医師国家試験予備試験とは
外国の医学部を卒業した人や、外国で医師免許を取得した人などが、日本の医師国家試験の受験資格を得るために受ける試験です。日本国内の医学部を卒業していない人が、日本で医師を目指す際の認定ルートの一つとして位置づけられています。
試験は第1部試験と第2部試験に分かれており、基礎医学から臨床医学まで幅広い医学知識が問われます。第2部では筆記試験に加えて実地試験も行われ、診療に必要な知識だけでなく、実際の医療現場で求められる判断力や対応力も確認されます。
合格後すぐに医師国家試験を受験できるわけではなく、一定の実地修練などを経て、医師国家試験の受験資格につながります。一般的な資格試験というより、海外で医学を学んだ人が日本で医師になるための特別な受験資格認定試験といえます。
医師国家試験予備試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
|---|---|
| ジャンル | 医療・心理 |
| 資格区分 | 第1部試験、第2部試験 |
| 受験資格 | 外国の医学校を卒業した者、または外国で医師免許を取得した者で、厚生労働大臣から医師国家試験予備試験の受験資格認定を受けた者 |
| 試験日程 | 年1回。第1部試験は例年6月ごろ、第2部筆記試験は例年9月ごろ、第2部実地試験は例年11月ごろに実施 |
| 試験方法 | 第1部試験は筆記試験。第2部試験は筆記試験と実地試験で実施 |
| 免除科目 | 第1部試験合格者は、第2部試験に進むことができます。第2部筆記試験合格者は、第2部実地試験に進む形式です |
| 試験場所 | 東京都 |
| 受験料 | 第1部試験 35,000円、第2部試験 35,000円 |
| 登録・更新 | 予備試験合格後、1年以上の診療および公衆衛生に関する実地修練を修了することで、医師国家試験の受験資格につながります |
| 問い合わせ | 厚生労働省 医政局医事課試験免許室 |
| 関連資格 | 医師試験 樹木医 獣医師 歯科医師 |
医師国家試験予備試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第1部試験:6月24日 | 5月8日~5月22日 | 7月31日 |
| 第2部筆記試験:9月29日 | 8月7日~8月21日 | 10月21日 |
| 第2部実地試験:11月5日または11月6日 | 第2部筆記試験合格者が対象 | 11月26日 |
医師国家試験予備試験の試験内容
外国の医学校を卒業した人などが、日本の医師国家試験の受験資格を得るために受ける試験です。第1部試験、第2部筆記試験、第2部実地試験の順に実施され、前の段階に合格した人だけが次の段階を受けられます。
出題範囲
第1部試験では、解剖学、生理学、生化学、免疫学、薬理学、病理学、法医学、微生物学、衛生学など、基礎医学と公衆衛生に関する内容が出題されます。
第2部筆記試験では、内科学、小児科学、精神科学、外科学、整形外科学、産科・婦人科学、皮膚科学、泌尿器科学、耳鼻いんこう科学、眼科学、放射線科学、救急医学など、臨床医学の知識が問われます。
第2部実地試験では、内科学、外科学、産科・婦人科学、小児科学、救急医学を中心に、医師として必要な基本的診療能力や臨床判断力が確認されます。
試験科目と出題数
第1部試験は、基礎医学を中心とした筆記試験です。第2部試験は筆記試験と実地試験に分かれ、筆記試験で臨床医学の知識を確認したうえで、実地試験で診療に必要な実践的能力を評価します。
問題数や配点は年度の実施要項で確認する必要がありますが、試験全体としては、基礎医学から臨床医学、実地能力までを段階的に確認する構成です。
合格基準
合格基準は年度の実施要項や合格発表で示されます。一般的には、第1部試験、第2部筆記試験、第2部実地試験のそれぞれで基準を満たす必要があり、いずれかの段階で不合格になると次の試験には進めません。予備試験合格後は、さらに1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練を経て、医師国家試験の受験資格につながります。
医師国家試験予備試験の受験者数・合格率
受験者数・合格率は非公表
医師国家試験予備試験の難易度
医師国家試験に関連する試験の中でも非常に難しい試験です。通常の医学部卒業ルートとは異なり、外国の医学校を卒業した人などが日本の医師国家試験の受験資格を得るために受ける試験であり、医学知識だけでなく、日本の医療制度や試験形式に対応する力も求められます。
この試験では、第1部試験で解剖学、生理学、生化学、薬理学、病理学、微生物学、衛生学などの基礎医学が問われます。さらに第2部試験では、内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、救急、公衆衛生など、臨床医学に関する幅広い知識も必要になります。厚生労働省の令和8年度案内でも、第1部・第2部・実地試験に分かれて実施される形が示されています。
特に難しいのは、単に医学知識を覚えているだけでは足りない点です。日本語で医学用語や設問を正確に読み取り、日本の医療現場で求められる診断・治療・公衆衛生の考え方に合わせて判断する必要があります。海外で医学を学んだ人にとっては、知識そのものに加えて、日本の国家試験形式や医療制度への適応も大きな負担になります。
また、予備試験に合格した後も、すぐに医師国家試験を受験できるわけではなく、1年以上の診療および公衆衛生に関する実地修練を経る必要があります。つまり、予備試験は最終ゴールではなく、日本の医師国家試験へ進むための大きな関門といえます。
医学部で学んだ知識があり、日本語で医学内容を理解できる人でも、基礎医学・臨床医学・実地試験をまとめて突破するには高い学習負担があります。一般的な資格試験と比べると取得までの道のりはかなり長く、日本で医師として働くための前段階としても、非常にハードルの高い試験です。
資格を活かせる仕事
最終的には医師としての仕事になります。病院、診療所、大学病院、クリニック、地域医療、救急医療、在宅医療、研究機関、行政機関、産業医など、医師国家試験に合格して医師免許を取得した後に、医療分野で幅広く活躍できます。
ただし、医師国家試験予備試験に合格しただけで医師として働けるわけではありません。あくまで医師国家試験の受験資格につながる途中段階の試験であり、その後に実地修練や医師国家試験への合格、医師免許の取得が必要になります。
そのため、医師国家試験予備試験は、就職・転職に直接使う資格というより、日本で医師免許を取得するための通過点と考えるべき試験です。特に、海外の医学校を卒業し、日本で医師として働きたい人にとっては重要な制度ですが、資格単体で医療職に就けるものではありません。
医師として働くには、最終的に医師国家試験に合格し、医師免許を取得したうえで、臨床研修や専門分野の経験を積む必要があります。医師国家試験予備試験は、その前段階として日本の医療制度や医学知識に適応していくための試験といえるでしょう。

