エックス線作業主任者試験とは
エックス線装置を使用する作業現場で、放射線障害を防止するための管理を行う作業主任者を選任するための国家試験です。医療機関、研究施設、製造業、非破壊検査、分析機器を扱う現場などで、エックス線を安全に使用するための知識が問われます。
試験では、エックス線の管理、関係法令、エックス線の測定、生体に与える影響などが出題されます。エックス線装置の取扱いや作業環境の管理、被ばく防止、線量測定、保護具の使用など、作業者の安全を守るための内容を理解しておく必要があります。
医療機関、検査会社、研究機関、製造業、非破壊検査会社、分析機器を扱う企業などで活用しやすい資格です。エックス線を取り扱う事業場では、一定の作業についてエックス線作業主任者の選任が必要になるため、放射線管理や安全衛生に関わる仕事を目指す人に向いています。
エックス線作業主任者試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格、必置資格) |
| ジャンル | 保安・技術 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年複数回。各安全衛生技術センターごとに実施日が異なります |
| 試験方法 | 筆記試験。五肢択一式で実施 |
| 免除科目 | 診療放射線技師免許を受けた人、原子炉主任技術者免状の交付を受けた人、第一種放射線取扱主任者免状または第二種放射線取扱主任者免状の交付を受けた人などは、一部科目が免除される場合があります |
| 試験場所 | 各地区の安全衛生技術センター、または出張特別試験会場 |
| 受験料 | 8,800円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 |
| 関連資格 | 診療放射線技師 ガス溶接作業主任者 酸素欠乏・硫化水素・危険作業主任者 放射線取扱主任者 |
エックス線作業主任者試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 |
|---|---|
| 5月19日:北海道・東北・関東・東京・中部・近畿大阪・中国四国センター | 試験日の2か月前~14日前ごろ |
| 7月8日:北海道・東北・関東・東京・中部・近畿大阪・中国四国センター | 試験日の2か月前~14日前ごろ |
| 9月15日:北海道・関東・東京・中部・近畿大阪・中国四国・九州センター | 試験日の2か月前~14日前ごろ |
| 11月20日:北海道・関東・東京・中部・中国四国・九州センター | 試験日の2か月前~14日前ごろ |
| 1月19日:東北・関東・東京・近畿大阪・中国四国・九州センター | 試験日の2か月前~14日前ごろ |
| 3月3日:北海道・東北・関東・東京・中部・中国四国センター | 試験日の2か月前~14日前ごろ |
エックス線作業主任者試験の試験内容
学科試験で実施されます。エックス線装置を使用する作業に必要な放射線の基礎知識、エックス線の発生装置、測定、管理、人体への影響、関係法令などが問われます。
医療以外の工業分野や研究分野などでエックス線装置を扱う作業において、作業者の被ばくを防ぎ、安全に作業を管理するための知識を確認する内容です。
出題範囲
エックス線の管理に関する知識
エックス線作業における管理区域、被ばく線量の管理、線量測定、遮へい、作業環境の管理、警報装置、標識、立入制限などが出題されます。
作業者や周囲の人が不要な被ばくを受けないよう、作業場所や装置の状態を適切に管理するための知識が問われます。
関係法令
労働安全衛生法、電離放射線障害防止規則など、エックス線作業に関係する法令が出題されます。
エックス線装置を使用する事業場での作業主任者の選任、管理区域、線量測定、健康診断、教育、標識、作業記録など、放射線障害を防止するための法令上の基準を理解しているかが確認されます。
エックス線の測定に関する知識
線量、線量率、測定器、サーベイメータ、個人線量計、測定方法、測定値の扱いなどが出題されます。
エックス線の強さや作業者の被ばく状況を把握するため、測定器の種類や特徴、測定結果の読み取り方を理解する内容です。
エックス線の生体に与える影響に関する知識
放射線が人体に与える影響、急性障害、晩発障害、確定的影響、確率的影響、皮膚障害、白内障、造血器への影響などが問われます。
被ばく線量や被ばく部位によって健康影響が異なるため、エックス線作業でどのような障害が起こり得るかを理解する内容です。
エックス線装置に関する知識
エックス線の発生原理、エックス線管、高電圧装置、制御装置、照射装置、透過試験装置、遮へい構造などが出題されます。
装置の構造や仕組みを理解し、使用時の危険性や安全管理上の注意点を把握することが求められます。
試験科目と出題数
試験は五肢択一式で実施されます。出題科目は、エックス線の管理に関する知識、関係法令、エックス線の測定に関する知識、エックス線の生体に与える影響に関する知識、エックス線装置に関する知識です。
出題数は合計40問です。科目別では、エックス線の管理に関する知識10問、関係法令10問、エックス線の測定に関する知識10問、エックス線の生体に与える影響に関する知識5問、エックス線装置に関する知識5問で構成されます。
合格基準
合格するには、各科目で40%以上、かつ全科目合計で60%以上の得点が必要です。
全体の得点が基準に達していても、いずれかの科目が40%未満の場合は合格できません。エックス線の管理、測定、人体への影響、装置、関係法令を総合的に理解しているかが判定されます。
エックス線作業主任者試験の受験者数・合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 6,225人 | 2,805人 | 45.1% |
| 2023年度 | 5,746人 | 2,578人 | 44.9% |
| 2022年度 | 5,960人 | 2,648人 | 44.4% |
| 2021年度 | 5,470人 | 1,950人 | 35.6% |
| 2020年度 | 4,112人 | 2,210人 | 53.7% |
