
地理検定とは
地図地理検定は、一般財団法人日本地図センターと公益財団法人国土地理協会が共同で実施している、地図や地理に関する知識を測る検定試験です。地図記号や地形図の読み取りだけでなく、地理院地図、主題図、空中写真、自然環境、社会・文化、地域調査など、地図と地理に関する幅広い内容が出題されます。
現在の検定区分は、地理総合の学習に適した**「基礎」と、より高度な知識や応用力を問う「専門」**の2種類です。以前は「一般」という名称で紹介されることもありましたが、現在の公式案内では「基礎」「専門」として整理されています。どちらも受検資格に制限はなく、初めて受ける人でも専門から受検することができます。
基礎は、地図や地理に関する基本的な知識を確認する内容で、高校の「地理総合」や、日常的に目にするニュース・地図情報をもとに学習しやすい区分です。地理を学ぶ高校生はもちろん、地図や地理を広く学びたい人、中学生・小学生の学習目的にも活用されています。
専門は、地図や地理に関する専門的な知識や応用力を問う区分です。地形図や空中写真の読解、地理情報システム、自然環境、社会文化環境、地域調査などを含み、地図・地理に関心の深い人や、実務経験者、研究者、地理を趣味として学んでいる人にも向いています。
就職や転職で強く評価される資格というよりは、地図を読む力や地理的な見方を身につけるための学習系資格です。ただし、地理教育、観光、地域調査、防災、まちづくり、GIS関連などに関心がある人にとっては、学習意欲や地理への理解を示す材料として活用しやすい検定といえるでしょう。
地図地理検定の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 教養・基礎 |
| 資格区分 | 専門、基礎 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 6月中旬、11月中旬(年2回) |
| 試験方法 | 基礎は全問択一式、専門は択一式・記述式で実施 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡 |
| 受験料 | 専門:5,500円、基礎:4,500円、基礎・専門併願:6,500円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 一般財団法人 日本地図センター文化事業部 |
| 関連資格 | 世界遺産検定 歴史能力検定 旅行地理検定 |
地図地理検定の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 実施区分 |
|---|---|---|
| 6月21日(日) | クレジット決済:3月2日~6月8日コンビニ決済:3月2日~6月4日振替払込・郵送:3月2日~6月5日必着 | 基礎、専門 |
| 6月14日(日)~6月21日(日)の間で設定 | 5月29日締切 | 基礎、専門 |
| 11月8日(日) | 未公表 | 基礎、専門 |
地図地理検定の試験内容
試験区分は基礎と専門の2つに分かれており、基礎は地図・地理に関する基本的な知識、専門はより実践的で高度な知識や読図力が問われます。
基礎は全問択一式で、地図記号、地形図、方位、縮尺、地図の種類、地理総合に関する基本事項などが中心です。地理を学ぶ学生や、地図に関心がある人が基礎知識を確認するのに向いています。
専門は、択一式に加えて記述式も含まれます。地形図や空中写真の読み取り、地理情報、自然環境、社会・文化環境、地域調査など、地図を実際に読み解く力や地理的に考える力が求められます。地理の学習経験がある人や、地図・地理を仕事や研究で扱う人に向いた内容です。
出題範囲
基礎
基礎では、地図と地理に関する基本的な知識が出題されます。地図記号、縮尺、方位、等高線、地形図の読み方、地図の種類、地理院地図、主題図など、地図を正しく読むための基礎を確認する内容です。
また、高校の「地理総合」に関連する内容も含まれます。自然環境、人口、産業、交通、地域の特色、防災、身近な地域の調査など、日常生活やニュースで触れる地理情報を理解する力も問われます。
専門
専門では、基礎よりも高度な地図・地理の知識が出題されます。地形図や空中写真の読解、地理情報システム、地図投影法、主題図、自然環境、社会・文化環境、地域調査などが中心です。
択一式だけでなく記述式も含まれるため、用語を知っているだけでなく、地図や資料から情報を読み取り、自分の言葉で説明する力も必要です。地理を深く学びたい人や、観光・防災・地域調査・GISなどに関心がある人に向いています。
合格基準
地図地理検定は、基礎・専門ともに100点満点で実施されます。合格基準は回によって調整される場合がありますが、目安としては基礎・専門ともに70点以上が合格ラインとされています。
基礎は択一式のため、基本事項を正確に押さえておくことが重要です。専門は記述式も含まれるため、地図や資料を読み取る力に加えて、考えた内容を分かりやすく書く力も必要になります。
地図地理検定の合格率
2025年度
