測量士(補)試験とは
測量士(補)試験は、測量に関する専門知識や技術を証明するための国家試験です。測量士は測量計画を作成し、測量作業を管理・実施できる資格で、測量士補は測量士が作成した計画に従って測量作業を行う補助的な資格です。
試験は測量士試験と測量士補試験に分かれており、測量法規、測量計算、多角測量、水準測量、地形測量、写真測量、地図編集、応用測量など、測量業務に必要な知識が問われます。測量士試験はより実務的で幅広い知識が求められ、測量士補試験は測量の基礎知識を中心に出題されます。
建設会社、測量会社、土木関連企業、建設コンサルタント、官公庁など、土地やインフラ整備に関わる仕事で活用しやすい資格です。土地家屋調査士を目指す場合にも関連性が高く、測量士補は土地家屋調査士試験の一部免除に関係する資格としても知られています。
測量士(補)試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
| ジャンル | 建築・不動産 |
| 資格区分 | 測量士、測量士補 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年1回。例年5月ごろに実施 |
| 試験方法 | 筆記試験。測量士は午前が択一式、午後が記述式。測量士補は択一式で実施。 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 北海道、宮城県、秋田県、東京都、新潟県、富山県、愛知県、大阪府、島根県、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県などの指定試験地。 |
| 受験料 | 測量士:4,200円/測量士補:2,800円 |
| 登録・更新 | 試験合格後、測量士または測量士補として業務を行うには、国土地理院への登録が必要。 |
| 問い合わせ | 国土交通省 国土地理院 |
| 関連資格 | 土地家屋調査士 土地区画整理士技術検定 宅建士 地質調査技士 空間情報総括監理技術者 |
測量士(補)の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 5月17日 | 1月5日~1月22日 | 測量士補:6月25日 測量士:7月9日 |
測量士(補)の試験内容
測量士と測量士補に分かれており、測量士のほうが上位資格です。測量士は、測量計画の作成や実施に必要な専門的知識と応用能力が問われます。測量士補は、測量士が作成した計画に従って測量作業に従事するための基礎的な専門技術が問われます。
測量士試験は、午前の択一式試験と午後の記述式試験で構成されています。測量士補試験は、択一式のみで実施されます。
出題範囲
測量士
測量に関する法規、測地測量、地形測量、写真測量、地図編集、応用測量などが出題されます。
午前の択一式では、測量全般に関する知識を幅広く確認します。午後の記述式では、必須問題と選択問題があり、測量計画の作成や公共測量の実務に必要な知識を、文章や計算を通して解答する力が求められます。
選択問題は、基準点測量、地形・写真測量、地図編集、応用測量から出題されます。この中から指定された数を選び、専門的な内容に対応する必要があります。
測量士補
測量に関する法規、測地測量、測図測量、応用測量が出題されます。
測量士試験で扱う範囲のうち、公共測量の実務で基礎となる内容が中心です。測量法、作業規程、基準点測量、水準測量、地形測量、写真測量、地図編集、路線測量、河川測量、用地測量などについて、基本的な知識と計算力を身につけておく必要があります。
試験科目と出題数
測量士試験の午前試験は択一式で、出題数は28問です。1問25点で、午前試験は700点満点です。
午後試験は記述式で、必須問題1題と選択問題4題で構成されています。必須問題は300点、選択問題は各200点で、午後試験は700点満点です。選択問題は4題のうち2題を選択して解答します。
測量士補試験は択一式で、出題数は28問です。1問25点で、700点満点です。
合格基準
測量士試験は、午前試験で450点以上を取り、さらに午前試験と午後試験の合計で910点以上を満たす必要があります。
測量士補試験は、700点満点中450点以上が合格基準です。1問25点のため、28問中18問以上の正解が目安になります。
測量士(補)の受験者数・合格率
測量士試験
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 3,703人 | 1,487人 | 40.2% |
| 2024年度 | 3,717人 | 485人 | 13.0% |
| 2023年度 | 3,667人 | 379人 | 10.3% |
| 2022年度 | 3,194人 | 460人 | 14.4% |
