
珠算能力検定とは
珠算能力検定は、そろばんを使った計算技能を測る検定試験です。たし算・ひき算・かけ算・わり算などの計算を、正確かつ素早く処理できるかを確認する実技中心の試験で、主に小学生を中心とした学習者に広く受けられています。
一般的に「そろばん検定」と呼ばれることも多く、計算力だけでなく、集中力・記憶力・忍耐力・数字への感覚を養う学習としても知られています。そろばん学習は、学校の算数だけでなく、日常生活での暗算力や数字に対する理解を深めるきっかけにもなります。
級は段階的に分かれており、上位級になるほど計算の桁数や問題量が増え、より高い正確性とスピードが求められます。日商珠算能力検定は1級〜6級、日珠連珠算能力検定は準1級〜準3級、7級〜10級などが実施されています。準1級〜準3級は2014年度から創設されています。
また、日本商工会議所では珠算能力検定試験を6月・10月・2月の年3回実施しており、1級満点合格者の表彰も行っています。
珠算能力検定は、子どもの習い事としての到達度確認はもちろん、計算力を伸ばしたい人や、暗算力・集中力を鍛えたい人にも向いている検定です。特に小学生のうちから段階的に目標を持って学べるため、学習習慣を身につけるきっかけにもなります。
珠算能力検定の基本情報
| 資格種別 | 公的資格 |
| ジャンル | 教養・基礎 |
| 資格区分 | 1級・準1級・2級・準2級・3級・準3級・4級・5級・6級・7級・8級・9級・10級 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年3回。例年6月・10月・翌2月に実施 |
| 試験方法 | そろばんを使用した実技試験。みとり算・かけ算・わり算などが出題される |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 全国の商工会議所、珠算連盟指定会場、そろばん教室など |
| 受験料 | 1級2,800円、準1級2,400円、2級2,000円、準2級1,900円、3級1,800円、準3級1,500円、4級〜6級1,200円、7級〜10級1,000円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 日本珠算連盟(日商) |
| 関連資格 | 実用数学技能検定 電卓技能検定 暗算能力検定 理科検定 |
珠算能力検定の試験日
2026年度試験
| 申込期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 5月中旬〜下旬ごろ | 6月28日 | 7月上旬 |
| 9月中旬〜下旬ごろ | 10月25日 | 11月上旬 |
| 1月中旬ごろ | 2月14日 | 2月下旬 |
珠算能力検定の試験内容
主な試験科目は、みとり算・かけ算・わり算で構成されています。
みとり算では、複数の数字をそろばんで足したり引いたりする力が問われます。かけ算では、指定された数を正確に掛け合わせる計算力、わり算では、割り切れる計算や商を求める力が必要です。
上位級になるほど、扱う数字の桁数が増え、制限時間内に正確かつ素早く解答する力が求められます。単に計算ができるだけでなく、集中力、正確性、スピードを総合的に確認する試験といえるでしょう。
日商・日珠連の珠算能力検定では、1級〜6級は300点満点、7級〜10級は200点満点で実施されます。1級〜6級では、みとり算・かけ算・わり算が出題され、7級〜10級では級によって出題科目や問題量が変わります。
出題範囲
1級
珠算能力検定の中でも高い計算力が求められる上位級です。みとり算・かけ算・わり算のすべてで、桁数の多い問題を正確に処理する必要があります。計算のスピードだけでなく、長い問題でも集中を切らさず、ミスなく解答する力が重要です。
2級
2級は、実用的な計算力をかなり高いレベルで確認する級です。1級よりは桁数や難易度が抑えられますが、みとり算・かけ算・わり算を制限時間内に安定して解く必要があります。そろばん学習の成果をしっかり示せる級といえるでしょう。
3級
そろばんの基礎から応用へ進む目安となる級です。基本的な操作に慣れていることに加え、一定のスピードと正確性が求められます。小学生のそろばん学習でも、まず大きな目標にされやすい級です。
4級
そろばんの基本操作をある程度身につけた人向けの級です。みとり算・かけ算・わり算が出題され、基本的な計算を正しく処理できるかが問われます。ここからは問題量や桁数も増えてくるため、練習量が得点に出やすくなります。
5級
そろばんの基礎力を確認する級です。簡単なみとり算・かけ算・わり算を中心に、そろばんの使い方に慣れているかが問われます。初級者が次の段階へ進むための目安になります。
6級
そろばん学習を始めた人が基礎を確認するための級です。みとり算・かけ算・わり算の基本問題が出題され、数字を正しく置き、落ち着いて計算する力が求められます。
7級〜10級
そろばんを始めたばかりの子どもでも挑戦しやすい入門〜初級レベルです。みとり算を中心に、級によってかけ算・わり算も出題されます。数字に慣れ、そろばんを使って計算する基礎を身につける段階です。
合格基準
| 級 | 満点 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 1級 | 300点 | 240点以上 |
| 2級 | 300点 | 240点以上 |
| 3級 | 300点 | 240点以上 |
| 4級 | 300点 | 210点以上 |
| 5級 | 300点 | 210点以上 |
| 6級 | 300点 | 210点以上 |
| 7級 | 200点 | 120点以上 |
| 8級 | 200点 | 120点以上 |
| 9級 | 200点 | 120点以上 |
| 10級 | 200点 | 60点以上 |
珠算能力検定の受験者数・合格率
2025年
