総合旅行業務取扱管理者試験とは
国内旅行と海外旅行の両方に関する旅行業務を取り扱うために必要な知識を評価する国家試験です。旅行業務取扱管理者には、国内旅行業務を扱う国内旅行業務取扱管理者、国内・海外の両方を扱える総合旅行業務取扱管理者、一定の地域内の旅行業務を扱う地域限定旅行業務取扱管理者があります。
総合旅行業務取扱管理者試験では、旅行業法、旅行業約款、国内旅行実務に加えて、海外旅行実務も出題されます。海外旅行実務には、国際航空運賃、出入国手続き、海外観光地理、旅行英語などが含まれるため、国内旅行業務取扱管理者試験よりも学習範囲は広く、難易度も高めです。
旅行業法では、旅行業者は営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選任する必要があります。総合旅行業務取扱管理者は国内・海外の旅行業務に対応できるため、旅行会社や観光関連企業で働きたい人、海外旅行商品の企画・販売に関わりたい人にとって実務に直結しやすい資格です。
総合旅行業務取扱管理者試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(必置資格) |
| ジャンル | サービス・販売 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 制限なし ※受験停止期間中の人を除く |
| 試験日程 | 年1回、例年10月頃 |
| 試験方法 | 筆記試験、マークシート方式 |
| 免除科目 | 国内旅行業務取扱管理者試験合格者、前年度一部科目合格者、指定研修修了者などに一部免除あり |
| 試験場所 | 全国主要都市など |
| 受験料 | 13,000円 |
| 登録・更新 | 資格自体の更新制度なし |
| 問い合わせ | 一般社団法人 日本旅行業協会 |
| 関連資格 | 国内旅行業務取扱管理者 ツアーコンダクター サービス接遇検定 |
総合旅行業務取扱管理者試験の日程
2025年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 10月26日(日) | 7月10日~8月1日 | 12月11日 |
総合旅行業務取扱管理者試験の内容
国内旅行と海外旅行の両方を取り扱うために必要な知識を問う国家試験です。旅行会社や旅行業者の営業所で選任される旅行業務取扱管理者のうち、国内・海外の両方に対応できる資格です。
試験は「旅行業法令」「約款」「国内旅行実務」「海外旅行実務」の4科目で構成されています。国内旅行業務取扱管理者試験に比べて、海外旅行実務が加わるため、出題範囲は広くなります。旅行業法、旅行契約、運送・宿泊約款、国内外の運賃・料金、出入国手続き、海外観光地理などを総合的に理解しておく必要があります。
出題範囲
旅行業法令
旅行業の登録制度、営業保証金、旅行業務取扱管理者の選任、取引条件の説明、書面交付、広告表示、禁止行為など、旅行業を適正に行うための法令知識が問われます。
約款
旅行業約款、運送約款、宿泊約款など、旅行者との契約や取消料、特別補償、旅程管理、運送・宿泊サービスの取り扱いに関する知識が出題されます。
国内旅行実務
JR、航空、貸切バス、フェリー、宿泊料金など、国内旅行の手配や料金計算に関する内容が問われます。旅行実務で必要となる計算問題も含まれます。
海外旅行実務
国際航空運賃、出入国手続き、旅券・査証、海外旅行保険、国際運送約款、海外観光地理など、海外旅行を取り扱うための実務知識が出題されます。総合旅行業務取扱管理者試験では、この海外旅行実務が大きな特徴です。
試験科目と出題数
試験科目は「旅行業法令」「約款」「国内旅行実務」「海外旅行実務」の4科目です。配点は、旅行業法令が100点、約款が100点、国内旅行実務が100点、海外旅行実務が200点です。
国内旅行業務取扱管理者の有資格者や、一定の研修修了者などは、一部科目が免除される場合があります。なお、「旅行業法」と「約款」については科目合格制度の対象外とされています。
合格基準
合格基準は、各受験科目で満点の60%以上です。総合点だけで判定されるのではなく、受験した科目ごとに基準点を満たす必要があります。
