診療情報管理士試験とは
診療情報管理士として働くために必要な知識と実務能力を評価する認定試験です。診療情報管理士は、カルテなどの診療記録を適切に管理し、疾病分類、医療統計、診療録の点検、データ分析、病院経営支援などに関わる専門職です。
資格取得には、指定された教育課程や通信教育などで必要な知識を学び、認定試験に合格する必要があります。試験では、医学・医療制度に関する知識、診療情報管理、国際疾病分類、医療統計、診療録の管理や活用など、医療情報を正確に扱うための内容が問われます。
病院、診療所、医療情報部門、医事課、DPC関連業務、がん登録、医療統計、診療録管理などの分野で活かしやすい資格です。国家資格ではありませんが、医療情報を正確に整理・分析する力を示せるため、病院事務や医療情報管理の分野で専門性を高めたい人に向いた資格といえます。
診療情報管理士試験の基本情報
| 資格種別 | 公的資格 |
| ジャンル | 医療・心理 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 日本病院会の診療情報管理士通信教育を修了した者、日本病院会指定大学・指定専門学校で指定単位を取得して卒業した者・卒業見込みの者など |
| 試験日程 | 年1回。例年2月ごろに実施 |
| 試験方法 | 筆記試験 |
| 免除科目 | 医師、歯科医師、看護師、薬剤師など一部の医療系国家資格保有者は、申請により基礎分野の試験が免除される場合あり |
| 試験場所 | 全国の指定試験会場で実施 |
| 受験料 | 10,000円 |
| 登録・更新 | 合格後、認定登録を行うことで診療情報管理士として認定。認定登録料が必要 |
| 問い合わせ | 社団法人日本病院会 通信教育課 |
| 関連資格 | 調剤事務管理士 医療秘書技能検定 診療報酬請求事務能力認定試験 医療事務管理士 メディカル クラーク |
診療情報管理士試験の試験日
2025年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 2月8日 | 9月1日~11月16日 | 3月18日 |
診療情報管理士試験の試験内容
診療情報管理士として必要な医学知識、診療情報管理、診療録管理、医療統計、分類・コーディングなどの知識を確認する認定試験です。日本病院会の通信教育課程を修了した人や、指定大学・指定専門学校で所定単位を取得した人などが受験対象になります。
出題範囲
出題範囲は、基礎分野と専門分野に分かれます。基礎分野では、人体構造、疾病、医学用語、診療に関する基礎知識など、診療情報を理解するために必要な医学的知識が問われます。
専門分野では、診療情報管理、診療録の記載・管理、医療統計、病院管理、医療制度、診療報酬、個人情報保護、国際疾病分類、コーディングなどが中心です。医療機関で診療情報を正確に管理し、統計や分析に活用するための知識が求められます。
試験科目と出題数
試験は、基礎分野と専門分野から出題される多肢選択式の試験です。基礎分野では医学・医療に関する基礎知識、専門分野では診療情報管理や分類・統計に関する知識が問われます。
基礎分野の免除対象者は、専門分野を中心に受験する形になります。固定の科目別問題数で整理するより、診療情報管理士として必要な基礎医学と専門実務を総合的に確認する試験として考えるとよいでしょう。
合格基準
合格基準は、認定試験の実施要項で年度ごとに示されます。診療情報管理士通信教育の科目試験では、各科目100点満点中60点以上が合格基準とされていますが、認定試験そのものの詳細な配点や判定方法は受験年度の案内で確認が必要です。
認定試験に合格し、認定登録手続きを行うことで、四病院団体協議会と医療研修推進財団が認定する診療情報管理士として登録できます。
診療情報管理士試験の受験者数・合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2026年度 | 1,919人 | 1,162人 | 60.6% |
| 2025年度 | 2,027人 | 1,275人 | 62.9% |
| 2024年度 | 2,310人 | 1,682人 | 72.8% |
| 2023年度 | 2,457人 | 1,622人 | 66.0% |
| 2022年度 | 2,625人 | 1,750人 | 66.7% |
診療情報管理士試験の難易度
医療事務系の資格の中では専門性が高めです。医療事務の延長として考えるとやや難しく、診療録、疾病分類、医療統計、医療制度、情報管理などを幅広く理解する必要があります。
この試験で特に差が出やすいのは、ICDに基づく疾病分類やコーディングの理解です。病名や診療内容を読み取り、適切な分類に整理する力が求められるため、単に医学用語を暗記するだけでは対応しにくい部分があります。診療録を読むことに慣れていない人は、病名・処置・経過の関係をつかむまでに時間がかかりやすいでしょう。