| 2021年度 | 2,773人 | 498人 | 18.0% |
測量士補試験
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 13,363人 | 6,837人 | 51.2% |
| 2024年度 | 13,633人 | 4,276人 | 31.4% |
| 2023年度 | 13,480人 | 4,342人 | 32.2% |
| 2022年度 | 12,556人 | 5,540人 | 44.1% |
| 2021年度 | 12,905人 | 4,490人 | 34.8% |
測量士(補)の難易度
測量士補試験は、測量分野の入門資格としては取り組みやすい部類ですが、測量士試験はより実務的・専門的な理解が求められるため、難易度が大きく上がります。どちらも測量に関する計算や法規、作業方法を学ぶ必要があり、文系資格のような暗記中心の試験とは違った対策が必要です。
測量士補試験で難しく感じやすいのは、測量計算や図面・地図に関する内容です。測量法規や測量の基礎知識は暗記で対応しやすい部分もありますが、距離、角度、高低差、誤差、縮尺などの計算問題では、公式を覚えるだけでなく、問題文の条件を正しく読み取る力が必要になります。
一方で、測量士補は出題範囲が比較的基礎的で、過去問演習の効果が出やすい試験です。数学に強い人や、土木・建設・測量系の学習経験がある人は取り組みやすいでしょう。初学者でも、頻出分野を中心に計算問題へ慣れていけば、独学でも合格を目指しやすい資格です。
測量士試験は、測量士補よりも出題内容が広く、測量計画や精度管理、地形測量、写真測量、地図編集、応用測量など、より実務に近い内容まで理解する必要があります。単に用語を覚えるだけでなく、測量作業全体の流れや、どの方法をどの場面で使うのかを整理しておくことが重要です。
特に測量士は、計算問題や文章問題で実務的な判断力が問われやすく、基礎知識が曖昧なままだと得点が安定しにくい試験です。測量士補に比べると、初学者が短期間で合格を狙うには負担が大きく、測量や土木の実務経験がある人の方が学習内容を理解しやすいでしょう。
測量士補は基礎を固めて過去問を繰り返すことで対策しやすい一方、測量士は実務レベルの知識と応用力まで求められます。どちらも計算問題への慣れが重要になるため、知識の暗記だけでなく、実際に問題を解きながら測量の考え方を身につけることが大切です。
測量士(補)の勉強法
測量士補を目指す場合は、過去問演習が特に効果的です。計算問題や用語問題は出題パターンがあるため、テキストで基礎を確認したあと、過去問を繰り返し解いて慣れていくと得点しやすくなります。
測量士試験では、測量士補よりも範囲が広く、記述式や応用的な問題への対応も必要になります。単に公式を覚えるだけでなく、測量作業の流れや誤差の考え方、観測値の処理方法などを理解しておくことが大切です。
計算問題は、実際に手を動かして解く練習が欠かせません。三角関数、座標計算、高低差、面積計算、誤差処理などは、解き方を覚えるだけでなく、電卓を使って素早く正確に計算できるようにしておきましょう。
測量士補は独学でも十分に合格を狙いやすい試験ですが、測量士は実務経験や専門知識がある人向けの難易度になります。基本的には、テキストで基礎を固め、過去問を繰り返し、計算問題を重点的に練習する勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
測量会社、建設コンサルタント、土木会社、建設会社、土地家屋調査士事務所、官公庁・自治体の土木職、道路・河川・橋梁などのインフラ整備、不動産開発、造成工事、地図作成、ドローン測量関連業務などがあります。特に、現地測量、境界確認、地形測量、公共測量、工事測量、図面作成などを行う仕事では、資格で学んだ知識を直接活かしやすいでしょう。
測量士は、測量計画の作成や測量作業の管理を行える上位資格です。測量士補は、測量士の作成した計画に従って測量作業を行う補助的な資格で、測量業界に入る入口として活用しやすい資格です。
この資格は、測量・土木・建設分野では実用性があります。測量会社や建設コンサルタントでは、資格を持っていることで基礎知識を示しやすく、求人でも歓迎条件になることがあります。特に測量士は、測量業務の管理や登録に関わるため、業界内での評価も高くなります。
一方で、活かせる業界は建設・土木・測量関連に限られます。一般企業への就職・転職で幅広く評価される資格ではありません。また、実務では測量機器の操作、CAD、現場経験、図面作成、土地や境界に関する知識も重要です。
測量士・測量士補試験は、測量会社や建設・土木業界で働きたい人に向いています。土地家屋調査士、施工管理技士、CADスキル、ドローン測量の知識などと組み合わせることで、より仕事に活かしやすくなる資格といえるでしょう。