総合旅行業務取扱管理者試験の受験者数・合格率
2025年度
| 受験区分 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 受験区分A | 2,647人 | 1,948人 | 227人 | 11.7% |
| 受験区分B | 107人 | 101人 | 49人 | 48.5% |
| 受験区分C | 493人 | 443人 | 26人 | 5.9% |
| 受験区分D | 516人 | 507人 | 294人 | 58.0% |
| 受験区分E | 1,520人 | 1,313人 | 389人 | 29.6% |
| 受験区分F | 202人 | 201人 | 194人 | 96.5% |
| 受験区分G | 8人 | 6人 | 0人 | 0.0% |
| 受験区分H | 0人 | 0人 | 0人 | ― |
| 合計 | 5,493人 | 4,519人 | 1,179人 | 26.1% |
2024年度
| 受験区分 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 受験区分A | 2,912人 | 2,112人 | 279人 | 13.2% |
| 受験区分B | 89人 | 82人 | 53人 | 64.6% |
| 受験区分C | 514人 | 452人 | 42人 | 9.3% |
| 受験区分D | 337人 | 335人 | 240人 | 71.6% |
| 受験区分E | 1,809人 | 1,542人 | 560人 | 36.3% |
| 受験区分F | 155人 | 153人 | 146人 | 95.4% |
| 受験区分G | 3人 | 3人 | 0人 | 0.0% |
| 受験区分H | 1人 | 1人 | 0人 | 0.0% |
| 合計 | 5,820人 | 4,680人 | 1,320人 | 28.2% |
2023年度
| 受験区分 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 受験区分A | 2,959人 | 2,102人 | 167人 | 7.9% |
| 受験区分B | 99人 | 95人 | 21人 | 22.1% |
| 受験区分C | 451人 | 396人 | 42人 | 10.6% |
| 受験区分D | 377人 | 368人 | 251人 | 68.2% |
| 受験区分E | 1,818人 | 1,572人 | 416人 | 26.5% |
| 受験区分F | 163人 | 162人 | 153人 | 94.4% |
| 受験区分G | 4人 | 4人 | 0人 | 0.0% |
| 受験区分H | 0人 | 0人 | 0人 | ― |
| 合計 | 5,871人 | 4,699人 | 1,050人 | 22.3% |
総合旅行業務取扱管理者試験の難易度
標準〜やや難しめです。
合格率だけを見ると、国内旅行業務取扱管理者試験と大きな差がないように感じるかもしれません。しかし、総合旅行業務取扱管理者試験は国内旅行だけでなく、海外旅行に関する知識も必要になるため、学習範囲はかなり広くなります。
国内旅行業務取扱管理者試験と比べると、覚える内容が増える分、初学者にとっては負担が大きくなりやすいです。特に海外旅行業務にあまりなじみがない人は、用語や仕組みを理解するところから始める必要があるため、国内試験よりも難しく感じるでしょう。
一方で、極端な難関資格というわけではありません。試験範囲をきちんと整理し、苦手分野を残さず対策すれば、実務経験がない人でも独学で合格を目指すことは可能です。
総合的に見ると、総合旅行業務取扱管理者試験は、旅行業務取扱管理者試験の中では難易度が高めの資格です。国内旅行業務取扱管理者よりも学習量が多くなるため、余裕を持って計画的に勉強を進める必要があります。
総合旅行業務取扱管理者試験の勉強法
国内旅行業務取扱管理者試験よりも出題範囲が広く、海外旅行実務や旅行業英語の対策が必要になります。そのため、まずは試験科目ごとに学習計画を立て、苦手分野を早めに把握することが大切です。
