獣医師国家試験の難易度・合格率・試験日など

獣医師免許を取得するために必要な国家試験です。犬や猫などの小動物だけでなく、牛・豚・鶏などの産業動物、公衆衛生、食品衛生、感染症対策など、動物と人の健康に関わる幅広い知識が問われます。

受験するには、原則として大学の獣医学課程を修了する必要があります。試験では、基礎獣医学、病理学、薬理学、臨床獣医学、衛生学、感染症、畜産、公衆衛生など、6年間で学ぶ専門分野から総合的に出題されます。

試験は必須問題、学説試験、実地試験で構成され、知識を覚えているだけでなく、診療や衛生管理の場面でどう判断するかも問われます。合格後は免許登録を行うことで、動物病院、家畜診療所、自治体、製薬会社、食品衛生分野、研究機関など、幅広い分野で獣医師として働くことができます。

合格率は比較的高めに見える年もありますが、獣医学部で6年間専門的に学んだ人が受験する試験です。そのため、試験単体の合格率だけで簡単と判断するのではなく、受験資格を得るまでの学習量も含めて難易度の高い資格といえます。

目次

獣医師国家試験の基本情報

資格種別国家資格(業務独占資格)
ジャンル動物・ペット
資格区分なし
受験資格大学の獣医学課程を卒業した者、または卒業見込みの者。外国の獣医学校卒業者などは、認定により受験できる場合があります。
試験日程年1回。例年2月中旬に実施
試験方法筆記試験。必須問題、学説試験、実地試験など
試験場所北海道、東京都、福岡県
受験料13,900円
登録・更新合格後、獣医師免許の登録申請が必要。新規登録は収入印紙32,000円分
問い合わせ農林水産省-獣医師、獣医療
関連資格認定動物看護師
愛玩動物飼養管理士
実験動物技術者
動物愛護社会化検定
医師

獣医師国家試験の試験日

2025年度試験

試験日申込期間合格発表
2026年2月17日・2月18日2025年12月15日~12月31日2026年3月11日

獣医師国家試験の試験内容

出題範囲

獣医学全般が出題範囲です。基礎獣医学、病態獣医学、応用獣医学、臨床獣医学など、獣医師として必要な知識が幅広く問われます。

具体的には、解剖学、生理学、生化学、薬理学、病理学、微生物学、寄生虫学、感染症、公衆衛生、食品衛生、毒性学、内科学、外科学、繁殖学、画像診断、産業動物・伴侶動物の疾患などが対象です。

また、獣医師法や関係法規、動物福祉、家畜衛生、人獣共通感染症など、社会的責任に関わる内容も含まれます。農林水産省では、獣医師国家試験出題基準と過去問題・正答値を公開しています。

試験科目と出題数

試験は、必須問題、学説試験、実地試験に分かれています。出題形式は主に五肢択一のマークシート方式です。

出題数は、必須問題50問、学説試験160問、実地試験120問の合計330問です。農林水産省の過去問題では、必須問題、問題A、問題B、問題C、問題Dに分かれて公開されています。

必須問題では、獣医師として必ず身につけておくべき基本事項が問われます。学説試験では、獣医学の基礎から応用・臨床までの知識を確認し、実地試験では、症例や写真、検査結果などをもとに診断・対応を判断する力が問われます。

合格基準

合格には、必須問題と、それ以外の学説・実地問題の両方で基準を満たす必要があります。

目安として、必須問題は70%以上、学説試験・実地試験は合計で60%以上の得点が必要です。年度によっては、問題の難易度などに応じて補正が行われる場合があります。

獣医師国家試験の受験者数・合格率

年度受験者数合格者数合格率
2025年度1,433人980人68.4%
2024年度1,440人1,036人71.9%
2023年度1,394人1,013人72.7%
2022年度1,254人877人69.9%
2021年度1,196人960人80.3%

獣医師国家試験の難易度

医療系国家資格の中でもかなり難易度が高い試験です。そもそも受験資格を得るまでに獣医学課程で長期間学ぶ必要があり、試験だけでなく、大学での専門学習や実習を含めて負担の大きい資格です。

難しさの大きな理由は、学習範囲が非常に広く、知識量も多いことです。ペットとして身近な犬や猫だけでなく、産業動物や公衆衛生に関する知識も必要になるため、動物が好きという気持ちだけで乗り切れる試験ではありません。幅広い分野を正確に理解し、国家試験の段階で整理し直す力が求められます。

また、暗記量が多いだけでなく、症状や状況から原因や対応を判断する力も必要になります。単に知識を覚えるだけではなく、複数の分野を結びつけて考える場面も多いため、学習が浅い部分があると得点に結びつきにくい試験です。

