公認会計士試験とは
企業の財務諸表が適正に作成されているかをチェックする、監査の専門家を目指すための国家試験です。公認会計士は監査業務を中心に、会計、税務、経営コンサルティング、内部統制、M&A支援など、企業のお金や経営に関わる幅広い分野で活躍できます。
試験は短答式試験と論文式試験で構成されており、受験資格に制限はありません。短答式試験は年2回、論文式試験は年1回実施されます。2025年の最終合格率は7.4%と公表されており、会計系資格の中でも難易度の高い試験です。
なお、試験に合格しただけではすぐに公認会計士として登録できません。登録には、公認会計士試験の合格に加えて、3年以上の実務経験と実務補習の修了などが必要です。
監査法人、会計事務所、コンサルティング会社、一般企業の経理・財務・経営企画部門などで活かしやすい資格です。取得までのハードルは高いものの、会計・監査分野で専門性を高めたい人にとって、非常に評価されやすい国家資格といえるでしょう。
公認会計士試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
| ジャンル | 金融・会計・簿記 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 短答式は年2回、例年12月・5月。論文式は年1回、例年8月 |
| 試験方法 | 短答式はマークシート方式、論文式は記述式 |
| 免除科目 | 短答式合格者は2年間短答式免除。論文式は科目合格による免除制度あり |
| 試験場所 | 全国主要都市など |
| 受験料 | 19,500円 |
| 登録・更新 | 試験合格後、実務経験・実務補習・修了考査などを経て登録 |
| 問い合わせ | 公認会計士・監査審査会、財務局理財課 |
| 関連資格 | 税理士 日商簿記検定 公認内部監査人 米国公認会計士 ビジネス会計検定試験 |
公認会計士試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第Ⅰ回短答式:12月14日(日) | 8月29日~9月18日 | 1月23日 |
| 第Ⅱ回短答式:5月24日(日) | 2月2日~2月24日 | 6月19日 |
| 論文式:8月21日(金)~8月23日(日) | 短答式試験合格者等が対象 | 11月20日 |
公認会計士試験の試験内容
短答式試験と論文式試験の2段階で実施されます。短答式試験では、公認会計士に必要な基礎知識を幅広く確認し、論文式試験では、会計・監査・税務・企業法などについて、事例や論点を踏まえて論述できる力が問われます。
短答式試験は年2回、論文式試験は年1回実施されます。令和8年試験では、第Ⅰ回短答式試験、第Ⅱ回短答式試験、論文式試験に分かれて案内されています。公認会計士・監査審査会は、令和8年試験の出題範囲について、短答式試験と論文式試験の科目別に「出題範囲の要旨」を公表しています。
出題範囲
論文式試験
会計学、監査論、企業法、租税法、選択科目が出題されます。選択科目は、経営学、経済学、民法、統計学の中から1科目を選択します。
会計学では、財務会計論と管理会計論を中心に、会計処理、財務諸表、原価計算、管理会計などが問われます。監査論では、財務諸表監査の理論や手続、監査基準、監査人の責任などが出題されます。
企業法では、会社法を中心に、企業活動に関わる法律知識が問われます。租税法では、法人税法、所得税法、消費税法など、税務に関する知識と計算・理論の理解が必要です。選択科目では、選んだ科目ごとに経営、経済、法律、統計に関する専門知識が問われます。
短答式試験
財務会計論、管理会計論、監査論、企業法が出題されます。財務会計論では、簿記、財務諸表、会計基準などの知識が問われます。
管理会計論では、原価計算、予算管理、意思決定会計などが出題されます。監査論では、監査の目的、監査基準、監査手続、監査報告などが中心です。企業法では、会社法を中心に、企業活動に関する法的知識が問われます。
試験科目と出題数
財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目です。すべてマークシート方式で実施されます。
論文式試験は、会計学、監査論、企業法、租税法、選択科目の5科目です。論文式試験では、記述式の問題に対して、計算過程や理論、判断理由などを文章で解答します。
令和8年試験については、出題範囲の要旨が公認会計士・監査審査会から公表されています。第Ⅰ回短答式試験に関する財務会計論、管理会計論、監査論、企業法は、原則として令和7年4月1日現在施行・適用の法令等に基づくとされています。第Ⅱ回短答式試験と論文式試験は、原則として令和8年4月1日現在、租税法は令和8年1月1日現在の法令等に基づくとされています。
合格基準
短答式試験は、総点数の70%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率により合格判定が行われます。ただし、1科目につき得点比率が40%に満たない場合は、不合格となることがあります。
論文式試験は、総点数の52%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率により合格判定が行われます。ただし、1科目につき得点比率が40%に満たない場合は、不合格となることがあります。
公認会計士試験の受験者数・合格率
| 年度 | 出願者数 | 論文式受験者数 | 最終合格者数 | 最終合格率 | 論文式合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年 | 22,056人 | 4,665人 | 1,636人 | 7.4% | 35.1% |
| 2024年 | 21,573人 | 4,354人 | 1,603人 | 7.4% | 36.8% |
| 2023年 | 20,317人 | 4,192人 | 1,544人 | 7.6% | 36.8% |
| 2022年 | 18,789人 | 4,067人 | 1,456人 | 7.7% | 35.8% |
| 2021年 | 14,192人 | 3,992人 | 1,360人 | 9.6% | 34.1% |
