ITストラテジスト試験 – 難易度・合格率・試験日など

目次

ITストラテジスト試験とは

企業の経営戦略や事業戦略を実現するために、ITをどのように活用するかを企画・立案する力を評価する国家試験です。情報処理技術者試験の中でも高度試験に分類され、経営とITの両方を理解し、事業革新や業務改革、サービス開発を推進できる人材を対象としています。

ITストラテジストには、単にシステムを作る知識だけでなく、経営課題を把握し、情報技術を活用した戦略を立てる力が求められます。DX推進、新規事業、業務プロセス改革、IT投資の判断、システム化構想の策定など、企業全体の方向性に関わる上流工程の知識が問われる点が特徴です。

2026年度からはCBT方式へ移行予定ですが、試験区分自体は継続されます。ITストラテジスト試験は、従来の春期試験区分にあたるため、2026年度は前期試験として2026年11月頃に実施予定です。

ITエンジニアとして経験を積んだ人だけでなく、IT企画、情報システム部門、DX推進部門、経営企画、ITコンサルタントなどを目指す人にも向いています。情報処理技術者試験の中でも難易度は高めですが、経営とITをつなぐ上位人材としての専門性を示しやすい資格といえるでしょう。

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ITストラテジスト試験の基本情報

資格種別国家資格
ジャンルIT・パソコン
資格区分なし
受験資格なし
試験日程年1回程度。2026年度からCBT方式へ移行予定
試験方法CBT方式。多肢選択式・記述式・論述式
免除科目条件を満たす場合、午前Ⅰ試験の免除あり
試験場所全国のCBTテストセンター
受験料7,500円(税込)
登録・更新なし
問い合わせ独立行政法人 情報処理推進機構 情報処理技術者試験センター
関連資格基本情報技術者試験
応用情報技術者試験
ネットワークスペシャリスト試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験

ITストラテジスト試験の試験日

2026年度からCBT方式で実施予定です。2026年度は、従来の春期試験で実施していた区分を「前期試験」として2026年11月頃に実施予定とされており、ITストラテジスト試験は前期試験の対象に含まれています。

ITストラテジスト試験の試験内容

経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、事業変革や業務改革、システム化構想を主導できる人材を対象とした国家試験です。情報処理技術者試験の高度区分に位置づけられており、ITエンジニアだけでなく、ITコンサルタント、企画職、システム企画担当者、DX推進担当者などにも関係の深い試験です。

試験では、経営戦略、事業戦略、情報システム戦略、システム企画、組込みシステム・IoTを活用した戦略などが問われます。単なるIT知識だけでなく、経営課題を理解し、ITを使ってどのように事業価値を高めるかを考える力が求められます。

出題範囲

経営戦略・事業戦略

企業の経営方針、事業環境、競争優位、ビジネスモデル、マーケティング、事業課題の分析など、IT戦略を考える前提となる経営知識が問われます。

IT戦略・システム戦略

経営戦略に沿ったIT戦略の立案、情報システム化構想、業務改革、DX推進、IT投資評価、システム企画など、ITを事業に活かすための知識が出題されます。

プロジェクト・マネジメント関連知識

システム化計画を実行に移すためのプロジェクト管理、サービスマネジメント、リスク管理、システム監査、情報セキュリティなどの知識も必要になります。

論述式問題への対応

ITストラテジスト試験では、午後に相当する科目で論述式問題が出題されます。事例を読み取り、経営課題、IT戦略、施策、効果、リスク対応などを自分の経験や考えに基づいて整理し、論理的に説明する力が求められます。

試験科目と出題数

2026年度からのITストラテジスト試験は、科目A-1試験、科目A-2試験、科目B-1試験、科目B-2試験で構成されます。科目A-1は多肢選択式30問で50分、科目A-2は多肢選択式25問で40分です。科目B-1は記述式で3問中2問を解答し、試験時間は90分です。科目B-2は論述式で2問中1問を解答し、試験時間は120分です。

科目Aでは幅広い知識、科目Bでは事例を読み取って解答する力や、IT戦略を文章で説明する力が問われます。

合格基準

合格基準は、科目A-1・科目A-2・科目B-1がそれぞれ100点満点中60点以上です。科目B-2は論述式で、評価ランクAが合格基準になります。

ITストラテジスト試験の受験者数・合格率

スクロールできます
年度・期応募者数受験者数合格者数合格率
2025年度春期7,889人5,586人836人15.0%
2024年度春期7,486人5,327人842人15.8%
2023年度春期7,040人4,972人769人15.5%
2022年度春期6,378人4,450人660人14.8%
2021年度春期5,669人3,783人579人15.3%
2020年度実施なし実施なし実施なし
2019年度秋期7,527人4,938人758人15.4%
2018年度秋期7,449人4,975人711人14.3%
2017年度秋期6,984人4,747人700人14.7%
2016年度秋期6,676人4,594人645人14.0%

ITストラテジスト試験の難易度

高度情報処理技術者試験の中でも難関とされる試験で、ITの専門知識だけでなく、経営戦略や事業戦略にITをどう活用するかを考える力が求められます。単にシステム開発や技術に詳しいだけでは対応しにくく、経営視点とIT視点の両方が必要になる試験です。

特に、問題文の状況を読み取り、企業の課題に対してどのようなIT戦略を立てるべきかを論理的に考える力が重要になります。暗記だけで突破できる資格ではなく、実務経験やケースに応じた判断力も大きく影響します。

また、自分の考えを文章で分かりやすくまとめる力も必要です。知識があっても、設問の意図に沿って論理的に説明できなければ得点につながりにくいため、記述・論述対策にもかなりの時間をかける必要があります。

