シックハウス診断士試験とは
住宅や建物の室内空気環境に関する知識を身につけ、シックハウスの原因や対策を助言できる専門家を認定する民間資格です。建材や家具などから発生する化学物質、カビ、ダニ、結露、換気不足など、住環境に関わる幅広い要因を理解し、健康的な住まいづくりに役立てることを目的としています。
試験では、シックハウスに関する総論、化学物質、関連法規、結露・生物、アレルギー、一般対策、測定・診断などが出題されます。受験資格に大きな制限はなく、CBT方式で受験できるため、建築・住宅・リフォーム分野に関わる人だけでなく、住環境や健康住宅に関心がある人も学びやすい資格です。
住宅会社、工務店、リフォーム会社、不動産会社、建物調査会社、インテリア関連会社などで活用しやすい資格です。法令上の独占業務がある資格ではありませんが、室内環境の改善提案や健康住宅づくりに関わる人が、シックハウス対策の知識を示す資格として役立ちます。
シックハウス診断士試験の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 建築・不動産 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 随時実施。年末年始を除き、受験者が希望日時を選択して受験 |
| 試験方法 | CBT試験。四肢択一式と記述式で実施 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 全国のCBT試験会場 |
| 受験料 | 8,800円 |
| 登録・更新 | 試験に合格し、登録手続きを行うことでシックハウス診断士資格が付与されます。登録は5年更新制 |
| 問い合わせ | シックハウス診断士協会 |
| 関連資格 | 環境アレルギーアドバイザー 環境カオリスタ検定 |
シックハウス診断士の試験内容
CBT方式で実施されます。四肢択一式問題と記述式問題で構成され、シックハウスに関する総論、化学物質、関連法規、結露・生物、アレルギー、一般対策、測定・診断などが問われます。
室内空気環境の悪化や建材・家具などから発生する化学物質、カビ・ダニなどの生物的要因、住まい方や換気、測定方法、診断後の対策までを幅広く理解しておく必要があります。
出題範囲
測定・診断
室内空気中の化学物質測定、測定条件、測定機器、診断の進め方、調査結果の読み取りなどが出題されます。
室内環境の問題を判断するには、建物の状況、使用建材、換気状態、生活環境、測定結果を総合的に見る必要があります。数値だけでなく、発生源や改善方法まで結びつけて理解しておくことが大切です。
一般対策
換気、発生源対策、建材や家具の選び方、清掃、湿度管理、生活習慣の改善などが問われます。
シックハウス対策では、原因物質を減らすだけでなく、室内環境を継続的に管理することが重要です。換気計画や日常的な住まい方も含めて整理しておく必要があります。
アレルギー
アレルギーの仕組み、症状、原因物質、室内環境との関係などが出題されます。
化学物質だけでなく、カビ、ダニ、ハウスダストなども健康影響に関係します。シックハウスとアレルギー症状の関係を理解しておくことが大切です。
結露・生物
結露の発生原因、湿度、断熱、換気、カビ・ダニなどの生物的要因が問われます。
結露はカビやダニの発生につながり、室内環境を悪化させる原因になります。温度差、湿度、換気不足、断熱性能などを踏まえて、発生原因と対策を整理しておく必要があります。
関連法規
建築基準法、室内空気環境に関係する基準、化学物質に関する規制、住宅や建材に関する制度などが出題されます。
ホルムアルデヒド対策、換気設備、建材の使用制限など、建築物の室内環境を守るための法規や基準を理解しておく必要があります。
化学物質
ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼンなど、室内空気汚染に関係する化学物質が問われます。
発生源、健康への影響、測定方法、低減対策を整理しておくことが重要です。建材、接着剤、塗料、家具、防虫剤、生活用品など、身近なものが発生源になる場合があります。
総論
シックハウスの基本概念、発生原因、健康影響、建築物と室内環境の関係、診断の流れなどが出題されます。
個別分野の前提となるため、化学物質、生物的要因、換気、測定、対策を総合的に理解しておく必要があります。
試験科目と出題数
