公認内部監査人試験(CIA)とは
内部監査に関する専門知識と実務能力を証明する国際資格です。英語では**CIA(Certified Internal Auditor)**と呼ばれ、内部監査人協会(IIA)が認定しています。企業や組織の内部監査、リスク管理、ガバナンス、コンプライアンスなどに関わる人が、専門性を示すために取得を目指す資格です。
試験は3つのパートに分かれており、内部監査の基礎、個々の内部監査業務、内部監査部門の運営などが出題されます。日本語での受験も可能で、2025年7月から新しい試験シラバスが適用されています。
公認内部監査人は、企業の内部監査部門で働く人だけでなく、リスク管理、法務、経理、総務、コンプライアンス部門などで専門性を高めたい人にも向いています。内部統制や不正防止、業務改善に関わる知識を体系的に学べるため、グローバル企業や上場企業での評価にもつながりやすい資格といえるでしょう。
公認内部監査人試験の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 事務・ビジネス・経営 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 4年制大学卒業以上が基本。4年制大学卒業以外の場合は、初回受験登録時に5年以上の実務経験が必要。資格認定には、試験合格に加えて内部監査・リスクマネジメント・コンプライアンス・外部監査・内部統制などの実務経験も必要 |
| 試験日程 | CBT方式で随時受験 |
| 試験方法 | CBT方式、多肢選択式。Part1〜Part3の3科目 |
| 免除科目 | 他資格保有者などに一部免除制度あり |
| 試験場所 | Pearson VUEテストセンター、またはオンライン監督試験 |
| 受験料 | IIA個人会員は全科目合計で148,000円、非会員は全科目合計で226,000円。初回登録料とPart1〜Part3の受験料を含む |
| 登録・更新 | 公認内部監査人は認定後3年を経たら、継続的に更新をする必要があります。それをCPE(継続的専門能力開発制度)というのですが、所定の単位を自己学習をし、その年の終わりまでに報告することによってそれを行います。 |
| 問い合わせ | 一般社団法人日本内部監査協会 |
| 関連資格 | なし |
公認内部監査人の試験日
決まった一斉試験日ではなく、ピアソンVUEのテストセンターで受験日時を予約して受験する形式です。CIA資格認定プログラムへの登録は随時可能で、登録承認後に各パート試験を申し込み、受験予約を行います。
公認内部監査人の試験内容
内部監査に関する国際資格で、内部監査、リスクマネジメント、内部統制、ガバナンスなどの知識と実務能力を評価する試験です。資格認定試験に合格し、実務経験などの要件を満たすことで「CIA(Certified Internal Auditor)」の称号が授与されます。
試験は3つのパートに分かれており、すべてコンピュータ形式の選択問題で実施されます。2025年には新シラバスが適用されており、現在は「内部監査の基礎」「個々の内部監査業務」「内部監査部門」の3領域を中心に出題されます。
出題範囲
Part 1:内部監査の基礎
内部監査の基本、倫理と専門職としての姿勢、ガバナンス、リスクマネジメント、コントロール、不正リスクなどが問われます。内部監査人としての独立性、客観性、専門職としての責任を理解しておく必要があります。
Part 2:個々の内部監査業務
内部監査業務の計画、情報の収集・分析・評価、監査手続き、監査結果の伝達、フォローアップなど、実際の内部監査業務を進めるための知識が出題されます。
Part 3:内部監査部門
内部監査部門の運営、内部監査計画、品質評価、監査結果のモニタリングなど、内部監査部門を組織として管理・運営するための知識が問われます。
試験科目と出題数
Part 1は125問、試験時間は150分です。Part 2とPart 3はそれぞれ100問、試験時間は各120分です。いずれも選択式のコンピュータ試験で実施されます。
合格基準
CIA試験の合格基準は、各パートともスケールドスコアで600点以上です。スコアは250点から750点の範囲で表示され、各パートごとに合否が判定されます。
3パートすべてに合格する必要があるため、内部監査の知識だけでなく、リスク管理、内部統制、ガバナンス、監査実務の流れを体系的に理解しておくことが重要です。
公認内部監査人の合格率
各Partごとの世界規模の合格率が40〜50%前後
