医師国家試験とは
医師として働くために必要な国家資格を取得するための試験です。医学部で所定の課程を修了した人などを対象に、医師として必要な医学知識、診療能力、倫理観、公衆衛生に関する理解などが問われます。
試験では、内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、公衆衛生、救急医療など、医療全般に関する幅広い内容が出題されます。単に医学知識を暗記しているかだけでなく、症例をもとに診断や治療方針を考える力、患者への対応、医療安全に関する判断力も重視されます。
合格後は医師免許の申請を行い、医師として登録されます。その後、臨床研修を経て、病院、診療所、大学、研究機関、行政、産業保健など幅広い分野で働くことができます。医療職の中でも責任が大きく、専門性と倫理性の両方が求められる資格です。
医師国家試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
|---|---|
| ジャンル | 医療・心理 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 大学で医学の正規課程を修めて卒業した者、医師国家試験予備試験に合格した者など |
| 試験日程 | 年1回。例年2月ごろに2日間実施 |
| 試験方法 | 筆記試験(択一式、複択式) |
| 免除科目 | – |
| 試験場所 | 北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県など |
| 受験料 | 15,300円 |
| 登録・更新 | 合格後、医籍登録を行うことで医師免許を取得。医師免許自体に定期更新制度はありません |
| 問い合わせ | 管轄する地方厚生局又は地方厚生支局所在地 |
| 関連資格 | 医師国家試験予備試験 樹木医 獣医師 歯科医師 |
医師国家試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 2月7日・2月8日 | 11月4日~11月28日 | 3月16日 |
医師国家試験の試験内容
医師として臨床研修を始める前に必要な基本的知識・技能・態度を確認する国家試験です。出題は「必修の基本的事項」「医学総論」「医学各論」を中心に構成され、臨床実習で身につけた診療能力を確認する内容が重視されています。
出題範囲
必修の基本的事項では、医師としての基本姿勢、医療面接、診察、検査、診断、治療、救急対応、医療安全、公衆衛生、医の倫理など、基本的な診療能力が問われます。
医学総論では、人体の構造と機能、病態、診断、治療、予防、社会医学、医療制度など、各診療科に共通する医学知識が出題されます。
医学各論では、内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、救急、感染症、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、整形外科など、臨床各分野の疾患や診療に関する知識が問われます。
試験科目と出題数
試験は2日間で実施され、全400問が出題されます。問題は、必修問題、医学総論、医学各論に分かれ、一般問題と臨床実地問題を組み合わせた形式です。必修問題では基本的な診療能力や医師として必ず身につけておくべき内容が問われ、医学総論・医学各論では、臨床現場で必要となる医学知識や判断力が問われます。
合格基準
合格には、必修問題、必修問題を除いた一般問題・臨床実地問題、禁忌肢のすべてで基準を満たす必要があります。第119回医師国家試験では、必修問題が160点以上/200点、必修問題を除いた一般問題・臨床実地問題が221点以上/300点、禁忌肢問題選択数が3問以下とされました。
必修問題はおおむね8割以上が必要な絶対基準で、一般問題・臨床実地問題は年度ごとに合格基準点が変動します。総合点だけでなく、必修の得点不足や禁忌肢の選択数によって不合格になる場合がある点が特徴です。
医師国家試験の受験者数・合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 9,980人 | 9,139人 | 91.6% |
| 2025年 | 10,282人 | 9,486人 | 92.3% |
| 2024年 | 10,336人 | 9,547人 | 92.4% |
| 2023年 | 10,293人 | 9,432人 | 91.6% |
| 2022年 | 10,061人 | 9,222人 | 91.7% |
医師国家試験の難易度
医師国家試験は、国家試験の中でも学習量が非常に多い試験です。合格率だけを見ると高く見えますが、受験者の多くは医学部で6年間学び、卒業試験などを通過してきた人であるため、数字だけで簡単な試験とは判断できません。第119回試験の合格率は全体で92.3%、新卒者で95.0%でした。
この試験で大きいのは、基礎医学から臨床医学まで、膨大な範囲を横断して問われる点です。内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、救急、公衆衛生、感染症、薬理、病理、生理など、幅広い医学知識を統合して判断する必要があります。単に病名や治療法を暗記するだけでなく、症状・検査所見・画像・経過から、どの疾患を疑い、どの対応を優先するかを考える力が求められます。
特に臨床問題では、患者の状態を読み取り、診断や治療方針を選ぶ実践的な判断力が重要になります。似た症状の疾患を区別したり、緊急度の高い病態を見逃さないようにしたりする必要があるため、知識が断片的なままだと対応しにくい試験です。
また、必修問題や禁忌肢の存在も大きな特徴です。第119回試験では、必修問題は160点以上/200点、一般・臨床問題は221点以上/300点、禁忌肢問題は3問以下が合格基準とされています。 基本的な医療安全や倫理、患者対応に関する問題で大きく崩れると合格が難しくなるため、知識量だけでなく、医師として避けるべき判断を理解していることも求められます。
医学部での学習を積み重ねてきた人にとっては、十分に合格を目指せる試験です。一方で、学習範囲の広さ、臨床判断の複雑さ、必修・禁忌肢の重さを考えると、一般的な資格試験と比べて取得までのハードルは非常に高い資格といえます。
資格を活かせる仕事
病院、診療所、大学病院、クリニック、救急医療、地域医療、産業医、研究機関、製薬会社、行政機関、保健所、医療系ベンチャー、医療コンサルティングなどがあります。特に、臨床医として患者の診療にあたる仕事では、医師免許が直接必要になります。
医師は、内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、整形外科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、救急科、麻酔科、放射線科など、専門分野によって働き方が大きく変わります。病院勤務だけでなく、開業医、在宅医療、健診、産業保健、医学研究、医療行政など、キャリアの選択肢も広いです。
就職・転職においては非常に強い資格ですが、医師国家試験に合格しただけで一人前の医師としてすぐに活躍できるわけではありません。合格後は臨床研修を受け、現場で診療経験を積みながら、専門医資格や各診療科の知識・技術を身につけていく必要があります。
医師国家試験は、医療分野で専門職として働くための入口となる試験です。取得までの負担は非常に大きいですが、医師として患者の診療や医療の発展に関わりたい人にとって、最も重要な資格といえるでしょう。
受験者の口コミ評判
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やり甲斐のある仕事
5.0 めぐ 20代その他
医師は現在でも高級取りで有名ですが…医学部に入るのが大変ですね。
私はいわゆる天才型でもなければ、実家がお金持ちというわけでもないので学費のことを考えて国公立一本に絞りました。
血反吐を吐くような努力の末現役合格できましたが、二度と経験したくはないですね。免許を取得して医師になって仕舞えば、仕事はハードですが将来性は抜群です。国家試験の難易度は正直難しいと思いますよ。
合格率だけを見れば9割を超えていますが、よく考えてみてください。センター試験で満点を普通にとってくるような人たちが必死に勉強しても9割しか受からないのです。必死に勉強して無事資格を取れた時は本気で泣きそうになりました。
今、心臓外科で働いていますが好きな事を仕事にしているせいかとても充実しています。もちろんとてもハードな現場ですが…やり甲斐のある仕事だと思いますよ。(2018年12月)


やり甲斐のある仕事