消防設備点検資格者試験とは
建物に設置されている消火器、スプリンクラー、自動火災報知設備、避難器具などの消防用設備を点検するための資格です。火災時に設備が正しく作動するよう、定期的な点検と維持管理を行う専門資格で、一定の防火対象物では消防設備士または消防設備点検資格者による点検が求められます。
資格区分は、第1種、第2種、特種に分かれており、第1種は主に機械系統の設備、第2種は主に電気系統の設備、特種は特殊消防用設備等を対象とします。資格を取得するには、講習を受講し、最後に行われる修了考査に合格する必要があります。
消防設備の点検業務に直接関わる資格のため、ビル管理会社、消防設備会社、建物管理会社、防災関連企業などで活かしやすい資格です。消防設備士のように工事や整備まで広く扱う資格とは役割が異なり、主に点検業務に重点を置いた実務向けの資格といえます。
消防設備点検資格者試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格 |
| ジャンル | 保安・技術 |
| 資格区分 | 第1種、第2種、特種 |
| 受験資格 | 消防設備士、電気工事士、電気主任技術者、建築士、技術士などの有資格者、または消防用設備等の工事・整備・点検などに関する実務経験を満たす人 |
| 講習日程 | 年複数回。講習区分や実施地域により異なる |
| 試験方法 | 講習受講後、修了考査を受ける形式。第1種・第2種はそれぞれ3日間の講習と修了考査で実施 |
| 免除科目 | 保有資格や実務経験により、一部科目が免除される場合があります |
| 講習場所 | 日本消防設備安全センターまたは委託先団体が指定する講習会場 |
| 受講料 | 第1種・第2種:34,300円程度/科目免除者:32,200円程度。合否判定結果通知郵送料が別途必要 |
| 登録・更新 | 講習を修了し、免状の交付を受けることで消防設備点検資格者となります。資格は5年ごとの再講習が必要 |
| 問い合わせ | 一般社団法人 日本消防設備安全センター |
| 関連資格 | 防火対象物点検資格者 消防設備士 防火管理者 |
消防設備点検資格者試験の講習内容
消防設備点検資格者は、消防用設備等の点検に必要な知識を講習で学び、最終日に行われる修了考査に合格することで取得を目指す資格です。講習は第1種と第2種に分かれており、それぞれ3日間の日程で実施されます。
出題範囲
第1種・第2種ともに、火災予防概論、消防法規、消防用設備等及び特殊消防用設備等の点検制度、建築基準法規などの法令関係を学びます。あわせて、消防用設備等の技術基準や点検要領も講習内容に含まれます。
第1種では、消火設備、警報設備、避難設備、消火活動上必要な施設など、幅広い消防用設備の技術基準と点検要領を扱います。第2種では、警報設備や避難設備などを中心に、各設備の技術基準と点検要領を学びます。
試験科目と出題数
修了考査は、講習3日目に2時間で行われます。出題は、消防法令関係が8問、技術基準関係が12問、点検要領関係が12問で、合計32問です。科目免除を受けた人も含め、修了考査ではすべての問題に解答します。
合格基準
合格には、消防法令関係、技術基準関係、点検要領関係の各分類でそれぞれ50%以上、かつ全体で70%以上の正答が必要です。修了考査はテキストの持ち込みが認められており、不合格となった場合は、修了考査を受けた日から1年以内に1回だけ再考査を受けることができます。
消防設備点検資格者試験の受験者数・合格率
第1種消防設備点検資格者
| 年度 | 受講者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 3,285人 | 3,241人 | 98.7% |
| 2023年度 | 3,323人 | 3,252人 | 97.9% |
| 2022年度 | 3,424人 | 3,299人 | 96.3% |
| 2021年度 | 3,316人 | 3,179人 | 95.9% |
| 2020年度 | 2,453人 | 2,321人 | 94.6% |
第2種消防設備点検資格者
| 年度 | 受講者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 2,920人 | 2,883人 | 98.7% |
| 2023年度 | 2,999人 | 2,943人 | 98.1% |