エックス線作業主任者試験の難易度
理系知識や放射線に関する基礎がある人であれば取り組みやすい一方、初学者には専門用語や計算問題でやや難しさを感じやすい試験です。難関資格というほどではありませんが、放射線の性質、測定、人体への影響、関係法令を正確に理解する必要があります。
負担になりやすいのは、エックス線の発生装置や放射線の性質を、物理的な仕組みとして理解する点です。電離作用、透過力、散乱線、線量、遮へい、距離による減衰など、日常ではあまり使わない考え方が出てくるため、物理に苦手意識がある人は最初につまずきやすいでしょう。
また、放射線による健康影響や防護に関する知識も重要です。外部被ばく、線量限度、管理区域、測定器、作業環境管理、健康診断など、作業者を守るための安全管理を理解しておく必要があります。単に用語を覚えるだけでなく、なぜその管理が必要なのかを整理することが大切です。
法令分野では、労働安全衛生法や電離放射線障害防止規則に関する内容が問われます。作業主任者としての職務、管理区域の設定、測定、記録、標識、保護具など、細かい規定を正確に押さえる必要があるため、曖昧な暗記では選択肢で迷いやすくなります。
製造業、非破壊検査、医療機器関連、研究施設、品質管理などでエックス線装置や放射線管理に関わっている人は、実務と結びつけながら理解しやすい資格です。一方で、放射線や物理の知識がほとんどない人は、線量や遮へい、法令の細かい内容を整理する部分で負担を感じやすい試験です。
エックス線作業主任者試験の勉強法
エックス線の性質、発生装置、遮へい、線量、測定器、被ばく防止などを重点的に押さえることが大切です。専門用語が多いため、単に暗記するだけでなく、作業現場でどのように安全管理を行うのかをイメージしながら学ぶと理解しやすくなります。
特に重要なのは、人体への影響と防護に関する内容です。外部被ばく、線量限度、管理区域、遮へい、距離、作業時間の管理などは、試験でも実務でも中心になる分野なので、数字や考え方を正確に整理しておきましょう。
関係法令では、労働安全衛生法や電離放射線障害防止規則に関する内容が問われます。作業主任者の職務、測定、健康診断、管理区域、標識、記録の保存などは混同しやすいため、表にまとめて復習すると覚えやすくなります。
エックス線作業主任者試験は、放射線に関する専門知識が必要ですが、過去問演習の効果が出やすい試験です。基本的には、テキストで基礎を確認し、過去問を繰り返し解き、エックス線の性質・測定・防護・関係法令を重点的に復習する勉強法がおすすめです。
エックス線作業主任者試験のお勧めテキスト
エックス線作業主任者 過去問題・解答解説集 2026年4月版
直近の公表問題をもとに演習したい人に使いやすい過去問題集です。エックス線の管理、測定、生体への影響、関係法令などを本試験形式で確認できます。テキストで基礎を押さえた後の仕上げ教材として向いています。
エックス線作業主任者 合格教本 第2版
初めてエックス線作業主任者試験を受ける人に使いやすいテキストです。専門用語や計算問題、法令分野を整理しながら学習できるため、基礎から理解したい人に向いています。問題演習前のインプット教材として活用しやすい一冊です。
資格を活かせる仕事
非破壊検査会社、製造業の品質検査部門、金属・機械・溶接部品の検査業務、研究施設、分析機関、大学・研究所、医療機器関連会社、放射線設備を扱う事業所などがあります。特に、エックス線を使った材料検査、製品検査、内部構造の確認、装置の管理、作業者の被ばく防止、作業区域の安全管理などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
エックス線は、目に見えない内部の状態を確認できる便利な技術ですが、扱い方を誤ると健康被害につながる可能性があります。そのため、放射線の性質や遮へい、線量管理、作業手順、関係法令を理解している人材は、エックス線を扱う現場で重要です。
この資格は、エックス線を使用する事業場では実務に結びつきやすい資格です。特に、工業製品の非破壊検査や研究・分析分野では、安全管理を担う人材として評価される場面があります。
一方で、エックス線作業主任者だけで就職・転職が大きく有利になるというよりは、非破壊検査、品質管理、放射線管理、製造業や研究分野の実務経験と組み合わせて活かす資格です。エックス線を扱わない職場では評価されにくいため、活かせる分野はやや限定されます。
エックス線作業主任者試験は、非破壊検査や品質管理、研究・分析、放射線安全管理に関わりたい人に向いています。非破壊試験技術者、衛生管理者、作業環境測定士、危険物取扱者などと組み合わせることで、検査・安全管理・製造分野でより活かしやすくなるでしょう。
受験者の口コミ評判
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お勧め本
4.0 san 20代会社員
資格を取得するには、独学でも十分取得することができますが、電子科学研究所が行っている講習会に参加するのが一番の近道だと思います。かなり丁寧に教えてもらうことができますので、資格取得の目的だけではなく、その後の実務にも活きてきます。テキストはオーム社が提供している、「エックス線作業主任者試験 徹底研究」がオススメです。(2019年8月)
転職で有利になる
4.5 永野 20代会社員
合格率は50%あるので、それほど難しい資格では無いです。また資格を取得することにより、転職活動でも有利に働く場合が多いので、エックス線を使ったお仕事をしたい場合は、必ず取得しておきたい資格です。
(というか資格が無いと業務ができません・・・)3ヶ月もあれば独学でも合格することができます。(2018年2月)
私の勉強法
5.0 がちがち 30代会社員
私は、平井 昭司さんが出版している、エックス線作業主任者試験徹底研究を繰り返し勉強して、過去問を繰り返して合格できました。ただ、かなり専門的な知識がいるので、これまでこういった業界に携わったことがない人、勉強をしたことがない人にとっては難しい資格に分類されると思います。(2017年8月)


お勧め本
転職で有利になる
私の勉強法