保護司とは
犯罪をした人や非行のある少年の立ち直りを地域で支援し、再犯や再非行の防止に関わる非常勤の国家公務員です。保護観察官と協力しながら、保護観察中の人への面接、生活上の助言、就労や家庭環境に関する支援、犯罪予防活動などを行います。
保護司になるために、資格試験や特定の専門資格は必要ありません。人格や行動について社会的信望があること、職務を行うための熱意と時間的余裕があること、生活が安定していること、健康で活動力があることなどが要件とされています。
給与が支給される職業資格ではなく、地域に根ざした更生保護活動を行うボランティア的な性格の強い制度です。法律、福祉、教育、地域活動などに関心があり、犯罪や非行からの立ち直りを支えたい人に関係の深い役割といえます。
保護司の基本情報
| 資格種別 | 国家資格 |
| ジャンル | 治安 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 登録・更新 | 保護司は法務大臣から委嘱される非常勤の国家公務員で、任期は2年。再任される場合があります |
| 問い合わせ | 法務省保護局、全国保護司連盟 |
| 関連資格 | 警察官 |
保護司の選考基準
主な選考基準は、社会的信望があること、職務に対する熱意があること、活動に必要な時間的余裕があること、生活が安定していること、健康で活動力があることです。
社会的信望
地域社会の中で信頼を得ていることが重視されます。保護司は、保護観察対象者やその家族、地域の関係機関と関わるため、公平で誠実に対応できる人物であることが求められます。
職務への熱意
犯罪をした人や非行のある少年の立ち直りを支援する活動に、継続して取り組む意思があることが必要です。
保護司の活動は、面接や生活状況の確認、保護観察官との連絡、地域活動などを含むため、単なる名誉職ではなく、実際に支援活動へ関わる姿勢が問われます。
時間的余裕
保護観察対象者との面接、保護観察所との連絡、研修、地域での犯罪予防活動などに参加できる時間があることが求められます。
仕事や家庭の事情があっても委嘱される場合はありますが、活動に必要な時間を確保できるかは重要な判断材料になります。
生活の安定
保護司として継続的に活動できる生活基盤があることも基準の一つです。
対象者の生活相談や更生支援に関わる立場であるため、本人の生活が極端に不安定でないことが求められます。
健康・活動力
保護司の職務を行うために必要な健康状態と活動力があることが必要です。
対象者との面接、関係機関との連絡、地域活動、研修などに参加できる状態であるかが確認されます。
年齢の目安
保護司には年齢の目安があります。新たに委嘱される場合は、おおむね66歳以下が目安とされます。
また、再任についても年齢上限の考え方があり、一定の年齢を超えると原則として再任されない扱いになります。年齢基準は運用上の目安であり、地域の事情などにより扱いが異なる場合があります。
資格侍非行した少年を更生させるという職務の特性上、過去に犯罪を犯した方は推薦を受けずらいという傾向にあります。



選考の際に身元調査が行われると言われているので嘘はダメですよ~
保護司の研修内容
保護司に委嘱された後は、保護観察所などが実施する研修を受けながら、活動に必要な知識や対応方法を身につけます。研修は、委嘱直後に受ける新任保護司研修だけでなく、経験年数に応じた研修、地域別の定例研修、特定テーマに関する特別研修などに分かれています。
保護司は専門職として採用される資格ではないため、委嘱後の研修を通じて、更生保護制度、保護観察の進め方、面接の方法、記録・報告書の作成、対象者への接し方、関係機関との連携などを学びます。
主な研修内容
新任保護司研修
委嘱直後の保護司を対象に実施される研修です。保護司の役割、更生保護制度の概要、保護観察所との連携、守秘義務、活動上の基本的な注意点などを学びます。
初めて保護司として活動する人が、保護観察や生活環境の調整、犯罪予防活動の基本を理解するための研修です。
処遇基礎力強化研修
委嘱後おおむね2年目の保護司を対象に行われる研修です。保護観察対象者への接し方、面接の進め方、生活状況の把握、指導・助言の方法など、処遇に必要な基礎的な力を高める内容です。
対象者の話を聞き取り、再犯・再非行を防ぐためにどのような支援や見守りが必要かを考える力が重視されます。
指導力強化研修
委嘱後おおむね3年目から4年目の保護司を対象に行われる研修です。対象者の状況に応じた指導、問題行動への対応、家族や関係機関との連携、事例に基づく判断など、より実践的な内容を扱います。
経験を積んだ保護司が、個別のケースに応じて適切に対応できるよう、事例研究や意見交換を通じて対応力を高める研修です。
地域別定例研修
すべての保護司を対象に、保護区ごとに年に数回行われる研修です。地域の実情やその時々の課題に合わせて、保護観察、更生保護、犯罪予防活動、対象者対応、記録作成などに関するテーマを学びます。
保護観察官が講師となることが多く、講義だけでなく、事例検討や討議を行う場合もあります。
特別研修
特定のテーマについて、保護観察所長が必要と認めた保護司を対象に実施される研修です。
性犯罪対象者への対応、薬物事犯、少年非行、高齢者や障害のある対象者への支援、面接記録の書き方、関係機関との連携など、実務上必要性の高いテーマが扱われることがあります。
自主研修・保護司会の研修
