
高等学校卒業程度認定試験(高認)とは
高等学校卒業程度認定試験は、さまざまな理由で高校を卒業していない人を対象に、高校卒業者と同等以上の学力があるかどうかを文部科学省が認定する試験です。一般的には「高認」と呼ばれています。
高認に合格すると、大学・短期大学・専門学校などの受験資格を得ることができます。また、就職や一部の資格試験などでも、高校卒業者と同等以上の学力があることを示す材料として活用できます。
以前は「大学入学資格検定」、いわゆる「大検」と呼ばれていましたが、平成17年度から現在の「高等学校卒業程度認定試験」に変更されました。
ただし、高認に合格しても高校を卒業したことになるわけではありません。あくまで「高校卒業者と同等以上の学力がある」と認定される試験であり、学歴としては最終学歴が自動的に「高卒」になるものではない点には注意が必要です。
高校を中退した人、中学校卒業後に高校へ進学しなかった人、何らかの事情で高校卒業資格を得られなかった人にとって、高認は進学や就職の選択肢を広げるきっかけになる試験です。受験年度内に満16歳以上になる人で、すでに大学入学資格を持っていない人が受験できます。
高等学校卒業程度認定試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格 |
| ジャンル | 教養・基礎 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 試験を受ける年度内に満16歳以上になる人。ただし、すでに大学入学資格を持っている人は受験不可 |
| 試験日程 | 年2回。例年8月・11月ごろに実施 |
| 試験方法 | マークシート方式を中心とした筆記試験 |
| 免除科目 | あり。高校などで修得した単位、過去の高認・大検の科目合格、英検・数検・歴検などの資格により一部科目が免除される場合あり |
| 試験場所 | 各都道府県の指定会場 |
| 受験料 | 7科目以上8,500円、4〜6科目6,500円、3科目以下4,500円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 文部科学省 生涯学習局生涯学習振興課 |
| 関連資格 | 該当なし |
高等学校卒業程度認定試験の日程
2026年度試験
| 申込期間 | 試験日 | 合格発表・結果通知 |
|---|---|---|
| 4月6日~5月13日 | 8月6日・8月7日 | 9月1日発送予定 |
| 7月21日~9月11日 | 11月7日・11月8日 | 12月8日発送予定 |
高等学校卒業程度認定試験の内容
試験は複数の教科・科目で構成されており、必要な科目すべてに合格することで「高等学校卒業程度認定試験合格者」として認定されます。
試験方式は、基本的にマークシート方式です。国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語など、高校で学ぶ基礎的な内容から出題されます。
高認では、すべての科目を一度に合格する必要はありません。一度合格した科目は次回以降免除されるため、苦手科目を分けて受験することも可能です。また、高校で修得した単位や、英検・数検・歴検などの資格によって一部科目が免除される場合もあります。
合格に必要な科目数は、選択する科目によって異なりますが、一般的には8科目程度です。自分の履修状況や免除科目を確認したうえで、必要な科目を選んで受験します。
出題範囲
国語
国語では、現代文を中心に、文章を正確に読み取る力や語句の意味を理解する力が問われます。評論文や小説、古文・漢文の基礎的な内容が出題されることもあり、読解力と基本的な国語知識が必要です。
地理歴史
地理歴史では、地理・歴史に関する基礎的な知識が問われます。日本史、世界史、地理などの内容から、社会の流れや地域の特徴、歴史的な出来事を理解しているかが確認されます。受験時には、指定された科目の中から必要な科目を選択します。
公民
公民では、現代社会、政治、経済、倫理などに関する基礎知識が出題されます。日本国憲法、民主政治、経済の仕組み、社会問題など、日常生活や社会を理解するための内容が中心です。
数学
数学では、高校数学の基礎的な内容が出題されます。数と式、方程式、不等式、関数、図形、データの分析など、基本的な計算力と考え方を理解しているかが問われます。難問よりも、基礎を正確に解ける力が重要です。
