土木施工管理技士試験とは
土木施工管理技士試験は、道路、河川、橋梁、トンネル、上下水道、港湾などの土木工事において、施工管理を行う技術者を認定する国家試験です。施工管理技士資格の一つで、工事現場の工程管理、品質管理、安全管理、原価管理など、土木工事を計画どおり安全に進めるための知識と実務能力が問われます。
試験は1級と2級に分かれており、1級は大規模工事や管理者としての施工管理に関わる人、2級は比較的小規模な工事や現場実務に関わる人を主な対象としています。2級は「土木」「鋼構造物塗装」「薬液注入」の種別に分かれており、担当する工事内容に応じて受験区分を選びます。
建設会社、土木工事会社、建設コンサルタント、官公庁、インフラ関連企業などで活用しやすい資格です。特に1級は、監理技術者や主任技術者としての配置に関係するため、土木工事の現場管理を担う人にとって重要度の高い資格といえます。
土木施工管理技士試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(名称独占資格) |
| ジャンル | 建築・不動産 |
| 資格区分 | 1級土木施工管理技士、1級土木施工管理技士補、2級土木施工管理技士、2級土木施工管理技士補 |
| 受験資格 | 1級第一次検定は受検年度末時点で19歳以上、2級第一次検定は受検年度末時点で17歳以上。第二次検定は、第一次検定合格後、所定の実務経験などが必要。 |
| 試験日程 | 年1回程度。1級は第一次検定と第二次検定を別日程で実施。2級は第一次検定が前期・後期に分かれ、後期日程で第一次検定・第二次検定、第二次検定のみの受検も実施。 |
| 試験方法 | 筆記試験。第一次検定は択一式を中心に、土木一般、専門土木、法規、施工管理法などから出題。第二次検定は施工管理法を中心とした記述式で、実務経験に基づく施工管理能力も問われます。 |
| 免除科目 | 第一次検定合格者は、同じ級の第二次検定を受検できます。また、一定の受検資格や過去の合格状況により、検定区分や申込方法が異なる場合があります。 |
| 試験場所 | 全国の指定試験地。1級・2級、第一次検定・第二次検定の区分により実施地区が異なります。 |
| 受験料 | 1級第一次検定:12,000円/1級第二次検定:12,000円/2級第一次検定:6,000円/2級第二次検定:6,000円 |
| 登録・更新 | 第一次検定に合格すると「施工管理技士補」、第二次検定に合格すると「施工管理技士」の資格を取得できます。監理技術者や主任技術者として配置される場合は、建設業法上の要件に従う必要があります。 |
| 問い合わせ | 一般財団法人 全国建設研修センター |
| 関連資格 | 二級建築士 舗装施工管理技術者 建築施工管理技士 基礎施工士 |
土木施工管理技士試験の試験日
2026年度試験
1級土木施工管理技士
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第一次検定:7月5日 第二次検定:10月4日 | 3月23日~4月6日 | 第一次検定:8月13日 第二次検定:1月8日 |
2級土木施工管理技士
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第一次検定(前期):6月7日 | 3月4日~3月18日 | 7月7日 |
| 第一次検定(後期)・第二次検定:10月25日 | 7月8日~7月22日 | 第一次検定:12月2日 第二次検定:2月3日 |
土木施工管理技士試験の試験内容
1級と2級に分かれており、どちらも第一次検定と第二次検定で構成されています。1級は、土木工事の施工管理を行うための高度な知識と、監理技術者として必要な応用力が問われます。2級は、主任技術者として必要な施工管理の基礎から実務的な知識が中心です。
第一次検定では、土木工学、施工管理法、法規などの知識が問われます。第二次検定では、施工経験をもとにした記述問題や、工程管理、品質管理、安全管理、施工計画などについて、実務的に判断して説明する力が求められます。
出題範囲
1級
土木工学、施工管理法、法規を中心に出題されます。土木工学では、土工、コンクリート工、基礎工、道路、河川、砂防、上下水道、港湾、トンネル、鋼構造物など、土木工事に関する幅広い知識が問われます。
施工管理法では、施工計画、工程管理、品質管理、安全管理、出来形管理、建設副産物、環境保全などが出題されます。第二次検定では、実際の工事経験をもとに、施工上の課題、対策、管理方法を具体的に記述する力が重要です。
法規では、建設業法、労働基準法、労働安全衛生法、道路法、河川法、建築基準法、騒音規制法、振動規制法など、土木施工に関係する法令が問われます。
2級