総合的に見ると、ITストラテジスト試験は、IT系資格の中でも最難関クラスの資格です。エンジニアとしての知識に加えて、経営や事業戦略まで理解する必要があるため、十分な実務経験と計画的な対策が欠かせない試験といえるでしょう。

ITストラテジスト試験の勉強法

高度情報処理技術者試験の中でも難易度が高い試験です。ITの知識だけでなく、経営戦略、事業戦略、システム企画、業務改革、IT投資、プロジェクト推進など、経営とITを結びつけて考える力が求められます。

まずは、「ITストラテジスト完全教本」などの総合対策本を使って、試験全体の傾向をつかむことから始めるとよいでしょう。過去問と丁寧な解説がまとまっている教材であれば、初めて受験する方でも、どのような問題が出るのかを把握しやすくなります。

午前試験は、過去問演習を中心に進めるのが効率的です。ITストラテジスト試験は、午前Ⅰ・午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱで構成されており、午後Ⅱでは論述式の問題も出題されます。2026年度からはCBT方式へ移行予定ですが、IPAでは出題形式・出題数・試験時間に変更はないと案内されています。

午前Ⅰ・午前Ⅱは、過去問を繰り返し解いて知識を固めましょう。特に午前Ⅱでは、経営戦略、システム戦略、IT投資評価、情報システム戦略、組込み・IoT・DXなど、ITストラテジストらしい分野が問われます。間違えた問題は答えだけを覚えるのではなく、関連する用語や考え方まで確認しておくことが大切です。

午後Ⅰは記述式のため、問題文を正確に読み取り、設問に合う答えを短くまとめる練習が必要です。過去問を解くときは、ただ模範解答を読むだけでなく、「設問が何を聞いているのか」「本文のどこを根拠に答えるのか」を意識しましょう。

午後Ⅱは論述式で、ITストラテジスト試験の大きな山場です。自分の経験や想定事例をもとに、課題、施策、効果、工夫点などを筋道立てて書けるようにしておく必要があります。いきなり本番形式で書くのは難しいため、まずは過去問のテーマごとに論文の骨子を作り、慣れてきたら時間を測って実際に書く練習をするとよいでしょう。

かなり難易度の高い試験なので、短期間で詰め込むよりも、長期的な勉強計画を立てることが重要です。午前対策、午後Ⅰの記述対策、午後Ⅱの論文対策を並行して進め、特に論文は早めに着手しておくと安心です。

独学でも合格を目指せますが、午後Ⅱの論文対策に不安がある方や、実務経験をどう答案に落とし込めばよいか分からない方は、通信講座や添削付き講座を利用するのも一つの方法です。基本的には、総合対策本で全体像をつかみ、過去問を繰り返し解き、午後Ⅱは論文の型を身につける流れで進めるのがおすすめです。

ITストラテジスト試験のお勧めテキスト

情報処理教科書 ITストラテジスト 2026~2027年版

午後Ⅰ・午後Ⅱ対策を中心に学べる、ITストラテジスト試験向けの定番対策書です。午後Ⅰの解法や午後Ⅱ論文の組み立て方を丁寧に解説しており、論文の素材作りや過去問演習まで進めたい人に向いています。

ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集 第6版

午後Ⅱの論文対策に特化した一冊です。論文設計の考え方から、合格レベルに仕上げるための書き方まで段階的に学べます。論文例も豊富なので、何を書けばよいか分からない人や、答案の型を身につけたい人におすすめです。

著:岡山昌二, 著:阿部政夫, 著:庄司敏浩, 著:鈴木久, 著:高橋裕司, 著:満川一彦
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2026 ITストラテジスト 総仕上げ問題集

本試験前の演習用として使いやすい問題集です。ITストラテジスト試験は知識の暗記だけでなく、事例問題の読み取りや論述力も重要になるため、テキスト学習後は問題演習で出題形式に慣れておくと安心です。

情報処理教科書 高度試験 科目A-1・A-2

ITストラテジスト試験の午前対策に使いやすい高度試験共通の対策書です。午前Ⅰ・午前Ⅱで問われる基礎理論、システム、経営、セキュリティなどを幅広く確認できます。午後対策本と併用すると、試験全体をバランスよく学習できます。

資格を活かせる仕事

ITを活用して事業戦略や業務改革を進める力を証明できる国家資格です。単にシステムを作る側の知識だけでなく、経営戦略、事業企画、業務改善、IT投資、システム化計画など、経営とITを結びつける視点が求められます。

活かしやすい仕事としては、ITコンサルタント、システム企画、経営企画、事業企画、社内SE、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー、DX推進担当、IT企業の管理職、SIerの上流工程担当などがあります。特に、事業革新や業務改革、システム導入の企画段階に関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。

IT企業ではもちろん、一般企業の管理部門や事業部門でも活用できます。近年は多くの企業でDXや業務効率化が進められているため、ITを経営課題の解決にどう使うかを考えられる人材は、業種を問わず評価されやすくなっています。

また、IT企業ではITストラテジスト試験を資格手当や一時金の対象としている場合もあり、取得によって収入アップにつながる可能性もあります。高度情報処理技術者試験の中でも難易度が高い資格のため、管理職候補や上流工程を担う人材としてのアピールにもなります。

ただし、資格だけで経営企画やITコンサルタントとして即戦力になれるわけではありません。実務では、プロジェクト経験、業界知識、顧客折衝力、マネジメント経験、経営視点での提案力なども重視されます。ITストラテジスト試験は、IT分野で上流工程やマネジメント、事業戦略に関わりたい人にとって、取得する価値の高い資格といえるでしょう。

資格を広めてくれると嬉しいです!
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