秘書技能検定とは
秘書技能検定とは、公益財団法人実務技能検定協会が実施している、社会人に必要なビジネスマナーや一般常識、言葉遣い、接遇、事務処理能力などを評価する検定試験です。一般的には「秘書検定」と呼ばれており、秘書を目指す人だけでなく、事務職や営業職、接客業など、幅広い職種で役立つ基礎的なビジネススキルを身につけられる資格です。
試験は1級・準1級・2級・3級の4区分に分かれています。2級・3級は基本的なマナーや職場での対応力を中心に問われ、1級・準1級では、より高度な判断力や接遇能力が求められます。また、1級と準1級では筆記試験に加えて面接試験も実施されます。
学生の受験者も多く、就職活動前に社会人としての基本を学びたい人にも人気があります。就職・転職でアピールするなら、まずは2級以上を目指すとよいでしょう。社会人としての立ち居振る舞いや、職場での円滑なコミュニケーションを身につけたい人に向いている検定です。
秘書技能検定の基本情報
| 資格種別 | 民間資格(公的資格とされる場合もあり) |
|---|---|
| ジャンル | 事務・ビジネス・経営 |
| 資格区分 | 1級、準1級、2級、3級 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年3回、例年6月・11月・2月 ※1級・準1級は6月・11月中心 |
| 試験方法 | 筆記試験。1級・準1級は筆記合格後に面接試験あり |
| 免除科目 | 1級・準1級は筆記合格後、一定期間は筆記試験免除あり |
| 試験場所 | 全国各地 |
| 受験料 | 1級:7,800円/準1級:6,500円/2級:5,200円/3級:3,800円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 公益財団法人 実務技能検定協会 |
| 関連資格 | 米国上級秘書資格 CBS「国際秘書」 医療秘書技能検定 日商簿記検定 |
秘書技能検定の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 6月21日(日) | 通常受験:4月6日~5月19日 筆記試験免除受験:3月3日~4月9日 | 公式ページで確認 |
| 11月15日(日) | 通常受験:9月3日~10月13日 筆記試験免除受験:8月24日~9月16日 | 公式ページで確認 |
| 2月7日(日) | 通常受験:12月7日~1月12日 | 公式ページで確認 |
秘書技能検定の試験内容
社会人として必要なマナーや言葉遣い、上司や来客への対応、文書作成、スケジュール管理など、秘書業務を通じてビジネス実務の基本を問う検定試験です。
級は1級・準1級・2級・3級に分かれており、筆記試験は全級で「理論」と「実技」の2領域から出題されます。準1級・2級・3級は選択問題と記述問題、1級はすべて記述問題です。なお、1級と準1級は筆記試験に加えて面接試験もあります。
出題範囲
必要とされる資質
秘書的業務を行ううえで必要な判断力、行動力、表現力、気配り、上司を補佐する姿勢などが問われます。
職務知識
秘書の役割、上司の仕事の補佐、社内外との連絡調整、業務の進め方など、秘書業務に関する基本知識が出題されます。
一般知識
企業活動、社会常識、ビジネス用語など、社会人として知っておきたい一般的な知識が問われます。
マナー・接遇
来客応対、電話応対、敬語、話し方、立ち居振る舞い、慶弔対応など、ビジネス場面で必要なマナーが出題されます。
技能
文書作成、文書の取り扱い、ファイリング、資料管理、スケジュール管理、会議準備、オフィス環境の整備など、実務処理に関する内容が問われます。
試験科目と出題数
筆記試験は「理論」と「実技」に分かれます。理論は「必要とされる資質」「職務知識」「一般知識」、実技は「マナー・接遇」「技能」で構成されています。
準1級・2級・3級は選択問題と記述問題、1級は記述問題で出題されます。1級と準1級では、筆記試験合格後に面接試験が行われます。面接では、報告や応対などを通して、話し方、態度、言葉遣い、身だしなみなどが評価されます。
合格基準
筆記試験の合格基準は、全級共通で「理論」と「実技」のそれぞれ60%以上です。どちらか一方が60%に届かない場合は、合計点が高くても合格にはなりません。
1級と準1級は、筆記試験に合格したうえで面接試験にも合格する必要があります。面接では、秘書的業務担当者としてふさわしい態度、振る舞い、話し方、言葉遣いなどが審査されます。
秘書技能検定の受験者数・合格率
2025年11月実施・第137回
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 552人 | 184人 | 33.3% |
| 準1級 | 1,697人 | 701人 | 41.3% |
| 2級 | 5,765人 | 3,226人 | 56.0% |
| 3級 | 4,768人 | 3,358人 | 70.4% |
2025年6月実施・第136回
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 549人 | 178人 | 32.4% |
| 準1級 | 2,012人 | 895人 | 44.5% |
| 2級 | 8,150人 | 4,347人 | 53.3% |