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 15,639人 | 4,600人 | 29.4% |
| 2級 | 18,399人 | 7,146人 | 38.8% |
| 3級 | 22,317人 | 11,779人 | 52.8% |
2024年
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 18,926人 | 5,508人 | 29.1% |
| 2級 | 22,442人 | 8,797人 | 39.2% |
| 3級 | 26,522人 | 13,835人 | 52.2% |
2023年
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 21,292人 | 6,084人 | 28.6% |
| 2級 | 25,397人 | 9,255人 | 36.4% |
| 3級 | 29,053人 | 15,442人 | 53.2% |
2022年
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 23,381人 | 6,939人 | 29.7% |
| 2級 | 28,236人 | 10,838人 | 38.4% |
| 3級 | 33,687人 | 18,123人 | 53.8% |
2021年
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 23,512人 | 7,559人 | 32.1% |
| 2級 | 29,416人 | 12,495人 | 42.5% |
| 3級 | 35,277人 | 20,462人 | 58.0% |
珠算能力検定の難易度
特に1級は難易度が高く、桁数の多い計算を限られた時間内に正確に解く力が必要です。合格率も3割前後で推移しており、単にそろばんの操作ができるだけでなく、スピード・正確性・集中力のすべてが求められます。
一方で、2級以下については、しっかり練習を重ねれば十分合格を目指せるレベルです。特に3級〜6級は、そろばん教室などで継続的に学習している子どもにとって、段階的に挑戦しやすい級といえるでしょう。
ただし、2級も決して簡単というわけではありません。1級ほどではないものの、みとり算・かけ算・わり算を安定して解く力が必要です。計算ミスが多いと合格点に届かないため、普段から時間を測って練習し、正確に解く習慣をつけることが大切です。
全体としては、初級〜中級級は練習量が結果に出やすく、1級になると一気に難易度が上がる試験といえます。
珠算能力検定の勉強法
知識を暗記して答える筆記試験ではなく、そろばんを使って計算する実技試験です。そのため、合格するには問題の解き方を理解するだけでなく、実際に手を動かして練習量を増やすことが大切です。
特に重要なのは、正確性とスピードの両立です。速く解けてもミスが多ければ得点は伸びませんし、正確でも時間内に解き終わらなければ合格点に届きにくくなります。まずはゆっくりでも正確に計算することを意識し、慣れてきたら時間を測って本番に近い形で練習しましょう。
みとり算・かけ算・わり算は、それぞれ必要な力が少し異なります。苦手な種目だけ点数が低いと合格が難しくなるため、得意不得意を確認しながらバランスよく対策することが重要です。
また、珠算能力検定は繰り返し練習するほど上達しやすい試験です。過去問や練習問題を何度も解き、そろばんの操作を体に覚えさせることで、計算スピードと集中力が少しずつ高まります。
資格を活かせる仕事
現在は電卓やパソコン、会計ソフトなどが普及しているため、そろばんを直接使う仕事は多くありません。実際に珠算能力検定をそのまま活かせる仕事としては、そろばん教室の講師や、子ども向けの計算指導などが中心になるでしょう。
そのため、珠算能力検定を取得したからといって、就職や転職で大きく有利になるとは言いにくいです。特に一般企業では、そろばんの技能そのものよりも、パソコン操作や簿記、会計ソフトのスキルが重視される傾向があります。
ただし、珠算能力検定で身につく計算力、集中力、正確性、数字への強さは、事務職や経理補助、会計事務、販売管理、金融関連の仕事などで役立つ場合があります。特に1級を取得していれば、一定以上の計算力や継続して努力した経験をアピールしやすくなります。
仕事に直結する資格というよりも、数字に強いことや、集中して正確に作業できることを示す補助的な資格として考えるとよいでしょう。簿記やパソコンスキルと組み合わせれば、事務・経理系の仕事でよりアピールしやすくなります。
受験者の口コミ
★★★★★
計算が得意になる
両親が珠算教室に通っていたこともありましたが、自分から通い始めました。高校受験に専念する為にやめましたが、今でもそろばんをはじく感覚が快感で時々指慣らししています。約4年くらい通って、8級から2級まで合格しました。(1回飛び級あり、ちなみに暗算検定も2級まで合格)
確かに使う機会がほぼありませんが、1つの自信になるでしょう。大変なのは特に冬で、手がかじかんでしまわないようにすることです。(当たり前ですが)
いつからでも始められますが、なるべく早く始めたほうがいいと思います。
きゃん 10代高校生(2020年3月)
★★★★★
題名なし
私が珠算検定1級を取得したのは、10代前半の学生だった頃です。
いわゆる「そろばん」を習っており、1級合格がそろばんの習い事をやめていい条件でした。試験自体の難易度は普通だと思いますが、能力よりも技能が必要な資格かと思います。受験者は、商業系の高校生が圧倒的に多かったです。
珠算検定1級を取ってよかったのは、やはり計算が得意になることですね。暗算もある程度ならできますし、学校の算数・数学はもちろん、仕事をする上でも数字に強いと周囲の評価も良いと感じます。
かな 10代高校生(2019年6月)

