プロジェクトマネージャ試験とは
ITプロジェクトの責任者として、システム開発やITサービス導入などの計画・実行・管理を行うための知識と実践力を評価する国家試験です。情報処理技術者試験の中でも高度試験に分類され、プロジェクト全体を統括する立場の人を対象としています。
プロジェクトマネージャには、要員・予算・納期・品質・リスクなどを管理し、関係者と調整しながらプロジェクトを成功に導く力が求められます。単にIT技術に詳しいだけでなく、進捗管理、課題対応、チーム運営、顧客調整、リスクマネジメントなど、実務経験に基づいた判断力も重要です。
試験は、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4区分で構成されています。午前Ⅰ・午前Ⅱは多肢選択式、午後Ⅰは記述式、午後Ⅱは論述式で実施されます。特に午後Ⅱでは、プロジェクトマネージャとしての経験や考え方を論文形式で説明する力が問われるため、知識だけでなく実務に即した整理力が必要です。
プロジェクトマネージャ試験は、IT関連資格の中でも難易度が高い試験の一つです。システム開発のプロジェクトリーダー、PM、PMO、情報システム部門の管理者、ITコンサルタントなどを目指す人に向いており、プロジェクトを主導できる上位人材としての専門性を示しやすい資格といえるでしょう。
プロジェクトマネージャー試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格 |
| ジャンル | IT・パソコン |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年1回程度。2026年度からCBT方式へ移行予定 |
| 試験方法 | CBT方式。多肢選択式・記述式・論述式 |
| 免除科目 | 条件を満たす場合、午前Ⅰ試験の免除あり |
| 試験場所 | 全国のCBTテストセンター |
| 受験料 | 5,700円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 独立行政法人 情報処理推進機構 情報処理技術者試験センター |
| 関連資格 | 基本情報技術者試験 応用情報技術者試験 ITサービスマネージャ試験 ITコーディネータ試験 |
プロジェクトマネージャー試験の試験日
2026年度からCBT方式で実施予定です。
プロジェクトマネージャー試験の試験内容
システム開発やIT関連プロジェクトを成功に導くための計画・実行・管理能力を問う国家試験です。情報処理技術者試験の高度区分に位置づけられており、プロジェクトマネージャ、PMO、システム開発リーダー、ITコンサルタントなどを目指す人に関係の深い試験です。
試験では、プロジェクトの立ち上げ、計画、実行、管理、終結までの流れを中心に、品質・コスト・納期・リスク・要員・ステークホルダー管理などが問われます。2026年度からはCBT方式で一定期間内に複数日で実施予定とされています。
出題範囲
プロジェクトの立ち上げ・計画
プロジェクトの目的設定、体制づくり、スコープ定義、スケジュール作成、コスト見積り、品質計画、リスク計画など、開始前に必要となる計画立案の知識が問われます。
プロジェクトの実行・管理
進捗管理、品質管理、コスト管理、課題管理、リスク対応、要員管理、コミュニケーション管理、ステークホルダー対応など、プロジェクトを円滑に進めるための実務的な内容が出題されます。
プロジェクトの終結
成果物の確認、完了判定、移行、引継ぎ、振り返り、教訓の整理など、プロジェクトを適切に終了させるための知識が問われます。
記述式・論述式問題への対応
科目Bでは、事例文を読み取り、プロジェクト上の問題点や対応策を記述する力が求められます。論述式では、自身の経験をもとに、プロジェクトマネージャとしてどのように判断し、関係者を調整し、課題を解決したかを論理的に説明する力が重要です。
試験科目と出題数
2026年度のプロジェクトマネージャ試験は、科目A-1試験、科目A-2試験、科目B-1試験、科目B-2試験で構成されます。
科目A-1は多肢選択式30問で50分、科目A-2は多肢選択式25問で40分です。科目B-1は記述式で3問中2問を解答し、試験時間は90分です。科目B-2は論述式で2問中1問を解答し、試験時間は120分です。