勉強の基本は、テキストで全体像をつかみ、過去問や問題集を繰り返し解くことです。JTB総合研究所では、国内・総合旅行業務取扱管理者試験向けの教材として、旅行業法、約款、国内旅行実務、海外旅行実務、国際航空運賃、旅行業英語、海外観光資源などの教材が案内されています。
旅行業法と約款は暗記要素が多いため、まずは重要用語や数字、手続きの流れを整理して覚えましょう。国内旅行実務では、JR運賃・料金、航空、宿泊、国内観光地理などが出題されるため、計算問題や地理問題に慣れておく必要があります。
総合試験で特に差がつきやすいのが、海外旅行実務です。出入国手続き、旅券、査証、時差、国際航空運賃、海外観光地理、旅行業英語など、幅広い内容が問われます。海外旅行実務は一度に覚えようとすると負担が大きいため、分野ごとに分けて、少しずつ問題演習を重ねるのがおすすめです。
旅行業英語については、難しい英作文力よりも、旅行業務で使われる英文や専門用語を正しく読み取る力が重要です。航空券、ホテル、ツアー、契約条件、案内文などで使われる英単語や表現に慣れておくとよいでしょう。
独学でも合格を目指せますが、範囲が広いため、国内試験よりも計画的な学習が必要です。特に海外旅行実務や国際航空運賃に苦手意識がある方は、通信講座や対策講座を利用するのも一つの方法です。テキストで知識を入れ、問題演習で出題形式に慣れ、間違えた分野を重点的に復習する流れで進めると、効率よく対策できます。
総合旅行業務取扱管理者試験のお勧めテキスト
2026年版 ユーキャンの国内・総合旅行業務取扱管理者 速習レッスン
国内・総合の両方に対応した定番テキストです。旅行業法、約款、国内旅行実務などを体系的に学べるため、総合旅行業務取扱管理者を目指す人の基礎固めに向いています。まず全体像をつかみたい人に使いやすい教材です。
2026年版 ユーキャンの総合旅行業務取扱管理者 過去問題集
総合旅行業務取扱管理者試験の仕上げに使いやすい過去問題集です。重要過去問をテーマ別に演習した後、模擬試験形式で確認できる構成なので、出題傾向の把握や苦手分野の確認に役立ちます。
旅行業務取扱管理者試験 標準テキスト 4 海外旅行実務 2026年対策
総合試験で重要になる海外旅行実務を重点的に学べるテキストです。国際航空運賃、出入国法令、海外実務、語学などを解説しており、国内試験から総合試験へステップアップする人の追加学習にも向いています。
ユーキャンの旅行業務取扱管理者 観光資源 ポケット問題集&要点まとめ
国内・海外の観光資源を整理したい人に使いやすい要点まとめ本です。観光地理は暗記量が多いため、地図やテーマ別の整理で繰り返し確認できる教材を併用すると、直前期の見直しにも役立ちます。
総合旅行業務取扱管理者を活かせる仕事
国内旅行だけでなく海外旅行も取り扱える国家資格です。旅行業者は営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選任する必要があり、特に海外旅行を扱う営業所では、総合旅行業務取扱管理者試験に合格した人を選任する必要があります。
活かしやすい仕事としては、旅行会社、旅行代理店、ツアー企画、ツアーオペレーター、海外旅行部門、団体旅行の手配、法人向け出張手配、添乗・旅行カウンター業務、ホテル・航空会社・鉄道会社など旅行関連の仕事があります。
特に、海外旅行商品を扱う会社では、旅行契約、取引条件の説明、旅程管理、航空券・宿泊・現地手配など、幅広い知識が求められます。総合旅行業務取扱管理者は国内旅行業務取扱管理者よりも扱える範囲が広いため、旅行業界で長く働きたい人や、海外旅行に関わる仕事を目指す人に向いています。
また、旅行会社によっては資格手当の対象になる場合もあり、実務経験と組み合わせることで評価されやすくなります。ただし、資格を取得しただけで旅行業界への就職・転職が必ず有利になるわけではありません。接客力、語学力、旅行商品の知識、手配業務の経験、トラブル対応力なども重要です。
そのため、総合旅行業務取扱管理者は、旅行業界で働くうえで非常に実務性の高い資格です。国内旅行業務取扱管理者からステップアップしたい人や、旅行会社で管理者・海外旅行担当・企画職を目指したい人にとって、取得する価値の高い資格といえるでしょう。