試験はCBT方式で実施されます。出題形式は、四肢択一式100問と記述式約5問です。
試験時間は、四肢択一式が60分、記述式が30分で、合計90分です。
出題内容は、総論、化学物質、関連法規、結露・生物、アレルギー、一般対策、測定・診断の7分野です。
合格基準
合格基準は、四肢択一式と記述式のそれぞれで70点以上です。
四肢択一式だけでなく、記述式でも基準を満たす必要があります。用語や基準を覚えるだけでなく、室内環境の問題をどのように測定・診断し、どのような対策につなげるかを文章で説明できるようにしておくことが大切です。
シックハウス診断士の受験者数・合格率
合格率は過去平均で12.3%
シックハウス診断士の難易度
住宅・建築・室内環境に関する知識がある人であれば比較的取り組みやすい試験です。一方で、化学物質、換気、建材、健康被害、測定方法などを幅広く理解する必要があるため、建築や環境分野に触れたことが少ない人は専門用語でつまずきやすいでしょう。
難しさの理由は、シックハウスの原因を一つの分野だけで判断できないことです。ホルムアルデヒド、VOC、建材、接着剤、塗料、家具、換気不足、湿度、カビ、ダニなど、室内環境に関わる要素を総合的に理解する必要があります。単に症状や原因物質を覚えるだけでなく、建物の使われ方や生活環境との関係も整理しておくことが大切です。
特に負担になりやすいのは、化学物質や測定に関する内容です。原因物質の種類、発生源、人体への影響、測定方法、濃度の考え方などは、普段なじみがない人にとって覚えにくい分野です。建築系の知識がある人でも、化学や健康影響に関する部分は別途学習が必要になる場合があります。
また、診断では建物だけでなく、換気状況、家具、生活用品、清掃状況、カビや湿気なども確認する視点が求められます。住宅の設計やリフォームに関わっている人は理解しやすい一方、室内環境を総合的に見る経験が少ない人は、原因を切り分ける考え方に慣れるまで時間がかかるでしょう。
建築、リフォーム、住宅販売、インテリア、環境測定、健康住宅関連の仕事に関わっている人は、学習内容を実務と結びつけやすい資格です。初学者の場合は、原因物質、換気、建材、測定方法、予防・改善策を分けて整理し、室内環境を総合的に判断する視点を身につけることが大切です。
シックハウス診断士の勉強法
ホルムアルデヒド、VOC、カビ、ダニ、換気不足、建材・家具からの化学物質放散などを重点的に確認しておくことが大切です。単に用語を覚えるだけでなく、どのような環境で症状が出やすいのか、どのような対策が有効なのかを結びつけて理解しましょう。
特に重要なのは、調査・診断の流れです。問診、室内環境の確認、換気状況、使用建材、測定方法、改善提案など、実際に相談を受けた場合にどの順番で確認するのかを整理しておくと理解しやすくなります。
試験対策では、テキストを一通り読んだあと、確認問題や過去問形式の問題で知識を定着させる流れがおすすめです。化学物質名や基準値、法規制、測定方法は混同しやすいため、表にまとめて繰り返し復習するとよいでしょう。
シックハウス診断士試験は、建築・住宅・環境・健康にまたがる知識を整理する必要があります。基本的には、公式教材で基礎を固め、室内空気環境、化学物質、換気、測定方法、改善提案を重点的に押さえる勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
この資格を取得していると、建築関連の企業に就職する際に有利となります。
シックハウス症候群は、建築の際に使用される接着剤などに含まれる化学物質により体調不良を引き起こすアレルギーです。
新築や改築を境に、シックハウス症候群を発症する人が多くなっています。
自宅は毎日寝起きをし、食事をする大切な空間ですので、このようなことが絶対に起こらないよう、シックハウス診断士は建材や接着剤の選定、室内の空気環境のアドバイスなどを行います。
また、住宅だけでなく、学校でも大勢の子どもや教師がシックハウス症候群にかかったことがありました。
このように、シックハウス症候群は私たちの身近に存在する現象であるため、シックハウス診断士は必要不可欠な存在となっています。
シックハウス症候群が問題視されている影響で、住宅などを建築する際には有害物質が出ないように気を付けるようにはなっていますが、まだ完全に防ぐには至っていません。
資格侍そのため、シックハウス症候群を防ぐために、専門的なアドバイスをしてくれるシックハウス診断士は重要な職業だと言えます。

