ランキングはあくまで回答者の体験談にもとづくものであり、特定の資格そのものの価値を否定するものではありません。資格の活かし方は、職種や業界、取得目的、本人の経験によって大きく変わります。そのため、本記事では「取得して後悔しやすい資格の傾向」や「資格選びで注意したいポイント」を知るための参考情報として紹介しています。

「役に立たなかった資格」ランキング結果

順位資格名人数割合
1位MOS28人13.7%
2位簿記3級24人11.8%
3位秘書検定21人10.3%
4位英検3級・準2級18人8.8%
5位ITパスポート16人7.8%
6位色彩検定13人6.4%
7位アロマテラピー検定11人5.4%
8位FP3級10人4.9%
9位漢字検定9人4.4%
10位ビジネス実務マナー検定8人3.9%

1位:MOS

今回のアンケートで、役に立たなかった資格として最も多く挙がったのがMOSでした。

MOSは、WordやExcel、PowerPointなどのOfficeソフトを扱う力を証明できる資格です。知名度も高く、事務職を目指す人やパソコン操作に不安がある人にとっては、学習しやすい資格といえます。

一方で、実際の仕事では「資格を持っているか」よりも、「どのくらい正確に、早く作業できるか」が見られやすいです。たとえばExcelであれば、表を整えるだけでなく、関数を使った集計やデータ整理、資料作成までスムーズにできるかが重要になります。

そのため、MOSを取得していても、業務で使えるレベルまで身についていなければ、思ったほど評価されないと感じる人もいます。また、一般的な事務職では基本的なパソコン操作ができることは前提とされるため、MOSだけで大きな強みになるとは限りません。

ただし、MOSそのものに価値がないわけではありません。Officeソフトの基礎を一通り学べるため、パソコン初心者が自信をつけるきっかけとしては十分役立ちます。就職や転職で活かすなら、資格名だけでなく「Excelでどんな作業ができるのか」「資料作成やデータ管理の経験があるのか」まで伝えることが大切です。

主な口コミ
  • 事務職を目指していたのでMOSを取りましたが、面接ではほとんど話題になりませんでした。Excelが使えることの証明になると思っていたものの、実際には「前職で何をしていたか」の方を詳しく聞かれました。資格だけでは少し弱いのかなと感じました。女性・20代
  • WordやExcelの基本操作を覚えるきっかけにはなりました。ただ、入社後は会社専用のシステムを使うことが多く、MOSで勉強した内容をそのまま使う場面は思ったより少なかったです。パソコン初心者には良いけど、仕事で評価されるかは別だと思います。男性・30代
  • Excelの資格を持っていると少し有利になると思っていましたが、実務では関数や集計作業をどれだけ速くできるかの方が大事でした。MOSを持っているだけでは即戦力とは見られにくく、結局は実務経験が必要だと感じました。
    女性・30代

2位:簿記3級

役に立たなかった資格ランキングで2位に入ったのが、簿記3級です。

簿記3級は、会社のお金の流れや会計の基礎を学べる資格として知名度があります。売上や仕入れ、経費、利益などの考え方を理解できるため、経理職を目指す人だけでなく、事務職や営業職、自営業を考えている人にも役立つ知識を身につけられます。

ただし、就職や転職で強く評価されるかというと、簿記3級だけでは少し物足りないと感じる人もいます。経理職を目指す場合、求人では簿記2級以上や実務経験を求められることも多く、3級は「基礎を知っている」程度に見られやすいです。

また、実際の経理業務では会計ソフトの操作、請求書処理、給与計算、決算補助など、資格試験だけではカバーしきれない作業もあります。そのため、資格を取得しただけで即戦力として評価されるわけではありません。

とはいえ、簿記3級に価値がないわけではありません。会計の入門資格としては非常に学びやすく、お金の流れを理解するきっかけになります。就職や転職で活かしたい場合は、簿記2級へのステップアップや、会計ソフトの操作経験、事務・経理の実務経験とあわせてアピールするとよいでしょう。

主な口コミ
  • 経理の入口として簿記3級を取りましたが、求人では「簿記2級以上歓迎」と書かれていることが多く、3級だけでは応募時の強みにはなりにくいと感じました。基礎知識の証明にはなりますが、経理職を本気で狙うなら次の級まで必要だと思います。女性・20代
  • お金の流れを理解したくて取得しました。知識としては役立ちましたが、転職活動では「簿記3級を持っています」だけだと反応は薄かったです。むしろ、経費処理や請求書対応を実際にやった経験があるかを聞かれることが多かったです。女性・30代
  • 正直、試験に受かった時はかなり達成感がありました。でも実務になると、消費税の処理や会社ごとのルール、月次処理など知らないことだらけで「3級だけじゃ全然足りないじゃん」と思いました。男性・20代

3位:秘書検定

秘書検定は、社会人としてのマナーや言葉遣い、電話対応、来客対応、文書作成、上司への気配りなどを学べる資格です。名前に「秘書」と入っていますが、秘書を目指す人だけでなく、事務職や受付、営業職、接客業など、幅広い仕事に通じる内容が含まれています。

一方で、就職や転職で強く評価される資格かというと、やや限定的です。特に一般事務や接客職では、マナーや丁寧な対応ができることは大切ですが、資格を持っているだけで採用の決め手になるケースは多くありません。

また、秘書検定で学ぶ内容は「知っているか」だけでなく、実際の振る舞いや会話の中で自然に出せるかが重要です。そのため、試験に合格していても、面接や職場での対応力に結びついていなければ、思ったほど役立たないと感じる人もいます。

