警察官試験とは
都道府県警察で警察官として働くために受験する採用試験です。地域の安全を守る交番勤務、事件・事故への対応、交通指導、犯罪捜査、生活安全、警備など、警察官として必要な基礎能力や適性が問われます。
試験区分や名称は自治体によって異なりますが、大学卒業程度の区分、高校卒業程度の区分、武道・サイバー・語学などの特別区分が設けられる場合があります。試験では、教養試験、論文・作文試験、適性検査、体力検査、人物試験、身体検査などが行われるのが一般的です。
警察官は地方公務員として採用され、合格後は警察学校で必要な知識や技能を学んだうえで、各警察署などに配属されます。人々の安全を守る責任の大きい仕事であり、体力や判断力、責任感、コミュニケーション力が求められる職種です。
警察官試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(公務員) |
| ジャンル | 治安 |
| 資格区分 | 警察官A・警察官B、大卒程度・高卒程度、Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類など |
| 受験資格 | 都道府県警察ごとに異なる。一般的には年齢、学歴、身体基準、欠格事由などの条件を満たす人が受験対象 |
| 試験日程 | 年1回〜複数回。都道府県警察により異なる |
| 試験方法 | 第一次試験と第二次試験で実施。教養試験、論作文、適性検査、体力検査、面接、身体検査などを組み合わせて行われます |
| 免除科目 | 都道府県警察により異なる。武道、語学、情報処理、スポーツ実績などによる資格加点制度が設けられる場合があります |
| 試験場所 | 各都道府県警察が指定する試験会場 |
| 受験料 | 無料 |
| 問い合わせ | 各都道府県の警察本部など |
| 関連資格 | 皇宮護衛官 入国警備官 交通巡視員 刑務官 |
警察官試験の試験内容
警察官採用試験は、都道府県警察や警察庁などの採用区分ごとに実施されます。一般的には、第1次試験で教養試験、論文試験、作文試験、適性検査などが行われ、第2次試験以降で面接試験、体力検査、身体検査、身体測定などが実施されます。
大卒程度、高卒程度、武道・語学・情報処理などの専門区分に分かれる場合があり、区分によって試験内容や出題水準が異なります。警察官として必要な基礎学力、判断力、文章表現力、人物面、体力、職務適性などを総合的に確認する内容です。
出題範囲
面接試験
個別面接、集団面接、集団討論などにより、警察官としての適性、責任感、協調性、判断力、使命感、コミュニケーション能力などが確認されます。
志望理由、警察官として取り組みたい仕事、これまでの経験、社会問題への関心、困難への対応、組織で働く姿勢などについて問われることがあります。
論文・作文試験
警察官として必要な文章表現力、課題把握力、論理的に考える力が問われます。
大卒程度では論文試験、高卒程度では作文試験として実施されることが多く、社会問題、警察行政、地域安全、交通安全、少年非行、防犯、災害対応、情報モラルなどに関するテーマが出題されます。
教養試験
公務員試験としての基礎的な知識と知能が問われます。知能分野では、文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈などが中心です。
知識分野では、社会科学、人文科学、自然科学、時事などが出題されます。大卒程度ではやや高い水準の問題が出され、高卒程度では高校までの基礎学力を中心に確認されます。
適性検査
警察官としての職務適性や性格傾向を確認するために実施されます。
作業検査、性格検査、職務適性検査などが行われる場合があり、警察官として安定して職務を遂行できるか、組織の中で適切に行動できるかが確認されます。
体力検査
腕立て伏せ、上体起こし、反復横跳び、握力、立ち幅跳び、シャトルラン、持久走など、警察官として必要な基礎体力が確認されます。
実施種目は都道府県や採用区分によって異なります。体力そのものだけでなく、警察学校入校後の訓練や現場勤務に対応できる身体能力があるかを確認する内容です。
身体検査・身体測定
視力、色覚、聴力、運動機能、健康状態などが確認されます。
警察官の職務に支障がないかを確認するための検査で、基準は実施する警察本部や採用区分によって異なります。身体測定では、身長・体重などを確認する場合がありますが、近年は基準の扱いが変更されている自治体もあります。
試験科目と出題数
試験科目は、教養試験、論文試験または作文試験、適性検査、面接試験、体力検査、身体検査、身体測定などで構成されます。
第1次試験では、教養試験、論文・作文試験、適性検査が実施されることが多く、第2次試験以降で面接試験、体力検査、身体検査などが行われます。
教養試験の出題数や試験時間は、都道府県や採用区分によって異なります。多くの場合、五肢択一式または択一式で出題され、知能分野と知識分野から幅広く出題されます。
合格基準
合格基準は、採用試験を実施する都道府県警察や採用区分ごとに定められます。教養試験、論文・作文試験、面接試験、体力検査、適性検査などの結果を総合して判定されます。