| 3級 | 5,574人 | 3,994人 | 71.7% |
2025年2月実施・第135回
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2級 | 5,334人 | 3,283人 | 61.5% |
| 3級 | 6,754人 | 4,294人 | 63.6% |
2024年11月実施・第134回
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 617人 | 165人 | 26.7% |
| 準1級 | 2,162人 | 971人 | 44.9% |
| 2級 | 8,564人 | 4,896人 | 57.2% |
| 3級 | 5,797人 | 3,433人 | 59.2% |
2024年6月実施・第133回
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 599人 | 206人 | 34.4% |
| 準1級 | 2,204人 | 936人 | 42.5% |
| 2級 | 10,761人 | 6,281人 | 58.4% |
| 3級 | 6,657人 | 4,678人 | 70.3% |
秘書技能検定の難易度
、3級・2級は比較的やさしめ、準1級・1級はやや難しめです。
特に3級と2級は筆記試験が中心で、出題内容も社会人としての基本的なマナーや接遇、敬語、ビジネス文書などが中心となるため、独学でも十分合格を目指せます。
直近の第137回試験では、合格率は**3級70.4%、2級56.0%、準1級41.3%、1級33.3%**となっており、級が上がるほど難易度も高くなります。準1級と1級では筆記試験に加えて面接試験もあるため、知識だけでなく、立ち居振る舞いや話し方、状況に応じた対応力も求められます。
勉強期間の目安としては、まったく知識がない状態から始める場合、3級で2週間程度、2級で1〜2か月程度を見ておくとよいでしょう。毎日少しずつ学習できる人であれば、公式テキストや問題集を使った独学でも十分対応できます。
準1級・1級になると面接対策が必要になるため、難易度は一段上がります。ただし、筆記試験そのものは極端に難しい内容ではないため、過去問を繰り返し解き、出題パターンに慣れておくことが大切です。
総合的に見ると、秘書技能検定は3級・2級であれば初学者でも挑戦しやすい資格です。一方で、準1級以上は実践的な接遇力や表現力も評価されるため、筆記対策だけでなく面接対策まで計画的に進める必要があります。
- 2級を取ました。いわゆる応用的な問題は少なく本を読むだけで取得できたので簡単だと思います。正直、社会人の基本的なマナーの話で空気が読めるかどうかがポイントだと思いました。(20代女性 2級取得)
- 私は1ヶ月テキストを読んだだけです。問題自体もどこが上席になるか、どの人からお茶を出すか、という問題が4択くらいで、最後に社長がこういうスケジュールの場合はどう対応するべきかの筆記があったくらいで簡単でした。(10代女性 3級取得)
- 秘書とありますが、大体の内容は社会人としての常識を問うような内容です。そのため、難易度は高くはありません。(20代女性 3級取得)
- 私は1か月くらいしか勉強していませんが、楽に合格することができました。(20代女性 2級取得)
- テキストと問題集買って、繰り返し読んだり解いたりすれば楽に合格できます。そこそこ常識がある人であれば、テキストもいらないくらいの難易度です。(30代女性 3級取得)
秘書技能検定の勉強法
実務技能検定協会が関係する公式問題集やテキストを活用し、過去問を繰り返し解く勉強法が基本です。2級・3級はCBT方式でも随時実施されており、公式テキストでの学習が推奨されています。
まずはテキストで、秘書として必要なマナー、敬語、来客応対、電話応対、文書作成、職場常識などを一通り確認しましょう。そのうえで、問題集を使って出題形式に慣れ、間違えた問題を繰り返し復習することが大切です。
2級までは独学でも十分に合格を目指せます。暗記だけでなく、「この場面ではどう対応するのが適切か」を考えながら問題を解くと、実務的な判断力も身につきやすくなります。また、一般常識や時事的な内容に対応できるよう、新聞やニュースに軽く目を通しておくと安心です。
一方で、準1級・1級は難易度が上がり、筆記試験に加えて面接試験対策も重要になります。公式の実問題集にも面接試験はロールプレイング中心とされており、声を出して練習することがすすめられています。
準1級・1級を受験する場合は、独学だけでなく、通信講座や専門学校、面接対策講座などを活用するのも有効です。特に面接では、言葉遣いだけでなく、表情、姿勢、所作、受け答えの自然さも見られるため、第三者から客観的なアドバイスを受けながら練習すると合格に近づきやすくなります。
秘書技能検定のお勧めテキスト
秘書検定 集中講義 改訂新版
秘書検定の出題範囲を基礎から整理したい人に向いている定番テキストです。級ごとに必要な知識を学べるため、初めて受験する人や、マナー・言葉遣い・接遇の基本を確認しながら進めたい人に使いやすい教材です。
秘書検定 クイックマスター 改訂2版
短期間で重要ポイントを押さえたい人におすすめのテキストです。要点を効率よく確認できる構成なので、試験直前の見直しや、ある程度知識がある人の総復習にも向いています。問題演習前の確認用としても使いやすい一冊です。
