労働安全コンサルタント試験の難易度・合格率・試験日など

目次

労働安全コンサルタント試験とは

事業場の労働災害を防止し、安全管理体制の改善や指導を行う専門家を認定する国家試験です。労働安全コンサルタントは、厚生労働大臣が認める労働安全分野の専門資格で、工場、建設現場、事業場などの安全診断や改善指導に関わります。

試験は筆記試験と口述試験で構成されています。筆記試験では、産業安全一般、産業安全関係法令、機械安全、電気安全、化学安全、土木安全、建築安全などの区分に応じた専門知識が問われます。筆記試験に合格すると口述試験に進み、労働安全コンサルタントとして必要な知識、判断力、説明力などが評価されます。

製造業、建設業、化学工場、プラント、労働安全衛生コンサルタント事務所、企業の安全衛生部門などで活用しやすい資格です。受験には実務経験などの要件があるため、初学者向けというより、安全管理や労働災害防止に関わる実務経験者が専門性を高めるために向いています。

労働安全コンサルタント試験の基本情報

資格種別国家資格(名称独占資格)
ジャンル保安・技術
資格区分機械、電気、化学、土木、建築
受験資格学歴、保有資格、労働安全に関する実務経験などにより異なる。技術士、一級建築士、第一種電気主任技術者、1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士などの有資格者や、所定の実務経験者などが対象
試験日程年1回。筆記試験は例年10月ごろ、口述試験は翌年1月ごろに実施
試験方法筆記試験と口述試験で実施。筆記試験は択一式と記述式、口述試験は面接形式で実施
免除科目技術士、一級建築士、電気主任技術者、施工管理技士などの保有資格や実務経験により、一部科目または筆記試験の全部が免除される場合があります
試験場所筆記試験は北海道、宮城県、千葉県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県など。口述試験は東京・大阪で実施
受験料24,700円
登録・更新試験合格後、厚生労働省の労働安全コンサルタント名簿に登録を受けることで、労働安全コンサルタントとして活動できます
問い合わせ公益財団法人 安全衛生技術試験協会 
関連資格労働衛生コンサルタント
労働者派遣契約責任者検定
経営管理士

労働安全コンサルタント試験の試験日

2026年度試験

試験日申込期間合格発表
筆記試験:10月20日7月1日~7月31日筆記試験:12月上旬予定
口述試験:1月13日~1月14日、1月26日~1月29日筆記試験全免除者のみ:11月1日~11月15日最終:2月下旬予定

労働安全コンサルタント試験の試験内容

機械、電気、化学、土木、建築の5区分に分かれており、いずれか1区分を選択して受験します。試験は筆記試験と口述試験で構成されています。

筆記試験では、産業安全一般、産業安全関係法令、選択した区分ごとの専門科目が出題されます。口述試験では、労働安全コンサルタントとして必要な専門知識、実務経験、安全診断・指導に関する考え方などが確認されます。