| 区分 | 受検者数 | 合格・認定者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 基礎 | 551人 | 407人 | 73.9% |
| 専門 | 276人 | 108人 | 39.1% |
2024年度
| 区分 | 受検者数 | 合格・認定者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 基礎 | 501人 | 264人 | 52.7% |
| 専門 | 269人 | 148人 | 55.0% |
2023年度
| 区分 | 受検者数 | 合格・認定者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 基礎 | 457人 | 392人 | 85.8% |
| 専門 | 223人 | 103人 | 46.2% |
2022年度
| 区分 | 受検者数 | 合格・認定者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 基礎 | 470人 | 330人 | 70.2% |
| 専門 | 239人 | 136人 | 56.9% |
2021年度
| 区分 | 受検者数 | 合格・認定者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 基礎 | 563人 | 396人 | 70.3% |
| 専門 | 254人 | 181人 | 71.3% |
地図地理検定の難易度
以前の「一般」にあたる内容は、現在の「基礎」に近い区分として考えるとよいでしょう。
基礎は、高校で学ぶ地理総合に近い内容や、地図・地理に関する基本知識が中心です。地図記号、地形図の読み取り、縮尺、方位、自然環境、地域の特色などが出題されるため、地理が苦手でなければ極端に難しい試験ではありません。学校の地理をある程度理解している人であれば、過去問や公式資料で出題形式に慣れることで十分に合格を目指せます。
一方、専門は基礎よりも難易度が高くなります。地形図や空中写真の読解、地理情報、地域調査、自然環境、社会・文化環境など、より深い知識と応用力が必要です。択一式だけでなく記述式も含まれるため、単に知識を覚えるだけでなく、地図や資料から情報を読み取り、自分の言葉で説明する力も求められます。
専門は得点によって認定級が分かれ、上位の1級を目指す場合はかなり高い得点が必要になります。目安として100点満点中74点以上が1級認定ラインとされているため、地理が得意な人でも十分な対策が必要です。
全体として、基礎は高校地理の復習や地図の基本知識を確認する検定として取り組みやすい一方、専門は地理を深く学びたい人や、地図・地域調査・GIS・防災などに関心がある人向けのやや難しい区分といえます。
地図地理検定の勉強法
まず日本地図センターの公式サイトで公開されている過去問と解説を確認することから始めましょう。無料でダウンロードできるため、出題形式や問題の難易度を把握するのに役立ちます。
基礎を受検する場合は、過去問を解きながら、地図記号、縮尺、方位、等高線、地形図の読み取りなど、基本的な内容を整理していくとよいでしょう。高校の地理総合に近い内容も含まれるため、学校の教科書や地図帳をあわせて使うと理解しやすくなります。
専門を受検する場合は、基礎知識だけでなく、地形図や空中写真を読み取る力、地理情報や地域調査に関する理解も必要です。過去問を解いたあとは、解説を読み込み、なぜその答えになるのかを確認しましょう。記述式の問題もあるため、地図や資料から読み取った内容を短く説明する練習もしておくと安心です。
勉強の流れとしては、最初に過去問を解いて出題傾向を確認し、間違えた分野を地図帳や参考書で復習し、再度過去問を解き直す方法がおすすめです。地図地理検定は暗記だけでなく、地図を見て考える力も問われるため、実際に地形図や地理院地図に触れながら学習すると効果的です。
地図地理検定を活かせる仕事
地図や地理に関する知識を証明できる検定ですが、就職や転職で大きく有利になる資格ではありません。基本的には、仕事に直結する資格というより、地図を読む力や地理的な見方を身につけるための教養系・学習系の資格と考えた方がよいでしょう。
活かせる可能性がある仕事としては、地図制作会社、測量・GIS関連、地域調査、観光、防災、まちづくり、地理教育などが挙げられます。特に地形図や空中写真、地理情報に関する知識は、地図や地域情報を扱う分野では役立つ場面があります。
ただし、これらの仕事に就く場合でも、地図地理検定だけで採用が有利になるケースは多くありません。実務では、測量士・測量士補、GISの操作スキル、統計やデータ分析の知識、地理学・都市計画などの専門性が重視されやすいです。
そのため、地図地理検定は、就職・転職の決め手になる資格というより、地図や地理に関心があることを示す補助的な資格として考えるのが現実的です。趣味や教養として地理を深めたい人、地図を読む力を高めたい人には役立ちますが、仕事で強く活かしたい場合は、関連する実務スキルや専門資格とあわせて学ぶとよいでしょう。

