法務省専門職員試験(人間科学)の難易度・合格率・試験日など

目次

法務省専門職員試験とは

法務省の矯正施設や更生保護の現場で働く専門職員を採用するための国家公務員採用試験です。正式には「法務省専門職員(人間科学)採用試験」と呼ばれ、心理学、教育学、福祉、社会学などの専門知識を活かして、人の立ち直りや社会復帰を支援する職種を目指す試験です。

試験区分は、矯正心理専門職、法務教官、保護観察官に分かれています。矯正心理専門職は少年鑑別所や刑事施設などで心理検査や面接を行い、法務教官は少年院や少年鑑別所で非行少年などの指導・教育にあたります。保護観察官は、保護観察所などで更生保護や社会復帰支援に関わります。

試験では、基礎能力試験、専門試験、専門記述試験、人物試験などが行われます。区分によって専門分野は異なりますが、心理学、教育学、福祉、社会学、法律、人間理解に関する知識や、公務員として必要な判断力・表現力・人物面が評価されます。

少年の更生支援、犯罪をした人の社会復帰、地域での再犯防止などに関わりたい人に向いています。人と深く向き合う仕事であり、専門知識だけでなく、責任感、粘り強さ、冷静な判断力、対人支援への関心が求められる試験です。

法務省専門職員試験の基本情報

資格種別国家資格(公務員)
ジャンル治安
資格区分なし
受験資格年齢要件を満たす人、または大学・短期大学・高等専門学校を卒業した人や卒業見込みの人など。区分により必要な専攻・適性が異なる場合があります
試験日程年1回。例年5月ごろに第一次試験、7月ごろに第二次試験を実施
試験方法第一次試験と第二次試験で実施。基礎能力試験、専門試験、人物試験、身体検査、身体測定などを組み合わせて行われます
免除科目
試験場所全国の指定試験地。第一次試験と第二次試験で試験地が異なる場合があります
受験料無料
登録・更新採用試験に合格し採用されると、法務省職員として矯正施設、更生保護機関などで勤務します。資格の登録・更新制度ではなく、国家公務員の採用試験です
問い合わせ法務省
関連資格刑務官

法務省専門職員試験の試験日

2026年度試験

試験日申込期間合格発表
第1次試験:5月24日
第2次試験:7月3日~7月8日
2月19日~3月23日第1次試験:6月16日
最終:8月12日

法務省専門職員試験の試験内容

矯正心理専門職、法務教官、保護観察官の区分に分かれています。いずれも第1次試験と第2次試験で構成され、基礎能力、専門知識、論述力、人物面、身体条件などが確認されます。

矯正心理専門職は、心理学を中心とした専門知識と、心理査定・処遇に関する理解が問われます。法務教官は、少年院や少年鑑別所などでの教育・指導に必要な心理、教育、福祉、社会に関する知識が中心です。保護観察官は、更生保護、社会福祉、心理、教育、法律、社会学など、保護観察や社会復帰支援に関係する知識が問われます。

出題範囲

矯正心理専門職

心理学に関する専門知識が中心です。臨床心理学、発達心理学、社会心理学、教育心理学、心理測定、心理統計、心理査定、カウンセリング、非行・犯罪心理などが出題範囲に含まれます。

第2次試験では、人物試験、身体検査、身体測定などが行われ、心理専門職として矯正施設で職務を行うための適性も確認されます。

法務教官

心理学、教育学、福祉、社会学、法律、青少年問題、非行、矯正教育などが問われます。

少年院や少年鑑別所などで、在院者や少年に対して生活指導、教科指導、職業指導、進路指導などを行う職種であるため、教育・心理・福祉を横断した知識が必要です。専門試験では、青少年の発達、非行の背景、教育的支援、集団指導、矯正処遇などに関する内容が中心になります。

保護観察官

更生保護、心理学、教育学、福祉、社会学、法律、犯罪・非行、社会復帰支援などが出題されます。

保護観察対象者の指導・支援、生活環境の調整、再犯防止、関係機関との連携などに関わる職種のため、法制度だけでなく、人の行動理解や支援に関する知識も問われます。

基礎能力試験

公務員として必要な基礎的な知能と知識が問われます。

知能分野では、文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈などが出題されます。知識分野では、社会科学、人文科学、自然科学、時事などが出題範囲に含まれます。

専門試験・専門記述

区分ごとの専門分野から出題されます。多肢選択式の専門試験では、各職種に必要な専門知識を確認します。

専門記述では、心理、教育、福祉、更生保護、矯正、社会問題などについて、専門的な観点から文章で説明する力が問われます。区分によって出題分野や重視される内容が異なります。

人物試験

個別面接により、職務への適性、責任感、協調性、判断力、対人理解、コミュニケーション能力などが確認されます。

対象者と直接関わる職種であるため、知識だけでなく、冷静に対応する力、相手の状況を理解する姿勢、組織の中で働く力も評価対象になります。

試験科目と出題数

第1次試験では、基礎能力試験、専門試験、専門記述試験が実施されます。区分によって、専門試験の内容や専門記述の出題分野が異なります。

第2次試験では、人物試験、身体検査、身体測定などが行われます。矯正心理専門職、法務教官、保護観察官のいずれも、筆記試験だけでなく、面接や身体面の確認を含めて総合的に判定されます。