また、医療統計や診療情報の分析に関する分野も負担になりやすいところです。平均在院日数、病床利用率、退院患者数、死亡率、DPC関連の考え方など、医療機関の管理や経営にも関わるデータを扱うため、数字や統計に苦手意識がある人は難しさを感じやすくなります。
診療録管理や個人情報保護に関する知識も重要です。診療情報は患者の重要な個人情報であり、正確性、機密性、保存管理が求められます。医療現場の流れだけでなく、制度やルールを理解していないと、実務に近い問題で迷いやすくなります。
医療事務、病院事務、診療情報管理部門、DPC関連業務などに関わっている人は、実務と結びつけながら理解しやすい資格です。一方で、医療機関での勤務経験が少ない人や、医学用語・統計・分類業務に慣れていない人は、専門用語の多さと出題範囲の広さで負担を感じやすい試験です。
診療情報管理士試験の勉強法
診療録の管理、疾病分類、医療統計、医療制度、診療情報の活用、個人情報保護などを幅広く学ぶことが大切です。まずは、診療記録にどのような情報が含まれ、医療機関の中でどのように保存・管理・分析されるのかを整理すると学習しやすくなります。
特に重要になるのが、ICDによる疾病分類やコーディング、DPC、医療統計に関する内容です。病名や診療内容を正しく分類する考え方を理解しておくと、単なる暗記ではなく、実務に近い形で知識を整理できます。似た用語や制度も多いため、医療現場のどの場面で使われる知識なのかを意識しながら覚えると混同しにくくなります。
また、診療情報管理士は、医療の質の向上、病院経営、地域医療、研究などにも関わる資格です。そのため、診療情報を正確に管理するだけでなく、必要な情報を分析し、活用する視点も持って学ぶことが重要です。医療法規、診療報酬制度、個人情報保護、情報セキュリティなども出題されるため、制度の目的や実務での扱い方と結びつけて確認しておくと理解が深まりやすくなります。
過去問や練習問題を使って出題形式に慣れ、間違えた分野は、疾病分類、統計、制度、診療情報管理のどこで理解が不足していたのかを確認すると復習しやすくなります。暗記量は多い試験ですが、診療情報を「記録する」「分類する」「守る」「活用する」という流れで整理すると、全体像をつかみながら学習を進めやすくなります。
資格を活かせる仕事
病院、大学病院、総合病院、クリニック、診療録管理室、医療情報部門、医事課、病院の経営企画部門、医療系システム会社、医療データ分析関連の仕事などがあります。特に、診療録の管理、疾病分類、DPCデータの作成・分析、退院患者情報の整理、統計資料の作成、医療情報の精度管理などでは、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
医療機関では、診療情報を正確に記録し、必要なときに活用できる状態にしておくことが重要です。診療情報は、医師や看護師の診療だけでなく、病院経営、医療の質の評価、研究、行政への報告などにも使われるため、情報を整理・管理できる人材は医療現場で役立ちます。
一方で、診療情報管理士だけで就職・転職が大きく有利になるとは言い切れません。医療事務や医事課の求人では、診療報酬請求の実務経験、電子カルテの操作経験、DPC業務の経験、医療機関での勤務経験なども重視されます。資格を持っていることはアピール材料になりますが、未経験者の場合は実務経験を積みながら活かしていく資格と考えるとよいでしょう。
診療情報管理士試験は、医療事務から専門性を高めたい人や、病院の診療情報管理・医療データ管理に関わりたい人に向いています。医療事務、診療報酬請求、電子カルテ、DPC、医療情報技師などの知識や経験と組み合わせることで、医療機関の事務・情報管理分野でより活かしやすくなるでしょう。
受験者の口コミ評判
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資格の取得を目指すキッカケ
5.0 海斗 30代会社員
資格の取得を目指すキッカケは病院から依頼されたため。
勉強方法は通信教育の教科書。資格取得に投資したお金は25万円。
私は、医療資格者です。ある程度の医療語、解剖は知っていて安易な考えで受験をしました。2年間通信教育で勉強しました。年に2回一回3日間のスクーリングは、出席すれば良いだけと思いました。
大して試験の役にたつ話しはない。講師の話が脱線していました。聞くだけ無駄。前期後期のリポートは、教科書見ながら出来るので教科書と問題集を頑張って一通りやれば大丈夫。
コーディングは、問題集をひたすらやり、パターンを覚えれば楽勝。本試験の方が簡単でした。私は、毎日少しの時間教材に目を通し勉強しました。実際の試験は、5者一択で難易度は最高。
ほぼ勘に頼りました。基礎、専門5割、コーディングは、9割位な出来でした。落第したと、思いましたが、合格通知きて驚きました。
一応、6割以上と書いてありますが、国家試験経験から比べるとかなり、難易度がありましたから、そこまでは要らないと考えます。本試験は、本当に難しい。皆さんの参考になれば幸いです。一発合格頑張って。(2018年6月)


資格の取得を目指すキッカケ