地質調査技士試験とは
地質調査に関する専門知識や技術を認定する民間資格です。ボーリング調査を中心に、地盤や地下水の状態を調べ、土木・建築工事、防災、環境調査などに必要な地質情報を適切に把握する力が問われます。
試験部門は、現場調査部門、現場技術・管理部門、土壌・地下水汚染部門に分かれています。調査計画、積算、ボーリング作業、工程管理、安全管理、土質判定、柱状図・断面図の作成、報告書の取りまとめ、成果品の品質管理など、地質調査業務に必要な内容が幅広く出題されます。
地質調査会社、建設コンサルタント、測量会社、土木・建設関連企業、環境調査会社などで活用しやすい資格です。地質調査の現場で技術者として経験を積み、調査業務の管理や報告書作成、品質管理まで担いたい人に向いています。
地質調査技士の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 建築・不動産 |
| 資格区分 | 現場調査部門、現場技術・管理部門 |
| 受験資格 | 部門ごとに、地質調査に関する実務経験が必要。学歴や実務内容により必要年数が異なります |
| 試験日程 | 年1回。例年7月ごろに実施 |
| 試験方法 | 筆記試験。マークシート式と記述式で実施 |
| 免除科目 | 指定講習会の受講により加点措置を受けられる場合があります。試験科目そのものの免除制度は特に案内されていません |
| 試験場所 | 全国10会場程度で実施 |
| 受験料 | 18,480円(税込) |
| 登録・更新 | 試験合格後、登録手続きを行うことで地質調査技士として登録されます。登録の有効期間は5年間で、更新には所定のCPD単位などが必要 |
| 問い合わせ | 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会 |
| 関連資格 | 技術士補 測量士 |
地質調査技士の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 7月11日 | 4月10日~5月8日 | 9月10日 |
地質調査技士の試験内容
現場調査部門、現場技術・管理部門、土壌・地下水汚染部門に分かれています。地質調査に必要な専門知識、現場管理、調査手法、試験・計測、報告書作成、安全管理、関係法令などが問われます。
現場調査部門は、ボーリング作業やサンプリング、標準貫入試験など、現場での調査作業に関する内容が中心です。現場技術・管理部門は、地質調査業務の計画、現場管理、調査結果の整理、品質管理などが問われます。土壌・地下水汚染部門は、土壌汚染調査や地下水汚染調査、試料採取、分析、対策に関する知識が中心です。
出題範囲
現場技術・管理部門
地質調査の計画、現場管理、調査方法、試験・計測、地質図・柱状図の読み取り、報告書作成、安全管理、品質管理などが出題されます。
調査目的に応じて適切な調査方法を選び、現場条件を踏まえて作業を管理する力が必要です。ボーリング調査、サウンディング、物理探査、原位置試験、室内土質試験、地下水調査などを幅広く理解しておく必要があります。
現場調査部門
ボーリングマシンの取扱い、掘削方法、サンプリング、標準貫入試験、孔内試験、コア観察、地質柱状図の作成、安全作業などが問われます。
現場で正確な地質情報を取得するため、掘削作業の手順、試料の採取方法、試験器具の扱い、作業時の安全確認を理解しておくことが大切です。
土壌・地下水汚染部門
土壌汚染対策法、土壌・地下水汚染の調査方法、試料採取、分析、汚染範囲の把握、リスク評価、対策工法などが出題されます。
土壌ガス調査、表層土壌調査、ボーリング調査、地下水調査など、汚染状況を把握するための調査手法を整理しておく必要があります。汚染物質の種類や移動特性、調査結果の評価方法も重要です。
共通分野
地質学、土質工学、岩盤、地下水、測量、施工、環境、安全衛生、関係法令など、地質調査に関係する基礎知識が問われます。
地盤の成り立ち、土や岩の性質、地下水の流れ、地盤災害、調査結果の活用方法などを理解しておく必要があります。
試験科目と出題数
試験は筆記試験で実施されます。部門ごとに、専門知識を問う択一式問題と、実務経験や判断力を確認する記述式問題が出題されます。
現場調査部門では、現場作業に関する知識や技能を中心に出題されます。現場技術・管理部門では、地質調査業務の計画・管理・解析・報告に関する内容が問われます。土壌・地下水汚染部門では、汚染調査や対策に関する専門知識が中心です。
具体的な出題数や試験時間は部門ごとに異なるため、受験する部門の試験案内で確認する形式です。
合格基準
合格基準は、部門ごとの試験結果をもとに判定されます。固定の合格点が明確に示される形式ではなく、択一式問題と記述式問題の総合評価により合否が決まります。
択一式では、地質調査に関する専門知識を正確に理解しているかが問われます。記述式では、現場条件や調査目的を踏まえて、適切な調査・管理・評価を説明できるかが重要です。
