環境経営士とは
企業や団体の環境経営、SDGs、CSR、環境マネジメントに関する知識を身につけ、環境に配慮した経営活動を支援する人材を認定する民間資格です。環境問題を単なる社会課題として捉えるだけでなく、企業経営や地域活動の中でどのように取り組むかを学ぶ内容になっています。
資格取得には、環境経営士養成講座を受講し、所定のテストや審査を経て認定を受ける必要があります。講座では、地球環境問題、環境関連法令、環境マネジメント、SDGs、CSR、環境経営の考え方などを学びます。
企業の環境部門、CSR・サステナビリティ部門、経営企画部門、自治体、環境コンサルタント、地域活動などで活用しやすい資格です。法令上の独占業務がある資格ではありませんが、環境経営やSDGsの視点を仕事に取り入れたい人、企業や地域の環境活動を支援したい人に向いています。
環境経営士試験の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 環境・自然 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 日本語を理解でき、環境経営・CSR・SDGs経営に関心のある人。環境経営士の称号付与には、養成講座の修了、理解度試験・審査の合格、日本経営士会への入会が必要 |
| 試験日程 | 原則として奇数月に養成講座を実施。実施回により日程が異なります |
| 試験方法 | eラーニングまたはZoomによる養成講座を受講し、理解度試験と審査を受ける形式 |
| 免除科目 | eco検定合格者、環境関連資格保有者、サステナ経営検定の合格級などにより、ベーシックコースや一部講座が免除・軽減される場合があります |
| 試験場所 | オンライン受講のため、自宅などインターネット環境のある場所で受講可能 |
| 講座料 | ベーシックコース:15,000円/アドバンストコース:30,000円/ベーシック・アドバンスト同時受講:42,000円 |
| 登録・更新 | 養成講座を修了し、理解度試験・審査に合格したうえで日本経営士会に入会すると、環境経営士・SDGs経営士として認定されます |
| 問い合わせ | 一般社団法人日本経営士会 |
| 関連資格 | 環境カオリスタ検定 経営学検定 経営管理士 医療経営士 |
環境経営士試験の講習日
2026年度講習
| 講習・試験日 | 申込期間 | 結果公表 |
|---|---|---|
| 第94回:5月16日 | 公式ページで確認 | 公式ページで確認 |
| 以降の開催:奇数月を中心に開催 | 公式ページで確認 | 公式ページで確認 |
環境経営士試験の講座内容
養成講座の受講と理解度テストで構成されています。一般的な筆記試験を単独で受ける形式ではなく、日本経営士会などが実施する環境経営士養成講座を受講し、講座内容の理解を確認する流れになります。
講座では、環境問題、SDGs、CSR、環境経営、環境関連法規、企業を取り巻くステークホルダー、地域社会との関係などを学びます。企業や団体が環境保全活動を経営に取り入れるための考え方を理解しているかが確認されます。
出題範囲
環境経営
企業活動と環境保全を結びつける考え方が扱われます。環境負荷の低減、省エネルギー、廃棄物削減、資源循環、環境マネジメント、環境配慮型の商品・サービスなどが中心です。
環境対策を単なる社会貢献ではなく、経営課題として捉え、企業価値や事業継続、地域社会との関係にどう結びつけるかを理解する内容です。
SDGs・CSR
SDGs、CSR、ESG、サステナビリティ、企業の社会的責任などが問われます。
企業が環境・社会・経済のバランスを考えながら事業活動を行うための基本的な考え方を整理します。環境経営士では、企業や地域に対して環境経営を広げる立場を想定するため、SDGsやCSRとの関係も重要な範囲になります。
環境問題
地球温暖化、気候変動、資源・エネルギー問題、廃棄物問題、生物多様性、大気汚染、水質汚濁など、現代の環境問題が扱われます。
環境問題の原因や影響を理解し、企業活動や地域活動の中でどのような対策が必要になるかを考える内容です。
環境関連法規
環境基本法、地球温暖化対策、廃棄物処理、リサイクル、公害防止、化学物質管理など、環境経営に関係する法制度が出題範囲に含まれます。
法令の細かな暗記だけでなく、企業が環境保全活動を進めるうえで、どのような法規制や社会的要請を踏まえる必要があるかを理解する内容です。
ステークホルダーと環境経営
顧客、取引先、地域社会、行政、従業員、株主など、企業を取り巻く関係者との関係が扱われます。
環境経営では、社内の取組みだけでなく、サプライチェーン、地域連携、情報発信、環境教育なども重要になります。企業が環境への取組みをどのように説明し、協働につなげるかを理解する内容です。
地域・中小企業の環境活動
地域社会での環境保全活動、中小企業における環境マネジメント、地域資源の活用、地方創生とSDGsなどが扱われます。
大企業向けの環境経営だけでなく、中小規模の事業者や地域団体が取り組みやすい環境活動を考える内容です。