基礎能力試験と専門試験は多肢選択式、専門記述試験は記述式で実施されます。

合格基準

第1次試験では、基礎能力試験、専門試験、専門記述試験の成績をもとに合否が判定されます。各試験種目には基準点が設けられ、基準に達しない種目がある場合は、総合点にかかわらず不合格となる場合があります。

最終合格は、第1次試験と第2次試験の結果を総合して決定されます。専門知識だけでなく、人物試験での評価、職務適性、身体検査・身体測定の結果も合否に関わります。

法務省専門職員試験の受験者数・合格率

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年度申込者数受験者数第1次試験合格者数第2次試験受験者数最終合格者数倍率
2025年度1,790人1,238人818人703人422人2.9倍
2024年度1,880人1,365人840人706人451人3.0倍
2023年度1,990人1,320人852人753人472人2.8倍
2022年度2,112人1,384人875人762人493人2.8倍
2021年度2,131人1,472人1,016人920人532人2.8倍

法務省専門職員試験の難易度

法務省専門職員試験は、国家公務員の専門職試験として、一般的な教養試験だけでなく、人間科学系の専門知識や人物評価まで問われるため、しっかりした対策が必要です。矯正心理専門職、法務教官、保護観察官の区分によって求められる専門性は異なりますが、いずれも筆記・記述・面接をバランスよく準備する必要があります。

難しさの理由は、基礎能力試験に加えて、心理学、教育学、福祉、社会学などの専門分野が出題されるためです。一般的な公務員試験の数的処理や文章理解、時事対策だけでなく、人間の行動、発達、教育、福祉制度、社会問題などを幅広く理解しておく必要があります。

特に矯正心理専門職では、心理学に関する専門的な知識が重視されます。心理検査、面接、発達、臨床心理、犯罪・非行の理解などに関する知識が必要になるため、心理学を大学などで学んできた人の方が取り組みやすい区分です。一方で、心理学の学習経験が少ない人は、専門科目の基礎固めに時間がかかりやすいでしょう。

法務教官や保護観察官では、心理学だけでなく、教育学、福祉、社会学の知識も重要になります。非行少年や受刑者、更生保護対象者などと関わる仕事に直結する内容が多いため、知識を暗記するだけでなく、支援・指導・更生に関する考え方を理解しておくことが大切です。

また、人物試験の対策も欠かせません。法務省専門職員は、人と深く関わる仕事であり、対人能力、責任感、冷静さ、倫理観、ストレス耐性などが重視されます。筆記試験の得点だけでなく、なぜこの職種を目指すのか、対象者とどう向き合うのかを自分の言葉で説明できるようにしておくことが合格につながります。

法務省専門職員試験の勉強法

基礎能力試験では、文章理解、数的処理、判断推理、資料解釈、社会科学、人文科学、自然科学などが出題されます。特に数的処理や判断推理は慣れが必要なので、公務員試験用の問題集を使い、早めに演習を始めることが大切です。

専門試験では、心理学、教育学、福祉、社会学、法律など、区分に応じた専門知識が問われます。矯正心理専門職では心理学、法務教官では教育・心理・福祉、保護観察官では更生保護や福祉・社会学系の知識を重点的に確認しておくとよいでしょう。

論作文や面接では、法務省専門職員としての使命感、非行少年や受刑者、保護観察対象者への関わり方、人権意識、再犯防止、社会復帰支援などについて、自分の考えを整理しておく必要があります。単なる理想論ではなく、相手の立場を理解しながら、専門職としてどう支援するかを具体的に説明できるようにしましょう。

法務省専門職員試験は、筆記試験だけでなく人物面も重視される試験です。基礎能力試験は公務員試験対策を軸に、専門試験は受験区分に合わせて重点分野を固め、論作文・面接では職務理解と志望動機を明確にする勉強法がおすすめです。

資格を活かせる仕事

主に矯正心理専門職、法務教官、保護観察官などです。矯正心理専門職は、少年鑑別所や刑事施設などで心理検査や面接を行い、対象者の性格や行動傾向を分析します。法務教官は、少年院などで非行少年の指導や教育を行い、社会復帰を支援します。保護観察官は、保護観察中の人や更生を目指す人に対して、生活指導や就労支援、関係機関との調整を行います。

法務省専門職員は、法律や心理、教育、福祉、社会学などの知識を活かしながら、人の更生や社会復帰を支える仕事です。対象者と継続的に関わるため、冷静な判断力、忍耐力、コミュニケーション力、相手の背景を理解する姿勢が求められます。

一方で、法務省専門職員試験は、民間企業への就職・転職で直接評価される資格ではありません。あくまで法務省の専門職員として採用されるための試験です。心理職や福祉職、教育・更生支援の分野に関心がある人には向いていますが、一般的な事務職や民間企業で広く使える資格とは性質が異なります。

法務省専門職員試験は、公務員として人の更生や社会復帰に関わりたい人に向いています。採用後は、研修や現場経験を通じて、矯正・更生保護・心理支援などの専門性を高めていく試験と考えるとよいでしょう。

資格を広めてくれると嬉しいです!
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