柔道整復師試験とは
柔道整復師として働くために必要な国家資格を取得するための試験です。柔道整復師は、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷などに対して、手術を行わずに整復、固定、後療法などを用いて回復を支援する専門職です。
試験では、解剖学、生理学、運動学、病理学、衛生学、公衆衛生学、一般臨床医学、外科学、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論、関係法規など、施術に必要な幅広い知識が問われます。身体の構造や外傷に関する理解に加え、症状を見極めて適切に対応する判断力も重要になります。
合格後は柔道整復師名簿に登録され、接骨院、整骨院、整形外科、介護・福祉施設、スポーツ分野、機能訓練関連などで働くことができます。独立開業を目指せる資格でもあり、外傷への対応や身体機能の回復支援に関心がある人に向いた医療系の専門資格です。
柔道整復師試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
| ジャンル | 医療・心理 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 文部科学大臣指定の学校、または都道府県知事指定の柔道整復師養成施設で必要な知識・技能を修得した者・修得見込みの者、外国の柔道整復に関する学校・養成施設を卒業した者、または外国で柔道整復師に相当する免許を取得し、厚生労働大臣の認定を受けた者など |
| 試験日程 | 年1回。例年3月ごろに実施 |
| 試験方法 | 筆記試験 |
| 免除科目 | – |
| 試験場所 | 北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県など |
| 受験料 | 23,900円 |
| 登録・更新 | 合格後、柔道整復師名簿に登録することで柔道整復師免許を取得。柔道整復師免許自体に定期更新制度はありません |
| 問い合わせ | 公益財団法人 柔道整復研修試験財団 |
| 関連資格 | はり師 きゅう師 あん摩マッサージ指圧師 カイロプラクター |
柔道整復師試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 3月1日 | 12月1日~12月19日 | 3月26日 |
柔道整復師試験の試験内容
柔道整復師として必要な基礎医学、臨床医学、柔道整復理論、関係法規などの知識を確認する国家試験です。試験は筆記試験で行われ、必修問題と一般問題で構成されます。
出題範囲
出題範囲は、解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学・公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論、関係法規です。柔道整復師国家試験の施行案内でも、これらが試験科目として示されています。
骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷などの外傷に関する知識に加えて、人体の構造と機能、疾病の理解、運動器の評価、施術に関する判断、医療安全、法令などが出題対象になります。
試験科目と出題数
試験は、必修問題50問と一般問題200問の合計250問で構成されます。いずれも1問1点で採点され、必修問題では柔道整復師として特に基本的で重要な事項、一般問題では各試験科目に関する幅広い知識が問われます。
合格基準
合格には、必修問題と一般問題の両方で基準を満たす必要があります。必修問題は50問中40点以上、一般問題は200問中120点以上が基準です。必修問題は8割以上、一般問題は6割以上が目安となり、どちらか一方でも基準を下回ると不合格になります。
柔道整復師試験の受験者数・合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2026年度 | 4,434人 | 3,170人 | 71.5% |
| 2025年度 | 4,513人 | 2,607人 | 57.8% |
| 2024年度 | 5,027人 | 3,337人 | 66.4% |
| 2023年度 | 4,521人 | 2,244人 | 49.6% |
| 2022年度 | 4,359人 | 2,740人 | 62.9% |
柔道整復師試験の難易度
養成課程で学んできた人にとっては合格を目指しやすい国家試験です。ただし、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などの外傷に関する知識だけでなく、解剖学、生理学、病理学、一般臨床医学、リハビリテーション医学、関係法規まで幅広く問われます。
この試験では、柔道整復理論を中心に、人体の構造や運動器の働き、損傷の発生機序、症状、整復・固定・後療法などを理解しておく必要があります。骨や関節、筋肉、神経の知識があいまいだと、外傷の状態や適切な対応を判断する問題で迷いやすくなります。
つまずきやすいのは、外傷ごとの症状や鑑別を整理する部分です。骨折と捻挫、脱臼と靱帯損傷、神経損傷を伴う外傷など、似た症状でも対応が異なるケースが多くあります。単に傷病名を覚えるだけでなく、発生機序、変形、腫脹、疼痛、可動域制限、整復や固定の考え方まで結びつけて理解することが重要です。
また、柔道整復師は施術だけでなく、医療機関への紹介が必要なケースを見極める力も求められます。禁忌や重篤な疾患の可能性、応急処置、患者への説明、施術録、保険制度、関係法規なども試験範囲に含まれるため、実技的な知識だけでは対応しきれません。
養成校での授業や臨床実習を積み重ねてきた人であれば、極端に難しい試験ではありません。一方で、出題範囲は広く、基礎医学・臨床医学・柔道整復理論を横断して理解する必要があるため、苦手分野を残していると得点が安定しにくい試験です。
柔道整復師試験の勉強法
解剖学、生理学、運動学、病理学、衛生学、関係法規に加えて、柔道整復理論、整形外科学、リハビリテーション医学などを幅広く学ぶことが大切です。まずは、骨・関節・筋肉・靱帯の構造や働きを整理し、外傷が起きたときに身体でどのような変化が起こるのかを理解していくと学習しやすくなります。
勉強を進める際は、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷などを、発生機序、症状、鑑別、整復・固定、後療法の流れで整理すると効果的です。部位ごとに似た外傷が多いため、単に名称を覚えるだけでなく、どの動きで損傷しやすいのか、どの所見が特徴になるのかを関連づけて覚えると混同しにくくなります。
また、柔道整復師試験では、外傷への対応だけでなく、医療安全や適応・禁忌の判断も重要です。整復や固定の方法を覚える際は、どのような場合に医師の診察が必要になるのか、神経・血管損傷の確認をどう行うのか、固定後にどのような観察が必要かまで意識しておくと実践的に理解しやすくなります。
過去問演習では、正解だけを覚えるのではなく、なぜその損傷が起こるのか、なぜその処置や固定法を選ぶのかまで確認することが大切です。直前期は、柔道整復理論、解剖学、運動学、整形外科学、関係法規などの頻出分野を中心に復習すると効果的です。知識を「身体の構造」「外傷の発生」「症状・評価」「処置と安全管理」の流れで整理すると、試験本番でも応用しやすくなります。
資格を活かせる仕事
接骨院、整骨院、整形外科、リハビリ関連施設、スポーツトレーナー、介護・福祉施設、デイサービス、機能訓練指導員、スポーツチームや部活動のサポートなどがあります。特に、捻挫や打撲、スポーツ外傷、関節や筋肉の痛み、日常生活で起こる身体の不調への対応では、資格を直接活かしやすいでしょう。
柔道整復師は、身体の構造や運動機能を理解し、手技や固定、運動療法などを通じて回復を支援する専門職です。接骨院や整骨院では、利用者の状態を確認し、必要に応じて医療機関との連携を行いながら施術を進める力が求められます。
就職・転職においては、接骨院・整骨院やスポーツ・介護分野で活かしやすい資格です。特に、機能訓練指導員として介護施設で働ける点は、活用の幅を広げやすいポイントです。一方で、柔道整復師免許だけで安定した収入や独立成功が保証されるわけではありません。
実務では、施術技術、利用者への説明力、症状の見極め、保険制度への理解、接客力、リピートにつなげる信頼関係づくりも重要です。独立して接骨院・整骨院を開業する場合は、施術力だけでなく、集客、経営、地域での信頼づくりも必要になります。
柔道整復師試験は、手技療法や運動機能の回復支援を通じて、人の身体の不調改善に関わりたい人に向いています。はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、スポーツトレーナー、介護・リハビリ分野の知識と組み合わせることで、施術や支援の幅を広げやすくなるでしょう。

