日商簿記検定試験とは
企業のお金の流れを記録・整理し、財政状態や経営成績を把握するための簿記の知識を評価する検定試験です。経理・会計系資格の定番として知られており、学生から社会人まで幅広い人が受験しています。
簿記を学ぶことで、経理や会計だけでなく、営業、販売、事務、経営管理などでも役立つ数字の見方が身につきます。特に2級以上は、企業の経理実務や就職・転職でアピールしやすい資格として活用されています。
また、日商簿記1級に合格すると、税理士試験の税法科目の受験資格にも該当します。 そのため、税理士や公認会計士など会計分野の上位資格を目指す人にとっても、基礎固めとして重要な検定といえるでしょう。
日商簿記検定の基本情報
| 資格種別 | 公的資格 |
| ジャンル | 金融・会計・簿記 |
| 資格区分 | 1級、2級、3級、簿記初級、原価計算初級 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 1級は年2回、例年6月・11月。2級・3級は統一試験とネット試験。簿記初級・原価計算初級はネット試験で随時 |
| 試験方法 | 1級は統一試験。2級・3級・簿記初級・原価計算初級はネット試験にも対応 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 全国の商工会議所、ネット試験会場など |
| 受験料 | 1級:8,800円/2級:5,500円/3級:3,300円/簿記初級・原価計算初級:各2,200円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 商工会議所 |
| 関連資格 | 簿記能力検定 日商マスター 税理士 公認会計士 電子会計実務検定 |
日商簿記検定の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 |
|---|---|
| 1級・2級・3級:6月14日(日) | 試験会場により異なる |
| 1級・2級・3級:11月15日(日) | 試験会場により異なる |
| 2級・3級:2月28日(日) | 試験会場により異なる |
| 2級・3級ネット試験:随時実施 | 試験会場により異なる |
資格侍初級試験は各ネット試験会場が決定するので詳しくは「商工会議所ネット試験施行機関」のページをご覧ください。
日商簿記検定の試験内容
企業の取引を帳簿に記録し、財務諸表を作成・読み取るための簿記能力を評価する試験です。級は1級・2級・3級があり、1級が最も難しく、2級、3級の順に基礎的な内容になります。
1級は、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目で構成されます。2級は商業簿記と工業簿記、3級は商業簿記が出題範囲です。2025年度・2026年度の出題区分表は、2022年度から適用されている区分表から変更はないと案内されています。
出題範囲
1級
1級では、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算が出題されます。商業簿記・会計学では、企業の財務諸表作成や会計基準、企業会計に関する法規などが問われます。工業簿記・原価計算では、製造業における原価の計算、部門別計算、製品別計算、経営管理に関わる会計処理などを理解しておく必要があります。
1級は、単に仕訳や計算ができるだけでなく、財務諸表を読み取り、企業の経営状況を把握する力も問われます。出題は、毎年度4月1日現在施行されている法令等に準拠して行われます。
2級
2級では、商業簿記と工業簿記が出題されます。商業簿記では、株式会社の会計処理、決算整理、財務諸表作成などが中心です。工業簿記では、材料費、労務費、経費、個別原価計算、総合原価計算、標準原価計算など、製造業で必要となる原価計算の知識が問われます。
2級は、3級の商業簿記を土台に、より実務的な会計処理と工業簿記の内容が加わります。商業簿記と工業簿記の両方をバランスよく学習する必要があります。
3級
3級では、商業簿記が出題されます。商品売買、現金・預金、売掛金・買掛金、手形、固定資産、税金、決算整理、精算表、財務諸表など、企業の基本的な会計処理を理解しているかが問われます。
3級は、簿記の基本となる仕訳や帳簿記入、決算処理を中心に出題されます。複雑な会計理論よりも、基本的な取引を正しく処理し、試算表や精算表、財務諸表にまとめる力が重要です。