筆記試験の点数だけでなく、面接評価、体力検査、身体検査、適性検査も合否に影響します。一定の基準に満たない試験項目がある場合、総合点が高くても不合格となる場合があります。
警察官試験の受験者数・合格率
参考:警視庁警察官採用試験
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 8,686人 | 2,725人 | 3.2倍 |
| 2024年度 | 8,341人 | 2,036人 | 4.1倍 |
| 2023年度 | 9,813人 | 1,546人 | 6.3倍 |
| 2022年度 | 10,746人 | 1,538人 | 7.0倍 |
警察官試験の難易度
警察官試験は、公務員試験の中では極端な難関試験ではありませんが、筆記試験だけでなく、体力試験・人物試験・適性検査まで含めて総合的に評価されるため、学力だけで合格できる試験ではありません。自治体や警察本部によって倍率や試験内容に差があり、人気の高い地域では競争も厳しくなります。
難しさの理由は、教養試験や論作文に加えて、面接で警察官としての適性を見られる点です。教養試験では、文章理解、数的処理、判断推理、社会科学、時事、自然科学など幅広い分野が出題されるため、苦手科目を残すと得点が安定しにくくなります。特に数的処理や判断推理は、慣れていない人がつまずきやすい分野です。
また、警察官試験では人物評価の比重も大きくなります。志望動機、責任感、協調性、規律を守る姿勢、ストレス耐性、地域社会への関心などが見られるため、筆記試験の点数が取れていても、面接対策が不十分だと合格は難しくなります。警察官という仕事への理解を深め、自分の経験と結びつけて説明できるようにしておくことが大切です。
体力試験も軽視できません。腕立て伏せ、腹筋、反復横跳び、シャトルラン、握力など、基礎的な体力を確認する内容が中心ですが、運動習慣がない人は早めに準備しておく必要があります。体力面だけでなく、健康状態や規律ある生活を維持できるかも重要になります。
高校卒業程度・大学卒業程度などの区分によって学力面の難しさは変わりますが、どの区分でも筆記・面接・体力をバランスよく対策することが合格につながります。公務員試験の基礎対策に加えて、警察官の仕事内容、社会的役割、地域安全への関心を自分の言葉で説明できるようにしておくことが重要です。
警察官試験の勉強法
警察官試験は、教養試験、論作文、体力試験、面接、適性検査など、複数の対策が必要になります。まずは受験する都道府県警や警視庁の試験内容を確認し、筆記・体力・面接をバランスよく準備しましょう。
教養試験では、数的処理、判断推理、文章理解、社会科学、時事、一般知識などが出題されます。特に数的処理や判断推理は慣れが必要なので、公務員試験用の問題集を使い、毎日少しずつ解いて解法パターンを身につけることが大切です。
論作文では、警察官としての使命感、地域住民との関わり、交通安全、防犯、少年非行、災害対応など、警察業務に関係するテーマが出やすいです。自分の考えをただ書くだけでなく、問題意識、理由、具体例、警察官としてどう行動したいかを整理して書けるように練習しましょう。
体力試験では、腕立て伏せ、上体起こし、反復横跳び、シャトルラン、握力などが行われることがあります。急に体力を伸ばすのは難しいため、筆記対策と並行して、早めにランニングや筋力トレーニングを始めておくと安心です。
警察官試験では、筆記の点数だけでなく、面接での人物評価も重要です。志望動機、警察官になりたい理由、体力面、責任感、協調性、ストレス耐性などを自分の言葉で答えられるように準備し、教養試験・論作文・体力試験・面接を総合的に対策する勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
基本的には警察官です。地域の交番勤務、パトロール、交通取締り、刑事事件の捜査、生活安全、少年事件、警備、災害対応、サイバー犯罪対策など、配属先によって担当する業務は幅広くなります。住民の安全を守る仕事であり、法律知識だけでなく、体力、判断力、責任感、冷静な対応力、コミュニケーション力が求められます。
警察官は公務員として安定性があり、社会的な責任も大きい仕事です。人の役に立ちたい人、地域の安全を守りたい人、正義感を持って働きたい人には向いています。一方で、勤務時間が不規則になりやすく、事件・事故・災害対応など精神的にも体力的にも負担の大きい場面があります。
警察官試験は、民間企業への就職・転職で直接評価される資格ではありません。あくまで警察官になるための採用試験です。ただし、警察官として経験を積んだ後は、警備会社、危機管理、コンプライアンス、調査業務、防犯関連、交通安全教育など、経験を活かせる分野もあります。
警察官試験は、公務員として治安維持や地域安全に関わりたい人に向いています。合格そのものがゴールではなく、採用後の警察学校での訓練や現場経験を通じて、警察官としての専門性を身につけていく試験と考えるとよいでしょう。

