文書情報管理士検定とは
紙文書や電子文書を適切に管理・保存・活用するための知識を評価する資格試験です。スキャニングによる電子化、文書の保存方法、情報管理、個人情報保護、関連する法律や規格など、文書情報を安全かつ効率よく扱うための知識を身につけられます。
資格区分は2級・1級・上級に分かれており、基礎的な文書管理から、より専門的な電子保存・文書情報マネジメントまで段階的に学べる仕組みです。
企業の総務・法務・情報管理部門、文書の電子化やスキャニング業務、自治体・医療機関・金融機関など、文書や記録を正確に管理する必要がある職場で役立ちます。ペーパーレス化や電子帳簿保存、情報セキュリティへの対応が求められる中で、文書管理の専門性を示しやすい資格といえるでしょう。
文書情報管理士検定の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
|---|---|
| ジャンル | IT・パソコン |
| 資格区分 | 上級、1級、2級 |
| 受験資格 | 2級は制限なし。1級は2級合格者、上級は1級合格者 |
| 試験日程 | 年2回程度、例年夏・冬 |
| 試験方法 | CBT方式。80問・90分、2級は択一選択、1級・上級は一部多肢選択 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 全国のCBTテストセンター |
| 受験料 | 一般:11,000円/団体:8,800円/学生:7,150円 |
| 登録・更新 | 資格有効期間は5年。更新制度あり |
| 問い合わせ | 株式会社 日本文書情報マネジメント協会 |
| 関連資格 | 日商簿記検定 文書処理能力検定 ファイリング・デザイナー検定 公文書管理検定 IoT検定 |
文書情報管理士検定の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 7月20日(月)~8月31日(月) | 6月19日~8月28日 | 試験終了後に確認 |
文書情報管理士検定の試験内容
文書や帳票、記録情報を適切に管理・電子化・保存・活用するための知識を問う検定試験です。日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が実施しており、文書管理、電子化、スキャニング、法令対応、情報セキュリティ、文書情報マネジメントに関わる人に向いています。
級は2級・1級・上級に分かれています。2級は文書情報管理の基礎、1級はより高度な実務知識、上級は顧客の課題分析やシステム構築、文書情報管理の提案まで含む上位レベルです。試験は年2回、CBT方式で実施されています。
出題範囲
文書情報マネジメント
文書の作成、取得、保存、活用、廃棄までのライフサイクルや、文書管理の考え方、業務上の記録管理などが問われます。
文書の電子化・保存
紙文書のスキャニング、電子化の手順、画像品質、メタデータ、検索性、長期保存、マイクロフィルムなど、文書を適切に電子化・保存するための知識が出題されます。
法令・ガイドライン
e-文書法、電子帳簿保存法、個人情報保護、文書管理に関する法令・ガイドラインなど、文書情報を扱ううえで必要な法的知識が問われます。
セキュリティ・リスクマネジメント
情報漏えい対策、アクセス管理、リスクマネジメント、セキュリティ、プロジェクトマネジメントなども出題範囲に含まれます。上級では、規格、法律、リスクマネジメント、セキュリティ、プロジェクトマネジメントに関する知識がより重視されます。
試験科目と出題数
試験はCBT方式で実施されます。2級・1級・上級の3区分があり、2級は誰でも受験できます。1級は2級取得者、上級は1級取得者が受験対象です。
試験時間は90分です。公式要綱では、出題はJIIMA発行の参考書に準拠するとされています。2級と1級の出題範囲は共通ですが、1級ではより高度な知識が求められます。
合格基準
合格基準は、正答率70%以上です。採点方式は素点方式で、個人受験の場合は試験後に合否判定が記載された試験結果レポートが交付されます。
文書情報管理士検定の受験者数・合格率
上級
| 実施時期 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年夏 | 53人 | 36人 | 67.9% |
| 2025年冬 | 45人 | 14人 | 31.1% |
| 2024年夏 | 70人 | 30人 | 42.9% |
1級
| 実施時期 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年夏 | 139人 | 90人 | 64.7% |
| 2025年冬 | 125人 | 68人 | 54.4% |
| 2024年夏 | 140人 | 75人 | 53.6% |