試験科目と出題数
1級は、商業簿記・会計学が90分、工業簿記・原価計算が90分で、途中休憩を挟んで実施されます。前半のみ、または後半のみの受験はできません。
2級は、商業簿記・工業簿記の2科目で、試験時間は90分です。3級は商業簿記のみで、試験時間は60分です。2級・3級は、統一試験のほか、ネット試験でも実施されています。
合格基準
合格基準は、1級・2級・3級ともに70%以上です。ただし、1級は全体で70%以上を得点していても、1科目ごとの得点が40%未満の場合は不合格になります。
2級・3級は、全体で70%以上の得点が合格基準です。1級は科目ごとの足切りがあるため、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を偏りなく対策する必要があります。
日商簿記検定の受験者数・合格率
1級
| 回・実施日 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第171回・2025年11月16日 | 13,088名 | 10,524名 | 1,604名 | 15.2% |
| 第170回・2025年6月8日 | 11,827名 | 9,610名 | 1,343名 | 14.0% |
| 第168回・2024年11月17日 | 12,939名 | 10,420名 | 1,572名 | 15.1% |
2級・統一試験
| 回・実施日 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第172回・2026年2月22日 | 7,115名 | 6,038名 | 911名 | 15.1% |
| 第171回・2025年11月16日 | 7,512名 | 6,332名 | 1,492名 | 23.6% |
| 第170回・2025年6月8日 | 6,560名 | 5,383名 | 1,193名 | 22.2% |
2級・ネット試験
| 期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年4月〜2026年3月 | 141,072名 | 46,351名 | 32.9% |
| 2024年4月〜2025年3月 | 124,429名 | 44,359名 | 35.7% |
| 2023年4月〜2024年3月 | 119,036名 | 41,912名 | 35.2% |
3級・統一試験
| 回・実施日 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第172回・2026年2月22日 | 19,876名 | 17,140名 | 5,757名 | 33.6% |
| 第171回・2025年11月16日 | 19,499名 | 16,648名 | 5,743名 | 34.5% |
| 第170回・2025年6月8日 | 22,163名 | 18,935名 | 8,024名 | 42.4% |
3級・ネット試験
| 期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年4月〜2026年3月 | 276,477名 | 112,797名 | 40.8% |
| 2024年4月〜2025年3月 | 254,433名 | 98,235名 | 38.6% |
| 2023年4月〜2024年3月 | 238,155名 | 88,264名 | 37.1% |
日商簿記検定の難易度
簿記初級と原価計算初級は、簿記や原価計算を初めて学ぶ人向けの入門レベルです。会計の基本的な考え方を確認する内容なので、経理経験がない人でも取り組みやすく、最初のステップとして挑戦しやすい資格といえます。
3級は、個人商店や小規模な企業の会計処理を中心に学ぶレベルで、日商簿記の中では代表的な入門資格です。初めて簿記を学ぶ人でも、仕訳や帳簿の流れを理解できれば十分合格を目指せます。ただし、数字に苦手意識がある人や、簿記独特の考え方に慣れていない人は、最初は少し難しく感じるかもしれません。
2級になると、難易度は大きく上がります。商業簿記に加えて工業簿記も必要になり、株式会社の会計処理や製造業の原価計算など、より実務に近い内容を理解しなければなりません。3級の延長線上の感覚で受験すると、学習量の多さに戸惑う可能性があります。
1級は、日商簿記の中でもかなり難しい上位資格です。会計・原価計算・管理会計を深く理解する必要があり、単なる仕訳の暗記だけでは対応できません。公認会計士や税理士など、会計系の難関資格を目指す人の基礎力にもつながるレベルです。