地区保護司会などが独自に企画する研修もあります。地域の保護司同士で事例を共有したり、関係機関の職員を招いて講義を受けたりする内容です。
保護司同士の情報交換や、地域での活動上の課題を共有する場としても機能します。
研修で学ぶ主な分野
更生保護制度
保護観察、更生緊急保護、生活環境の調整、犯罪予防活動など、更生保護の基本的な仕組みを学びます。
保護司がどのような立場で対象者に関わり、保護観察官や関係機関とどのように連携するのかを理解する内容です。
面接の方法
保護観察対象者との面接の進め方、話の聞き方、生活状況の確認、指導・助言の方法などを学びます。
対象者の状況を把握し、必要な支援につなげるためには、相手の話を丁寧に聞き、信頼関係を築くことが重要になります。
記録・報告書の作成
面接結果や対象者の生活状況、指導内容、気づいた点などを記録し、保護観察所へ報告する方法を学びます。
保護司の活動は、保護観察官との連携を前提としているため、面接内容や対象者の変化を正確に記録する力が必要です。
事例研究
実際の保護観察や更生支援に近い事例をもとに、対象者への対応方法を考える研修です。
就労、家庭関係、交友関係、薬物、非行、再犯リスク、生活困窮など、対象者ごとの課題を整理し、どのように支援・指導するかを検討します。
関係機関との連携
保護観察所、学校、福祉機関、自治体、警察、就労支援機関、医療機関などとの連携について学びます。
対象者の立ち直りを支えるには、保護司だけで対応するのではなく、必要に応じて地域の関係機関と協力することが重要です。
保護司の活動内容
保護観察を受けている人や、刑務所・少年院などから社会に戻る人の立ち直りを地域で支える活動を行います。主な活動は、保護観察対象者との面接、生活状況の確認、助言、生活環境の調整、犯罪予防活動などです。
保護司は、保護観察官と連携しながら活動する非常勤の国家公務員です。専門職として単独で処遇を決めるのではなく、保護観察官の指導のもと、地域に身近な立場から対象者を見守り、必要な支援につなげる役割を担います。
主な活動内容
保護観察対象者との面接
保護観察中の人と定期的に面接し、生活状況や仕事、家庭、交友関係、約束ごとの遵守状況などを確認します。
面接では、対象者の話を聞きながら、生活上の悩みや再犯・再非行につながりやすい問題を把握します。必要に応じて助言を行い、安定した生活を続けられるよう見守ります。
生活状況の確認
対象者が決められた生活を送っているか、仕事や学校に通えているか、家族関係や交友関係に問題がないかなどを確認します。
保護観察では、対象者が社会の中で再び問題を起こさず生活できるかを継続的に見る必要があります。保護司は、地域の中で対象者に近い立場から変化に気づき、保護観察官へ報告します。
指導・助言
仕事、家庭、交友関係、生活習慣、金銭管理、学業、就労などについて、必要に応じて助言を行います。
対象者を一方的に叱るのではなく、本人が自分の課題に向き合い、生活を立て直せるよう支えることが中心です。状況によっては、家族との関係改善や就労先との調整が必要になることもあります。
生活環境の調整
刑務所や少年院などに入っている人が社会に戻る前に、帰住先、家族関係、就労、生活環境などを確認します。
出所・退院後に安定した生活を始められるよう、保護観察官と連携しながら、家族や関係機関との調整を行います。住む場所や支援体制が整っているかを確認する重要な活動です。
保護観察官との連携
保護司は、面接内容や対象者の生活状況、気になる変化などを保護観察官に報告します。
対象者への処遇方針は保護観察官と連携して進めるため、保護司の記録や報告は重要です。問題が発生した場合や支援が必要な場合も、保護観察官と相談しながら対応します。
家族・関係者との連絡
必要に応じて、対象者の家族や身元引受人、学校、勤務先、福祉機関などと連絡を取ることがあります。
対象者の生活を支えるには、本人だけでなく周囲の環境も重要です。家庭内の問題、就労の不安、生活困窮、健康面の課題などがある場合は、関係機関との連携が必要になります。
犯罪予防活動
地域で犯罪や非行を防ぐための啓発活動にも関わります。代表的な活動として、社会を明るくする運動への参加があります。
地域住民に更生保護への理解を広げたり、犯罪や非行のない地域づくりに向けた広報活動を行ったりします。保護観察対象者への個別支援だけでなく、地域全体の安全や再犯防止に関わる活動です。
保護司会での活動
保護司は、地域ごとの保護司会に所属して活動します。保護司会では、研修、情報共有、地域活動、犯罪予防活動などが行われます。
個人で活動するだけでなく、他の保護司や保護観察所と連携しながら、地域の更生保護活動を進めていきます。
活動の特徴
保護司の活動は、対象者を監視するだけのものではありません。地域の中で立ち直りを支え、再犯や再非行を防ぐための見守りと支援が中心です。
活動内容は、保護観察対象者との面接や報告だけでなく、生活環境の調整、関係機関との連携、犯罪予防活動まで幅広く含まれます。保護司は、地域社会と対象者をつなぐ役割を担う存在です。
保護司の難易度
保護司は、資格試験に合格して取得するものではありません。そのため、試験の難易度としては評価しにくい資格ですが、誰でも簡単に委嘱されるものではなく、人物面・地域での信頼・活動に使える時間などが重視されます。



しかし保護司には定員があるのでタイミングによってはなれないこともあるので難しい面もあります。

