文芸翻訳検定の難易度は?試験内容を解説

文芸翻訳検定は、一般社団法人文芸翻訳検定協会が実施する、英語の文学作品を日本語に翻訳する能力を評価する民間資格です。

英語の読解力だけでなく、日本語の表現力や文章構成力、一般教養などが問われます。5級から1級までの6区分が設けられており、上位級では小説の翻訳や創作にも取り組みます。

プロの文芸翻訳家を目指す方や、文学作品の翻訳に関心がある方に適した検定です。

目次

基本情報

資格種別
民間資格
資格区分
1級、準1級、2級、3級、4級、5級
受験資格
2級~5級は年齢・学歴・職歴などの制限なし。
1級・準1級は文芸翻訳検定2級の合格者に限られます。
試験日
年2回実施(1級・準1級は5月・11月、2級~5級は2月・8月)
試験方法
自宅オンライン
試験内容
2級~5級では、英文読解、語彙・文法、文学作品の理解、日本語表現などに関する問題が出題されます。1級・準1級では、文学作品の翻訳や創作課題を通じて、文章表現力や作品の完成度が評価されます。
合格点・合格基準
2級~5級は、試験回ごとの平均点や標準偏差などの統計データをもとに合格ラインが決定されるため、固定の合格点はありません。
1級・準1級は、文学作品の翻訳や創作文章の完成度などを総合的に評価します。具体的な合格点は公表されていません。
免除科目
なし
試験場所
自宅など、インターネットに接続できるパソコン環境で受験可能。国内外から受験できます。
受験料
1級:15,750円、準1級:10,500円、2級:8,400円、3級:6,300円、4級:4,200円、5級:4,200円(税込)
登録・更新
なし
問い合わせ一般社団法人文芸翻訳検定協会
おすすめ対象者
中学生・高校生大学生・専門学生社会人全般

試験日程

2026年度

試験区分試験日・試験期間申込期間
第77回(1級・準1級)5月23日(土)開始・5月25日(月)開始対象者へ個別連絡
第78回(2級~5級)8月29日(土)2月24日~8月14日
第79回(1級・準1級)11月21日(土)開始・11月23日(月)開始対象者へ個別連絡
第80回(2級~5級)2027年2月20日(土)9月1日~2027年2月5日

1級・準1級は受験級によって試験期間が異なります。

難易度

英語の理解力に加えて、日本語で物語を自然に表現する能力が求められるため、一般的な語学検定とは異なる難しさがあります。単語や文法を正確に理解できても、登場人物の感情や作品の雰囲気を日本語で適切に再現できるとは限りません。翻訳技術だけでなく、文学的な感性や文章力も重要になります。
特に難しいのは、原文の意味を忠実に伝えながら、日本語の作品として違和感なく読める文章に仕上げる点です。直訳では原文の雰囲気が失われる場合がある一方、自由に表現しすぎると作者の意図から離れてしまう可能性があります。文脈や登場人物の性格、作品全体の文体を考慮しながら、適切な言葉を選ぶ判断力が必要です。
5級・4級は比較的取り組みやすい区分ですが、英語の基礎知識だけでなく、日本語の語彙力や読解力も欠かせません。3級になると長い文章を読み取る力が求められ、2級では文章全体の流れを意識した表現力が重要になります。英語が得意な方でも、日本語の文章を書く経験が少ない場合は苦戦する可能性があります。
準1級以上になると難易度は大きく上昇します。単に意味が通じる文章ではなく、文学作品としての完成度や表現の細やかさが求められるためです。読者を作品の世界に引き込む文章を作るには、多くの文学作品に触れ、言葉の使い方や文章構成について深く理解する必要があります。
1級はプロの文芸翻訳家として通用する水準に位置付けられており、十分な語学力を持つ方にとっても難関です。到達するには翻訳の練習だけでなく、日本語の小説やエッセイを読み込み、文章表現の幅を広げることが重要になります。
1級
★★★★☆
勉強時間の目安:約700時間
準1級
★★★☆☆
勉強時間の目安:約450時間
2級
★★★☆☆
勉強時間の目安:約250時間
3級
★★★☆☆
勉強時間の目安:約150時間
4級
★★☆☆☆
勉強時間の目安:約80時間
5級
★☆☆☆☆
勉強時間の目安:約40時間

※勉強時間は、関連する知識や実務経験がない方が、合格を目指して学習する場合のおおよその目安です。学習経験や理解度、学習方法などによって必要な時間は異なります。

合格率・受験者数

級ごとの合格率は公表されていません。また、2級~5級は試験回ごとの成績分布などを参考に合格ラインが決められるため、毎回一定の割合が合格するとは限りません。

文芸翻訳検定1級・準1級を取得すると翻訳の仕事ができる?

1級・準1級に合格したからといって、必ず文芸翻訳の仕事ができるわけではありません。ただし、合格者は公式サイトでプロフィールを紹介してもらえる制度があります。

さらに1級合格者は、プロの翻訳者として協賛企業へ紹介される制度があるため、仕事につながる可能性があります。単なる英語力の証明ではなく、文芸翻訳家を目指す人にとって実務への入口になり得る資格です。

文芸翻訳検定では辞書やインターネットを使ってもいい?

文芸翻訳検定では、試験中に辞書や用語集、インターネット検索を利用できます。

これは単語をどれだけ暗記しているかではなく、原文を正しく理解し、必要な情報を調べながら適切な日本語に翻訳する力も重視しているためです。

ただし、調べることに時間を使いすぎると翻訳時間が足りなくなるため、検索力や時間配分も重要になります。

文芸翻訳検定1級・準1級で短編小説を書くのはなぜ?

1級・準1級では翻訳問題だけでなく、指定されたテーマに沿って日本語の短編小説を書く問題が出題されます。

文芸翻訳では原文を直訳するだけではなく、登場人物の感情や情景、文章のリズムなどを自然な日本語で表現する力が必要です。

短編小説を作成させることで、英語力とは別に、文芸翻訳者に必要となる日本語の文章力や表現力も評価しています。

文芸翻訳検定ではどのような作品を翻訳する?

試験では、小説などの文芸作品を題材とした英文を日本語へ翻訳します。

一般的な英語試験のように「英文の意味が理解できるか」だけを見るのではなく、作品の雰囲気や登場人物の感情、文脈などを読み取り、それを自然な日本語として表現できるかが重要になります。

そのため、同じ英文でも単純な直訳ではなく、文芸作品として読みやすい日本語に仕上げる力が求められます。

文芸翻訳検定は英語力が高ければ合格できる?

英語力が高いだけでは、上位級の合格は難しいでしょう。

文芸翻訳では英文を正確に理解する力に加えて、原文のニュアンスを読み取り、日本語として自然で魅力のある文章にする力が求められます。

特に1級・準1級では短編小説の作成もあるため、英語力だけでなく日本語の文章力も重要です。TOEICなどで高得点を取れる人でも、文芸翻訳特有の表現力については別途対策が必要になります。

資格を広めてくれると嬉しいです!
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