生まれたばかりのヒヨコの性別を鑑別する専門士になります。なぜ生まれたばかりのヒヨコの性別を判別しなければいけないかと言うと、ヒヨコのオス、メスによって餌などの育成方法が変わってきますので、一日でも早く性別の判断をしなければいけないからです。
一見、性別の判断は簡単そうに見えますが、生まれたばかりのヒヨコは、見た目では判別することができません。ですので、指頭鑑別法と呼ばれる、ヒヨコの肛門を開いて判別する手法を用いて判別しなければいけませんので、専門的な知識が必要になるのです。
初生ひな鑑別師の試験に合格するには、畜産技術協会が実施している「初生雛鑑別師養成講習」を受講しなければいけません。講習は「初等科」と「特別研修科」が存在し、初等科を修了することで特別研修科を受講することができます。
初生ひな鑑別師は、養鶏産業にとっては非常に貴重な存在ですが、受験者数は毎年10名程と極めて低い資格に分類されます。
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初生ひな鑑別師試験の基本情報
資格種別 | 民間資格 |
ジャンル | 動物・ペット |
資格区分 | 高等考査、予備考査 |
受験資格 | 満25歳以下で高等学校卒業しており、視力が1.0以上(矯正可) |
試験日程 | 4月・10月(年2回実施) |
試験方法 | 学科考査(一般教養、適性試験、作文)、面接考査、書類審査 |
免除科目 | – |
試験場所 | 東京 |
受験料 | 【高等考査】75,000円 【予備考査】66,000円 |
登録・更新 | – |
主な対象者 | 小学生
中学生
高校生
大学生
専門生
社会人
その他 |
問い合わせ | 公益社団法人 畜産技術協会 |
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資格取得までの基本的な流れ
- 畜産技術協会が実施している「初生雛鑑別師養成講習」に入学
- 初等科にて、ひなの雌雄鑑別についての理論と技術および養鶏全般についての知識の修得して初等科の試験に合格(5ヶ月)
- 特別研修科にて、更に知識を深める(受講しなくても良い)
- 鑑別研修生として半年~1年、ふ化場で鑑別の研修
- 高等考査の試験に合格
初生ひな鑑別師になるまでには、3回の試験に合格しなければいけません。資格取得までの期間は、個人差はありますが、1年~3年程はかかりますので、初生ひな鑑別師になるには、それなりの覚悟が必要になります。
初生ひな鑑別師試験の受験者数・合格率
高等考査の合格率は30%程、予備考査の合格率は90%程と言われています。
初生ひな鑑別師試験の難易度
まず初生ひな鑑別師養成所の入所試験を受ける必要があり、これに合格するのは例年10名ほどと言われているため、難易度がやや高めでしょう。
試験で重要視されるのは面接で、この他に書類審査や適性試験、学科考査も行われるため、SPI対策を行うことや日ごろから世の中の流れをチェックしておくことも大切です。
その後は鑑別師としての知識や技術を学ぶ講習を受け、予備考査、高等鑑別師考査の試験に合格しなければなりません。
合格基準は予備考査の鑑別率96%以上、高等鑑別師考査は99%以上となっており、時間内で正確に鑑別できる手先の器用さも求められるため、最終的に合格者は半数とも言われており、難易度の高い資格と言えるでしょう。
初生ひな鑑別師試験の勉強法
養成講習でしっかり勉強して下さい。
資格を活かせる仕事
基本的には「ふ化場」での勤務になります。
にわとりのひなは、卵から孵化して時間が経てば経つ程、オス・メスの区別がつきにくくなります。ところで、にわとりは食肉用、採卵用等その役目に応じて飼育法やエサの中身が全く異なる為、早くからオスとメスを分けて生育しなければなりません。
そこで、孵化してすぐのひよこの性別を瞬時に見分けるのが、初ひな鑑別師の仕事です。
ひなの鑑別は大正時代の日本が発祥で、今でも海外からのニーズが多いので、初ひな鑑別師になると海外に派遣される事が多いのが実情です。派遣先は北欧、ヨーロッパ、オーストラリア、ロシア等です。
ひなが孵るのは早朝が多いので、朝は6時から仕事と言うのが多いですが、中には午前2時に孵化場で仕事が始まる場合もあります。その日の孵化するひなの数に依って仕事時間もまちまちです。
日本の初生ひな鑑別技術は、世界的にも認められていますので、経験を積めば海外で仕事をすることも可能です。