気象予報士試験とは
気象予報を行うために必要な知識と技能を認定する国家試験です。気象予報士は、気象庁から提供される観測データや数値予報資料などをもとに、天気や気温、降水、風などの予報を行う専門家として位置づけられています。
試験は学科試験と実技試験で構成されています。学科試験では、気象学の基礎、気象現象、予報業務、関連法規などが問われ、実技試験では、天気図や各種資料を読み取り、実際の予報判断や防災気象情報に関する考察を行う力が評価されます。
気象会社、放送局、新聞社、自治体、防災関連企業、農業・物流・イベント関連企業などで活用しやすい資格です。合格率は低く、理科系の知識や資料読解力が求められますが、気象予報や防災情報の発信に関わりたい人に向いています。
気象予報士試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
| ジャンル | 環境・自然 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年2回。例年8月ごろと翌年1月ごろに実施 |
| 試験方法 | 学科試験と実技試験で実施。学科試験は多肢選択式、実技試験は記述式で実施 |
| 免除科目 | 学科試験の一部または全部に合格した人は、申請により一定期間、合格済み科目が免除されます。また、気象業務に関する業務経歴や資格により、学科試験の一部または全部が免除される場合があります |
| 試験場所 | 北海道、宮城県、東京都、大阪府、福岡県、沖縄県の指定試験地 |
| 受験料 | 免除科目なし:11,400円/学科1科目免除:10,400円/学科2科目免除:9,400円 |
| 登録・更新 | 試験合格後、気象庁長官の登録を受けることで気象予報士となります |
| 問い合わせ | 一般財団法人 気象業務支援センター |
| 関連資格 | 天気検定 |
気象予報士試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第1回:8月23日 | 6月15日~7月3日 | 10月9日 |
| 第2回:1月31日 | 11月16日~12月4日 | 3月19日 |
気象予報士の試験内容
学科試験では、気象業務に関する一般知識と専門知識が問われます。実技試験では、天気図や各種気象資料を読み取り、気象現象の解析、予想、注意報・警報に関する判断などを記述式で解答します。
学科試験に合格した科目は、一定期間、科目免除の対象になります。実技試験は、学科試験の両科目に合格している人、または学科試験免除の対象者が採点対象になります。
出題範囲
実技試験
天気図、数値予報資料、衛星画像、レーダー画像、アメダス、ウィンドプロファイラ、観測データなどを使い、気象状況を解析する内容です。
低気圧、前線、台風、大雨、大雪、強風、雷、突風、霧、気温変化などについて、資料を読み取りながら、現象の特徴や今後の変化を文章で説明する力が問われます。
警報・注意報、予報文、時系列予報、防災気象情報に関する理解も必要です。気象現象を単独で見るのではなく、複数の資料を組み合わせて判断する内容になります。
学科試験 一般知識
大気の構造、大気の熱力学、降水過程、大気における放射、力学、気象現象、気候変動、気象業務法などが出題されます。
気象学の基礎理論を中心に、天気がどのように変化するかを理解するための基本知識が問われます。法規では、気象業務法や予報業務に関する制度も出題範囲に含まれます。
学科試験 専門知識
観測、予報、数値予報、短期予報、中期予報、長期予報、局地予報、気象衛星、レーダー、台風、集中豪雨、警報・注意報、気象災害などが出題されます。
実際の予報業務に近い知識が中心で、観測データや予報資料の見方、防災気象情報の意味、現象ごとの特徴を理解しているかが問われます。
試験科目と出題数
学科試験は、一般知識と専門知識の2科目です。どちらも五肢択一式で、各15問出題されます。試験時間は各60分です。
実技試験は、実技1と実技2の2科目です。どちらも記述式で、試験時間は各75分です。天気図や気象資料を読み取り、解析・予想・防災気象情報に関する問題に解答します。
合格基準
学科試験は、一般知識・専門知識ともに15問中11問以上の正答が目安です。ただし、試験の難易度により合格基準が調整される場合があります。
実技試験は、総得点の70%以上が目安です。ただし、こちらも試験回によって合格基準が調整される場合があります。
学科試験と実技試験の両方で基準を満たすことで、最終合格となります。
気象予報士試験の受験者数・合格率
| 年度 | 申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 9,053人 | 7,980人 | 418人 | 5.2% |
| 2024年度 | 9,436人 | 8,302人 | 492人 | 5.9% |
| 2023年度 | 9,315人 | 8,218人 | 448人 | 5.5% |
| 2022年度 | 9,668人 | 8,339人 | 449人 | 5.4% |
| 2021年度 | 8,946人 | 6,549人 | 301人 | 4.6% |
気象予報士試験の難易度