| 2020年 | 13,231人 | 3,719人 | 1,335人 | 10.1% | 35.9% |
| 2019年 | 12,532人 | 3,792人 | 1,337人 | 10.7% | 35.3% |
| 2018年 | 11,742人 | 3,678人 | 1,305人 | 11.1% | 35.5% |
| 2017年 | 11,032人 | 3,306人 | 1,231人 | 11.2% | 37.2% |
| 2016年 | 10,256人 | 3,138人 | 1,108人 | 10.8% | 35.3% |
公認会計士試験の難易度
ここで改めて言う必要もありませんが、公認会計士の試験は、「三大国家資格」の中に入るぐらいなの会計・監査系資格の中でも最難関クラスの国家試験であり、簿記や会計の知識だけでなく、監査、企業法、租税法、経営など幅広い分野を深く理解する必要があります。受験資格の制限はありませんが、誰でも受験できる試験でありながら、令和7年試験の最終合格率は7.4%にとどまっています。
短答式試験と論文式試験の両方を突破する必要があり、単なる暗記だけでは対応しにくい試験です。特に論文式試験では、知識を正確に覚えているだけでなく、問題の意図を読み取り、筋道立てて説明する力も求められます。
また、出題範囲が非常に広いため、短期間で合格を狙うのは難しい資格です。大学生や社会人など幅広い人が受験できますが、実際には長期間かけて本格的に勉強する人が多く、片手間の学習で合格するのはかなり厳しいでしょう。
一方で、科目や試験段階ごとに対策を積み上げていくことは可能です。簿記や会計の基礎から順番に学び、短答式対策と論文式対策を計画的に進めれば、初学者でも合格を目指せない試験ではありません。
総合的に見ると、公認会計士試験は、会計・監査分野の中でもトップクラスに難しい資格です。合格には長期的な学習計画と継続力が必要で、十分な勉強時間を確保して本気で取り組むべき難関資格といえるでしょう。
公認会計士試験の勉強法
独学よりも資格予備校や通信講座を利用するのが一般的です。試験範囲が非常に広く、簿記・財務会計論・管理会計論・監査論・企業法・租税法・経営学などを長期間かけて学ぶ必要があるため、最初からカリキュラムに沿って進めた方が効率的です。
まずは短答式試験の合格を目標に、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の基礎を固めましょう。特に財務会計論は配点が大きく、計算力と理論の両方が必要になるため、早い段階から問題演習を繰り返すことが大切です。
短答式に合格した後は、論文式試験に向けて答案作成力を鍛える必要があります。論文式では知識を覚えているだけでなく、問題文を読み取り、必要な論点を整理して文章で説明する力が求められます。過去問や答練を使い、時間内に答案を書く練習を積み重ねましょう。
公認会計士試験はかなり難易度が高く、短期間で合格を狙うのは現実的ではありません。基本的には、予備校や通信講座で基礎から学び、問題演習と答練を繰り返しながら、長期的な学習計画で合格を目指す勉強法がおすすめです。
⇒ 公認会計士のおすすめ通信講座(クレアール・LEC・TAC)を徹底比較
公認会計士試験のお勧めテキスト
スタンダードテキスト 財務会計論 Ⅰ〈基本論点編〉第19版
財務会計論を基礎から深く学びたい人向けの定番テキストです。基礎概念、会計制度、資産・負債・純資産、財務諸表、キャッシュ・フロー計算書などを詳しく扱っています。独学で会計理論をしっかり理解したい人に向いています。
2026年度版 公認会計士試験 短答式試験 過去問題集
短答式試験の出題形式に慣れたい人におすすめの過去問題集です。公認会計士試験は範囲が非常に広いため、テキストで基礎を固めた後は過去問演習が欠かせません。短答式の知識確認や時間配分の練習に使いやすい教材です。
2026年度版 公認会計士試験 論文式試験 必修科目 過去問題集
論文式試験の必修科目対策に使いやすい過去問題集です。2023年から2025年の本試験問題を収録しており、監査論、租税法、会計学、企業法の出題傾向を確認できます。論文式の答案構成や考え方を身につけたい人におすすめです。
資格を活かせる仕事
監査、会計、財務、税務、コンサルティングなど、企業のお金や経営に関わる専門職で活躍できます。特に監査法人では、公認会計士資格が実務に直結するため、就職・転職でも非常に強い資格です。
活かしやすい仕事としては、監査法人、会計事務所、税理士法人、コンサルティング会社、一般企業の経理・財務、内部監査、経営企画、M&A、IPO支援、金融機関、投資ファンドなどがあります。特に、上場企業の監査、財務諸表の確認、内部統制、企業価値評価、決算支援などの仕事では、公認会計士試験で学んだ知識を直接活かすことができます。
公認会計士は、会計系資格の中でも評価が非常に高く、難易度も高い国家資格です。監査法人への就職を目指す場合はもちろん、一般企業の経理・財務、経営企画、内部監査などでも高く評価されやすく、キャリアの選択肢を大きく広げられます。
また、実務経験を積んだ後は、独立開業、税務業務、会計コンサルタント、M&Aアドバイザー、ベンチャー企業のCFO候補などを目指すことも可能です。資格を取得するまでの負担は大きいですが、取得後の実用性や社会的評価は非常に高い資格といえるでしょう。
ただし、試験に合格しただけで一生安泰というわけではありません。実務では、監査経験、会計基準への理解、クライアント対応力、英語力、IT・データ分析への対応力なども求められます。それでも、公認会計士試験は就職・転職・独立のいずれにおいても強い武器になる資格です。
受験者の口コミ評判
1.0
失敗した
公認会計士は難しいとされているが、それよりも考えることがある。それは自分に合っているかどうかである。計算があるから理系寄りの資格だと思い勉強を始めましたが、これは文系のための資格だと思いました。
なぜなら計算と言っても作業的な割合が多く理論を構築するという作業はありません。私は、この事に気づかないまま勉強を始めたので失敗しました。
名無し 30代会社員(2018年1月)

