放射線取扱主任者試験の難易度・合格率・メリットなど

目次

放射線取扱主任者試験とは

放射性同位元素や放射線発生装置を取り扱う事業所で、放射線障害の防止について監督を行うための国家資格です。医療、研究、工業、教育機関などで放射線を安全に管理するために必要な専門知識が問われます。

資格区分は第1種・第2種・第3種に分かれています。第1種は密封・非密封の放射性同位元素や放射線発生装置など、広い範囲の取扱いに対応する上位区分です。第2種は主に密封された放射性同位元素の取扱いに関わる区分で、第3種は所定の講習を修了することで取得する区分です。

試験では、放射線の物理、化学、生物、管理測定技術、法令などが出題されます。放射線の性質や測定方法だけでなく、人体への影響、被ばく防止、放射線施設の管理、関係法令まで幅広く理解する必要があります。

病院、研究機関、大学、製造業、非破壊検査会社、原子力関連企業、分析機関などで活用しやすい資格です。放射線を取り扱う施設では放射線取扱主任者の選任が必要になるため、放射線管理や安全管理に関わる仕事を目指す人に向いています。

放射線取扱主任者試験の基本情報

資格種別国家資格(必置資格)
ジャンル保安・技術
資格区分第一種放射線取扱主任者、第二種放射線取扱主任者、第三種放射線取扱主任者
受験資格なし
試験日程第一種・第二種試験は年1回。例年8月ごろに実施。第三種講習は実施機関の日程により異なります
試験方法第一種・第二種は筆記試験。多肢選択式で実施。第三種は講習と修了試験で実施
免除科目第一種・第二種試験では、一定の条件により一部科目が免除される場合があります。第三種は講習制度のため、試験科目免除とは扱いが異なります
試験場所第一種・第二種試験は札幌、東京、名古屋、大阪、福岡などの指定試験地。第三種講習は登録講習機関が指定する会場
受験料第一種:19,800円/第二種:14,124円。第三種講習は実施機関により異なり、原子力安全技術センターでは93,398円(税込)
登録・更新第一種・第二種は試験合格後、所定の講習を修了し、原子力規制委員会から免状の交付を受けることで資格者となります。第三種は講習修了後、免状交付申請により取得できます
問い合わせ公益財団法人 原子力安全技術センター
関連資格危険物取扱者
エックス線作業主任者
核燃料取扱主任者

放射線取扱主任者試験の試験日

2025年度試験

第1種放射線取扱主任者試験

試験日申込期間合格発表
8月27日・8月28日5月12日~6月13日10月15日

第2種放射線取扱主任者試験

試験日申込期間合格発表
8月29日5月12日~6月13日10月15日

放射線取扱主任者試験の試験内容

第1種は、放射性同位元素や放射線発生装置などを取り扱う施設で、より広い範囲の放射線管理を行うための知識が問われます。第2種は、密封された放射性同位元素などを中心とした放射線管理に関する内容です。第3種は、下限数量の一定範囲内の密封放射性同位元素などを扱うための基礎的な管理知識を確認する区分です。

出題範囲

第1種

放射線に関する物理学、化学、生物学、放射性同位元素等の規制に関する法律、放射線管理の実務が出題されます。

物理学では、放射線の種類、相互作用、放射能、線量、遮へい、測定などが中心です。化学では、放射性核種の性質、化学分離、標識化合物、汚染除去などが問われます。

生物学では、放射線が人体や細胞に与える影響、確定的影響、確率的影響、被ばく線量と健康影響などが出題されます。法令では、放射性同位元素等の規制に関する法律、使用・貯蔵・廃棄、施設基準、主任者の職務、記録、教育訓練、健康診断などを扱います。

