防犯設備士試験とは
防犯設備に関する専門知識と技術を認定する民間資格です。住宅、店舗、事務所、マンション、学校、公共施設などに設置される防犯カメラ、センサー、侵入警報設備、出入管理設備などについて、適切な計画・設計・施工・維持管理を行うための知識が問われます。
資格取得は、防犯設備士養成講習を受講し、資格認定試験に合格することで行われます。試験では、犯罪の発生傾向、防犯対策の考え方、防犯設備の設計、機器の特徴、施工・保守、関係法令など、防犯設備を扱ううえで必要な内容が出題されます。
警備会社、防犯設備会社、電気工事会社、建設会社、ビル管理会社、住宅設備会社などで活用しやすい資格です。法令上の独占業務がある資格ではありませんが、防犯設備の提案・設計・施工・管理に関わる人が、専門性と信頼性を示す資格として役立ちます。
防犯設備士の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 治安 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年複数回。受講期間と試験期間が設定され、CBT方式で実施 |
| 試験方法 | 講習受講後、CBT試験で実施 |
| 免除科目 | – |
| 試験場所 | 講習はオンライン受講、試験は全国のCBT試験会場で実施 |
| 受験料 | 協会会員:38,500円(税込)/会員以外:44,000円(税込)/学生:22,000円(税込) |
| 登録・更新 | 試験に合格後、資格者証の交付申請を行うことで防犯設備士として登録されます。資格者証交付費用は5,500円(税込)。資格は5年ごとの更新が必要 |
| 問い合わせ | 公益社団法人 日本防犯設備協会 |
| 関連資格 | 警備業務検定 交通巡視員 |
防犯設備士の講習日・試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第134回:3月30日~5月31日 | 3月16日~4月26日 | 試験期間終了後3週間程度 |
| 第135回:6月29日~8月30日 | 6月15日~7月26日 | 試験期間終了後3週間程度 |
| 第136回:9月28日~11月29日 | 9月14日~10月25日 | 試験期間終了後3週間程度 |
| 第137回:1月6日~2月28日 | 12月14日~1月24日 | 試験期間終了後3週間程度 |
防犯設備士の試験内容
防犯設備士では、防犯設備の設計、施工、維持管理、防犯診断、関連法規、防犯機器の基礎知識などが問われます。
総合防犯設備士は、防犯設備士としての知識を前提に、より高度な防犯診断、設備計画、システム設計、施工管理、リスク評価、総合的な防犯対策に関する内容が中心です。
出題範囲
総合防犯設備士
建物や施設全体の防犯計画、防犯診断、リスク評価、防犯設備の総合設計、施工管理、維持管理などが問われます。
防犯カメラ、侵入検知器、出入管理装置、警報装置、錠前、防犯照明、通報装置などを単体で理解するだけでなく、施設の用途や危険度に応じて、どの設備をどのように組み合わせるかを判断する力が必要です。
住宅、店舗、事務所、工場、学校、集合住宅など、対象施設ごとの防犯上の弱点を把握し、人的対策・設備対策・運用管理を組み合わせた防犯計画を立てる内容も含まれます。
防犯設備士
防犯の基礎、防犯設備の種類、防犯診断、防犯設備の設計・施工・保守、関連法規などが出題されます。
防犯カメラでは、カメラの種類、画角、設置位置、録画装置、照明条件、プライバシーへの配慮などを理解しておく必要があります。
侵入検知設備では、センサーの種類、設置場所、警戒範囲、誤作動防止、警報装置との連動などが問われます。出入管理設備では、電気錠、カードリーダー、認証装置、入退室管理などが出題範囲に含まれます。
防犯診断
建物の出入口、窓、塀、駐車場、共用部、照明、死角、周辺環境などを確認し、防犯上の弱点を見つける内容です。
侵入経路、犯行が起こりやすい場所、管理上の不備、防犯設備の不足などを整理し、必要な対策を検討する力が問われます。
防犯設備の設計・施工
防犯設備の配置、配線、電源、通信、機器選定、施工上の注意点、システム構成などが出題されます。
設備を設置するだけでなく、実際に防犯効果を発揮できる位置や範囲、運用方法を考える必要があります。施工後の点検や保守、機器の更新についても理解が求められます。
関連法規
個人情報保護、プライバシー、電気工事、建築、防犯設備の設置や運用に関係する法令・制度が問われます。
防犯カメラの設置では、撮影範囲や録画データの管理が問題になるため、設備の技術面だけでなく、運用上のルールも理解しておく必要があります。
試験科目と出題数
防犯設備士試験は、講習と試験で構成されています。試験では、防犯設備に関する基礎知識、防犯診断、防犯設備の設計・施工・保守、関連法規などから出題されます。
総合防犯設備士試験は、防犯設備士よりも高度な内容で、防犯診断、設備計画、システム設計、施工管理、総合的な防犯対策などが問われます。
