電気通信主任技術者試験とは
電気通信ネットワークの工事、維持、運用に関する監督を行うための国家試験です。電気通信事業者が提供する通信サービスを安定して運用するために必要な資格で、通信設備の管理や保守、ネットワークの安全性・信頼性の確保に関する知識が問われます。
資格区分は、伝送交換主任技術者と線路主任技術者に分かれています。伝送交換主任技術者は、交換設備、伝送設備、データ通信設備などの管理に関わる区分で、線路主任技術者は、光ファイバーケーブル、通信線路、屋外設備などの管理に関わる区分です。
試験では、電気通信システム、専門的能力、伝送交換設備または線路設備、設備管理、法規などの知識が出題されます。通信技術だけでなく、電気通信事業法などの関係法令や、設備を安全に運用するための管理知識も必要です。
通信会社、電気通信工事会社、ネットワーク関連企業、データセンター、放送・インフラ関連企業などで活用しやすい資格です。電気通信事業者では一定の設備管理体制が求められるため、通信インフラの保守・運用・管理分野で専門性を高めたい人に向いています。
電気通信主任技術者の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(必置資格) |
| ジャンル | 電気・無線 |
| 資格区分 | 伝送交換主任技術者、線路主任技術者 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年2回。例年7月ごろと翌年1月ごろに実施 |
| 試験方法 | 筆記試験。多肢選択式で実施 |
| 免除科目 | 科目合格者、工事担任者などの保有資格者、実務経験者、認定学校の修了者などは、申請により一部科目または全科目が免除される場合があります |
| 試験場所 | 札幌、仙台、さいたま、東京、横浜、新潟、金沢、長野、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本、那覇などの指定試験地 |
| 受験料 | 定期試験:29,000円/全科目免除申請:14,700円 |
| 登録・更新 | 試験合格後、総務大臣から資格者証の交付を受けることで電気通信主任技術者となります |
| 問い合わせ | 一般社団法人 日本データ通信協会 |
| 関連資格 | 電気工事士 電気主任技術者 電気工事施工管理技士 |
電気通信主任技術者の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第1回:7月12日 | 4月1日~4月21日 | 8月3日 |
| 第2回:公式発表後に確認 | 公式ページで確認 | 公式ページで確認 |
電気通信主任技術者の試験内容
伝送交換主任技術者と線路主任技術者に分かれています。伝送交換主任技術者は、伝送設備や交換設備、ネットワーク設備の工事・維持・運用に関する知識が中心です。線路主任技術者は、通信線路、光ファイバ、ケーブル設備、通信土木設備などの工事・維持・運用に関する知識が問われます。
試験は、電気通信システム、専門的能力、伝送交換設備及び設備管理または線路設備及び設備管理、法規の科目で構成されています。科目合格制度があり、合格した科目は一定期間免除の対象になります。
出題範囲
伝送交換主任技術者
伝送設備、交換設備、データ通信設備、ネットワーク設備、無線設備、電力設備、サーバ設備、情報セキュリティ、設備管理などが出題されます。
伝送技術では、光伝送、デジタル伝送、IPネットワーク、通信プロトコル、通信品質、障害対策などを理解しておく必要があります。交換設備では、電話交換、ルーティング、ネットワーク制御、VoIP、通信サービスの仕組みなどが問われます。
設備管理では、通信設備の信頼性、保守、監視、障害対応、品質管理、工事管理、安全管理などが中心です。通信ネットワークを安定して運用するための管理能力が求められます。
線路主任技術者
通信線路、光ファイバケーブル、メタリックケーブル、ケーブル接続、架空線路、地下線路、通信土木設備、線路設備管理などが出題されます。
光ファイバの構造、伝送特性、接続・融着、損失測定、ケーブル布設、支持物、管路、マンホール、とう道など、通信線路を構成する設備を理解しておく必要があります。
設備管理では、線路設備の保守、点検、障害復旧、劣化対策、工事管理、安全管理、災害対策などが問われます。通信線路は屋外設備も多いため、施工環境や保守体制を踏まえた知識が重要です。
電気通信システム
電気通信工学の基礎、通信方式、伝送理論、交換技術、ネットワーク技術、情報理論、電気回路、電子回路などが出題されます。
伝送交換・線路のどちらの区分でも基礎となる科目であり、通信設備を理解するための基本的な理論を整理しておく必要があります。
法規
電気通信事業法、有線電気通信法、電波法、事業用電気通信設備規則、端末設備等規則、不正アクセス禁止法、個人情報保護、情報セキュリティ関連法令などが問われます。
電気通信設備を安全かつ適正に運用するため、主任技術者の役割、設備の技術基準、事業者の義務、事故報告、利用者保護などを理解しておく必要があります。
試験科目と出題数
試験科目は、電気通信システム、専門的能力、設備及び設備管理、法規です。
伝送交換主任技術者では、設備及び設備管理として「伝送交換設備及び設備管理」が出題されます。線路主任技術者では、「線路設備及び設備管理」が出題されます。
出題形式は多肢選択式です。科目ごとに試験が行われ、科目合格制度により、一部科目に合格した場合は一定期間その科目の免除を受けられます。