獣医学部で専門的に学んできた人が受験する試験ではありますが、それでも簡単に合格できる資格ではありません。大学での学習をしっかり積み重ねてきた人でも、国家試験前には広い範囲を総復習する必要があり、準備にはかなりの時間と集中力が求められます。

全体として、獣医師国家試験は受験資格を得るまでのハードルも、試験本番までに必要な学習量も大きい資格です。動物医療に強い関心があり、長期間の専門学習を継続できる人でなければ取得は難しく、資格全体としてはかなり専門性の高い国家資格といえます。

獣医師国家試験の勉強法

疾患名や薬剤名を暗記するだけでなく、症状、検査所見、診断、治療、予防をセットで整理することが重要です。小動物臨床では、消化器、循環器、呼吸器、泌尿器、皮膚、神経、内分泌などの疾患を、実際の診療場面をイメージしながら学ぶと理解が深まりやすくなります。産業動物では、牛、豚、鶏などの疾病や衛生管理、繁殖、畜産との関わりも押さえておく必要があります。

また、獣医師試験では、動物の診療だけでなく、公衆衛生や食品衛生、人獣共通感染症、家畜衛生、動物福祉、関係法規も重要な分野です。感染症の予防、ワクチン、検疫、食肉衛生、動物愛護管理などは、社会全体の安全にも関わる内容として整理しておくと理解しやすくなります。

試験対策では、過去問を使って出題傾向に慣れ、間違えた問題は「基礎知識の不足」「疾患理解の整理不足」「検査・治療の判断」「公衆衛生や法規の見落とし」のどこでつまずいたのかを確認すると復習しやすくなります。直前期は、頻出疾患、感染症、薬理、公衆衛生、関係法規を中心に復習し、知識を「動物の状態を把握する」「原因を考える」「検査・治療を選ぶ」「予防や社会的影響まで考える」という流れで整理すると、試験本番でも応用しやすくなります。

資格を活かせる仕事

動物病院、家畜診療所、畜産関連施設、動物園、水族館、競走馬・乗馬クラブ、製薬会社、食品会社、飼料メーカー、検査機関、研究機関、大学、自治体、保健所、食肉衛生検査所、動物愛護センターなどがあります。犬や猫などの小動物診療だけでなく、牛・豚・鶏などの産業動物、感染症対策、食品の安全管理、動物用医薬品の開発などにも関われます。

獣医師の仕事は、動物の病気を治すだけではありません。ワクチン接種や健康診断、手術、繁殖管理、飼い主への説明、家畜の衛生管理、食肉検査、動物由来感染症の予防など、社会全体の安全や健康にも関係します。特に産業動物や公衆衛生の分野では、動物の健康を守ることが、人の食の安全や感染症対策にもつながります。

就職・転職において、獣医師免許は非常に実用性の高い資格です。動物病院での臨床、自治体の獣医職、製薬・食品・研究分野など、資格が応募条件になる仕事も多くあります。一方で、進む分野によって求められる力は大きく異なります。小動物臨床では診療技術や飼い主対応、産業動物分野では現場対応力や畜産への理解、公衆衛生分野では法令や検査業務への知識が重要になります。

獣医師試験は、動物医療や公衆衛生、畜産、研究開発に関わりたい人に向いています。臨床経験、研究経験、食品衛生・感染症・薬学・畜産に関する知識、コミュニケーション力を磨くことで、動物病院だけでなく、行政、食品、医薬品、研究機関など幅広い分野で活躍しやすくなるでしょう。

受験者の口コミ評判

若者スーツ男タイトルなし
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獣医師の資格は、まず獣医大学を卒業しないと国家試験を受ける資格がもらえない。専門学校などもだめ。なので、人間の医師と同じようにまず大学に入学しなければならない。
そのため、受験資格自体もってないといけないことから、合格率は約8割後半から9割と高い。もちろん、それに合格するために大学に入っているため、受からなければ話にならないので熱が入るのはあたりまえだ。(2018年12月)

スーツ男飽和状態
2.0 歴史好き 40代会社員

獣医師は動物病院や小動物病院の他にも、動物園や水族館での勤務医や、公務員として働くことも可能です。獣医師の資格を受験するには、大学の獣医学科に入学して卒業しなければいけません。試験自体はそれほど難しくないが、なんせ受験資格を得られる大学が少ない。
獣医学科はたしか16で1000人ほどしかありません。かといって晴れて獣医師になれても収入は医師ほど高くないし何より激務です。
私は動物病院で勤務していますが、病院内に多くての数人しか獣医師がいませんのでかなりの激務になります。基本的に週休1日です。定休日があっても入院動物の治療や管理をしなければいけませんので、必ず誰かしら出勤しなければいけません。また、獣医師の数は年々増加しており飽和状態のあるといっていいでしょう。(2017年1月)

資格を広めてくれると嬉しいです!
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