秘書検定 実問題集 2026年度版
秘書検定対策で特に活用したい公式過去問題集です。直近の過去問題が収録されており、本試験と同じ形式で出題傾向を確認できます。各問に難易度ランクも付いているため、苦手分野の把握や仕上げ学習に役立ちます。
秘書検定 パーフェクトマスター
合格に必要な知識を、問題演習を交えながらしっかり確認したい人に向いています。基本事項だけでなく、間違えやすいポイントも整理しやすいため、2級以上を目指す人や、実問題集に入る前の土台作りにも使いやすい教材です。
秘書技能検定の資格講座
資格講座は色々ありますが、先ほども言いましたがそこまで難しい試験ではありませんので、通学ではなく通信講座で十分です。
通信講座であれば、ヒューマンアカデミーの「秘書検定+ビジネスマナー講座」がお勧めです。
こちらの講座は秘書検定の対策の他にも社会人になった時に必要はビジネスマナーも同時に学ぶことができるので、学生さんにお勧めの講座です。費用も1万円弱なので、他の通信講座と比べても気軽に受講することができます。
資格を活かせる仕事
秘書技能検定を合格していると、企業の社長、医師、政治家、弁護士等について、庶務の総てを管理し、処理するのが仕事となります。又、外部からのお客様の対応、上司が出張の際の同行、お客様の接待、と秘書の仕事は多岐に亘ります。
秘書は上司の片腕となってスケジュールの調整も行います。スケジュール調整には外部との連絡、交渉も必要ですから、交渉の手腕と併せて多忙なスケジュールを把握する緻密な面も持ち合わせていなければなりません。
又、仕事上のお客様と対する事が多いので、気配りも非常に重要な要素となります。秘書技能検定は、秘書としての実務能力の他に、秘書としての人材を育てる為に設けられた検定です。
現代の社会では、秘書はパソコンが使え、英語もこなす能力を求める企業が多くなっています。
ただ、就職や転職で使うとなると、3級だとあまり効果が期待できないので、最低でも2級以上は必要になります。
受験者の口コミ評判
勉強しておいて損はない資格
学生時代から怠けて生きていて、ある日ふと「自分には何もない!」と気づき、努力の証になるものが欲しくて資格取得を思いつきました。取得の難易度が低いものを探していたら秘書技能検定3級に目が止まり、通信講座で勉強をし、3カ月後には資格を取得出来ました。
秘書技能検定3級を勉強してみてわかったことは、一般常識的な問題が多いので目論み通り日常でも役立つこと、苦手な分野があってもテキストを読み込めば難しくないことです。常識力が問われる今、勉強しておいて損はない資格だといえます。(2019年11月)
20代前半の若い女性の受験者が多い
私が秘書検定を受験しようと思ったキッカケは、派遣会社の求人広告などでは事務の仕事の中にいくつか秘書の仕事があるのを見て気になったからです。
書店で秘書検定の問題集を見た時に、この内容なら必ず役に立つから勉強したいと思いました。問題には比較的簡単に見える一般常識的に答えられるものから、解説を一度読んだだけでは理解するのが難しいような高度なものが色々とありました。実際の試験問題も引っ掛け問題なのかと思うものもあり苦戦しました。就職活動を控えた20代前半の若い女性が多く受験していた印象でした。(2019年10月)
面接が面倒
取得のきっかけは、今までの自分の職歴が接客業ばっかりだったので、事務系の仕事にも興味を持ち、秘書検定を学べば少しは事務の知識が身に付くかなと思ったからです。
2級までは筆記試験だけで良いので、手軽に受けれます。準1級と1級は筆記試験に受かれば面接があるので少し面倒です。難易度は、実務のある方にとっては簡単だと思います。
ただ、私のような全く経験の無い者にとっては初めて学ぶことばかりなので、そこそこ勉強しないと難しいと感じました。といっても、対策本1冊をしっかりやれば大丈夫だと思います。(2019年3月)
社会人としてのマナーを学べる
秘書検定は、就職活動のために取得しました。試験内容はテキストの内容どおりで、簡単だったと思います。受験者は、10代から20代の若い女性が多かったです。出題内容は、上座のマナーや文書作成における基本、来客応対の内容が出ました。
秘書検定のメリットは、社会人としての基本的なマナーが学べるということです。電話での話し方や手紙の書き方、お茶の出し方、エレベーター・階段での立ち位置など、学校では教わらないことばかりです。社会人になっても、ゆっくり教わる機会はないと思いますので、勉強しておいて損はないかと思います!女性は特に、社内で好印象が得られますよ。(2018年12月)
入社3年目くらいの社会人の人にはお勧め
秘書技能検定は、その名前ながら2級までは秘書業務固有の内容はあまり多くなく、社会人全般としてわきまえておくべき常識に関する問題が大半です。
そのため、新入社員として社会に出た1年目の時に勉強して同資格(2級)を取得しました。どんな業界や職種だろうと、入社3年目くらいの社会人の人にはお勧めできる資格と思います。
名刺に渡し方や、電話の取り次ぎ方、応接室への上座・下座など、必ず使うわけではなくても、知っていないと損をする+恥をかく内容を一通り網羅することができるからです。マナー本で勉強するのも良いですが、それなら履歴書にも書けるこちらの資格の方が、よりお得だと思います。(2018年1月)

