基本情報技術者試験とは
ITエンジニアとして必要な基礎知識や、システム開発・運用に関する基本的な考え方を評価する国家試験です。情報処理技術者試験の一区分で、プログラマーやシステムエンジニアを目指す人にとって、登竜門的な資格として知られています。
試験では、コンピュータの仕組み、ネットワーク、データベース、セキュリティ、アルゴリズム、プログラミング、システム開発、プロジェクトマネジメント、経営戦略など、ITとビジネスの両方に関わる幅広い知識が問われます。特定の機種やOSだけに偏らず、IT技術者として土台になる知識を体系的に学べる点が特徴です。
現在の試験は、科目A試験と科目B試験で構成されています。科目A試験は90分・60問の多肢選択式、科目B試験は100分・20問の多肢選択式で実施されます。受験資格はなく、学生やIT未経験者でも受験できます。
IT企業への就職・転職を目指す人はもちろん、社内SE、プログラマー、システム開発職、情報システム部門で働きたい人にも役立つ資格です。ITパスポート試験よりも専門性が高く、実務で使うIT知識を身につけたい人や、応用情報技術者試験など上位資格へのステップアップを目指す人に向いている試験といえるでしょう。
基本情報技術者試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格 |
|---|---|
| ジャンル | IT・パソコン |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | CBT方式。科目Aは多肢選択式、科目Bは多肢選択式・20問 |
| 試験方法 | IPA認定講座の修了試験合格者は、科目A試験免除制度あり |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 全国のCBTテストセンター |
| 受験料 | 7,500円(税込) |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 独立行政法人 情報処理推進機構 情報処理技術者試験センター |
| 関連資格 | ITパスポート 応用情報技術者試験 システムアーキテクト試験 Javaプログラミング能力認定試験 |
基本情報技術者試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 随時実施 | 随時申込 | 受験月の翌月中旬ごろ |
基本情報技術者試験の試験内容
ITエンジニアとして必要な基礎知識と、システム開発に必要な論理的思考力・プログラミング的思考力を問う国家試験です。ITパスポート試験よりも技術者向けの内容で、プログラマー、システムエンジニア、社内SEなどを目指す人の基礎資格として位置づけられています。
試験はCBT方式で実施され、「科目A試験」と「科目B試験」に分かれています。科目A試験ではIT全般の基礎知識、科目B試験ではアルゴリズムやプログラミング、情報セキュリティを中心に問われます。IPAは、基本情報技術者試験をCBT方式で年間を通じて随時実施すると案内しています。
出題範囲
テクノロジ系
コンピュータの仕組み、ハードウェア、ソフトウェア、データベース、ネットワーク、情報セキュリティ、アルゴリズム、プログラミングなど、IT技術の基礎が問われます。
マネジメント系
システム開発、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査など、ITを適切に開発・運用・管理するための知識が出題されます。
ストラテジ系
企業活動、経営戦略、システム戦略、法務、知的財産、個人情報保護、情報システムの活用など、ITとビジネスを結びつける知識が問われます。
アルゴリズム・情報セキュリティ
科目B試験では、擬似言語を使ったアルゴリズムやプログラミング的思考、情報セキュリティに関する実践的な問題が中心になります。
試験科目と出題数
科目A試験は、四肢択一式で60問出題されます。試験時間は90分です。科目B試験は、多肢選択式で20問出題されます。試験時間は100分です。
科目A試験は、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系から幅広く出題されます。科目B試験は、アルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティを中心に出題されます。
合格基準
合格基準は、科目A試験・科目B試験のそれぞれで1,000点満点中600点以上です。どちらか一方だけが600点以上でも合格にはならず、両方の科目で基準点を満たす必要があります。
なお、IPAに認定された講座を受講し、修了試験に合格した場合は、基本情報技術者試験の科目A試験が免除される制度があります。
基本情報技術者試験の受験者数・合格率
| 年度 | 応募者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 172,217人 | 147,186人 | 56,370人 | 38.3% |
| 2024年度 | 157,259人 | 133,732人 | 54,501人 | 40.8% |
| 2023年度 | 140,774人 | 121,611人 | 57,278人 | 47.1% |