合格基準
各科目で合格基準を満たす必要があります。原則として、各科目100点満点中60点以上が合格基準です。
科目合格制度があるため、すべての科目を一度に合格する必要はありません。伝送交換主任技術者ではネットワーク設備や伝送交換設備、線路主任技術者では通信線路や通信土木設備を中心に、電気通信システムと法規も含めてバランスよく確認しておく必要があります。
電気通信主任技術者の受験者数・合格率
| 年度 | 申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 6,269人 | 5,075人 | 1,483人 | 29.2% |
| 2024年度 | 7,240人 | 5,898人 | 1,683人 | 28.5% |
| 2023年度 | 7,820人 | 6,315人 | 1,913人 | 30.3% |
| 2022年度 | 7,554人 | 6,091人 | 1,899人 | 31.2% |
| 2021年度 | 7,689人 | 6,287人 | 2,763人 | 44.0% |
電気通信主任技術者の難易度
電気通信系資格の中でも難易度の高い資格と言われており、近年の合格率は15~20%ほどと低い数値を推移しています。
伝送交換、線路いずれも4科目全てに合格しなければ資格取得はできず、一度にすべての科目に合格することはかなり難易度が高いと言えます。
学習する範囲は広く、近年ではセキュリティ対策についても出題されるようになり、幅広い知識が求められます。
ただ、1科目合格した場合には、3年間免除される制度もあるため、長期的に計画を立て、1~2科目の合格を目指し着実に受験することも必要でしょう。
また他の資格を取得した場合、免除される科目が設けられてもいます。このように前知識がある場合、比較的容易に取得できるでしょう。
資格侍受験資格はありませんが、電気通信システムなど専門用語が多く出題されるので現実的には実務経験がなければ取得することは難しいでしょう。
電気通信主任技術者の勉強法
伝送交換主任技術者では、交換設備、伝送設備、データ通信、IPネットワーク、無線、電源設備、設備管理などが重要になります。線路主任技術者では、通信線路、光ファイバ、ケーブル、土木設備、線路設備の保守管理などを重点的に確認しておきましょう。
法規は、電気通信事業法、有線電気通信法、電波法、設備規則、技術基準などが出題されます。条文や数字が多いため、過去問で繰り返し問われる部分を中心に整理し、似た制度を混同しないように復習することが大切です。
専門科目では、単に用語を暗記するだけでなく、通信設備がどのように構成され、どのように運用・保守されるのかを理解する必要があります。ネットワーク障害、冗長化、品質管理、災害対策、セキュリティ対策などは、実務場面と結びつけながら学ぶと理解しやすくなります。
電気通信主任技術者試験は範囲が広いため、最初からすべてを完璧に覚えようとするより、過去問で頻出分野を把握しながら学習するのが効率的です。基本的には、テキストで基礎を確認し、過去問を繰り返し解き、法規・専門科目・設備管理を重点的に復習する勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
通信会社、電気通信工事会社、ネットワーク構築会社、携帯電話基地局関連会社、データセンター、インターネットサービスプロバイダ、官公庁・自治体の通信設備部門、企業の情報システム部門などがあります。特に、通信設備の設計、工事監督、保守、障害対応、ネットワーク運用、回線設備の管理などに関わる仕事では、資格を直接活かしやすいでしょう。
電気通信主任技術者は、通信設備の安全性や信頼性を確保するために重要な資格です。現代では、通信インフラは企業活動や生活に欠かせないため、ネットワークを安定して運用できる人材は通信・ITインフラ分野で需要があります。
この資格は、通信業界や電気通信工事業界では実用性があります。特に、伝送交換主任技術者は通信ネットワークや交換設備、線路主任技術者は通信線路や光ファイバー設備などに関わる仕事で活かしやすいです。企業によっては、資格手当や配置条件に関わる場合もあります。
一方で、資格を取得しただけで即戦力として評価されるわけではありません。実務では、ネットワーク機器の知識、光回線や通信設備の施工・保守経験、障害対応、セキュリティ、クラウドやサーバーの知識なども重視されます。
電気通信主任技術者試験は、通信インフラやネットワーク設備の分野で働きたい人に向いています。電気工事士、電気工事施工管理技士、工事担任者、シスコ技術者認定、ネットワークスペシャリスト試験などと組み合わせることで、通信・ネットワーク分野でより活かしやすくなるでしょう。
受験者の口コミ評判
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給料は上がらない
3.0 どんちゃか 50代会社員

電気通信主任技術者試験を合格するまでに2年間かかりましたが、資格をとることで給料があがることや待遇がよくなることはありませんでした。
その当時パソコンを使用した設備開発をしていたので資格勉強することで通信用語やプロトコルの概念がわかるようになり、制御で必要となる知識を習得できたことは大きかったです。
他の人は当時知らない人が多かったので、この分野はほぼ独占して仕事を任されるようになりました。(2018年10月)