実務では、放射線施設の管理、区域管理、個人被ばく管理、汚染管理、測定器の使用、事故時対応、廃棄物管理などが問われます。

第2種

放射性同位元素等の規制に関する法律、第二種放射線取扱主任者としての実務、物理学・化学・生物学のうち放射線に関する内容が出題されます。

第1種よりも範囲は限定されますが、放射線の性質、測定、遮へい、人体への影響、密封線源の管理、施設管理、法令上の手続きなどを理解しているかが問われます。

密封された放射性同位元素の取扱いを想定した内容が中心で、線源管理、漏えい防止、被ばく管理、記録、点検、教育訓練なども範囲に含まれます。

第3種

第3種は、国家試験ではなく講習と修了試験で実施されます。講習では、放射線の基礎、放射性同位元素の安全管理、測定、被ばく防止、関係法令、事故時対応などを学びます。

密封線源を比較的限定された範囲で取り扱うために必要な基礎知識が中心です。

試験科目と出題数

第1種は、放射性同位元素等の規制に関する法律に関する課目、第一種放射線取扱主任者としての実務に関する課目、物理学のうち放射線に関する課目、化学のうち放射線に関する課目、生物学のうち放射線に関する課目で構成されます。

第2種は、放射性同位元素等の規制に関する法律に関する課目、第二種放射線取扱主任者としての実務に関する課目、物理学・化学・生物学のうち放射線に関する課目で構成されます。

第3種は、講習と修了試験で実施されます。国家試験としての出題数や試験科目は設定されていません。

合格基準

第1種・第2種ともに、試験回ごとに合格基準が定められます。各課目の得点と総合得点をもとに判定され、特定の課目で基準を下回ると、総合点が高くても不合格となる場合があります。

第3種は、講習を受講し、修了試験で所定の基準を満たすことで修了となります。放射線取扱主任者として免状を取得するには、試験合格または講習修了後、所定の講習・手続きが必要になります。

放射線取扱主任者試験の受験者数・合格率

第1種放射線取扱主任者試験

年度受験者数合格者数合格率
2025年度3,074人824人26.8%
2024年度3,122人1,008人32.3%
2023年度3,114人867人27.8%
2022年度3,097人896人28.9%
2021年度2,546人840人33.0%

第2種放射線取扱主任者試験

年度受験者数合格者数合格率
2025年度1,468人254人17.3%
2024年度1,632人358人21.9%
2023年度1,621人209人12.9%
2022年度1,534人316人20.6%
2021年度1,298人321人24.7%

放射線取扱主任者試験の難易度

放射線取扱主任者試験は、放射線関連資格の中でも専門性が高く、特に第1種はかなり難しい試験です。第2種は第1種より範囲が絞られますが、それでも放射線の物理・化学・生物・測定・管理技術・法令を幅広く理解する必要があります。

この試験で難しく感じやすいのは、理系分野を横断して学ぶ必要がある点です。放射線の種類、物質との相互作用、線量、遮へい、測定器、放射線防護など、物理寄りの内容が多く、計算問題も出題されます。物理や数学に苦手意識がある人は、線量計算や減衰、半減期などの考え方でつまずきやすいでしょう。

また、放射線が人体に与える影響や、放射性同位元素の取扱いに関する知識も重要です。細胞への影響、被ばく管理、汚染防止、作業環境の管理、緊急時対応など、安全管理に直結する内容が多く、単なる用語暗記では対応しにくい部分があります。

法令分野も得点を安定させるうえで重要です。放射性同位元素等規制法を中心に、使用・貯蔵・廃棄・運搬・記録・届出などのルールを正確に整理する必要があります。似た規定や数値も多いため、曖昧な理解のままだと選択肢で迷いやすくなります。

研究機関、医療、非破壊検査、製造業、大学・分析施設などで放射線やRIを扱う人は、実務と結びつけながら理解しやすい資格です。一方で、放射線分野に初めて触れる人は、物理計算、測定、人体影響、法令を一から学ぶ必要があり、学習負担は大きくなります。

放射線取扱主任者試験の勉強法

放射線取扱主任者試験は、放射線関連資格の中でも専門性が高く、特に第1種はかなり難しい試験です。第2種は第1種より範囲が絞られますが、それでも放射線の物理・化学・生物・測定・管理技術・法令を幅広く理解する必要があります。