3科目すべてに合格する必要があるため、最終的な合格率は10〜15%程度
公認内部監査人の難易度
かなり高めです。
内部監査に関する専門知識だけでなく、リスク管理、内部統制、ガバナンス、コンプライアンス、経営管理など、幅広い分野への理解が求められます。そのため、単に用語を覚えるだけでは対応しにくく、実務でどのように判断・活用するかまで意識して学習する必要があります。
また、受験する人の多くは実務経験者や専門分野に関わる社会人であるため、受験者全体のレベルも低くありません。その中で合格を目指す試験になるため、一般的なビジネス系資格と比べると、かなり本格的な対策が必要になります。
ただし、一度ですべてを突破しなければならないタイプの試験ではないため、計画的に学習を進めれば合格を目指すことは十分可能です。短期間で一気に取得するというよりも、科目ごとに知識を積み上げながら、長期的に合格を狙う資格と考えるとよいでしょう。
総合的に見ると、公認内部監査人は、内部監査・リスク管理・内部統制に関わる資格の中でも難易度の高い資格です。実務経験がある人でも油断はできず、体系的な学習と継続的な対策が必要になる難関資格といえるでしょう。
公認内部監査人の勉強法
まず試験範囲に対応した教材で全体像をつかみ、各パートごとに問題演習を重ねる流れがおすすめです。日本内部監査協会では、CIA試験に対応した学習書として「GLEIM CIA Review」の日本語版なども案内されています。
公認内部監査人試験は、単なる暗記だけでなく、内部監査人としてどのように判断するかを問われる問題が多いです。そのため、テキストを読むだけでなく、問題演習を通じて「監査人として最も適切な対応はどれか」「リスクや内部統制をどう評価するか」を考える練習が重要になります。
また、CIA試験は過去問が一般公開されているタイプの試験ではないため、本番形式に近い問題集や予想問題を多く解いて、問題文の言い回しや選択肢の判断に慣れておく必要があります。資格スクールでも、CIA試験は試験問題を持ち帰れず公表もされないため、予想問題で基準を身につけることが重要と説明されています。
独学でも学習は可能ですが、範囲が広く、内部監査の実務経験が少ない方には難しく感じやすい資格です。特にPart3は、IT、財務、経営管理など幅広い知識が必要になるため、苦手分野を早めに把握して重点的に復習しましょう。
効率よく合格を目指したい方や、初めて内部監査を学ぶ方は、通信講座や資格スクールを利用するのも一つの方法です。2025年以降の新シラバス対応コースを案内しているスクールもあるため、教材や講座を選ぶ際は、最新の試験範囲に対応しているかを確認しておくと安心です。
公認内部監査人のお勧めテキスト
公認内部監査人(CIA)Part1 試験対策テキスト&総合問題集200問
2025年7月の日本語新試験に対応したPart1対策用のテキスト&問題集です。内部監査の基礎やガバナンス、リスク管理などを確認しながら、問題演習まで進められます。まずPart1から学習を始めたい人に使いやすい一冊です。
資格を生かせる仕事
企業や組織の内部監査に関する専門性を証明できる国際資格です。業務が社内ルールや法令に沿って適切に行われているかを確認し、不正防止、リスク管理、内部統制、業務改善などに関わる仕事で活かすことができます。
活かしやすい仕事としては、内部監査部門、内部統制担当、リスク管理部門、コンプライアンス部門、経営管理、監査法人、コンサルティング会社、金融機関、上場企業の管理部門などがあります。特に、J-SOX対応、業務監査、会計監査、情報システム監査、海外拠点の監査などを行う仕事では、資格で学んだ知識を実務に活かしやすいでしょう。
また、内部監査は会社全体の業務を横断的に確認する仕事のため、経理・財務・法務・総務・情報システム・営業管理など、さまざまな部門での経験も活かせます。大企業やグローバル企業、金融機関では内部監査やリスク管理の重要性が高く、関連求人でもCIA資格や内部監査経験が評価されるケースがあります。
ただし、公認内部監査人は独占業務のある資格ではないため、資格を取得しただけで必ず内部監査の仕事に就けるわけではありません。実務では、監査経験、会計知識、内部統制の理解、英語力、各業界の業務知識なども重視されます。
そのため、公認内部監査人は、未経験から一気に転職を決める資格というより、内部監査・内部統制・リスク管理の専門性を高めるための資格です。すでに管理部門や監査関連業務に携わっている人、将来的に内部監査部門やグローバル企業の管理部門で働きたい人にとって、取得する価値の高い資格といえるでしょう。

