英国王立音楽検定とは
英国のABRSMが実施する、国際的な音楽検定です。ピアノ、弦楽器、管楽器、声楽、音楽理論などを対象に、演奏技術や音楽知識を段階的に評価する試験で、世界各国で受検されています。
試験は、実技系のグレード試験や音楽理論試験などに分かれており、学習段階に応じて目標を設定しながら受検できる点が特徴です。演奏では、課題曲、音階、初見、聴音などを通じて、単に曲を弾けるかだけでなく、音楽を総合的に理解して表現する力が評価されます。
音楽教室、ピアノ・楽器学習、海外留学準備、音楽教育、演奏活動などで活かしやすい検定です。日本国内の資格というより、国際的な音楽学習の到達度を示す検定として位置づけられ、音楽を体系的に学びたい人や、海外でも通用しやすい評価基準で実力を確認したい人に向いています。
英国王立音楽検定の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | クリエイター・デザイン |
| 資格区分 | ディプロマ、グレード8〜1、イニシャルグレード、プレップテスト、理論検定、パフォーマンスグレード |
| 受験資格 | 基本的に年齢・国籍を問わず受検可能。ただし、上位グレードやディプロマでは前提となる理論・実技レベルが求められる場合あり |
| 試験日程 | 実技検定は年1回程度。理論検定グレード1〜5とパフォーマンスグレードは随時受検可能。理論検定グレード6〜8は指定日に実施 |
| 試験方法 | 実技検定、理論検定、動画提出型のパフォーマンスグレード、ディプロマ試験などで実施 |
| 免除科目 | 特になし。ただし、上位グレード・ディプロマ受検では前提資格や条件が設定される場合あり |
| 試験場所 | 実技・理論の一部は東京・名古屋・神戸などの指定会場で実施。オンライン試験・動画提出型は自宅などから受検可能 |
| 受験料 | 実技検定はグレード8 523USD、グレード7 460USD、グレード6 398USD、グレード5 324USD、グレード4 312USD、グレード3 265USD、グレード2 255USD、グレード1 202USD、イニシャルグレード 182USD。理論検定・パフォーマンスグレード・ディプロマは区分により異なる |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 公益財団法人 かけはし芸術文化振興財団 |
| 関連資格 | 音楽著作権管理者 |
英国王立音楽検定の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 実技検定:6月 | 3月24日~4月7日 | 公式ページで確認 |
| 理論検定 グレード6~8:10月31日 | 9月1日~9月14日 | 公式ページで確認 |
英国王立音楽検定の試験内容
ABRSMが実施する国際的な音楽検定で、楽器演奏、声楽、音楽理論などをグレード別に評価します。実技系はイニシャル・グレードからグレード8まであり、ピアノ、弦楽器、管楽器、声楽、打楽器など幅広い分野で受検できます。グレード6以上の実技を受ける場合は、原則としてグレード5以上の理論検定などの取得が必要です。
出題範囲
実技検定では、課題曲の演奏、音階・アルペジオ、初見演奏、聴音などが評価されます。演奏技術だけでなく、音楽表現、リズム、音程、楽曲理解、総合的な演奏力が問われます。
パフォーマンス・グレードでは、動画提出により複数の曲を演奏し、全体のプログラム構成や表現力が評価されます。通常の実技検定と異なり、音階・初見演奏・聴音は含まれません。
音楽理論検定では、音符、拍子、調性、音程、和音、楽語、楽曲理解など、楽譜を読み解くための理論知識が出題されます。
試験科目と出題数
実技検定は、課題曲、音階・アルペジオ、初見演奏、聴音で構成されます。対面式の試験では、演奏だけでなく、基礎技術や初見力、耳の力も含めて総合的に評価されます。
パフォーマンス・グレードは、指定条件に沿って複数曲を演奏した動画を提出する形式です。実技検定よりも、演奏プログラム全体の完成度や表現力を重視する内容です。
音楽理論検定は、グレードごとの範囲に沿って、楽譜の読み取りや音楽理論の理解を問う筆記・オンライン形式の試験として実施されます。
合格基準