総合的に見ると、日商簿記検定は3級までなら初学者でも挑戦しやすい資格です。ただし、2級からは本格的な会計知識が必要になり、1級は長期的な学習が必要な難関資格といえるでしょう。
- 3~1級と3段階ありますが、商業系の高校生ならば、高校時代に十分3級は取得できると思います。社会人でも同様、3級は商業簿記の基礎をしっかりと理解していれば比較的取得しやすいものです。2級以上は、過去の試験問題を丸暗記といったような勉強法では難しく、応用が必要になってきます。私は高校時代に取得しましたが、授業以外でも試験前に詰めて勉強しました。独自での勉強だけでは難しいかもしれません。また、商業簿記に加え、2級は工業簿記、1級は会計や工業簿記なども追加して勉強せねばなりませんので、相当の時間が必要です。(1級取得 40代女性 会社員)
- 日商簿記2級は日商簿記3級に比べて、商業簿記のほかに工業簿記も覚えなければならないので、やや難しい。また出題される問題の難易度が毎回変わる傾向にあり、当たり回に受験すれば簡単だったラッキーと感じるが、ハズレ回だった場合よほど予習をこなして予想をつけてきておかないと、途方に暮れるほど難しく感じる。一般的に難しいらしいと思われていることは間違いではない。(2級取得 30代男性 会社員)
- 簿記3級の難易度は低めです。3級は簿記試験の中でも入門用に位置付けられており、貸方・借方や貸借対照表、損益計算書の基本的な意味を理解していれば解ける問題がほとんどです。出題形式についても、過去問を踏襲しているので何度も解いておけば、決して難しくはありません。1日1時間程度の勉強を3ヶ月ほど続ければ十分合格を狙える資格です。(3級取得 20代男性 大学生)
- 基本的な資産や負債の分類を理解して右と左のどちらがホームポジションで減ったり増えたりしたらどっちに動くのか、ということを理解することと表の作り方を覚えられれば取得出来ますが一人ではつまづきがちな資格なので人によっては少し難しいかもしれません。経理の話ですが算数や数学の得意、不得意はあまり関係ない気がしますが1日2時間で2ヶ月あれば取得可能な資格だと思います。(3級取得 20代女性 大学生)
日商簿記検定の勉強法
3級は、簿記を初めて学ぶ方でも独学で十分に合格を目指せます。まずは仕訳、勘定科目、試算表、精算表、決算整理などの基本を押さえ、問題集を繰り返し解いて流れに慣れましょう。
2級では、商業簿記の難易度が上がるだけでなく、工業簿記も加わります。工業簿記は最初は難しく感じるかもしれませんが、出題パターンに慣れると得点源にしやすいため、早めに対策しておくとよいでしょう。
1級はかなり難易度が高く、独学だけでは負担が大きい試験です。会計基準や理論問題、原価計算なども深く問われるため、資格スクールや通信講座を利用し、長期的な学習計画を立てて取り組むのがおすすめです。
基本的には、テキストで基礎を理解し、問題集や過去問で演習量を増やすことが合格への近道です。簿記は読むだけでは身につきにくいので、仕訳や計算問題を実際に手を動かして解き、間違えた問題を何度も復習することが重要です。
日商簿記検定のお勧めテキスト
2026年度版 スッキリわかる 日商簿記3級
日商簿記3級を初めて学ぶ人に使いやすいテキスト&問題集です。やさしい説明とイラスト・図表が多く、簿記の基本をイメージしながら理解できます。ネット試験・統一試験の両方に対応しており、独学の最初の一冊に向いています。
みんなが欲しかった!簿記の教科書 日商3級 商業簿記
フルカラーで見やすく、教室講義のように理解しやすい構成が特徴の定番テキストです。仕訳や勘定科目、決算整理などを基礎から丁寧に学べるため、簿記に苦手意識がある人や、3級をしっかり理解して合格したい人におすすめです。
合格するための本試験問題集 日商簿記3級 2026年SS対策
本試験タイプの問題を12回分収録した直前対策向けの問題集です。統一試験だけでなくネット試験の模擬試験プログラムにも対応しており、出題形式に慣れたい人におすすめです。テキスト学習後の仕上げ教材として使いやすい一冊です。
資格を活かせる仕事
企業のお金の流れや会計処理、決算書の作成、財務諸表の読み方などを学べる資格です。経理・会計分野では知名度が高く、事務職や管理部門を目指す人にとって、実用性の高い資格といえます。