| 2022年度 | 2,949人 | 2,886人 | 97.9% |
| 2021年度 | 2,986人 | 2,906人 | 97.3% |
| 2020年度 | 2,359人 | 2,272人 | 96.3% |
特種消防設備点検資格者
| 年度 | 受講者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 31人 | 31人 | 100.0% |
| 2023年度 | 18人 | 17人 | 94.4% |
| 2022年度 | 21人 | 21人 | 100.0% |
| 2021年度 | 27人 | 25人 | 92.6% |
| 2020年度 | 13人 | 10人 | 76.9% |
消防設備点検資格者試験の難易度
消防設備点検資格者試験の難易度は高くありません。講習をしっかり受け、修了考査の内容を確認しておけば、合格を目指しやすい資格です。難関資格のように長期間の学習が必要になるタイプではなく、消防設備やビル管理に関わる人であれば比較的取り組みやすいでしょう。
試験で確認されるのは、消防用設備等の点検に必要な基礎知識です。消火器、自動火災報知設備、誘導灯、避難器具、スプリンクラー設備など、設備ごとの役割や点検時の確認事項を理解しておく必要があります。
消防設備士試験と比べると、工事や設計に関する内容よりも、点検・維持管理に関する知識が中心です。そのため、消防設備の施工まで深く学ぶというより、点検業務で必要になる設備の見方や法令上の基本を押さえることが重要になります。
消防設備点検、ビルメンテナンス、設備管理、防災管理などに関わっている人であれば、講習内容を実務と結びつけながら理解しやすい資格です。未経験者でも極端に難しい資格ではありませんが、消防設備の名称や点検の流れに慣れていない場合は、設備ごとの役割を整理しておくと理解しやすくなります。
しかく姫消防設備士に比べると簡単に取得できますが講習がある分、お金がかかるのがネックですね
消防設備点検資格者試験の勉強法
消防設備点検資格者は、講習を受講し、修了考査に合格することで取得を目指す資格です。一般的な資格試験のように市販テキストを中心に独学するというより、講習で配布される教材や講義内容をしっかり復習することが基本になります。
勉強では、消防用設備等の種類、点検基準、点検方法、報告書の作成、消防法令などを整理しておきましょう。第1種・第2種・特種で対象となる設備が異なるため、自分が受講する区分の範囲を意識して学習することが大切です。
特に重要なのは、設備ごとの点検項目と判定基準です。消火器、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、自動火災報知設備、誘導灯、避難器具などについて、どこを確認し、どの状態なら不備と判断されるのかを具体的に理解しておきましょう。
修了考査は講習内容から出題されるため、講義中に重要とされた部分を中心に復習するのが効果的です。設備名や点検周期、点検方法、報告の流れは混同しやすいため、設備ごとに表にまとめて整理すると覚えやすくなります。
消防設備点検資格者は、消防設備の点検実務に直結する資格です。講習教材を中心に、消防法令、点検基準、設備ごとの確認方法、不備判定、報告書作成を重点的に押さえる勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
マンションに住んでいる人は、消防設備点検で自宅に点検業者さんが入られて作業されているのを見られていることがあると思います。
この点検作業は消防設備点検資格者でなければ行えません。マンションに限らず建物にはスプリンクラーや消火器、消火栓、誘導灯など多くの消防設備が設置されています。
それらを点検できる資格となっていますので、建物管理をしている会社や、消防設備機器を扱っている会社、などで資格を取得していれば点検業務も行う事ができます。
消防用設備等の点検と報告を行える資格のため、この資格を持っていることで社外に消防設備点検の依頼をしなくても自社で行えるようになります。ただし講習を受けるためには条件があるため誰でも簡単に受講できるというものではありません。



消防設備点検に関連する業務を行っている企業では、社内で資格取得者を増やすために受講を推奨している場合もあります。

