ボイラー溶接士試験の難易度・合格率・試験日など

目次

ボイラー溶接士試験とは

ボイラーや第一種圧力容器の溶接作業に必要となる国家資格です。ボイラー技士が運転・取扱い、ボイラー整備士が整備・補修を主な対象とするのに対し、ボイラー溶接士は圧力がかかる設備の溶接を安全かつ確実に行うための資格です。

資格区分は、特別ボイラー溶接士と普通ボイラー溶接士に分かれています。特別ボイラー溶接士は、ボイラーや第一種圧力容器の溶接業務を幅広く行うための上位資格で、普通ボイラー溶接士は、溶接部の厚さが25mm以下の場合や管台・フランジなどの取り付け溶接を行うための資格です。

試験は公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施しており、学科試験と実技試験で行われます。ボイラー製造、圧力容器製造、プラント、工場設備、造船、重工業、設備保全などの分野で活かせる資格で、一般的な溶接資格よりもボイラー・圧力容器の安全性に特化した専門資格といえます。

ボイラー溶接士試験の基本情報

資格種別国家資格(業務独占資格)
ジャンル保安・技術
資格区分特別ボイラー溶接士、普通ボイラー溶接士
受験資格普通ボイラー溶接士は、溶接作業の実務経験が1年以上ある人。特別ボイラー溶接士は、普通ボイラー溶接士免許を受けた後、ボイラーまたは第一種圧力容器の溶接作業に1年以上従事した人
試験日程年複数回。各安全衛生技術センターごとに実施日が異なります
試験方法学科試験と実技試験で実施。学科試験は五肢択一式、実技試験は溶接作業で実施
免除科目学科試験に合格して実技試験に不合格となった人は、一定期間、学科試験が免除される場合があります
試験場所各地区の安全衛生技術センター、または指定された実技試験会場
受験料学科試験:8,800円/普通ボイラー溶接士実技試験:24,000円/特別ボイラー溶接士実技試験:28,000円
登録・更新試験合格後、免許申請を行い、普通ボイラー溶接士または特別ボイラー溶接士免許の交付を受けることで資格者となります。免許の有効期間は2年間で、更新手続きが必要
問い合わせ公益財団法人 安全衛生技術試験協会
関連資格アルミニウム溶接技術者
ボイラー技士
ボイラー整備士
ガス溶接作業主任者

ボイラー溶接士試験の試験日

2026年度試験

特別ボイラー溶接士試験

試験日申込期間
8月25日:北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州センター試験日の2か月前~14日前ごろ
1月22日:北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州センター試験日の2か月前~14日前ごろ

普通ボイラー溶接士試験

試験日申込期間
4月24日:近畿センター試験日の2か月前~14日前ごろ
8月25日:北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州センター試験日の2か月前~14日前ごろ
1月22日:北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州センター試験日の2か月前~14日前ごろ

ボイラー溶接士試験の試験内容

ボイラー溶接士試験は、ボイラーや第一種圧力容器の溶接作業に必要な知識と技能を確認する国家試験です。区分は特別ボイラー溶接士と普通ボイラー溶接士に分かれており、いずれも学科試験と実技試験で実施されます。特別ボイラー溶接士は普通ボイラー溶接士より扱える溶接業務の範囲が広い区分です。

出題範囲

出題範囲は、ボイラーの構造や材料、工作・修繕方法、溶接施工方法、溶接棒や溶接部の性質、溶接部の検査方法、溶接機器の取扱い、溶接作業の安全、関係法令です。学科では溶接作業に必要な基礎知識と安全管理、法令知識が問われ、実技では実際の溶接技能が確認されます。

試験科目と出題数

特別ボイラー溶接士と普通ボイラー溶接士の学科試験は、どちらも8分野から合計40問が出題され、試験時間は2時間30分です。内訳は、ボイラーの構造及び材料が5問、工作及び修繕方法が5問、溶接施工方法が10問、溶接棒及び溶接部の性質が6問、溶接部の検査方法が3問、溶接機器の取扱方法が3問、溶接作業の安全が3問、関係法令が5問です。

実技試験は、特別ボイラー溶接士では横向き突合せ溶接、普通ボイラー溶接士では下向き突合せ溶接と立向き突合せ溶接が行われます。実技試験の時間はいずれも1時間です。

合格基準

学科試験は、特別ボイラー溶接士・普通ボイラー溶接士ともに総得点の60%以上で合格となります。通常の免許試験のような科目ごとの40%基準ではなく、ボイラー溶接士試験は総得点で判定されます。実技試験は、すべての試験片が曲げ試験の判定基準に合格することが必要です。

