昇降機検査資格者試験の難易度・合格率・試験日など

目次

昇降機検査資格者試験とは

エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機、遊戯施設などの定期検査を行う専門資格です。現在は「昇降機等検査員」として扱われており、建築基準法に基づく定期報告制度に関係する資格として位置づけられています。

資格を取得するには、一般的な筆記試験を受けるのではなく、所定の講習を受講し、修了考査に合格する必要があります。講習では、昇降機や遊戯施設の構造、関係法令、検査方法、安全確認、報告書の作成など、定期検査を適切に行うために必要な知識を学びます。

昇降機メーカー、ビル管理会社、設備管理会社、建物メンテナンス会社、検査会社などで活用しやすい資格です。エレベーターやエスカレーターなどの安全管理に関わる仕事をしている人や、建築設備・建物管理分野で専門性を高めたい人に向いています。

昇降機検査資格者の基本情報

資格種別公的資格
ジャンル建築・不動産
資格区分なし
受験資格学歴、保有資格、昇降機・遊戯施設などに関する実務経験により異なる。一級建築士、二級建築士、昇降機や遊戯施設に関する実務経験者などが対象
試験日程年1回程度。講習と修了考査に分けて実施
試験方法講習受講後、会場で修了考査を受ける形式。WEB講習または会場講習から選択可能
免除科目保有資格や受講区分により、一部科目が免除される場合があります
試験場所WEB講習は自宅などで受講可能。修了考査は指定会場で実施。会場講習を選択する場合は、指定会場で受講
受験料通常受講:55,000円/一部科目免除者:36,000円/再受講者:19,000円
登録・更新講習を修了し、国土交通大臣の登録を受けることで、昇降機等検査員として昇降機や遊戯施設等の定期検査業務を行うことができます。資格者証の有効期間は5年で、更新には登録更新講習の修了が必要
問い合わせ一般財団法人日本建築設備・昇降機センター
関連資格建築設備診断技術者
建築設備士

昇降機検査資格者の講習日

2026年度講習

講習・考査日申込期間
Web講習:9月11日~10月1日
会場講習:10月6日~10月8日
修了考査:10月9日
6月9日~7月21日

昇降機検査資格者の講習内容

登録昇降機等検査員講習の受講と、修了考査で構成されています。講習では、昇降機等の定期検査に必要な法令、昇降機の構造、維持保全、検査方法、業務基準などを学びます。

修了考査では、講習で扱った内容をもとに、エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機、遊戯施設などを適正に検査するための知識が確認されます。試験は筆記試験で、多肢選択式により実施されます。

出題範囲

昇降機等定期検査制度総論

昇降機等の定期検査制度、検査対象、検査員の役割、定期報告の流れなどが問われます。

建築基準法に基づく定期報告制度の目的を理解し、検査結果を適切に判定・報告するための基本事項を整理しておく必要があります。

昇降機等に関する建築基準法令等

建築基準法、建築基準法施行令、関係告示など、昇降機等の検査に関係する法令が出題されます。

エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機、遊戯施設などについて、構造、安全装置、設置基準、維持管理に関する法令上の基準を理解しておくことが大切です。

昇降機等の構造・機能

エレベーターの巻上機、制御装置、かご、乗場戸、ガイドレール、ロープ、安全装置などが出題されます。

エスカレーターでは、踏段、駆動装置、手すり、スカートガード、安全装置などの構造や機能を理解しておく必要があります。小荷物専用昇降機や遊戯施設についても、検査対象となる設備の基本構造を確認しておくことが重要です。

昇降機等の維持保全

点検、整備、部品交換、劣化・摩耗、故障防止、安全装置の確認などが問われます。

検査時には、設備が安全に作動する状態か、部品の摩耗や不具合がないかを確認するため、維持保全の考え方と点検項目を理解しておく必要があります。

昇降機等検査業務基準

検査項目、検査方法、判定基準、報告書作成などが出題されます。

実際の検査では、目視、測定、作動確認、記録確認などを通じて設備の状態を判断します。基準に照らして適切に判定し、検査結果を正確に報告する力が求められます。

試験科目と出題数

講習は、昇降機等定期検査制度総論、昇降機等に関する建築基準法令等、昇降機等の構造・機能、昇降機等の維持保全、昇降機等検査業務基準などで構成されています。

修了考査は、講習科目から出題されます。試験時間は2時間で、多肢選択式の筆記試験により実施されます。出題数は30問です。

合格基準

修了考査は、30問中20問以上の正解が合格基準です。

講習科目をすべて受講していない場合は、修了考査を受けられません。修了考査では、法令、昇降機等の構造・機能、維持保全、検査業務基準などを、定期検査の実務に結びつけて理解しているかが確認されます。

昇降機検査資格者の受験者数・合格率

年度受講者数修了者数修了率
2025年度971人811人83.5%
2024年度984人759人77.1%
2023年度1,151人853人74.1%
2022年度1,139人734人64.4%
2021年度1,046人753人72.0%

昇降機検査資格者の難易度

昇降機検査資格者は、エレベーターやエスカレーターなどの設備に関する実務経験がある人であれば取り組みやすい一方、機械・電気・建築基準法の知識に慣れていない人には専門性を感じやすい資格です。講習を受けて修了考査に合格する形式のため、一般的な難関国家試験のような長期学習型ではありませんが、昇降機特有の構造や安全装置を理解する必要があります。

難しさの理由は、昇降機が機械設備・電気設備・建築物の安全基準にまたがる分野だからです。巻上機、制御装置、ブレーキ、安全装置、かご、ロープ、ガイドレール、非常停止装置など、普段から昇降機に関わっていない人にはイメージしにくい内容が多く含まれます。

また、建築基準法や定期検査制度に関する知識も重要です。どの部分をどの基準で確認するのか、不具合や劣化をどのように判断するのかを理解していないと、知識が断片的になりやすくなります。用語を覚えるだけでなく、実際の検査場面を想定しながら学ぶことが大切です。

昇降機の保守点検、設備管理、建築設備、機械・電気工事などに関わった経験がある人は、講習内容を実務と結びつけながら理解しやすい資格です。一方で、昇降機に直接触れた経験が少ない人は、構造や安全装置の役割を整理するところで難しさを感じやすいでしょう。講習内容を中心に、設備の仕組みと検査基準をセットで復習しておくことが重要です。

資格を活かせる仕事

エレベーター保守会社、昇降機メーカー、ビル管理会社、設備管理会社、建築設備会社、確認検査機関、商業施設・ホテル・病院・マンションなどの施設管理部門などがあります。特に、昇降機の定期検査、保守点検、故障対応、部品交換、安全装置の確認、検査報告書の作成などに関わる仕事では、資格を直接活かしやすいでしょう。

エレベーターやエスカレーターは、多くの人が日常的に利用する設備であり、不具合があると重大事故につながる可能性があります。そのため、機械・電気・制御・安全装置に関する知識を持ち、正確に検査できる人材は、ビル管理や昇降機保守の現場で重要な役割を担います。

この資格は、昇降機の保守・点検・検査に関わる仕事では実用性があります。一方で、活かせる業界はかなり限定されるため、一般企業への就職・転職で幅広く評価される資格ではありません。

昇降機検査資格者試験は、すでにエレベーター保守や設備管理、建築設備の仕事に携わっている人が、業務範囲を広げたり専門性を高めたりするために取得する資格と考えるとよいでしょう。電気工事士、建築設備検査資格者、建築物環境衛生管理技術者、消防設備士などと組み合わせることで、建物設備管理の分野でより活かしやすくなる資格です。

資格を広めてくれると嬉しいです!
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