
暗算能力検定とは
暗算能力検定は、日本珠算連盟と日本商工会議所が実施している、暗算力を測る検定試験です。そろばん学習で身につく計算力をもとに、頭の中で素早く正確に計算できる力を確認する内容になっています。
試験は、1級から10級まで設定されており、上位級ではみとり暗算・かけ暗算・わり暗算が出題されます。1級〜6級は、みとり暗算20題、かけ暗算30題、わり暗算30題の合計80題を12分で解く形式です。7級〜10級は、みとり暗算50題を12分で解き、得点によって7級〜10級の判定が行われます。
暗算能力検定は、高校生以下の学生やそろばん教室に通う子どもを中心に受験されることが多い検定です。暗算力が身につくと、買い物でのおおよその計算、金額の確認、日常的な数字の処理などにも役立ちます。また、経理・営業・販売など、数字を扱う仕事でも、計算に対する苦手意識を減らすきっかけになります。
ただし、就職や転職で強く評価される資格というよりは、計算力や集中力を鍛えるための学習系資格と考えた方がよいでしょう。受験料は級によって異なり、現在は1級〜3級が1,200円、4級〜6級が1,100円、7級〜10級が1,000円です。以前のように全級一律910円ではないため、記事では最新の受験料で記載する必要があります。
暗算能力検定の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 教養・基礎 |
| 資格区分 | 1級、2級、3級、4級、5級、6級、7級、8級、9級、10級 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 各地の商工会議所・珠算連盟などにより異なる |
| 試験方法 | 暗算による筆記試験。1級〜6級は、みとり暗算・かけ暗算・わり暗算、7級〜10級はみとり暗算を実施 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 各地の商工会議所、珠算連盟、珠算教室など。試験会場は申込時に確認 |
| 受験料 | 1級〜3級:1,200円、4級〜6級:1,100円、7級〜10級:1,000円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 日本珠算連盟 |
| 関連資格 | 実用数学技能検定 珠算能力検定 英検Jr 理科検定 算数・数学 思考力検定 |
暗算能力検定の試験日
各地の商工会議所や珠算連盟などで実施されるため、申込期間や合格発表日は会場によって異なります。
暗算能力検定の試験内容
そろばん学習で身につけた暗算力を測る検定です。試験では、紙に書かれた問題を見ながら、そろばんや電卓を使わずに頭の中で計算し、答えを記入します。
1級〜6級は、みとり暗算・かけ暗算・わり暗算の3種目で実施されます。問題数は、みとり暗算20題、かけ暗算30題、わり暗算30題の合計80題で、制限時間は12分です。7級〜10級は、みとり暗算50題のみで実施され、同じ問題を解き、得点によって7級〜10級の判定が行われます。
級が上がるほど、扱う桁数や口数が増えるため、暗算の正確性だけでなく、短時間で処理するスピードも必要になります。特に1級〜3級では、かけ暗算・わり暗算も含まれるため、そろばん式暗算の練習を継続している人の方が取り組みやすい試験です。
出題範囲
1級
みとり暗算、かけ暗算、わり暗算が出題されます。みとり暗算は3けた10口30字、かけ暗算は実法合わせて5けた、わり暗算は法商合わせて5けたの問題です。上位級らしく、桁数が多く、12分で80題を処理する高い暗算力が求められます。
準1級
みとり暗算、かけ暗算、わり暗算が出題されます。1級と2級の中間にあたる級で、みとり暗算は3けた7口21字と3けた10口30字、かけ暗算・わり暗算は4けたと5けたの問題が組み合わされます。
2級
みとり暗算、かけ暗算、わり暗算が出題されます。みとり暗算は3けた7口21字、かけ暗算は実法合わせて4けた、わり暗算は法商合わせて4けたです。上位級を目指す前の実力確認としても重要な級です。
準2級
みとり暗算、かけ暗算、わり暗算が出題されます。みとり暗算は3けた5口15字と3けた7口21字、かけ暗算・わり暗算は主に4けたの問題です。2級に近い内容を含むため、3級合格後のステップアップに向いています。
3級
みとり暗算、かけ暗算、わり暗算が出題されます。みとり暗算は3けた5口15字、かけ暗算・わり暗算は4けたの問題です。暗算能力検定の中では、基礎から上位級へ進む節目となる級といえます。
準3級
みとり暗算、かけ暗算、わり暗算が出題されます。みとり暗算は2けた5口10字と3けた5口15字、かけ暗算・わり暗算は3けたと4けたの問題が出題されます。3級に進む前の確認として使いやすい級です。
4級
みとり暗算、かけ暗算、わり暗算が出題されます。みとり暗算は2けた5口10字、かけ暗算・わり暗算は3けたの問題です。3種目をバランスよく練習し、12分間で解き切る力をつけることが大切です。
5級
みとり暗算、かけ暗算、わり暗算が出題されます。みとり暗算は1けた〜2けたの5口8字、かけ暗算・わり暗算は3けたの問題です。基礎的な暗算力を確認しながら、上位級に向けた土台を作る級です。
6級
みとり暗算、かけ暗算、わり暗算が出題されます。みとり暗算は1けた〜2けた5口6字、かけ暗算・わり暗算は3けたの問題です。3種目に慣れる最初の段階として、正確に答えを出す練習が重要です。
