自動車検査員試験とは
指定整備工場で、整備が終わった自動車が保安基準に適合しているかを確認するための資格です。自動車検査員は、民間車検場で車検に関わる重要な検査を担当し、整備内容や車両の状態を確認する責任ある立場です。
取得には、1級または2級自動車整備士の資格を持ち、整備主任者として一定期間の実務経験を積んだうえで、自動車検査員教習を受けて試問に合格する必要があります。勤務先が指定整備工場であることも条件になります。
自動車検査員は、本来国が行う検査に関わる立場のため、業務中は責任が重く、みなし公務員として扱われます。また、自分が整備した車両を自分で検査することはできません。
自動車整備士として経験を積み、指定整備工場や民間車検場でさらに責任ある立場を目指したい人に向いている資格です。整備の知識だけでなく、法令や検査基準を正しく理解し、安全な車社会を支える専門職といえるでしょう。
自動車検査員試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
| ジャンル | 車・船・航空 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 整備主任者として1年以上の実務経験がある人。一級整備士は6か月以上。直近の整備主任者法令研修の受講、教習修了後3年以内に自動車検査員として選任予定などの条件あり |
| 試験日程 | 地方運輸局・自動車整備振興会により異なる |
| 試験方法 | 自動車検査員教習を受講後、修了試問を受験 |
| 免除科目 | 修了試問不合格者は、一定期間内に1回のみ試問だけ再受験できる場合あり |
| 試験場所 | 各地域の自動車整備振興会、運輸支局関連施設など |
| 受験料 | 地域・講習内容により異なる |
| 登録・更新 | 合格後、指定自動車整備事業者で自動車検査員として選任 |
| 問い合わせ | 各地の運輸局自動車技術安全部整備課など |
| 関連資格 | 自動車整備士 自転車安全整備士 航空工場検査員 |
自動車検査員試験の試験内容
自動車検査員教習を受講した後に、修了試問で検査員として必要な知識が確認されます。出題は、法令・通達に関する基本知識、検査員として実務上必要な知識、完成検査や保安基準に関する判断などが中心です。
修了試問は地方運輸局ごとに実施されるため、問題の細部や実施時期は地域によって異なります。中部運輸局の案内でも、道路運送車両法、自賠法、高圧ガス、保安基準、審査事務規程、点検基準、通達などに関する内容が出題されるとされています。
出題範囲
検査に関する項目
自動車の構造・装置、保安基準、検査基準、完成検査の実施方法などが問われます。自動車が保安基準に適合しているかを判断するため、車両の構造や装置の状態、検査時の確認項目を正確に理解しておく必要があります。
法令・通達
道路運送車両法、自動車損害賠償保障法、高圧ガス保安法、保安基準、審査事務規程、点検基準、関係通達などが出題範囲に含まれます。検査員として業務を行ううえで、どの法令に基づいて判断するのかを整理しておくことが重要です。
整備関係法令
指定自動車整備事業、点検整備、検査業務、記録簿、検査員の職務や責任など、自動車整備事業に関係する法令知識が問われます。単なる暗記ではなく、実務でどのように適用するかを理解しておく必要があります。
計算問題
制動力、軸重、保安基準に関係する数値判定など、検査業務で必要となる計算問題も出題されます。計算式を覚えるだけでなく、問題文の条件を読み取り、正しい数値を出せるようにしておくことが大切です。
試験科目と出題数
修了試問は、検査関係と法令関係を中心に出題されます。公開情報では、検査関係は整備問題・車両問題、法令関係は基礎法令・整備関係法令に分かれるとされています。
出題数は実施地域によって異なる場合がありますが、一般的には約100問とされています。出題形式は、穴埋め、正誤問題、選択問題、計算問題などです。
合格基準
合格基準は、全体で8割以上、かつ各章・各分野で6割以上の正答が目安とされています。全体の得点が基準に達していても、特定分野の得点が基準を下回ると不合格になる場合があります。
修了試問は地方運輸局ごとに実施されるため、正式な合格基準や出題形式は、受講する地域の自動車検査員教習の案内で確認する必要があります。
自動車検査員試験の受験者数・合格率
合格率は概ね50%~70%程と言われています。
自動車検査員試験の難易度
自動車整備士としての知識や実務経験を前提にした試験なので、まったくの未経験者が気軽に受けられる資格ではありません。すでに整備主任者として実務に携わっている人であれば、業務と結びつけながら学習しやすい一方、検査業務や法令に慣れていないと難しく感じるでしょう。
特に、整備の技術だけでなく、保安基準や検査に関する法令を正確に理解する必要がある点が難しさにつながります。現場経験があっても、普段の感覚だけで判断するのではなく、検査員として基準に沿って適切に判定できる力が求められます。
また、自動車検査員は指定工場で完成検査を行う重要な立場になるため、責任も大きい資格です。その分、講習を受ければ誰でも簡単に取得できるというものではなく、講習内容をしっかり復習し、法令や検査基準を整理しておく必要があります。
総合的に見ると、自動車検査員試験は、整備士としての経験がある人でも油断できない試験です。難関資格というほどではありませんが、実務経験に加えて法令知識と検査員としての判断力が必要になる、標準〜やや難しめの資格といえるでしょう。
自動車検査員試験の勉強法
まず教習で配布される資料やテキストをしっかり確認し、検査業務に必要な法令や基準を整理することが大切です。特に保安基準や検査の判定基準は、実務でも試験でも重要になります。
そのうえで、過去問を繰り返し解いて出題傾向に慣れておきましょう。自動車検査員試験は地域によって問題が異なることがあるため、できれば自分が受講する運輸局・整備振興会の過去問を中心に対策すると効率的です。
計算問題や法令の数字は、曖昧なままだと失点しやすい部分です。検査基準、点検基準、指定整備事業に関する義務、記録・書類、保安基準の数値などは、問題を解きながら正確に覚えておきましょう。
独学だけでなく、教習内容を復習しながら過去問を徹底的にこなすことが合格への近道です。整備士としての実務経験があっても、法令や検査基準は別途対策が必要になるため、講習前後に計画的に学習しておくと安心です。
資格を活かせる仕事
自動車検査員は資格が無ければ業務を行うことができません。(業務独占資格)
ですので、資格を取得することにより資格手当を支給している企業も多いので、スキルアップは勿論のこと、自動車整備士の更なる収入アップの為の資格としても認知されています。
自動車検査員の仕事とは、民間の車検場で整備された車が「道路輸送車両法」の基準に適合しているかを判断する事です。つまり、車検を受けた車の最終的なチェックをする責任ある仕事です。
自動車検査員は国家資格であり、国が行うべき検査を代行する仕事なので、公務員待遇となります。その為、刑法や罰則規定も公務員と同様に課されますので、そういった自分の立場も日頃からよく弁えておきましょう。
自動車検査員の資格を取得している人は、車の指定整備工場に必ず1人は置かなくてはならない「検査責任者」になる事が出来ます。他の整備員よりも給与や待遇は上となります。
資格侍車検を受けた車の最終的な点検を任されるので、責任感と遣り甲斐、両方を感じる事が出来ると思います。