2級
| 実施時期 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年夏 | 389人 | 249人 | 64.0% |
| 2025年冬 | 303人 | 195人 | 64.4% |
| 2024年夏 | 434人 | 221人 | 50.9% |
文書情報管理士検定の難易度
2級は、文書情報管理に関する基礎的な知識や技術を確認する級なので、初めて学ぶ人でも比較的取り組みやすいレベルです。参考書の基本的な内容を中心に学習すれば対応しやすく、事務職や総務、文書管理、電子化業務に関わっている人であれば、実務と結びつけながら理解しやすいでしょう。
一方で、1級になると難易度は上がります。2級よりも専門的な知識が求められるため、文書の電子化や保存、管理ルールについて表面的に覚えるだけでは対応しにくくなります。文書情報をどのように安全かつ効率的に扱うかを、実務に近い視点で理解しておく必要があります。
上級はさらに難易度が高くなります。単に文書情報管理の知識を持っているだけでなく、広い観点から課題を分析し、最適な管理方法やソリューションを考える力も求められます。そのため、実務経験が少ない人にとってはかなり難しく感じる可能性があります。
また、文書情報管理士は比較的専門性の高い資格であり、一般的なビジネス系資格に比べると市販教材や対策講座が多いとはいえません。そのため、独学で進める場合は公式参考書を中心に、出題されやすい考え方を丁寧に整理する必要があります。
総合的に見ると、文書情報管理士検定は、2級であれば初学者でもチャレンジしやすい資格です。ただし、1級・上級になるほど文書管理や電子化業務に関する実務的な理解が重要になり、特に上級は専門職向けの難易度が高い資格といえるでしょう。
文書情報管理士検定の勉強法
、JIIMAが案内している指定参考書を中心に学習するのが基本です。検定試験では、JIIMA検定試験委員会が編集した参考書から多くの問題が出題されると案内されています。
まずは「文書情報マネジメント」「e-文書法 電子化早わかり」「標準化ガイドブック」など、受験級に必要な参考書を確認し、文書管理、電子化、保存、廃棄、法令、標準規格などの全体像を押さえましょう。
勉強を進める際は、参考書を読むだけでなく、公式サイトの模擬試験も活用すると効果的です。文書情報管理の基本的な考え方や、分類方法、電子文書に関する知識など、実際の出題イメージをつかめます。
1級・上級を目指す場合は、単なる用語暗記だけでなく、文書情報システムの構築、運用、監査、課題分析、提案力なども意識して学習する必要があります。実務で文書管理や電子化業務に関わっている方は、自社の業務と結びつけながら学ぶと理解しやすいです。
独学でも対策できますが、範囲が広く感じる方は、JIIMAが実施する受験対策セミナーを利用するのも一つの方法です。基本的には、指定参考書で基礎を固め、模擬試験で出題形式に慣れ、苦手分野を重点的に復習する流れがおすすめです。
文書情報管理士検定を活かせる仕事
紙文書や電子文書を適切に管理・保存・活用するための知識を証明できる資格です。文書の電子化、スキャニング、ファイリング、情報管理、保存期間、セキュリティなど、企業や公的機関で必要とされる文書管理の基礎を学ぶことができます。
活かしやすい仕事としては、一般事務、総務、文書管理担当、情報システム部門、官公庁・自治体の事務職、政府系団体、金融機関、医療機関、法律事務所、文書電子化サービス会社、印刷・スキャン業務を行う企業などがあります。特に、大量の紙文書を電子化したり、契約書や申請書類、社内文書を整理・保存したりする仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
オフィスでは、契約書、請求書、申請書、議事録、図面、顧客情報など、さまざまな文書が扱われます。これらをただ保管するだけでなく、必要なときにすぐ探せる状態にしたり、電子データとして安全に管理したりすることは、業務効率化やコンプライアンスの面でも重要です。
また、ペーパーレス化や電子帳簿保存、情報セキュリティへの意識が高まっているため、文書管理に関する知識を持つ人材は、事務職や管理部門で役立つ場面があります。企業によっては、新入社員や文書管理に関わる担当者に取得をすすめるケースもあります。
ただし、文書情報管理士検定だけで就職・転職が大きく有利になるとは言い切れません。採用の決め手というよりは、文書管理や電子化業務への理解を示す補助的な資格です。事務職や総務、文書管理、官公庁・公的機関の事務に関わりたい人にとって、取得を検討する価値のある資格といえるでしょう。
資格侍まだまだ企業認知度の低い資格になるので過度の期待は禁物です。履歴書に書くなら1級が欲しいですね。

