貿易実務検定とは
貿易に関する実務能力や知識を客観的に確認できる検定試験です。輸出入取引の流れ、貿易書類、契約、代金決済、通関、クレーム対応、貿易実務英語など、貿易業務に必要な幅広い知識が問われます。
試験はA級・B級・C級に分かれており、C級は貿易実務の基礎、B級は実務経験者向けの応用的な内容、A級はより高度な判断力や実務対応力を確認する内容です。B級・C級は選択式で実施され、A級は選択式と記述式で行われます。
貿易関連の仕事に携わっている人はもちろん、商社・メーカー・物流会社・通関業者・金融機関などで国際取引に関わりたい人にも役立つ資格です。貿易実務の知識を体系的に学べるため、未経験から貿易業界を目指す人や、現在の業務知識を整理したい人にも向いている検定といえるでしょう。
貿易実務検定の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 事務・ビジネス・経営 |
| 資格区分 | A級、B級、C級 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | C級は年4〜5回、B級は年2〜3回、A級は年1回程度 |
| 試験方法 | C級・B級はWeb試験、A級は会場試験 |
| 免除科目 | C級・B級は貿易実務英語の科目免除制度あり |
| 試験場所 | C級・B級は自宅など、A級は東京・大阪など |
| 受験料 | A級:12,760円/B級:7,480円/C級:6,270円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 日本貿易実務検定協会 |
| 関連資格 | 通関士 日商ビジネス英語検定 TOEIC |
貿易実務検定の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| C級:5月17日(日) | 3月5日~4月27日 | 6月12日 |
| C級:7月5日(日) | 5月14日~6月22日 | 8月7日 |
| B級:7月12日(日) | 5月14日~6月29日 | 公式ページで確認 |
| A級・C級:10月4日(日) | 7月16日~9月18日 | 公式ページで確認 |
| C級:12月6日(日) | 9月24日~11月24日 | 公式ページで確認 |
| B級:12月13日(日) | 9月24日~12月1日 | 公式ページで確認 |
| C級:3月7日(日) | 12月24日~2月22日 | 公式ページで確認 |
| B級:3月7日(日) | 12月24日~3月1日 | 公式ページで確認 |
貿易実務検定の試験内容
輸出入取引に必要な実務知識や貿易書類、決済、輸送、保険、通関、マーケティング、貿易実務英語などを問う検定試験です。貿易会社、商社、メーカーの海外取引部門、物流会社、通関関連業務などで役立つ内容になっています。
級はA級・B級・C級に分かれています。C級は貿易実務の基礎、B級は実務経験者向けの中級レベル、A級は貿易実務の判断や管理まで求められる上級レベルです。B級・C級は選択式、A級は選択式と記述式で実施されます。
出題範囲
貿易実務
輸出入取引の流れ、契約、インコタームズ、決済、信用状、船積書類、貿易運送、貨物保険、通関、外国為替、関税など、貿易実務の中心となる知識が問われます。
貿易実務英語
英文契約書、注文書、インボイス、パッキングリスト、信用状、船積書類、ビジネス英文など、貿易取引で使われる英語表現や書類の読み取りが出題されます。
貿易マーケティング
海外市場の調査、販売戦略、取引先開拓、商品政策、価格設定、流通、プロモーションなど、海外ビジネスを進めるためのマーケティング知識が問われます。B級ではC級よりも法的根拠や細かい手続き、書類知識まで深く出題されます。
試験科目と出題数
C級は「貿易実務」と「貿易実務英語」の2科目で、試験時間は105分です。B級は「貿易実務」「貿易マーケティング」「貿易実務英語」の3科目で、試験時間は165分です。A級は3科目構成で、選択式と記述式により実施され、試験時間は190分です。
合格基準
C級は、2科目合計200点満点中160点、つまり80%を基準として試験委員長が定める点数が合格基準です。B級は、3科目合計300点満点中210点、つまり70%を基準として試験委員長が定める点数が合格基準です。A級は、各回ごとに3科目合計の基準点が定められます。
貿易実務検定の合格率
A級
| 開催年月 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月 | 101人 | 32人 | 31.7% |
| 2024年10月 | 120人 | 42人 | 35.0% |
| 2023年10月 | 125人 | 40人 | 32.0% |
| 2022年10月 | 148人 | 52人 | 35.1% |
| 2021年10月 | 158人 | 67人 | 42.4% |
B級
| 開催年月 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月 | 703人 | 341人 | 48.5% |
| 2025年12月 | 824人 | 431人 | 52.3% |
| 2025年7月 | 711人 | 339人 | 47.7% |
| 2025年3月 | 682人 | 290人 | 42.5% |
| 2024年12月 | 729人 | 330人 | 45.3% |
C級