活かしやすい仕事としては、経理、財務、会計事務所、税理士事務所、一般事務、営業事務、総務、金融機関、企業の管理部門、店舗の売上管理、個人事業主の経理業務などがあります。特に、仕訳入力、帳簿管理、請求書・領収書の処理、月次決算、決算補助などを行う仕事では、簿記の知識を直接活かしやすいでしょう。
就職・転職でアピールするなら、3級だけではやや弱く、最低でも2級以上を目指したいところです。3級は会計の基礎を学んでいることを示す資格としては役立ちますが、経理職でしっかり評価されたい場合は、2級以上の方が現実的です。1級まで取得すれば、会計知識の高さを強く示せるため、経理・財務・会計事務所などでより評価されやすくなります。
ただし、日商簿記を取得しただけで経理職への就職・転職が必ず決まるわけではありません。実務では、会計ソフトの操作、Excelスキル、月次・年次決算の経験、税務知識、正確な事務処理能力なども重視されます。特に社会人の転職では、資格だけでなく実務経験の有無が大きく見られます。
それでも、日商簿記検定は経理・会計系資格の中では企業認知度が高く、取得する価値のある資格です。事務職や経理職を目指す人、将来的に税理士や公認会計士などの上位資格を目指したい人にとって、基礎固めとして非常に役立つ資格といえるでしょう。
受験者の口コミ評判
2.0
日商2級取りました
学生時代に全経簿記1級と税理士の財務諸表論取りましたが経理職は経験を超重要視する上に日商簿記を欲しがるし会計事務所に応募するには税理士試験1科目だけは弱いみたいですから結局経理の仕事は見つからず何年か別の仕事をしてまた近いうちに税理士の簿記論取ろうと思って勘を取り戻すために日商2級取りました。
今の所これといって役には立ってませんが資格のランキングの常に上位なのでせっかく全経シリーズ持ってるなら日商もチャレンジした方がいいと思います。
面倒臭がらずもっと早く取っとけばよかったと思ってます。次は1級と全経上級と税理士簿記論チャレンジしようかと思います。
すっぽん 30代会社員(2019年11月)
4.0
合格できた!!
この資格を取ろうとしたのは、当時勤めていた会社が資格を取れば懸賞金を出してくれるという制度を期間限定で始めたからでした。なので、受験のチャンスはたった一回。
中学時代から数学はずっと苦手でしたが、その冬のスノボ資金になるならと三万円の為にがんばりました。お昼休みや就業後は簿記1級を持つ先輩を講師に会社でみんなで勉強会。
その一ヶ月は飲み歩きもせず、ひたすら自宅で夜も勉強しました。そのお陰でなんとか合格!問題は、その後、全く関わりないので、すっかり忘れてしまった事です。
カミナリ 20代会社員(2019年6月)
3.5
年配男性の受験者もいた
私は、企業の財務諸表を見る事が好きです。ただ見ているだけでなく、財務諸表がどのように出来上がるのかに興味を持つようになりました。そこで、簿記の勉強をやり始めました。「複式簿記」という仕組みが素晴らしく関心がより深まり、日商簿記3級を受験しようと思いました。
日商簿記3級ではそこまで難しい問題は出ませんでした。日々の仕訳から決算時の精算表の作成、財務諸表の作成と1年間を通した様々な処理に対する全般が問われます。受験者は若い女性が多いですが、自営業を営んでいると思われる年配の男性もいました。
半田 40代会社員(2018年12月)
3.5
上司に受験を勧められて受験
社会人として、これまでよりも会社の経営状況を社内外含め把握してより良いビジネスマンになりたいと思い、また会社の健康診断ができるスキルを付けることで、会社の過去、現在、未来が見えてくる。
そして経理部門とも議論できるレベルになれる、という上司の言葉から貸借対照表など含め数字に強くなる為に簿記三級を取得しました。
夢かなえる 20代会社員(2018年5月)
3.0
勉強法
私は今から10年ほど前に日商簿記検定3級を取得しました。勉強としては資格試験の予備校に通い、10回の講義、4回の演習、1回の模擬試験というカリキュラムでした。その中で重要だと感じた点が点あります。
1つ目は簿記の基本中の基本である勘定科目の特性をしっかり覚えることです。この勘定科目を借方と貸方のどちらに入れるか迷うとやはり厳しいでしょう。しかも試験は時間との戦いでもありますので、すんなりと出てこないとタイムロスにもつながります。
2つ目は問題への慣れです。私は4回の演習と模擬試験で少しは慣れることが出来ましたが、出題形式はほぼ決まっているので、それを知っているか知らないかは大きいと思います。
名無し 20代主婦(2017年11月)