合格基準
合格基準は、科目A-1・科目A-2・科目B-1がそれぞれ100点満点中60点以上です。科目B-2は論述式で、評価ランクAが合格基準になります。
プロジェクトマネージャー試験の受験者数・合格率
| 年度・期 | 応募者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年度秋期 | 13,540人 | 8,511人 | 1,219人 | 14.3% |
| 2024年度秋期 | 13,481人 | 8,627人 | 1,195人 | 13.9% |
| 2023年度秋期 | 12,197人 | 7,888人 | 1,066人 | 13.5% |
| 2022年度秋期 | 11,745人 | 7,382人 | 1,042人 | 14.1% |
| 2021年度秋期 | 10,184人 | 6,680人 | 959人 | 14.4% |
| 2020年度秋期 | 9,672人 | 6,276人 | 948人 | 15.1% |
| 2019年度春期 | 17,588人 | 10,909人 | 1,541人 | 14.1% |
| 2018年度春期 | 18,212人 | 11,338人 | 1,496人 | 13.2% |
| 2017年度春期 | 18,291人 | 11,596人 | 1,521人 | 13.1% |
| 2016年度春期 | 16,173人 | 10,263人 | 1,491人 | 14.5% |
プロジェクトマネージャー試験の難易度
情報システムの開発プロジェクトを管理・推進する責任者を対象とした試験なので、ITに関する知識だけでなく、プロジェクト全体を見渡すマネジメント力も求められます。進捗管理、品質管理、コスト管理、リスク対応、関係者との調整など、実務に近い判断力が必要になるため、知識の暗記だけでは対応しにくい試験です。
また、受験者の多くはIT業界で経験を積んだ人であり、その中でも合格するのは簡単ではありません。システム開発の流れを理解しているだけでなく、プロジェクトの課題に対してどのように判断し、対応するかを論理的に考える力が求められます。
特に論述対策が大きなハードルになります。自分の経験や考えをもとに、設問に沿って筋道立てて文章にまとめる必要があるため、実務経験があっても試験向けの練習は欠かせません。
総合的に見ると、プロジェクトマネージャー試験は、IT系資格の中でもかなり難しい試験です。IT業界に精通している人でも、半年から1年程度の学習期間を見込んで、知識対策と論述対策を計画的に進める必要がある難関資格といえるでしょう。
しかく姫情報処理技術者としての知識に加えてプロジェクトマネジメント能力も問われますので、難易度は高いです。
プロジェクトマネージャー試験の勉強法
高度情報処理技術者試験の中でも難易度が高く、特に午後Ⅱの論述試験対策が合格の大きなポイントになります。知識を覚えるだけではなく、プロジェクトマネージャとしての判断や工夫を、筋道立てて文章にまとめる力が求められます。
まずは、論文集や午後Ⅱ対策本を使って、どのようなテーマが出題されるのかを確認しましょう。プロジェクトの立ち上げ、計画、進捗管理、品質管理、リスク対応、ステークホルダー調整、変更管理、チームマネジメントなど、よく出るテーマを把握しておくことが大切です。
午前Ⅰ・午前Ⅱは、過去問演習を中心に進めるのが効率的です。プロジェクトマネージャ試験は、午前Ⅰが30問、午前Ⅱが25問の四肢択一式、午後Ⅰが記述式、午後Ⅱが論述式で実施されます。午後Ⅱは120分で、2問中1問を選んで論述する形式です。(ipa.go.jp)
午後Ⅰは、長文の事例を読み取り、設問に沿って短く正確に答える練習が必要です。プロジェクトの背景、課題、関係者、制約条件、発生した問題などを読み取り、本文中の根拠をもとに解答する力を身につけましょう。過去問を解くときは、模範解答を読むだけでなく、「なぜその答えになるのか」を本文に戻って確認することが重要です。
午後Ⅱの論文対策では、いきなり本番形式で書くよりも、まずはテーマごとに論文の骨子を作る練習から始めるのがおすすめです。たとえば、プロジェクトの概要、発生した課題、自分がPMとして行った対応、工夫した点、結果と評価という流れを、複数パターン用意しておくと書きやすくなります。