労働災害の防止、機械設備や作業環境の安全管理、リスクアセスメント、安全衛生管理体制、関係法令など、事業場の安全水準を高めるための知識と判断力が問われます。

出題範囲

機械

機械設備、工作機械、動力機械、荷役運搬機械、産業用ロボット、プレス機械、機械災害防止、安全装置、ガード、インターロックなどが問われます。

機械によるはさまれ・巻き込まれ、切創、飛来・落下、接触災害などを防ぐため、機械の構造や安全対策、保守点検、作業標準、安全設計に関する知識が必要です。

電気

電気設備、感電災害、漏電、接地、絶縁、電気機器、配電設備、静電気、電気火災、防爆、電気作業の安全などが出題されます。

電気による死亡災害や火災・爆発を防ぐため、電気設備の安全管理、点検、作業手順、保護具、関係法令を理解しているかが問われます。

化学

危険物、有害化学物質、爆発・火災、反応危険、ガス、粉じん、換気、化学設備、化学物質のリスクアセスメントなどが問われます。

化学工場や研究施設などで発生しやすい中毒、爆発、火災、漏えい、混触危険を防ぐため、化学物質の性質や設備管理、作業管理に関する知識が必要です。

土木

土木工事、掘削、土止め支保工、型枠支保工、足場、建設機械、墜落・転落災害、土砂崩壊、トンネル、橋梁、道路工事などが出題されます。

土木工事現場で発生しやすい崩壊、転落、重機災害、交通災害を防止するため、施工計画、安全管理、作業主任者制度、仮設構造物の安全に関する知識が問われます。

建築

建築工事、足場、型枠支保工、鉄骨建方、屋根作業、解体工事、墜落防止、建設機械、仮設設備、施工中の安全管理などが出題されます。

建築現場では高所作業や仮設作業が多いため、墜落・転落、飛来・落下、倒壊、重機接触などの災害防止に関する内容が中心になります。

産業安全一般

労働災害の発生状況、安全衛生管理体制、リスクアセスメント、安全教育、作業標準、安全衛生マネジメントシステム、災害原因分析、人間工学などが出題されます。

特定の専門区分だけでなく、事業場全体の安全管理に必要な共通知識が問われます。

産業安全関係法令

労働安全衛生法、労働安全衛生規則、関係省令、作業主任者、安全管理者、機械・設備の安全基準、健康障害防止、特別教育、就業制限、危険防止措置などが出題されます。

労働安全コンサルタントとして、事業場に対して法令に基づく安全管理上の助言を行うための基礎になる分野です。

試験科目と出題数

筆記試験は、産業安全一般、産業安全関係法令、選択区分ごとの専門科目で構成されます。

産業安全一般は択一式30問、産業安全関係法令は択一式15問です。専門科目は、機械安全、電気安全、化学安全、土木安全、建築安全のいずれかを選択して受験します。

筆記試験に合格した人、または筆記試験の全部免除者を対象に、口述試験が実施されます。口述試験では、受験区分に関する専門知識、実務経験、安全診断・指導に関する考え方などが確認されます。

合格基準

筆記試験は、総得点のおおむね60%以上が合格基準です。ただし、1科目でも満点の40%未満の科目がある場合は不合格になります。

口述試験は4段階評価で行われ、上位2ランクに該当することが合格基準です。口述試験に合格すると、最終合格となります。

労働安全コンサルタント試験の受験者数・合格率

筆記試験

年度受験者数合格者数合格率
2025年度1,584人288人18.2%
2024年度1,503人264人17.6%
2023年度1,372人238人17.3%
2022年度1,236人369人29.9%
2021年度1,290人517人40.1%

口述試験

年度受験者数合格者数合格率
2025年度287人225人78.4%
2024年度263人221人84.0%
2023年度238人191人80.3%
2022年度非公表非公表非公表
2021年度511人414人81.0%

最終合格率

年度最終合格率
2025年度14.2%
2024年度非公表
2023年度13.9%
2022年度非公表
2021年度32.1%

労働安全コンサルタント試験の難易度

労働災害の防止に関する専門知識だけでなく、現場の危険性を見抜き、改善策を考える力まで求められるため、実務経験がある人でも十分な対策が必要になります。

この試験では、労働安全衛生法令、機械安全、電気安全、化学設備、建設安全、作業環境、安全管理体制など、幅広い分野を理解する必要があります。特定の業種で安全管理に関わっている人でも、試験では自分の経験していない分野まで問われるため、知識の偏りがあると難しく感じやすいでしょう。

筆記試験では、単なる暗記だけでなく、災害発生の原因や防止対策を考える力が重要になります。危険源をどのように把握するか、どのような安全措置が必要か、法令上どの点に注意すべきかを整理して答える必要があり、表面的な知識だけでは対応しにくい試験です。

さらに、口述試験がある点も大きな特徴です。安全管理に関する知識を持っているだけでなく、質問に対して的確に説明できる力が求められます。実務経験が豊富な人でも、自分の考えを試験官に分かりやすく伝える準備をしていないと苦労しやすいでしょう。

製造業、建設業、化学工場、設備管理、安全衛生管理、労働災害防止に関わっている人は、実務経験を活かしやすい資格です。一方で、労働安全分野に触れた経験が少ない人にとっては、法令、技術、安全管理、災害防止の考え方を広く学ぶ必要があり、取得ハードルは高めです。

資格を活かせる仕事

労働安全コンサルタント事務所、建設会社、製造業、化学工場、設備管理会社、労働安全衛生コンサルティング会社、建設コンサルタント、安全衛生部門、労働災害防止に関わる団体などがあります。特に、現場の安全診断、作業手順の見直し、リスクアセスメント、安全教育、労働災害の再発防止、法令に基づく安全管理体制の整備などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。

労働安全の分野では、事故が起きてから対応するのではなく、危険を事前に見つけて防ぐ視点が重要です。機械設備、足場、電気設備、化学物質、重機作業、作業動線など、現場ごとのリスクを把握し、具体的な改善策を提案できる人材は、建設業や製造業で評価されやすいです。

この資格は、安全衛生分野では専門性が高く、実務経験がある人にとっては強い資格です。特に、すでに建設現場や工場の安全管理、施工管理、設備管理に携わっている人が取得すると、社内評価やコンサルティング業務への展開に活かしやすくなります。

一方で、労働安全コンサルタントだけで未経験から安全管理の専門職として活躍するのは簡単ではありません。実務では、現場経験、労働安全衛生法への理解、リスクアセスメントの実践、安全教育の経験、関係者への説明力なども重視されます。

労働安全コンサルタント試験は、建設業や製造業、工場、設備管理の分野で安全管理に関わりたい人に向いています。衛生管理者、労働衛生コンサルタント、施工管理技士、電気主任技術者、危険物取扱者、作業環境測定士などと組み合わせることで、安全衛生・現場管理分野でより活かしやすくなるでしょう。

資格を広めてくれると嬉しいです!
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