理科
理科では、科学と人間生活、物理、化学、生物、地学などの基礎的な内容が出題されます。自然現象や実験、身近な科学に関する理解が問われ、選択する科目によって出題範囲が変わります。
外国語
外国語は、基本的に英語が中心です。英文の読解、語彙、文法、会話表現などが出題されます。中学〜高校基礎レベルの英語を理解し、簡単な英文を読み取る力が必要です。
合格基準
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 合格基準 | 各科目ごとに合否判定 |
| 合格点 | 明確な点数は公表されていませんが、一般的には40点前後が目安とされます |
| 合格に必要な科目 | 必要科目すべてに合格すること |
| 科目合格 | あり。一度合格した科目は次回以降免除 |
| 全科目合格後 | 高等学校卒業者と同等以上の学力がある者として認定 |
| 注意点 | 高認に合格しても、高校を卒業したことにはならない |
高認は、各科目で合格基準を満たすことで科目合格となります。すべての必要科目に合格すると、高等学校卒業程度認定試験の合格者として認定され、大学・短大・専門学校などの受験資格を得ることができます。
高等学校卒業程度認定試験の合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 16,820人 | 7,937人 | 47.2% |
| 2024年度 | 15,585人 | 7,748人 | 49.7% |
| 2023年度 | 16,813人 | 7,932人 | 47.2% |
| 2022年度 | 17,154人 | 7,961人 | 46.4% |
| 2021年度 | 17,704人 | 8,097人 | 45.7% |
高等学校卒業程度認定試験の難易度
キチしっかり試験対策をすれば、決して極端に難しい試験ではありません。出題内容は高校卒業程度とされていますが、実際には各科目の基礎的な内容を中心に問われるため、難問を解く力よりも、基本事項を正確に理解しているかが重要になります。
ただし、試験科目が複数あり、勉強範囲が広い点には注意が必要です。国語・数学・英語・地理歴史・公民・理科など、幅広い科目を学習する必要があるため、基礎から勉強を始める人にとっては、ある程度まとまった学習時間が必要になります。
特に、長く勉強から離れていた人や、中学・高校の基礎に不安がある人は、いきなり過去問だけに取り組むよりも、まずは中学レベルの復習から始めるとよいでしょう。基本的な計算、英文法、漢字・読解、社会や理科の用語を押さえておくことで、高認の問題にも対応しやすくなります。
また、高認は一度にすべての科目に合格する必要はありません。合格した科目は次回以降免除されるため、苦手科目を分けて受験することも可能です。短期間で全科目合格を目指すよりも、自分の学力や生活状況に合わせて、無理のない計画を立てることが合格への近道です。
高等学校卒業程度認定試験の勉強法
まず過去問を繰り返し解いて、問題形式に慣れることが重要です。高認は出題傾向がある程度決まっているため、過去問を解くことで「どのような問題が出るのか」「どの科目が苦手なのか」を把握しやすくなります。
高認は、各科目で満点を目指す試験ではありません。合格点は公表されていませんが、一般的には各科目40点前後が目安とされることが多いため、すべての範囲を完璧に覚えるよりも、まずは50〜60点を安定して取れる勉強を目指すとよいでしょう。
勉強の進め方としては、最初に過去問を1回解き、苦手な単元を確認します。その後、参考書や解説を使って基礎を復習し、再び過去問を解く流れがおすすめです。間違えた問題は、答えを覚えるだけでなく「なぜ間違えたのか」まで確認しておくと、似た問題にも対応しやすくなります。
また、高認は科目数が多いため、1科目に時間をかけすぎると全体の学習が進みにくくなります。苦手科目は重点的に対策しつつも、基本的には浅く広く学習して、各科目で合格点を超えることを意識しましょう。
一度合格した科目は次回以降免除されるため、全科目を一度で合格しようと無理をする必要はありません。勉強時間を確保しにくい人や苦手科目が多い人は、複数回に分けて合格を目指す方法も現実的です。