この試験で難しく感じやすいのは、理系分野を横断して学ぶ必要がある点です。放射線の種類、物質との相互作用、線量、遮へい、測定器、放射線防護など、物理寄りの内容が多く、計算問題も出題されます。物理や数学に苦手意識がある人は、線量計算や減衰、半減期などの考え方でつまずきやすいでしょう。

また、放射線が人体に与える影響や、放射性同位元素の取扱いに関する知識も重要です。細胞への影響、被ばく管理、汚染防止、作業環境の管理、緊急時対応など、安全管理に直結する内容が多く、単なる用語暗記では対応しにくい部分があります。

法令分野も得点を安定させるうえで重要です。放射性同位元素等規制法を中心に、使用・貯蔵・廃棄・運搬・記録・届出などのルールを正確に整理する必要があります。似た規定や数値も多いため、曖昧な理解のままだと選択肢で迷いやすくなります。

研究機関、医療、非破壊検査、製造業、大学・分析施設などで放射線やRIを扱う人は、実務と結びつけながら理解しやすい資格です。一方で、放射線分野に初めて触れる人は、物理計算、測定、人体影響、法令を一から学ぶ必要があり、学習負担は大きくなります。

放射線取扱主任者試験のお勧めテキスト

2026年版 第1種放射線取扱主任者試験 完全対策問題集

第1種の問題演習を重視したい人に使いやすいオーム社の問題集です。2025年12月発売の2026年版で、588ページのボリュームがあります。公式系テキストで知識を押さえた後、出題形式に慣れる仕上げ教材としておすすめです。

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資格を取得するメリット

この資格を取得することによって、放射線に対する正確な知識が身に付きますので、自身の身を放射線事故から防ぐこともできますし、共に働く仲間の危険も防ぐことができるようになります。

放射線を扱う事業所では、この資格を取得している者を必ず一人以上おかなくてはいけませんので、有資格者はとても貴重な人材となります。

また、放射線を扱う仕事は、病院や製薬会社、電力会社や化学繊維工業、食品会社や研究所、保健所や検査機関、自衛隊や消防署など大変多くあります。

あらゆる分野で活躍が期待できる資格ですので、取得をしていると有利に働きます。2011年の原発事故以来、放射線の取り扱いには特に厳しくなっていますので、とても需要のある資格だと言えます。

資格を活かせる仕事

病院や医療機関、大学・研究機関、製薬会社、非破壊検査会社、分析機関、原子力関連施設、放射線測定会社、医療機器メーカー、工業製品の検査部門などがあります。特に、放射性物質の管理、放射線装置の安全管理、作業環境の確認、被ばく線量の管理、放射線管理区域の運用、関係法令に基づく届出や記録管理などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。

放射線は医療、研究、工業検査、分析など幅広い分野で使われていますが、取り扱いを誤ると健康被害や事故につながる可能性があります。そのため、放射線の性質や遮へい、線量測定、被ばく管理、汚染防止、法令対応を理解している人材は、放射線を扱う施設で重要な役割を担います。

この資格は、放射線を扱う業界では専門性が高く評価されやすい資格です。特に第1種は扱える範囲が広く、研究機関や大規模施設、放射線管理を専門に行う職場では強いアピール材料になります。第2種でも、医療・研究・工業分野の一部で放射線管理に関わる仕事に活かしやすいです。

一方で、放射線取扱主任者だけで就職・転職が必ず大きく有利になるわけではありません。活かせる職場は放射線を扱う施設に限られるため、一般企業で幅広く評価される資格ではありません。実務では、放射線管理の経験、測定機器の扱い、医療・工学・化学・物理などの専門知識、施設管理や安全管理の実務力も重視されます。

放射線取扱主任者は、医療・研究・非破壊検査・原子力・分析分野で放射線管理に関わりたい人に向いています。エックス線作業主任者、非破壊試験技術者、作業環境測定士、危険物取扱者、衛生管理者などと組み合わせることで、安全管理・検査・研究分野でより活かしやすくなるでしょう。

資格を広めてくれると嬉しいです!
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