液化石油ガス設備士試験とは
LPガス設備の工事に必要な知識と技能を認定する国家試験です。一般家庭や店舗などで使用される液化石油ガス設備について、配管工事、器具の取り付け、気密試験、漏えい試験などを安全に行うための専門性が問われます。
試験は筆記試験と技能試験で構成されています。筆記試験では、液化石油ガスに関する基礎知識、配管理論、配管設計、燃焼理論、施工方法、検査方法、関係法令などが出題されます。技能試験では、工具や材料を使った配管作業など、実際の設備工事に必要な作業能力が評価されます。
LPガス販売会社、ガス設備工事会社、住宅設備会社、リフォーム会社、建設会社などで活用しやすい資格です。液化石油ガス設備工事を行ううえで重要な資格であり、LPガス設備の施工や保安に関わる仕事を目指す人に向いています。
液化石油ガス設備士試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
|---|---|
| ジャンル | 保安・技術 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年1回。例年11月ごろに筆記試験、12月ごろに技能試験を実施 |
| 試験方法 | 筆記試験と技能試験で実施。筆記試験は択一式、技能試験は配管作業などの実技形式 |
| 免除科目 | 前年度の筆記試験合格者は、申請により筆記試験が免除される場合があります |
| 試験場所 | 各都道府県の指定試験地。筆記試験と技能試験で会場が異なる場合があります |
| 受験料 | 電子申請:22,700円/書面申請:23,200円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 高圧ガス保安協会 |
| 関連資格 | 火薬類保安責任者 危険物取扱者 毒物劇物取扱責任者 第1種圧力容器取扱作業主任者 |
液化石油ガス設備士試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 筆記試験:11月8日予定 技能試験:公式発表後に確認 | 8月中旬~9月上旬予定 | 公式ページで確認 |
液化石油ガス設備士試験の試験内容
筆記試験と技能試験で構成されています。筆記試験では、LPガス設備工事に必要な法令、配管理論、施工方法、供給設備・消費設備の検査方法などが問われます。
技能試験では、配管用材料や工具を使い、硬質管の加工・接続、器具の取付け、気密試験、漏えい試験などを行います。LPガス設備を安全に施工し、ガス漏れや接続不良を防ぐための知識と技能が確認されます。
出題範囲
液化石油ガスに関する法令
液化石油ガス法、保安業務、液化石油ガス設備工事、供給設備、消費設備、技術上の基準、設備士の義務などが出題されます。
LPガス設備は火災や爆発の危険を伴うため、工事や検査、保安管理に関する法令上の基準を理解しているかが問われます。
配管理論
LPガスの性質、燃焼、圧力、配管材料、配管径、ガスの流量、圧力損失、器具の接続などが出題されます。
ガスを安全かつ安定して供給するために、配管の構造やガスの流れ、圧力に関する基本的な考え方を理解する内容です。
液化石油ガス設備工事の施工方法
配管の施工、ねじ切り、接続、支持、器具の取付け、配管経路、工事上の注意点などが問われます。
屋内外の配管工事、ガスメーターや調整器、燃焼器具との接続など、実際のLPガス設備工事に関係する内容が中心です。
供給設備及び消費設備の検査方法
気密試験、漏えい試験、圧力確認、設備点検、調整器や配管の確認、燃焼器具の接続確認などが出題されます。
施工後に設備が安全に使用できる状態かを確認するための検査方法を理解しているかが問われます。
技能試験
配管用材料及び工具の使用、硬質管の加工及び接続、器具等の取付け、気密試験、漏えい試験が行われます。
工具の扱い、ねじ加工、接続部の仕上がり、器具の取付状態、試験手順などが評価対象になります。
試験科目と出題数
筆記試験は、液化石油ガスに関する法令、配管理論、液化石油ガス設備工事の施工方法、供給設備及び消費設備の検査方法から出題されます。
筆記試験の試験時間は90分です。筆記試験に合格した人が、技能試験を受験します。
技能試験は、電動ねじ切り機を使用する場合は60分、手動ねじ切り機を使用する場合は75分で実施されます。
合格基準
筆記試験は、各科目で満点の60%程度が合格基準です。
技能試験も、満点の60%程度が合格基準です。筆記試験と技能試験の両方で基準を満たすことで、液化石油ガス設備士試験の合格となります
液化石油ガス設備士試験の受験者数・合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 1,577人 | 600人 | 38.0% |
| 2024年度 | 1,496人 | 528人 | 35.3% |
| 2023年度 | 1,339人 | 412人 | 30.8% |
| 2022年度 | 1,480人 | 540人 | 36.5% |
| 2021年度 | 1,768人 | 592人 | 33.5% |
液化石油ガス設備士試験の難易度
LPガス設備や配管工事に関わった経験がある人であれば取り組みやすい一方、ガス設備に初めて触れる人には専門性を感じやすい試験です。筆記だけでなく技能試験もあるため、知識を覚えるだけではなく、実際の作業手順や安全確認を理解していることが重要になります。
負担になりやすいのは、法令・保安管理・設備施工をあわせて押さえる必要がある点です。LPガスの性質、供給設備、消費設備、配管、調整器、メーター、燃焼器具、漏えい防止、安全装置など、実務に近い知識が問われます。現場経験がある人はイメージしやすい内容ですが、未経験者は機器の役割や配管の流れを理解するまでに時間がかかりやすいでしょう。
また、技能試験では、配管作業や工具の扱い、接続部分の処理、安全確認など、実際の施工に近い力が求められます。筆記で内容を理解していても、作業に慣れていないと時間内に正確に仕上げる部分で苦労しやすい試験です。
ガス販売店、設備工事会社、住宅設備、リフォーム、配管工事などに関わっている人は、実務と結びつけながら理解しやすい資格です。一方で、ガス設備の経験が少ない人は、LPガスの性質、関係法令、設備の構成、施工時の安全管理を整理する部分で負担を感じやすいでしょう。
資格を活かせる仕事
LPガス販売会社、ガス設備工事会社、住宅設備会社、リフォーム会社、工務店、給湯器・ガス機器関連会社、ガス器具の設置・保守を行う会社などがあります。特に、ガス配管工事、給湯器やガスコンロの設置、ガス漏れ点検、設備の修理・交換、保安点検などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を直接活かしやすいでしょう。
LPガスは、取り扱いを誤ると火災や爆発、一酸化炭素中毒などの重大事故につながる可能性があります。そのため、ガス設備の構造や法令、安全な施工方法を理解している人材は、ガス関連の現場で重要です。
この資格は、LPガスや住宅設備の分野では実務に結びつきやすい資格です。特に、LPガス販売会社や設備工事会社では、資格保有者が必要とされる場面があり、就職・転職でも評価されやすい資格といえます。
一方で、活かせる業界はガス設備・住宅設備・リフォーム関連に限られます。一般企業への就職・転職で幅広く評価される資格ではありません。液化石油ガス整備士試験は、LPガス設備の施工や保安に関わりたい人に向いています。第二種電気工事士、給水装置工事主任技術者、管工事施工管理技士、ガス主任技術者などと組み合わせることで、住宅設備・ライフライン関連の仕事でより活かしやすくなるでしょう。