土木、鋼構造物塗装、薬液注入の種別に分かれています。土木では、一般的な土木工事の施工管理に関する知識が問われます。鋼構造物塗装では、橋梁などの鋼構造物の塗装工事に関する施工管理、薬液注入では、地盤改良や止水などの薬液注入工事に関する施工管理が中心です。
第一次検定では、土木工学、施工管理法、法規の基本知識が問われます。第二次検定では、施工管理の実務に関する記述問題が出題され、工事現場での管理内容を具体的に説明する力が必要です。
試験科目と出題数
1級第一次検定は、四肢択一式と五肢択一式で実施されます。出題は、土木工学等、施工管理法、法規から行われます。第二次検定は記述式で、施工経験記述、施工管理、品質管理、安全管理、工程管理、法規などから出題されます。
2級第一次検定は、四肢択一式で実施されます。出題は、土木工学等、施工管理法、法規が中心です。第二次検定は記述式で、種別ごとの施工管理に関する実務的な内容が問われます。
2級は、第一次検定のみの受検、第一次検定と第二次検定の同日受検、第二次検定のみの受検など、受検区分によって受け方が分かれます。
合格基準
第一次検定は、1級・2級ともに得点が60%以上であることが基本の合格基準です。ただし、1級第一次検定では、施工管理法の応用能力に関する問題についても一定以上の得点が必要です。
第二次検定も、1級・2級ともに得点が60%以上であることが基本の合格基準です。記述式では、施工経験の内容、課題への対応、管理方法、法令や安全・品質への配慮などが評価されます。
土木施工管理技士試験の受験者数・合格率
1級土木施工管理技士|第一次検定
| 年度 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 47,715人 | 20,547人 | 43.1% |
| 2024年度 | 51,193人 | 22,705人 | 44.4% |
| 2023年度 | 32,931人 | 16,311人 | 49.5% |
| 2022年度 | 38,672人 | 21,097人 | 54.6% |
| 2021年度 | 37,726人 | 22,851人 | 60.6% |
1級土木施工管理技士|第二次検定
| 年度 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 24,667人 | 9,603人 | 38.9% |
| 2024年度 | 27,220人 | 11,224人 | 41.2% |
| 2023年度 | 27,304人 | 9,060人 | 33.2% |
| 2022年度 | 24,462人 | 7,032人 | 28.7% |
| 2021年度 | 26,558人 | 9,732人 | 36.6% |
2級土木施工管理技士|第一次検定
| 年度 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 24,556人 | 12,194人 | 49.7% |
| 2024年度 | 25,686人 | 11,445人 | 44.6% |
| 2023年度 | 27,764人 | 14,477人 | 52.1% |
| 2022年度 | 27,461人 | 17,565人 | 64.0% |
| 2021年度 | 18,612人 | 13,697人 | 73.6% |
2級土木施工管理技士|第二次検定
| 年度 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 21,111人 | 11,341人 | 53.7% |
| 2024年度 | 18,806人 | 6,646人 | 35.3% |
| 2023年度 | 26,178人 | 16,464人 | 62.9% |
| 2022年度 | 32,351人 | 12,246人 | 37.9% |
| 2021年度 | 32,847人 | 11,713人 | 35.7% |
土木施工管理技士試験の難易度
土木施工管理技士は、2級であれば土木工事の基礎知識と現場経験があれば取り組みやすい一方、1級は施工管理全体を理解し、実務経験を踏まえて答える力が求められるため、難易度が上がります。どちらも暗記だけでなく、現場での流れや安全管理、品質管理、工程管理などを具体的にイメージできるかが重要です。
難しさの理由は、土木工事の範囲が広いことです。道路、河川、橋梁、トンネル、上下水道、造成、港湾など、さまざまな工種に関する知識が出題されるため、自分が経験していない分野も学ぶ必要があります。特定の現場に慣れている人でも、試験では幅広い土木工事の基礎を押さえておくことが求められます。
第一次検定では、土木一般、専門土木、法規、施工管理法などの知識が問われます。過去問対策の効果は出やすいものの、用語や数値を丸暗記するだけでは対応しにくい問題もあるため、工事の目的や施工手順を理解しながら学習することが大切です。