地質調査技士の受験者数・合格率
現場調査部門
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 353人 | 140人 | 39.7% |
| 2024年度 | 383人 | 146人 | 38.1% |
| 2023年度 | 322人 | 126人 | 39.1% |
| 2022年度 | 354人 | 135人 | 38.1% |
| 2021年度 | 384人 | 151人 | 39.3% |
現場技術・管理部門
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 842人 | 266人 | 31.6% |
| 2024年度 | 839人 | 260人 | 31.0% |
| 2023年度 | 824人 | 253人 | 30.7% |
| 2022年度 | 809人 | 260人 | 32.1% |
| 2021年度 | 816人 | 262人 | 32.1% |
地質調査技士の難易度
地質調査技士試験は、地質調査やボーリング調査、土木・建設関連の実務経験がある人でも、専門的な対策が必要な試験です。地質や土質の知識だけでなく、調査計画、現場管理、試験方法、安全管理、成果の整理まで幅広く理解しておく必要があります。
難しさの理由は、地盤を調べるための知識が多岐にわたるためです。地質、土質、岩盤、地下水、ボーリング、標準貫入試験、サンプリング、原位置試験、室内土質試験など、調査の流れと各試験の目的を整理しておく必要があります。用語を覚えるだけではなく、どの調査を何のために行うのかを理解することが大切です。
また、現場での判断力も重要になります。地層の変化、掘進状況、地下水の有無、試料の状態などを確認しながら、適切に記録・管理する力が求められます。地質調査の経験がある人は実務と結びつけて学習しやすい一方、経験が浅い人は、調査手順や地盤情報の読み取りに慣れるまで時間がかかりやすいでしょう。
さらに、部門によって求められる知識にも違いがあります。現場調査やボーリングに関する内容を中心に問われる場合もあれば、土質・地質の解釈、報告書作成、管理技術などが重視される場合もあります。自分が受験する部門に合わせて、頻出分野を絞って対策することが重要です。
地質調査会社、建設コンサルタント、土木・建築の地盤調査に関わっている人は、学習内容を実務と結びつけながら理解しやすい資格です。一方で、地質や土質の基礎が少ない人は、専門用語、試験方法、地盤の見方を一から整理する必要があり、過去問や実務資料を使って調査全体の流れをつかむことが大切です。
地質調査技士の勉強法
地層の読み取り、岩石・土質の分類、標準貫入試験、孔内水平載荷試験、サンプリング、ボーリング柱状図の見方などを重点的に確認しておくことが大切です。単に用語を覚えるだけでなく、調査結果が設計や施工にどう使われるのかを意識すると理解しやすくなります。
特に重要なのは、調査方法と安全管理です。現場でのボーリング作業、試料採取、地下水調査、足場や機械の安全確認、作業員への指示などは、実務と直結するため、具体的な作業手順とあわせて覚えておきましょう。
記述式や実務的な問題では、調査目的に合った調査方法の選定や、結果の評価、報告書作成の考え方も問われます。過去問や演習問題を使い、どの条件でどの調査を行うのか、結果をどう判断するのかを説明できるように練習しておくと安心です。
地質調査技士試験は、実務経験がある方でも試験向けの知識整理が必要です。基本的には、テキストで基礎を確認し、過去問を繰り返し解き、地質・土質、ボーリング調査、原位置試験、柱状図、安全管理を重点的に復習する勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
地質調査会社、建設コンサルタント、土木設計会社、建設会社、ゼネコン、道路・橋梁・トンネル関連の調査会社、地盤改良会社、災害対策や防災関連の業務などがあります。特に、ボーリング調査、土質試験、地盤解析、斜面調査、液状化調査、地下水調査、建設前の地盤確認などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
地質調査は、建設工事の前段階で重要な役割を担います。地盤の状態を正しく判断できなければ、沈下、崩落、地すべり、液状化などのリスクにつながるため、調査結果を正確に読み取り、設計や施工に反映できる人材は現場で重宝されます。
この資格は、地質調査や土木・建設コンサルタント分野では実務に結びつきやすい資格です。一方で、一般企業への就職・転職で幅広く評価される資格ではなく、活かせる分野はかなり専門的です。
地質調査技士試験は、地盤調査や土木設計、防災、インフラ整備に関わる人が専門性を高めるために向いています。技術士、土木施工管理技士、測量士、RCCM、地すべり防止工事士などの資格や、現場調査・解析の実務経験と組み合わせることで、より仕事に活かしやすくなるでしょう。

