簿記能力検定 – 難易度・合格率・試験日など

目次

簿記能力検定試験とは

企業や組織で必要とされる簿記・経理の知識を評価する検定試験です。一般的には全経簿記とも呼ばれ、経理事務を目指す人や、会計の基礎を学びたい学生・社会人に活用されています。

試験は基礎簿記会計から上級まで段階的に分かれており、自分のレベルに合わせて受験できます。受験資格に制限はないため、簿記を初めて学ぶ人でも挑戦しやすい検定です。

また、上級に合格すると税理士試験の受験資格の一つとして認められます。日商簿記に比べると知名度はやや低いものの、経理・会計の基礎力を示したい人や、税理士試験を視野に入れている人にとって役立つ資格といえるでしょう。

簿記能力検定の基本情報

資格種別公的資格
ジャンル金融・会計・簿記
資格区分上級、1級、2級、3級、基礎簿記会計
受験資格なし
試験日程ペーパー試験は年4回、上級は年2回。ネット試験は受験期間内に実施
試験方法ペーパー試験・ネット試験。上級・1級・2級は科目別試験、3級・基礎簿記会計は商業簿記中心
免除科目なし
試験場所全国の専門学校・認定会場など
受験料上級:8,700円/1級:各科目3,500円/2級:各科目3,100円/3級:2,900円/基礎簿記会計:1,900円
登録・更新なし
問い合わせ公益社団法人 全国経理教育協会
関連資格日商簿記検定
税理士
公認会計士
電子会計実務検定

簿記能力検定の試験日

2026年度試験

試験日申込期間合格発表
5月31日(日)4月6日~5月7日6月10日
7月12日(日)5月18日~6月15日1級~基礎:7月22日
上級:9月11日
11月29日(日)10月5日~11月2日12月9日
2月21日(日)12月28日~1月25日1級~基礎:3月3日
上級:4月20日

簿記能力検定の試験内容

上級は「商業簿記/財務会計」と「原価計算/管理会計」で構成されます。1級は「商業簿記・財務会計」と「原価計算・管理会計」、2級は「商業簿記」と「工業簿記」、3級と基礎簿記会計は「商業簿記」が出題範囲です。

出題範囲

上級

上級では、商業簿記、財務会計、原価計算、管理会計が出題されます。財務諸表の作成、会計基準に基づく処理、企業会計に関する理論、製造業における原価計算、管理会計による意思決定などを総合的に理解しているかが問われます。

1級

1級では、商業簿記・財務会計と、原価計算・管理会計が出題されます。商業簿記・財務会計では、企業の会計処理や財務諸表の作成、会計理論が中心です。原価計算・管理会計では、製造業の原価計算や、経営管理に必要な会計情報の扱いが問われます。

2級

2級では、商業簿記と工業簿記が出題されます。商業簿記では、企業の取引処理や決算に関する知識が問われます。工業簿記では、材料費、労務費、経費、製品原価の計算など、製造業で必要となる原価計算の基礎を理解しておく必要があります。

3級・基礎簿記会計

3級と基礎簿記会計では、商業簿記の基本が出題されます。取引の仕訳、帳簿記入、試算表、精算表、決算整理など、簿記を学ぶうえで土台となる内容が中心です。基礎簿記会計は、3級よりもさらに初歩的な簿記の理解を確認する内容になります。

試験科目と出題数

上級は「商業簿記/財務会計」と「原価計算/管理会計」の2科目で、それぞれ試験時間は90分です。1級も「商業簿記・財務会計」と「原価計算・管理会計」の2科目で、それぞれ90分です。

2級は「商業簿記」と「工業簿記」に分かれており、それぞれ90分で実施されます。3級と基礎簿記会計は「商業簿記」のみで、試験時間はいずれも90分です。

合格基準

上級は、各科目40点以上、かつ全科目合計280点以上が合格基準です。各科目は100点満点で、4科目合計400点満点として判定されます。

1級・2級・3級・基礎簿記会計は、各科目100点満点中70点以上が合格基準です。1級は「商業簿記・財務会計」と「原価計算・管理会計」の両方、2級は「商業簿記」「工業簿記」の各科目で合否が判定されます。

簿記能力検定の受験者数・合格率

上級

回・実施日受験申込者数実受験者数合格者数合格率
第221回・2026年2月15日1,911人1,586人215人13.56%
第219回・2025年7月13日1,802人1,551人224人14.44%
第217回・2025年2月16日2,001人1,656人239人14.43%

1級 商業簿記・財務会計

回・実施日受験申込者数実受験者数合格者数合格率
第221回・2026年2月15日319人287人57人19.86%
第220回・2025年11月30日336人283人157人55.48%
第219回・2025年7月13日210人186人55人29.57%

1級 原価計算・管理会計

回・実施日受験申込者数実受験者数合格者数合格率
第221回・2026年2月15日430人373人236人63.27%
第220回・2025年11月30日385人336人138人41.07%
第219回・2025年7月13日242人203人105人51.72%

2級 商業簿記

回・実施日受験申込者数実受験者数合格者数合格率
第221回・2026年2月15日2,115人1,913人815人42.21%
第220回・2025年11月30日1,886人1,702人834人49.00%
第219回・2025年7月13日1,419人1,298人678人52.23%

2級 工業簿記

回・実施日受験申込者数実受験者数合格者数合格率
第221回・2026年2月15日383人349人269人77.08%
第220回・2025年11月30日1,065人978人779人79.65%
第219回・2025年7月13日669人633人487人76.94%