主な口コミ
  • 履歴書に書ける資格がほしくて受けました。難しすぎる試験ではなかったので取りやすかった反面、周りにも持っている人が多く、差別化にはなりにくかったです。ないよりはいいけど、強い武器にはならないかなと思います。女性・40代
  • 受付の仕事に役立つかなと思って取得しましたが、実際の現場ではマニュアルや職場ごとの対応ルールを覚える方が大変でした。資格の知識より、その場で相手に合わせて動けるかの方が重要だと思います。女性・30代
  • 就活で少しでも印象が良くなればと思って秘書検定を書いたけど、「秘書になりたいの?」みたいな反応をされて、正直ちょっと恥ずかしかったです。マナーを勉強したこと自体は無駄じゃないけど、資格名のわりにアピールが難しいなと思いました。女性・20代

4位:英検3級・準2級

英検は知名度が高く、学生から社会人まで幅広く受験されている英語資格です。3級は中学卒業程度、準2級は高校中級程度の英語力を目安としており、英語学習のステップとしては十分意味のある資格です。

ただし、就職や転職で英語力をアピールするには、3級・準2級では少し弱いと感じられやすいです。履歴書に書くこと自体はできますが、企業側から見ると「基礎的な英語力がある」程度にとどまり、英語を使う仕事で評価されるには物足りない場合があります。

特に、外資系企業や貿易事務、海外営業、英文事務などを目指す場合は、英検2級以上やTOEICの一定スコアを求められることが多く、3級・準2級だけで強い武器にするのは難しいでしょう。

また、社会人になってから英検3級・準2級を履歴書に書くと、職種によってはかえってアピールしにくいと感じる人もいます。英語力を示したい場合は、さらに上位級を目指すか、TOEICなどスコアで実力を示せる試験と組み合わせるのがおすすめです。

とはいえ、英検3級・準2級が無意味というわけではありません。英語の基礎を固めるには良い資格であり、高校生や英語学習をやり直したい人にとっては、目標にしやすい試験です。就職や転職で活かすなら、次の級へのステップアップを前提に考えるとよいでしょう。

主な口コミ
  • 取った当時はうれしかったけど、大学生になったら周りに2級以上を持っている人が普通にいて、「あれ、これ書いても弱くない?」って思いました。履歴書に書くかどうか迷うレベルでした。男性・20代
  • 準2級を持っていれば少しは評価されると思っていましたが、英語を使う求人では2級以上やTOEICスコアを求められることが多かったです。基礎力の証明にはなるけど、転職で勝負するには足りないと思います。女性・40代
  • 英検3級を履歴書に書いていましたが、社会人の転職では正直あまり意味がなかったです。中学レベルの英語力という印象があるので、英語が得意ですとは言いにくい資格だと思いました。男性・30代

5位:ITパスポート

ITパスポートは、ITに関する基礎知識を証明できる国家試験です。情報セキュリティ、ネットワーク、経営戦略、システム開発、データ活用など、社会人として知っておきたいIT分野を幅広く学べるのが特徴です。

ただし、IT業界への就職や転職で強く評価されるかというと、ITパスポートだけではやや物足りないと感じられやすいです。試験内容はあくまで基礎レベルのため、エンジニアやプログラマー、インフラ職などの専門職を目指す場合は、実務スキルやポートフォリオ、基本情報技術者試験などの上位資格の方が重視されやすい傾向があります。

また、ITパスポートは出題範囲が広い一方で、ひとつひとつの内容は浅めです。そのため、「ITに詳しい人」として評価されるというより、「基本的なIT用語を理解している人」という見られ方になりやすいです。

とはいえ、ITパスポートが無意味というわけではありません。ITが苦手な人が基礎を学ぶには取り組みやすく、事務職、営業職、企画職など、非エンジニア職でも役立つ知識を身につけられます。就職や転職で活かすなら、資格名だけでなく「業務改善にIT知識を活かせる」「セキュリティやデータ活用の基礎を理解している」といった形で伝えるとよいでしょう。

主な口コミ
  • IT業界に入りたくてITパスポートを取りましたが、面接ではあまり評価された感じはありませんでした。エンジニア志望だと、資格よりもプログラミング経験や作ったものを見られることが多かったです。男性・20代
  • 勉強している時は用語をたくさん覚えましたが、仕事で直接使ったかというと微妙です。セキュリティやネットワークの基礎は役立つけど、実務ではもっと具体的なツールやシステムの知識が必要でした。男性・30代

採用担当者に結果内容を見てもらいました

今回のランキング結果について、企業の採用担当者にも意見を聞いてみました。

ランキングに入っている資格を見て、たしかに「資格だけで採用の決め手になるものは少ない」という印象はあります。

ただ、MOSや簿記3級、ITパスポートなどは、まったく評価しないわけではありません。未経験職種に応募する方であれば、基礎を学んでいることや、その分野に興味を持っていることは伝わります。

一方で、実務経験者の採用になると、資格名よりも「実際に何ができるのか」を重視します。たとえばMOSなら、Excelでどのような資料を作れるのか。簿記3級なら、経費処理や請求書対応の経験があるのか。ITパスポートなら、業務でIT知識をどう活かしたのか。そこまで説明できると印象は変わります。

逆に、履歴書に資格名だけが並んでいて、本人が取得理由や活かし方を説明できない場合は、あまり評価にはつながりません。資格は持っているだけでは弱く、応募する仕事と結びつけて話せるかが大事だと思います。

最後に

採用担当者の意見からも分かるように、今回ランキングに入った資格が「完全に無意味」というわけではありません。大切なのは、資格を取得した目的や、仕事でどう活かせるかを自分の言葉で説明できるかどうかです。

記事URLをコピーしました