| 2022年度 | 117,624人 | 101,620人 | 38,033人 | 37.4% |
| 2021年度 | 97,577人 | 85,428人 | 34,734人 | 40.7% |
| 2020年度 | 60,411人 | 52,993人 | 25,499人 | 48.1% |
| 2019年度 | 168,869人 | 121,556人 | 31,224人 | 25.7% |
| 2018年度 | 155,928人 | 111,381人 | 28,552人 | 25.6% |
| 2017年度 | 144,501人 | 105,252人 | 23,288人 | 22.1% |
| 2016年度 | 136,376人 | 99,999人 | 26,591人 | 26.6% |
基本情報技術者試験の難易度
IT系資格の中では登竜門的な位置づけですが、ITパスポート試験と比べると難易度は大きく上がります。ITパスポートがITを利用する社会人向けの基礎資格であるのに対し、基本情報技術者試験は、ITエンジニアとして働くための基礎力を確認する試験です。
そのため、単にIT用語を知っているだけでは対応しにくく、システム開発、プログラミング、アルゴリズム、ネットワーク、データベース、セキュリティなどを幅広く理解する必要があります。特に、IT未経験者や文系出身者にとっては、アルゴリズムやプログラム的な考え方でつまずきやすいでしょう。
近年は以前より受験しやすくなったと言われることもありますが、それでも簡単な試験ではありません。ITパスポートの延長線上の感覚で受験すると、思ったより難しく感じる可能性があります。
一方で、出題内容はITエンジニアの基礎として体系化されているため、順序立てて学習すれば独学でも十分合格を目指せます。基礎用語の暗記だけでなく、問題を解きながら考え方に慣れていくことが重要です。
総合的に見ると、基本情報技術者試験は、IT初心者にとってはやや難しめですが、エンジニアを目指す人にとっては最初に挑戦したい代表的な資格です。しっかり対策すれば合格は十分可能ですが、ITパスポートよりも一段上の学習量と理解力が求められる試験といえるでしょう。
- 暗記だけでなく、実際にプログラムを記述できる能力がないと合格できないのでなかなか難しい。(20代大学生)
- 学校の授業を聞いて、ノートを取って、というような学習だけでは合格を目指すのは厳しい。(20代男性大学生)
- 実際に手を動かして、プログラミングを考えながら組んだことのない人には非常に難易度が高く感じられると思う。暗記しなければならない専門的な知識もそれなりに必要なので、大学や仕事などで実際にIT技術に接している人以外が独学で取得するのは難しい資格。(30代 IT企業勤務)
基本情報技術者試験の勉強法
まず基本的なIT用語や仕組みを理解するところから始めましょう。認知度の高い国家試験なので参考書は多く出版されていますが、ITにあまり詳しくない方は、図解が多く、初心者向けに書かれたやさしめの参考書を選ぶのがおすすめです。
最初は参考書を1回読んで終わりにするのではなく、2〜3回ほど繰り返し読み、コンピュータ、ネットワーク、データベース、セキュリティ、アルゴリズム、マネジメント、ストラテジ系の基本用語を押さえましょう。
ある程度の基礎知識がついたら、科目Aは過去問演習を中心に進めます。現在の基本情報技術者試験はCBT方式で、科目Aは60問・90分、科目Bは20問・100分で実施されています。IPAではCBT方式の公開問題も掲載されているため、公式問題を確認して出題形式に慣れておくとよいでしょう。
科目Aは、過去問や類似問題を繰り返し解くことで得点力を上げやすい分野です。できれば複数回分を解き、最低でも2周以上は復習しましょう。間違えた問題は答えだけを覚えるのではなく、関連する用語や考え方まで確認しておくことが大切です。
一方で、科目Bは旧試験の午後問題とは形式が変わっており、擬似言語によるアルゴリズム問題と情報セキュリティ問題への対策が重要です。IPAが公開している科目Bサンプル問題では、試験時間100分、問1〜問20、全問必須という形式が示されています。
科目B対策では、プログラムを読む練習が欠かせません。配列、条件分岐、繰り返し処理、関数、探索、整列などの基本を理解し、問題文の処理を紙に書いて追いかける練習をしておきましょう。プログラミング経験が少ない方は、科目Aの知識だけでなく、科目B専用の問題集やサンプル問題を使って早めに慣れておく必要があります。
IT知識が少ない方の場合、合格までに最低でも300時間以上の学習時間を見ておくと安心です。基本的には、やさしい参考書で基礎を固める、科目Aは過去問を繰り返す、科目Bはアルゴリズムとセキュリティ問題を重点的に練習する、という流れで進めるのがおすすめです。
基本情報技術者試験のお勧めテキスト
いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集 令和8年度
基本情報技術者試験を初めて受ける人でも読み進めやすい定番テキストです。科目Aの基礎知識から科目Bの対策まで、出題されやすい順に効率よく学べます。IT初心者が最初に選ぶ一冊として使いやすい教材です。
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和08年