ボイラー溶接士試験の受験者数・合格率

特別ボイラー溶接士・学科試験

年度受験者数合格者数合格率
2024年139人89人64.0%
2023年133人93人69.9%
2022年148人103人69.6%
2021年150人113人75.3%
2020年104人78人75.0%

特別ボイラー溶接士・実技試験

年度受験者数合格者数合格率
2024年133人116人87.2%
2023年117人102人87.2%
2022年141人136人96.5%
2021年149人134人89.9%
2020年126人107人84.9%

普通ボイラー溶接士・学科試験

年度受験者数合格者数合格率
2024年780人362人46.4%
2023年723人493人68.2%
2022年837人459人54.8%
2021年823人484人58.8%
2020年716人435人60.8%

普通ボイラー溶接士・実技試験

年度受験者数合格者数合格率
2024年525人352人67.0%
2023年732人441人60.2%
2022年716人448人62.6%
2021年695人418人60.1%
2020年666人420人63.1%

ボイラー溶接士試験の難易度

溶接作業の経験がある人でも実技対策が必要な試験です。筆記だけでなく実技試験があるため、知識を覚えるだけでは合格できず、ボイラーや圧力容器に求められる溶接品質を安定して出せるかが重要になります。

この試験で難しく感じやすいのは、実技で欠陥のない溶接を行う必要がある点です。ビードの外観、溶込み、アンダーカット、ブローホール、割れなどに注意しながら、決められた条件で正確に作業しなければなりません。普段から溶接作業に慣れている人でも、試験用の条件や姿勢に合わせた練習が不足していると苦労しやすいでしょう。

筆記試験では、ボイラーの構造、材料、溶接方法、溶接欠陥、検査、安全管理、関係法令などが問われます。溶接の実務経験がある人は理解しやすい内容ですが、ボイラー特有の構造や法令に触れた経験が少ない人は、運転設備や圧力容器としての安全性を意識して整理する必要があります。

普通ボイラー溶接士は、一定の溶接経験があれば比較的取り組みやすい一方、特別ボイラー溶接士はより高い溶接技術と安定した作業精度が求められます。設備製作、鉄工、配管、圧力容器、溶接作業に関わっている人は実務経験を活かしやすい資格ですが、実技の仕上がりが合否に直結するため、技能面の完成度が重要になります。

ボイラー溶接士試験のテキスト

学科対策では、アーク溶接、ガス溶接、溶接材料、溶接欠陥、熱影響、応力、非破壊検査などを確認しておくことが大切です。単に用語を覚えるだけでなく、溶接部にどのような欠陥が起こりやすく、強度や安全性にどう影響するのかを理解しておきましょう。

実技試験では、実際の溶接技能が見られます。ビードの形状、溶込み、裏波、欠陥の有無、仕上がりの安定性などが重要になるため、試験条件に近い材料や姿勢で繰り返し練習しておく必要があります。

特に重要なのは、安全性と品質を意識した作業です。ボイラーや圧力容器は高温・高圧で使用されるため、溶接不良が重大事故につながる可能性があります。開先、電流、運棒、予熱、スラグ除去、外観確認など、基本作業を丁寧に身につけましょう。

ボイラー溶接士試験は、知識だけでなく実技の完成度が合否に直結します。基本的には、学科はテキストと過去問で基礎を固め、実技は溶接条件・姿勢・仕上がりを意識して反復練習する勉強法がおすすめです。

資格を活かせる仕事

ボイラー製造会社、圧力容器メーカー、プラント設備会社、造船所、鉄工所、製造工場、設備工事会社、化学工場・食品工場・発電所などの設備保全関連業務があります。特に、ボイラー本体や圧力容器の製作、補修、配管溶接、設備メンテナンスに関わる仕事では、資格で学んだ知識や技能を活かしやすいでしょう。

ボイラー溶接は、一般的な溶接作業よりも安全性や品質管理が厳しく求められます。溶接部の強度、欠陥の有無、材料の性質、施工手順、検査への対応などを理解して作業できる人材は、ボイラー・圧力容器・プラント関連の現場で重要です。

この資格は、ボイラーや圧力容器の製造・補修に関わる分野では実務に結びつきやすい資格です。一方で、活かせる業界はかなり専門的で、一般企業への就職・転職で幅広く評価される資格ではありません。資格単体で大きく有利になるというより、溶接技能、製造現場での経験、設備保全の実務経験と組み合わせて活かす資格です。

ボイラー溶接士試験は、ボイラーや圧力容器、プラント設備の製作・補修に関わりたい人に向いています。アーク溶接、ガス溶接、ボイラー技士、ボイラー整備士、第1種圧力容器取扱作業主任者、非破壊試験技術者などと組み合わせることで、設備製造・保全・溶接分野でより活かしやすくなるでしょう。

資格を広めてくれると嬉しいです!
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