7級〜10級
みとり暗算のみが出題されます。7級〜10級は同じ問題を解き、得点によって級が判定されます。1〜15番は3口3字、16〜30番は4口4字、31〜50番は5口5字の問題で、制限時間は12分です。暗算に初めて取り組む人でも挑戦しやすい内容です。
合格基準
1級〜6級は500点満点中400点以上で合格です。7級〜10級は同じ問題を解き、得点によって認定級が変わります。400点以上なら7級、350点以上なら8級、300点以上なら9級、250点以上なら10級の認定となります。
暗算能力検定の合格率
3級の合格率は80%程
暗算能力検定の難易度
小学生や中学生など、そろばん学習をしている子どもを中心に受験されている検定です。そのため、下位級から中位級については、暗算に慣れていれば比較的取り組みやすい試験といえます。
ただし、暗算に慣れていない人にとっては、最初から簡単に感じる試験ではありません。そろばんや電卓を使わずに、頭の中だけで計算する必要があるため、計算の正確性とスピードの両方が求められます。特に1級〜6級では、みとり暗算だけでなく、かけ暗算・わり暗算も出題されるため、日頃から暗算練習をしているかどうかで難易度の感じ方は大きく変わります。
7級〜10級は、みとり暗算のみで判定されるため、初めて受験する人でも挑戦しやすい級です。暗算の基礎を身につけながら、少しずつ上位級を目指していく流れが自然でしょう。
一方で、上位級になるほど桁数や問題数が増え、短い時間内に正確に答える力が必要になります。特に1級や準1級では、暗算力だけでなく集中力や処理スピードも重要です。
全体として、暗算能力検定は慣れれば合格を狙いやすい検定ですが、暗算練習をしていない状態で簡単に合格できる試験ではありません。毎日少しずつ計算練習を続け、正確に速く解けるようになれば、着実に上位級を目指せる資格といえるでしょう。
暗算能力検定の勉強法
知識を暗記して合格を目指す試験ではなく、暗算の正確性とスピードを高める技能型の検定です。そのため、勉強法としては、そろばん学習で身につけた計算感覚を使いながら、実際に問題を何度も解いて慣れていくことが基本になります。
まずは、受験する級の出題形式を確認しましょう。1級〜6級は、みとり暗算・かけ暗算・わり暗算が出題され、7級〜10級はみとり暗算のみで判定されます。級によって問題数や桁数が異なるため、自分が受ける級に合った問題で練習することが大切です。
練習では、最初から速さを意識しすぎるよりも、まず正確に答えを出すことを優先しましょう。暗算は、焦って解くと桁の読み間違いや計算ミスが増えやすくなります。正答率が安定してきたら、少しずつ時間を測り、本番と同じ12分で解く練習に移ると効果的です。
また、日本珠算連盟の公式サイトでは、暗算能力検定の練習問題をダウンロードできます。試験対策をする際は、公式の練習問題を活用し、本番に近い形式で繰り返し解いておくとよいでしょう。
暗算能力検定は、短期間で一気に伸ばすというより、毎日の反復練習で少しずつ力をつけていく試験です。そろばんを使った練習や暗算問題を継続し、正確に速く解く感覚を身につけることが合格への近道です。
とにかく、そろばんを使って問題を解いてスピードを付けていくしか有効な勉強法はないです。
暗算能力検定のお勧めテキスト
暗算検定試験練習問題
暗算能力検定の対策では、日本珠算連盟の公式サイトで公開されている暗算検定試験練習問題を活用するのがおすすめです。本番と同じ形式の問題で練習できるため、受験する級の出題内容や時間配分を確認しやすい教材です。
珠算教室で使用している暗算教材
暗算能力検定は、そろばん学習と関係が深い検定です。そのため、独学用の市販テキストだけでなく、珠算教室で使っている暗算プリントや問題集を繰り返し解く方法も効果的です。特に上位級を目指す場合は、継続的に問題量をこなすことが大切です。
そろばん・暗算トレーニング用問題集
市販のそろばん・暗算トレーニング用問題集も、基礎練習には活用できます。ただし、検定対策として使う場合は、受験する級の桁数や問題形式に合っているか確認してから選ぶとよいでしょう。公式の練習問題とあわせて使うと、より本番に近い対策ができます。
就職で活かせる資格なのか
就職や転職で大きく有利になる資格ではありません。仮に1級を取得していたとしても、それだけで採用評価が大きく上がるケースは少ないと考えた方がよいでしょう。
ただし、数字を扱う仕事では、暗算力が役立つ場面があります。たとえば、経理、会計、販売、営業、金融関連などでは、金額や数量を素早く確認する力が実務で活きることがあります。また、そろばん教室の講師や補助スタッフを目指す場合は、暗算力を示す材料として活用できる可能性があります。
一方で、一般的な就職・転職活動では、簿記、パソコンスキル、実務経験などの方が重視されやすく、暗算能力検定はあくまで補助的なアピール材料にとどまります。履歴書に書く場合も、「暗算が得意」「数字に苦手意識がない」「集中して取り組む力がある」といった印象を補う資格として考えるとよいでしょう。
そのため、暗算能力検定は就職のために取得する資格というより、計算力、集中力、記憶力を高めるための学習系資格と考えるのが現実的です。子どもの学習目標や、そろばん学習の成果を確認する資格としては価値がありますが、就職・転職で過度な期待はしない方がよいでしょう。