第二次検定では、施工経験をもとにした記述対策が重要になります。品質管理、安全管理、工程管理、出来形管理などについて、自分の経験を整理し、試験で伝わる文章にまとめる力が必要です。現場経験があっても、文章で説明することに慣れていない人は、この部分で苦労しやすいでしょう。
2級は現場担当者としての基礎を問う内容が中心で、土木工事の経験がある人なら比較的学習を進めやすい試験です。1級は主任技術者・監理技術者として必要な知識が問われるため、出題範囲も実務判断も重くなります。合格を目指すには、第一次検定では過去問を中心に知識を固め、第二次検定では自分の施工経験を管理項目ごとに整理しておくことが重要です。
- 土木施工管理2級の資格試験は、土木の知識が必要な分野ではありますが、初心者でも1か月ぐらい勉強をすればとれる資格の一つだと思います。(30代男性 2級取得)
- 2級に関して言えば難易度は低く、土木の知識が多少あれば合格できます。試験自体は、過去問と同じ傾向で出題されるので過去問をどれだけこなせるのかが合格への鍵です。(30代男性 2級取得)
- 思ったより簡単でした。(30代男性 2級取得)
しかく姫皆さん簡単とおっしゃってますが、過去問を見たけどチンプンカンプンなんですけど・・・



受験資格を得ている時点で土木施工に関する基礎知識は持っていると思いますので、そういった方からしてみれば簡単と感じるのでしょうね。
土木施工管理技士試験の勉強法
第一次検定では、土木一般、専門土木、施工管理法、法規などが出題されます。範囲は広いですが、過去問と似た論点が出ることも多いため、問題演習を繰り返しながら頻出分野を重点的に押さえると効率的です。
特に施工管理法は重要な分野です。工程管理、品質管理、安全管理、出来形管理、原価管理などは、第二次検定にもつながる内容なので、用語を暗記するだけでなく、実際の現場管理の流れと結びつけて理解しておきましょう。
第二次検定では、施工経験記述の対策が大きなポイントになります。自分が関わった工事について、工事概要、課題、実施した対策、結果を具体的に書けるように、早めに経験内容を整理しておくことが大切です。
土木施工管理技士試験は、現場経験がある方でも試験向けの対策は必要です。基本的には、第一次検定は過去問を反復し、第二次検定は施工経験記述と記述問題を繰り返し練習する勉強法がおすすめです。
土木施工管理技士試験のテキスト
土木施工管理技術テキスト 改訂第4版
1級・2級共通で使える、地域開発研究所の定番テキストです。土木一般、専門土木、施工管理、法規などを体系的に学べます。講習会指定図書としても案内されており、基礎からしっかり学びたい人の中心教材として使いやすいです。
1級土木施工管理 第一次検定 問題解説集 2026年版
1級の第一次検定対策に使いやすい問題解説集です。過去7年分の問題解説が収録されており、出題傾向を確認しながら演習できます。テキストで基礎を整理した後、本試験形式に慣れる仕上げ教材としておすすめです。
1級土木施工管理技士 第二次検定 テキスト&過去問題集 2026年度版
1級の第二次検定対策に特化したテキスト&過去問題集です。施工経験記述の書き方や、出題形式ごとの解答のコツを確認できます。過去10年分の問題も収録されているため、記述対策を重点的に進めたい人に向いています。
資格を活かせる仕事
建設会社、土木工事会社、ゼネコン、建設コンサルタント、道路工事会社、橋梁工事会社、上下水道工事会社、造成工事会社、官公庁・自治体の土木職、インフラ整備関連企業などがあります。特に、現場監督、施工管理、工事計画、協力会社との調整、書類作成、安全管理などを行う仕事では、資格を直接活かしやすいでしょう。
土木施工管理技士は、建設・土木業界ではかなり実用性の高い資格です。特に1級は大規模工事の管理に関わりやすく、監理技術者や主任技術者として配置される場面もあるため、会社側からの需要も高い資格です。2級でも中小規模の現場や施工管理補助、現場経験を積む段階で役立ちます。
就職・転職でも評価されやすく、土木施工管理の求人では資格保有者を歓迎または必須としているケースがあります。現場経験と組み合わせることで、年収アップや役職、資格手当につながる可能性もあります。
一方で、資格を持っているだけで現場を任せられるわけではありません。実務では、工程調整、現場作業員との連携、発注者対応、図面の理解、測量、書類作成、トラブル対応力なども重視されます。
土木施工管理技士は、土木・建設業界で長く働くなら取得する価値の高い資格です。現場監督や施工管理職としてキャリアアップしたい人、公共工事やインフラ整備に関わりたい人にとって、強い武器になる資格といえるでしょう。