実技検定とパフォーマンス・グレードは150点満点で、100点以上が合格、120点以上がMerit、130点以上がDistinctionです。
音楽理論検定は100点満点で、66点以上が合格、80点以上がMerit、90点以上がDistinctionの目安です。グレードや実施形式によって細部が異なる場合があるため、受検時は最新の要項で確認が必要です。
英国王立音楽検定の受験者数・合格率
世界では毎年65万件以上の試験・評価が実施されていますが、日本国内の年度別受験者数や級別合格率は、公式に一覧公表されていません。
英国王立音楽検定の難易度
下位グレードであれば音楽を学んでいる人が段階的に挑戦しやすい一方、上位グレードでは演奏力・読譜力・音楽理論を総合的に求められる検定です。実技はイニシャル・グレードからグレード8まであり、グレードが上がるほど演奏技術だけでなく、音楽を理解して表現する力も重要になります。
この検定で難しく感じやすいのは、単に課題曲を弾けるだけでは不十分な点です。演奏の正確さ、音色、リズム、表現、曲の解釈に加えて、対面式の実技検定では初見演奏や聴音・ソルフェージュの力も関係します。普段から楽譜を読んで演奏している人は取り組みやすい一方、耳で覚えて演奏することが中心の人は、読譜や初見で負担を感じやすいでしょう。
上位グレードでは、音楽理論の理解も大きなポイントになります。グレード6以上の実技を受けるには、理論検定またはプラクティカル・ミュージシャンシップでグレード5以上の取得が必要とされているため、演奏だけで先に進むことはできません。和音、調性、楽語、楽曲構造などを理解し、演奏と理論を結びつけられるかが難しさにつながります。
ピアノ、ヴァイオリン、声楽、管楽器などで継続的にレッスンを受けている人は、グレードごとに目標を設定しながら取り組みやすい検定です。一方で、独学中心の人や、音楽理論・初見・聴音にあまり触れてこなかった人は、演奏以外の要素で難しさを感じやすいでしょう。
英国王立音楽検定の勉強法
演奏技術だけでなく、楽譜の読み取り、音楽理論、表現力、リズム感、聴く力をバランスよく身につけることが大切です。まずは、受験する楽器やグレードに合わせて課題曲を確認し、音程やリズムを正確に演奏できるよう、基礎練習と曲の練習を並行して進めると取り組みやすくなります。
この検定では、ただ曲を最後まで弾ける・演奏できるだけでなく、強弱、テンポ、フレーズのまとまり、曲の雰囲気を表現する力も見られます。そのため、譜読みの段階から指使いや呼吸、音のつながりを意識し、細かいミスを減らしながら音楽的に仕上げていくことが重要です。スケールやアルペジオなどの基礎課題も、機械的に練習するのではなく、安定した音色と正確なテンポで演奏できるようにしておくと安心です。
勉強を進める際は、課題曲だけに偏らず、初見演奏、聴音、音楽理論にも少しずつ取り組むことが大切です。特に上位グレードを目指す場合は、曲の背景や様式、和声の流れまで意識すると表現に深みが出ます。日々の練習では、録音して自分の演奏を確認し、テンポの乱れや音の粗さを見直すと効果的です。講師の指導を受けながら、演奏技術と音楽理解の両方を高めていくことが合格につながりやすくなります。
資格を活かせる仕事
音楽教室の講師、ピアノ講師、楽器講師、声楽指導、音楽スクール、個人レッスン、幼児音楽教育、演奏活動、海外留学や音楽系進学の準備などがあります。特に、音楽を教える仕事や、演奏力・音楽理論の基礎を示したい場面では、検定で得た学習経験を活かしやすいでしょう。
英国王立音楽検定は、海外でも知られている音楽検定の一つであり、グレード制で実力を示せる点が特徴です。音楽講師として活動する場合、生徒や保護者に対して、どの程度の演奏力や理論知識を持っているかを説明する材料になります。
一方で、英国王立音楽検定だけで就職・転職が大きく有利になるとは言いにくいです。音楽関連の仕事では、資格名よりも演奏力、指導経験、音楽大学での学歴、コンクール実績、生徒への指導力、コミュニケーション力などが重視されます。
英国王立音楽検定は、音楽の実力を客観的に示す補助的な資格です。音楽講師や演奏活動に活かしたい場合は、検定のグレードに加えて、演奏実績、指導経験、レッスン内容、得意分野を具体的に示せるようにしておくとよいでしょう。