試験科目と出題数
試験は、養成講座の最後に行われる理解度テストとして実施されます。講座は、ベーシックコースとアドバンストコースに分かれています。
ベーシックコースでは、環境と倫理、環境問題、環境問題と社会デザインなどの基礎的な内容を扱います。
アドバンストコースでは、企業を取り巻くステークホルダー、環境経営、環境問題とビジネス、SDGs経営、環境関連法規、地域・地方創生に関するワークショップなどを扱います。
具体的な出題数や試験時間は、実施される講座や年度によって確認する形式です。
合格基準
合格基準は、講座実施団体の判定基準により決定されます。養成講座を受講し、理解度テストや所定の審査で基準を満たすことで、環境経営士として認定される流れです。
一般的な資格試験のように、全国一律の問題数や固定の合格点が広く示されている形式ではありません。講座内容の理解度に加えて、環境経営を企業や地域の活動に結びつける考え方が確認されます。
環境経営士試験の受験者数・合格率
| 年度 | 育成者数 |
|---|---|
| 2024年度 | 48名 |
| 2023年度 | 35名 |
| 2022年度 | 60名 |
| 2021年度 | 65名 |
| 2020年度 | 50名 |
環境経営士試験の難易度
環境問題やSDGs、企業経営に関心がある人であれば高すぎるものではありません。難関資格のように高度な計算や専門技術を問う試験ではなく、環境経営に関する基礎知識と、企業活動にどう活かすかを理解する力が中心になります。
負担になりやすいのは、環境分野と経営分野の両方をまたいで理解する点です。地球温暖化、資源循環、生物多様性、環境法規、CSR、SDGs、環境マネジメント、企業のコンプライアンスなど、幅広いテーマを扱うため、環境だけ、経営だけの知識ではやや不足しやすいでしょう。
また、環境経営では、単に環境問題の用語を覚えるだけでなく、企業がどのように環境配慮を経営に取り入れるかを考える視点が必要になります。省エネ、廃棄物削減、環境報告、地域貢献、サステナビリティ活動などを、企業活動と結びつけて理解することが大切です。
eco検定や環境社会検定、CSR・SDGs関連の学習経験がある人は、比較的取り組みやすい資格です。一方で、環境分野に初めて触れる人や、企業経営・マネジメントの考え方に慣れていない人は、用語の整理と全体像の理解に少し時間がかかるでしょう。
環境経営士試験の勉強法
環境問題を単なる知識として覚えるだけでなく、企業活動の中でどのように環境配慮を進めるかを理解することが大切です。省エネルギー、廃棄物削減、資源循環、温室効果ガス削減、環境報告などを、実際の企業経営と結びつけながら学ぶと理解しやすくなります。
特に重要なのは、環境対策を経営改善や社会的評価につなげる視点です。環境負荷の低減だけでなく、コスト削減、ブランド向上、リスク管理、取引先からの信頼確保など、経営上のメリットもあわせて整理しておきましょう。
試験対策では、講習で重要とされた内容を中心に復習し、環境経営に関する用語や制度を自分の言葉で説明できるようにしておくと安心です。SDGs、カーボンニュートラル、環境マネジメントシステム、サステナビリティ経営などは重点的に確認しておきましょう。
環境経営士は、環境分野の知識だけでなく、企業や組織にどう活かすかを考える資格です。基本的には、公式教材で基礎を固め、環境経営、脱炭素、SDGs、環境法規、企業の環境対策を重点的に復習する勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
企業の環境管理部門、CSR・サステナビリティ担当、総務、経営企画、環境コンサルタント、自治体や地域団体の環境関連活動、中小企業支援、SDGs推進、環境教育・研修講師などがあります。特に、社内の省エネ活動、CO2削減、環境方針の策定、環境教育、SDGsへの取り組み、環境マネジメントの導入支援などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
日本経営士会でも、環境経営士は環境倫理、地球温暖化対策、省エネ、カーボンニュートラル、生物多様性、環境マネジメントシステム、環境関係法令などを体系的に学びたい人向けの講座として案内されています。環境省の掲載情報でも、企業・団体の環境保全活動や、環境・CSR・SDGs事務局、社内研修、課題解決支援などが期待される活動として紹介されています。
一方で、環境経営士だけで就職・転職が大きく有利になる資格ではありません。環境分野で専門職を目指す場合は、公害防止管理者、環境計量士、エネルギー管理士、ISO関連の実務経験、サステナビリティ報告やCO2算定の実務経験などの方が評価されやすい場面もあります。
環境経営士は、就職・転職の決め手というより、環境経営やSDGs、脱炭素経営に関する理解を深めるための資格です。企業の環境活動に関わりたい人、環境コンサルティングを目指す人、中小企業の環境経営支援に関わりたい人が、実務経験や関連資格と組み合わせて活かすとよいでしょう。