出題形式や出題数、試験時間は実施年度や試験区分によって確認が必要ですが、いずれも防犯設備を適切に計画・設置・運用できる知識を確認する内容です。
合格基準
合格基準は、試験区分ごとに定められます。防犯設備士、総合防犯設備士のそれぞれで、所定の基準を満たすことで合格となります。
防犯設備士では、防犯設備の基礎知識と実務に必要な判断力が評価されます。総合防犯設備士では、施設全体の防犯計画やリスク評価を含め、より総合的な防犯対策を立てられるかが重視されます。
防犯設備士の受験者数・合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 763人 | 561人 | 73.5% |
| 2023年度 | 653人 | 548人 | 83.9% |
| 2022年度 | 827人 | 760人 | 91.9% |
| 2021年度 | 910人 | 739人 | 81.2% |
| 2020年度 | 891人 | 709人 | 79.6% |
防犯設備士の難易度
防犯設備士試験は、防犯設備や電気設備、建物管理に関わる知識がある人であれば比較的取り組みやすい試験です。一方で、防犯カメラ、センサー、出入管理、警報設備、通信、施工、法令などを幅広く学ぶ必要があるため、未経験者にはやや専門性を感じやすいでしょう。
難しさの理由は、防犯設備を単体で覚えるだけでなく、建物や利用目的に合わせて適切に組み合わせる考え方が求められるためです。侵入経路、死角、警戒範囲、照明、扉や窓の構造、通報方法などを踏まえ、どの設備をどの場所に設置するかを理解する必要があります。
特に負担になりやすいのは、機器の仕組みと施工・運用に関する内容です。防犯カメラ、赤外線センサー、マグネットスイッチ、出入管理装置、警報装置などは、それぞれ特徴や設置上の注意点が異なります。機器名を覚えるだけでなく、誤作動を防ぐ条件や、実際の現場での使い分けを整理しておくことが大切です。
また、防犯設備は安全性やプライバシーにも関わるため、個人情報の扱い、防犯カメラの設置配慮、警備業務との関係なども意識する必要があります。電気工事や設備管理の経験がある人は理解しやすい一方、防犯計画そのものに触れた経験が少ない人は、機器をどう配置し、どう運用するかの考え方でつまずきやすいでしょう。
防犯設備工事、警備会社、電気工事、建物管理、住宅設備、不動産管理などに関わっている人は、実務と結びつけながら学習しやすい資格です。初学者の場合は、代表的な防犯機器の役割、設置場所、警戒方法、施工上の注意点を整理し、建物全体の防犯計画として理解しておくことが大切です。
防犯設備士の勉強法
防犯カメラ、センサー、電気錠、警報装置、入退室管理システム、インターホン、照明設備など、代表的な防犯設備の役割を押さえることが大切です。単に機器名を覚えるだけでなく、どのような場所にどの設備を設置するのかをイメージしながら学ぶと理解しやすくなります。
特に重要なのは、防犯診断と設備計画に関する内容です。建物の出入口、窓、死角、外周、駐車場、共用部などを確認し、侵入されやすい場所や監視が必要な場所をどう判断するかを整理しておきましょう。
施工や保守点検の分野では、配線、設置位置、機器の動作確認、誤作動防止、定期点検なども確認が必要です。防犯設備は設置して終わりではなく、適切に動作し続けることが重要なので、運用面まで意識して学習しましょう。
防犯設備士試験は、電気・建築・警備・設備管理などの知識がある方でも、防犯計画の視点で整理する必要があります。基本的には、公式教材で基礎を固め、防犯機器、設置計画、侵入対策、施工・保守点検を重点的に復習する勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
警備会社、防犯設備会社、電気工事会社、通信工事会社、ビル管理会社、マンション管理会社、住宅設備会社、リフォーム会社、ホームセキュリティ関連企業などがあります。特に、防犯カメラの設置提案、侵入防止対策、センサーや警報装置の選定、出入管理システムの導入、防犯診断などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
防犯設備は、単に機器を設置すればよいものではなく、建物の構造、出入口の位置、人の動線、死角、照明、周辺環境などを踏まえて考える必要があります。そのため、犯罪を防ぐ視点から設備を組み合わせて提案できる人材は、防犯・警備・設備管理の分野で役立ちます。
この資格は、防犯設備や警備関連の仕事では実用性があります。一方で、防犯設備士だけで就職・転職が大きく有利になるというよりは、電気工事、通信工事、警備、設備管理などの実務経験と組み合わせて活かす資格です。
防犯設備士試験は、防犯カメラやセキュリティ機器の提案・施工・管理に関わりたい人に向いています。電気工事士、工事担任者、消防設備士、警備業務検定などと組み合わせることで、防犯・設備・警備分野でより活かしやすくなるでしょう。