気象予報士試験は、理系資格の中でもかなり難しい試験です。気象に関する専門知識だけでなく、物理・数学の基礎、天気図の読み取り、予報資料の解析、記述問題への対応まで求められるため、初学者が短期間で合格を目指すには負担が大きい試験です。
難しさの理由は、一般知識・専門知識・実技試験のすべてをバランスよく対策する必要があるためです。一般知識では大気の構造、熱力学、力学、気象法規などが問われ、専門知識では予報業務、観測、数値予報、短期予報、防災気象情報など、より実務に近い内容が出題されます。
特に負担になりやすいのは、実技試験です。天気図や気象資料を読み取り、台風、低気圧、前線、降水、風、気温変化などを分析し、文章で的確に説明する力が必要になります。知識を覚えているだけでは対応しにくく、資料のどこに注目し、どのように予報判断へつなげるかを練習する必要があります。
また、物理や数学に苦手意識がある人は、一般知識の理解に時間がかかりやすいでしょう。気圧、温度、湿度、風、雲、降水などは身近な現象ですが、試験ではそれらを科学的に説明できるかが問われます。公式や用語の暗記だけでなく、気象現象の仕組みを理解することが大切です。
気象・防災・航空・海洋・農業・環境分野に関わっている人や、理系科目に慣れている人は学習を進めやすい資格です。一方で、初学者は基礎理論、専門知識、実技演習を段階的に積み上げる必要があります。合格を目指すには、過去問演習を繰り返し、天気図や予報資料を読み解く力を地道に鍛えることが重要です。
資格侍合格率は非常に低いので難しいのは間違いありませんが、受験資格が無いので本気で勉強すれば合格は可能です。
気象予報士試験の勉強法
気象予報士試験は、学科試験と実技試験に分かれており、気象学、予報業務、気象法規、天気図の読み取り、予報文作成などを幅広く学ぶ必要があります。まずはテキストで気象の基礎を固め、過去問を中心に出題傾向をつかみましょう。
学科試験では、一般知識と専門知識の対策が必要です。一般知識では大気の構造、熱力学、降水、気圧、風、台風などの基礎理論が問われ、専門知識では数値予報、観測、レーダー、衛星画像、短期予報、防災気象情報などが問われます。
特に重要なのは、実技試験への対策です。天気図、衛星画像、レーダー画像、アメダス、予想図などを読み取り、気象現象を説明する力が求められます。知識を覚えるだけでなく、資料から根拠を見つけて、指定字数内で簡潔に答える練習を重ねましょう。
過去問演習では、答えを覚えるのではなく、なぜその気象現象が起きているのか、どの資料を根拠に判断するのかを確認することが大切です。前線、低気圧、台風、大雨、強風、寒気、フェーン現象などは、図と文章を結びつけながら理解すると定着しやすくなります。
気象予報士試験は難易度が高く、特に実技試験で苦戦しやすい試験です。基本的には、学科はテキストと過去問で基礎を固め、実技は天気図の読み取りと記述練習を繰り返す勉強法がおすすめです。
気象予報士試験のお勧めテキスト
読んでスッキリ!気象予報士試験 合格テキスト 第2版
学科の一般知識・専門知識に加えて、実技試験の基礎まで一冊で確認できる総合テキストです。気象学の基本から法規、天気図の読み方まで幅広く整理されており、初学者が最初に全体像をつかむ教材として使いやすいです。
らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト 学科専門知識編
学科専門知識を重点的に学びたい人向けの定番テキストです。予報業務、観測、数値予報、気象災害など、試験で問われやすい内容を図表を交えて整理できます。学科一般とあわせて使うと、学科試験対策を進めやすくなります。
気象予報士試験精選問題集 2026年版
第1回から第64回試験までの問題から、学科試験と実技試験の重要問題を分野別に精選した問題集です。模範解答やヒントも収録されているため、テキストで知識を学んだ後のアウトプット教材として使いやすい一冊です。
資格を活かせる仕事
気象会社、テレビ局、ラジオ局、新聞社、Webメディア、気象情報サービス会社、防災関連企業、航空・海運・農業・建設・エネルギー関連企業、自治体の防災部門などがあります。特に、天気予報の作成、気象解説、防災情報の発信、台風・大雨・雪などのリスク分析、気象データを使った業務支援などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
気象情報は、日常生活だけでなく、交通、農業、建設、イベント運営、防災、電力需要などにも大きく関わります。そのため、気象を正しく読み解き、分かりやすく伝えられる人材は、気象会社やメディアだけでなく、気象リスクを扱う幅広い分野で役立ちます。
気象予報士は知名度が高く、難易度も高い資格ですが、資格を取得しただけでテレビの天気キャスターや気象会社に就職できるわけではありません。実務では、気象データの解析力、伝える力、原稿作成、プレゼン力、防災知識、IT・データ処理スキルなども重視されます。
気象予報士試験は、気象や防災、報道、環境分野で専門性を高めたい人に向いています。メディアで活躍したい場合は話す力や表現力、防災分野で活かしたい場合は防災士や自治体・インフラ関連の知識、データ分野で活かしたい場合はプログラミングや統計の知識と組み合わせることで、より仕事につなげやすくなるでしょう。