| 開催年月 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月 | 1,948人 | 1,237人 | 63.5% |
| 2025年12月 | 1,787人 | 1,084人 | 60.7% |
| 2025年10月 | 1,760人 | 1,186人 | 67.4% |
| 2025年7月 | 1,723人 | 1,034人 | 60.0% |
| 2025年5月 | 1,653人 | 1,022人 | 61.8% |
貿易実務検定の難易度
C級は比較的やさしめ、B級は標準レベル、A級は難しめです。
C級は、貿易実務の基礎知識を問う入門レベルです。貿易取引の流れ、輸出入の基本、インコタームズ、決済、輸送、保険、貿易書類など、初歩的な内容が中心になるため、公式テキストや問題集で対策すれば、初学者でも十分合格を目指せます。合格率も比較的高めで、直近ではC級67.4%、B級47.7%、A級35.0%というデータもあります。
B級になると、C級よりも実務的な内容が増えます。貿易実務に加えて、貿易マーケティングや貿易実務英語も問われるため、単なる用語暗記だけではなく、実際の取引の流れを理解しておく必要があります。ただし、難関資格というほどではなく、貿易事務や海外取引に関わる人であれば、実務と結びつけながら学習しやすいでしょう。
A級は、貿易実務検定の中では最も難易度が高い級です。専門的な知識に加えて、実務上の判断力や応用力も求められるため、貿易業務の経験がない人がいきなり合格を目指すには難しいレベルです。
総合的に見ると、貿易実務検定はC級であれば初学者でも挑戦しやすい資格です。一方で、B級以上は出題範囲が広がり、貿易英語や実務判断も必要になるため、貿易事務や国際取引の知識をしっかり整理してから受験する必要があります。
- 海外からの輸入業務をしていたので受験しました。選択式の問題しか出ないので多少知識があいまいでも回答ができるので、思ったよりも簡単でした。(30代男性 C級取得済)
- 元々の知識量によりますが、C級であれば学習期間は3か月程度で1日1時間程度、通勤時間だけでも合格はできると思います。(20代男性 C級取得済)
- 貿易関連ではありますが、英語も比較的重視されているので、苦手意識がある人は苦戦するかもしれません。(20代男性 B級取得済)
貿易実務検定の勉強法
公式テキストと問題集を中心に学習するのが基本です。公式サイトでは、公式テキスト・問題集・通信講座・通学講座などが案内されているため、まずは受験する級に合った教材を選ぶとよいでしょう。
C級を受験する場合は、貿易の流れ、輸出入の基本、貿易書類、決済、運送、保険、外国為替など、基礎的な内容をしっかり押さえることが大切です。貿易実務を初めて学ぶ方は、いきなり細かい用語を暗記するよりも、まず「契約から商品発送、代金回収までの流れ」をイメージしながら学ぶと理解しやすくなります。
テキストを一通り読んだ後は、問題集を繰り返し解いて出題形式に慣れましょう。公式サイトでは、C級問題集やB級本試験問題集などの教材情報も案内されているため、問題演習を通じて知識を定着させることが重要です。
B級以上を目指す場合は、より実務的な知識が必要になります。インコタームズ、信用状、船積書類、貿易保険、為替リスク、通関、英文書類などは苦手になりやすい分野なので、問題演習で間違えた部分をテキストに戻って復習する流れがおすすめです。
また、貿易実務検定では貿易実務英語も出題されるため、英単語や英文書類の読み方にも慣れておく必要があります。英語が苦手な方は、Invoice、B/L、L/C、Packing Listなど、よく使われる書類名や専門用語から覚えていくとよいでしょう。
独学でも合格を目指せますが、貿易の流れがまったく分からない方や、短期間で効率よく学びたい方は、通信講座や対策講座を利用するのも一つの方法です。試験対策としてだけでなく、実際の輸出入業務をイメージしながら学ぶことで、知識が定着しやすくなります。
貿易実務検定を活かせる仕事
輸出入に関する手続き、貿易書類、決済、物流、通関、貿易英語など、貿易業務に必要な知識を体系的に学べる資格です。公式サイトでも、貿易実務の能力・知識を客観的に測る検定として位置づけられています。
活かしやすい仕事としては、貿易事務、海外営業事務、商社の事務職、メーカーの輸出入担当、物流会社、フォワーダー、通関業者、船会社、航空貨物会社、国際取引に関わる営業サポートなどがあります。特に、インボイスやパッキングリストなどの書類作成、納期調整、輸送手配、海外取引先とのメール対応などを行う仕事では、学んだ知識を実務に活かしやすいでしょう。
C級は貿易の流れを理解する入門レベルとして、未経験者やこれから貿易事務を目指す人に向いています。B級以上になると、より実務的な知識をアピールしやすくなり、すでに貿易・物流・商社系の仕事をしている人のスキルアップにも役立ちます。
ただし、貿易実務検定は独占業務のある資格ではないため、取得すれば必ず貿易関係の仕事に就けるというものではありません。就職・転職では、英語力、事務処理能力、Excelスキル、実務経験なども重視されます。資格単体よりも、語学力や貿易事務の経験と組み合わせることで、より評価されやすくなる資格といえるでしょう。
資格侍主な受験者は貿易関連の業務に携わっている人、個人輸入を行っている人、スキルアップを目指す人、貿易実務に興味を持っている人、通関士・商業英語・マーケティングを学習中の人、貿易実務を学習中の人達です。