3級

回・実施日受験申込者数実受験者数合格者数合格率
第221回・2026年2月15日5,677人5,093人2,685人52.72%
第220回・2025年11月30日6,048人5,521人3,387人61.35%
第219回・2025年7月13日4,075人3,645人2,058人56.46%

基礎簿記会計

回・実施日受験申込者数実受験者数合格者数合格率
第221回・2026年2月15日1,319人1,166人677人58.06%
第220回・2025年11月30日1,289人1,206人781人64.76%
第219回・2025年7月13日804人741人586人79.08%

簿記能力検定の難易度

基礎簿記会計と3級は、簿記を初めて学ぶ人向けの入門レベルです。仕訳や帳簿の流れなど、簿記の基本を理解できていれば対応しやすく、学校や専門学校で簿記を学び始めた人でも挑戦しやすい級といえます。

2級になると、3級よりも実務に近い内容が増えるため、難易度は上がります。商業簿記だけでなく工業簿記も関わるため、簿記の基本を理解したうえで、計算や処理の流れを正確に身につける必要があります。

1級はさらに専門性が高くなります。会計処理や原価計算に関する理解が深く問われるため、基礎的な簿記の延長だけでは対応しにくくなります。日商簿記2級程度の知識がある人でも、試験向けにしっかり対策しておく必要があるでしょう。

上級は、簿記能力検定の中でも特に難易度の高い級です。会計や原価計算をかなり深く理解する必要があり、税理士試験の受験資格にもつながるレベルのため、簡単に合格できる試験ではありません。

総合的に見ると、簿記能力検定は下位級であれば初学者でも取り組みやすい資格です。ただし、1級以上は会計知識を本格的に学ぶ必要があり、特に上級は長期的な学習と十分な問題演習が必要な難関レベルといえるでしょう。

簿記能力検定の勉強法

基礎簿記会計や3級では、簿記の基本ルール、勘定科目、仕訳、試算表、精算表、決算整理などをしっかり押さえましょう。簿記を初めて学ぶ方は、いきなり問題演習に入るよりも、まず仕訳の考え方を理解することが重要です。

2級以上では、商業簿記に加えて工業簿記や原価計算なども出てくるため、範囲が広くなります。特に工業簿記は、最初は苦手に感じやすい分野ですが、出題パターンに慣れると得点源にしやすいので、早めに問題演習を始めるとよいでしょう。

上級はかなり難易度が高く、会計学や原価計算、工業簿記、商業簿記を深く理解する必要があります。独学だけでは負担が大きいため、資格スクールや通信講座を利用するのも一つの方法です。

基本的には、テキストで基礎を理解し、問題集や過去問を繰り返し解く勉強法がおすすめです。簿記は読むだけでは身につきにくいので、実際に仕訳や計算問題を解き、間違えた問題を何度も復習することが合格への近道です。

簿記能力検定のお勧めテキスト

全経簿記能力検定試験 公式テキスト&問題集 基礎簿記会計

基礎簿記会計を受験する人向けの公式テキスト&問題集です。簿記の基本用語、仕訳、帳簿、試算表などを初歩から学べます。テキストと問題集が一体になっているため、簿記初心者の最初の一冊として使いやすい教材です。

その他:ネットスクール株式会社 桑原知之, 監修:新田忠誓
¥1,600 (2026/05/19 14:36時点 | Amazon調べ)

資格を活かせる仕事

企業のお金の流れや帳簿の付け方、仕訳、決算、財務諸表の基本などを学べる資格です。経理や会計に関する基礎知識を身につけられるため、事務職や経理補助などの仕事で活かすことができます。

活かしやすい仕事としては、経理、経理補助、一般事務、営業事務、総務、会計事務所、税理士事務所、金融機関、店舗の売上管理、個人事業主の経理業務などがあります。特に、伝票処理、仕訳入力、帳簿管理、請求書や領収書の整理、決算補助などを行う仕事では、簿記の知識が役立ちます。

ただし、簿記能力検定は日商簿記検定に比べると企業での認知度はやや低めです。そのため、就職・転職で強くアピールしたい場合は、簿記能力検定だけでなく、日商簿記2級以上の取得も検討した方が現実的です。

学生の就職活動や事務職未経験者であれば、簿記の基礎を学んでいることを示す材料になります。一方で、社会人の転職では、資格だけでなく経理実務経験、会計ソフトの操作、Excelスキル、月次決算の経験などが重視されます。

簿記能力検定は、就職・転職の決め手というより、会計や経理の基礎を身につけるための資格です。経理職を目指す入口としては役立ちますが、仕事でより強く活かしたい場合は、実務経験や日商簿記などの認知度が高い資格と組み合わせるとよいでしょう。

受験者の口コミ評判

3.0
日商落ちたときの保険

2級学生時代に全経1級取りましたがやっぱり「日商簿記はとらないの?」って聞かれました。全経1級までなら日商簿記2級の方が圧倒的にニーズありますね。
でも日商簿記は引っ掛け問題多く全経は割と素直な問題な上に1級は科目合格制度を採用するなど取りやすい配慮を取ってるので力試しや日商落ちたときの保険としては機能すると思います。上級なら単体でも強いでしょうし。

根岸 30代会社員(2019年7月)

資格を広めてくれると嬉しいです!
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