論文では、単に「頑張った」「調整した」と書くだけでは不十分です。どのような制約があり、どのようなリスクを想定し、誰と調整し、どのような判断をしたのかを具体的に書くことが大切です。論文集を読むときも、文章を丸暗記するのではなく、構成、表現、課題の整理の仕方を参考にしましょう。
2026年度からは、プロジェクトマネージャ試験を含む高度試験もCBT方式へ移行予定です。ただし、IPAの案内では、試験区分そのものや出題形式・試験時間に変更はないとされています。(ipa.go.jp)
独学でも合格を目指せますが、午後Ⅱの論文は自己採点が難しいため、可能であれば添削付き講座や論文対策講座を利用するのも有効です。基本的には、午前は過去問で知識を固め、午後Ⅰは記述式の過去問で読解力を鍛え、午後Ⅱは論文集を参考にしながら自分の経験や想定事例を文章化する練習を重ねる流れがおすすめです。
プロジェクトマネージャー試験のお勧めテキスト
情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2026~2027年版
プロジェクトマネージャ試験の定番対策書です。科目B-1・B-2の解き方や論文対策まで幅広く学べます。最新問題に加えて、Webダウンロードで過去問題の解答・解説も利用できるため、総合対策の中心教材として使いやすいです。
プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集 第6版
科目B-2の論文対策に特化した一冊です。論文の設計方法、問題文の趣旨に沿った構成、時間内に書き切るための考え方を学べます。論文事例も多く、午後論文に苦手意識がある人の補強教材としておすすめです。
2026-2027年度版 プロジェクトマネージャ 科目B-2 最速の論述対策
TAC出版の論述試験対策本です。2026年度からの科目B-2に対応しており、プロジェクトマネージャ試験の論文で求められる状況設定や書き方を重点的に学べます。短期間で論文の型を身につけたい人に向いています。
2026 プロジェクトマネージャ 総仕上げ問題集
本試験前の演習用として使いやすい問題集です。プロジェクトマネージャ試験は、知識の暗記だけでなく、事例問題の読み取りや論述力も重要になります。総合テキストで学んだ後、過去問演習で出題形式に慣れておくと安心です。
参考記事 お勧めのプログラミングスクール13校を比較!ランキング形式で発表!
資格を活かせる仕事
システム開発やITプロジェクトを計画・管理・推進するための知識と能力を証明できる国家資格です。IT系企業での認知度は非常に高く、プロジェクトを任せられる人材としてアピールしやすい資格です。
活かしやすい仕事としては、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー、システムエンジニア、ITコンサルタント、社内SE、システム企画、PMO、SIerの管理職、DX推進担当などがあります。特に、システム開発の進行管理、予算管理、品質管理、納期管理、チームマネジメント、顧客との調整を行う仕事では、資格で学んだ知識を実務に活かしやすいでしょう。
また、プロジェクトマネジメントのスキルはIT業界だけでなく、製造業、建設業、コンサルティング、企画部門、新規事業、業務改善プロジェクトなど、さまざまな分野で求められます。そのため、30代〜40代で中間管理職を目指す人や、チームをまとめる立場にある人にとっても、挑戦する価値のある資格です。
IT企業では、プロジェクトマネージャ試験を資格手当や一時金の対象としている場合もあり、社内評価や収入アップにつながる可能性もあります。高度情報処理技術者試験の中でも実務との関連性が強いため、管理職候補や上流工程を担当する人材としてのアピールにもなります。
ただし、資格を取得しただけでプロジェクトマネージャーとして即戦力になれるわけではありません。実務では、開発経験、顧客折衝力、リスク管理力、チームマネジメント経験、トラブル対応力なども重視されます。プロジェクトマネージャ試験は、IT業界でキャリアアップを目指す人や、組織をまとめる立場を目指す人にとって、非常に実用性の高い資格といえるでしょう。