イラスト中心の解説で、CPU、ネットワーク、データベース、アルゴリズムなどを理解しやすい教材です。令和08年版では科目B対策も追加され、過去問演習用のWebアプリも付いているため、仕組みを理解しながら学びたい人に向いています。
2026年度版 スッキリわかる基本情報技術者 テキスト&問題集
科目A・科目Bの両方に対応したTAC出版の総合対策書です。オールカラー図解で要点を整理しながら、問題演習や模試まで一冊で進められます。疑似言語問題も強化されているため、科目Bが不安な人にも使いやすいです。
徹底攻略 基本情報技術者教科書 令和8年度
本文解説を読んでから問題を解く流れで、知識を定着させやすい対策本です。科目A・科目Bを含む模擬試験問題も収録されており、基礎学習から実戦演習まで進められます。全文PDFや単語帳Webアプリが付いている点も便利です。
資格を活かせる仕事
ITエンジニアとして働くための基礎知識を証明できる国家資格です。システム開発、ネットワーク、データベース、セキュリティ、アルゴリズム、マネジメントなど、IT業界で必要とされる幅広い知識を学べるため、IT企業を目指す人にとっては代表的な資格の一つです。
活かしやすい仕事としては、システムエンジニア、プログラマー、社内SE、インフラエンジニア、ヘルプデスク、ITサポート、システム運用、Webエンジニア、IT企業の営業職などがあります。特に、システム開発や運用に関わる仕事では、資格で学んだ知識を実務の土台として活かしやすいでしょう。
また、IT企業だけでなく、一般企業の事務職や管理部門でも役立ちます。業務システムやクラウドサービス、情報セキュリティ、データ管理に関わる機会が増えているため、ITの基本を理解していることは、一般事務や営業事務、総務、社内システム担当などでも評価されやすいです。
企業によっては、基本情報技術者試験を資格手当や一時金の対象としている場合もあります。特にIT企業では、若手社員の取得を推奨しているケースもあるため、収入アップや社内評価につながる可能性もあります。
ただし、資格を取得しただけで即戦力のエンジニアになれるわけではありません。実務では、プログラミング経験、システム開発の流れ、チームでの作業経験、問題解決力なども重視されます。基本情報技術者試験は、IT業界を目指す人や、IT知識を仕事に活かしたい人が、基礎力を証明するために取得する価値の高い資格といえるでしょう。
受験者の口コミ評判
4.5
プログラム経験があればいい
IT技術者としての基本知識を持っていることを証明するために「基本情報技術者試験」を取得しました。
基本情報技術者試験に合格している事を採用条件の一つとしているIT企業も多くあるので、知識力の証明はもちろん、就職や転職においても有利な資格といえます。
試験は知識などを問う午前の部と、プログラミング等の技術力を問う午後の部で構成されており、共にマークシート方式となっています。午前の部は問題集だけで勉強できますが、午後の部は多少のプログラム経験がある事が望ましいと思います。
かつ 20代会社員(2019年6月)
5.0
プログラム経験があればいい
取得するきっかけは、ITを頻繁に使う社会になっていて、仕事もたくさんあるからです。技術者の試験としては登竜門に位置していて、これだけでは即戦力の技術とはいえませんが、入門として勉強する分にはおすすめできます。
アルゴリズムの考え方は、プログラミングに特有の方法で、機械がどのように解釈していくのかという根源的な部分を学べます。
渡部 40代会社員(2019年1月)
3.5
技術者として必要最低限の知識を得られる
午後の試験はプログラミングの試験が出ます。Java、C、COBOL、アセンブラ、表計算の中から1つ選択して、答案用紙に回答します。
できることなら、実社会でよく使われているJavaかCを選択したほうが勉強のしがいがあると思います。COBOLは金融システムの言語で、JavaやCよりは知名度が低いです。JavaかCかについては、どちらでもよいでしょう。
つとむ 20代会社員(2018年5月)
4.0
資格手当が支給される
コンピュータ系の専門学校へ通っていたときに、基本情報技術者試験を受験するカリキュラムが組まれていました。初めて試験を受けた時は午前の部の問題は解けたのですが、午後の問題が全くできずに不合格となってしまいました。
2度目の受験の際にはプログラム言語の参考書を購入し、午後の問題を解けるように対策をしました。そのかいあってか、試験には無事合格することができました。就職した企業では基本情報技術者試験合格者に、資格手当として毎月5000円が支給されたので嬉しかったです。
杉原 40代会社員(2018年1月)
4.0
一定の評価は得られる資格
情報処理技術を客観的に評価する目的で、上司から資格取得を勧められました。試験に合格すれば資格手当てが支給されることもあり、勉強にも自然と力が入りました。試験の合格率は30パーセントを切る、やや難易度が高いのが基本情報技術者試験です。
試験時間も午前、午後ともに150分の長丁場になります。資格試験としては合格へのハードルは高いのですが、応募者が14万人前後と人気のある資格です。国家試験なので合格すれば、一定の、評価が得られます。
名無し 40代会社員(2017年11月)

