公害防止管理者試験の難易度・合格率・試験日など

目次

公害防止管理者試験とは

工場や事業場から発生する大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、ダイオキシン類などの公害を防止するために必要な知識を認定する国家試験です。一定規模以上の特定工場では、公害防止管理者などの選任が必要になるため、環境管理に関わる実務性の高い資格として位置づけられています。

試験区分は、大気関係、水質関係、騒音・振動関係、ダイオキシン類関係、特定粉じん関係、一般粉じん関係、公害防止主任管理者などに分かれています。区分によって出題科目は異なりますが、公害総論、各分野の概論、測定技術、処理技術、関係法令など、環境保全に必要な専門知識が問われます。

製造業、化学工場、電力会社、鉄鋼・機械・食品関連工場、環境分析会社、設備管理会社、環境コンサルタントなどで活用しやすい資格です。環境管理部門や工場の公害防止体制に関わる人、環境分野で専門性を高めたい人に向いています。

公害防止管理者試験の基本情報

資格種別国家資格(必置資格)
ジャンル環境・自然
資格区分大気関係第1種~4種、水質関係第1種~4種、一般粉じん、特定粉じん、騒音・振動関係、ダイオキシン類関係、公害防止主任管理者
受験資格なし
試験日程年1回。例年10月ごろに実施
試験方法筆記試験。マークシート方式で実施
免除科目科目別合格制度があり、合格した科目は一定期間免除されます。また、資格認定講習の修了により国家試験合格と同等の資格が付与される制度があります
試験場所全国の指定試験地
受験料大気関係第1種・第3種、水質関係第1種・第3種、ダイオキシン類関係、公害防止主任管理者:12,300円/大気関係第2種・第4種、水質関係第2種・第4種、騒音・振動関係、特定粉じん関係、一般粉じん関係:11,600円
登録・更新試験に合格すると、公害防止管理者または公害防止主任管理者の資格を取得できます
問い合わせ一般社団法人 産業環境管理協会 
関連資格作業環境測定士
東京都公害防止管理者
eco検定

公害防止管理者試験の試験日

2025年度試験

試験日申込期間合格発表
10月5日7月1日~7月31日12月15日

公害防止管理者試験の試験内容

大気関係、水質関係、騒音・振動関係、ダイオキシン類関係、主任管理者に分かれています。公害防止に関する法令、測定技術、処理技術、発生源対策、施設管理などが問われます。

大気関係は、ばい煙や有害物質の排出防止、大気汚染防止技術、測定方法などが中心です。水質関係は、排水処理、水質測定、有害物質、汚濁負荷、排水基準などが問われます。騒音・振動関係は、騒音や振動の測定、発生源対策、防止技術などが中心です。ダイオキシン類関係は、発生源、測定、処理、法規制に関する内容が問われます。

出題範囲

主任管理者

大気・水質にまたがる公害防止管理の総合的な知識が問われます。工場全体の公害防止体制、施設管理、法令遵守、測定・記録、異常時対応などを理解しておく必要があります。

大気関係や水質関係の個別技術だけでなく、事業場全体を管理する立場として、公害防止組織や管理体制に関する内容も出題されます。

大気関係

大気概論、大気特論、ばいじん・粉じん特論、有害物質特論、大規模大気特論などが出題されます。

大気概論では、大気汚染防止法、環境基準、排出基準、公害防止管理者制度などが問われます。大気特論では、燃焼、排ガス処理、硫黄酸化物、窒素酸化物、ばい煙処理などが中心です。

ばいじん・粉じん特論では、集じん装置、粉じんの発生、測定、防止対策が問われます。有害物質特論では、有害ガスや有害物質の性質、処理方法、測定方法などを理解しておく必要があります。

水質関係

水質概論、汚水処理特論、水質有害物質特論、大規模水質特論などが出題されます。

水質概論では、水質汚濁防止法、排水基準、環境基準、特定施設、総量規制などが問われます。汚水処理特論では、物理処理、化学処理、生物処理、沈殿、ろ過、活性汚泥法、凝集沈殿などが中心です。

水質有害物質特論では、重金属、有機塩素化合物、シアン、窒素、リンなどの有害物質と処理方法、測定方法が問われます。大規模水質特論では、大規模排水事業場における水質管理や処理施設の運転管理が中心です。

騒音・振動関係

騒音・振動概論、騒音・振動特論が出題されます。

騒音では、音の性質、音圧レベル、周波数、騒音測定、騒音源、遮音、吸音、防音対策などが問われます。振動では、振動の性質、振動レベル、測定方法、発生源、伝搬、防振対策などが中心です。

法令分野では、騒音規制法、振動規制法、規制基準、特定施設、届出、測定に関する内容が出題されます。

ダイオキシン類関係

ダイオキシン類概論、ダイオキシン類特論が出題されます。

ダイオキシン類の性質、発生源、毒性、環境中での挙動、排出基準、測定方法、処理技術などが問われます。焼却施設などでの発生抑制、排ガス処理、ばいじん処理、排水処理なども出題範囲に含まれます。

共通科目

公害総論では、公害防止管理者制度、環境基本法、大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、悪臭、土壌汚染、廃棄物、環境管理など、公害防止に関する基本事項が問われます。

多くの区分で共通して関係する科目であり、法令や環境管理の基礎を理解しているかが確認されます。

試験科目と出題数

試験区分によって受験科目と出題数が異なります。

大気関係は、大気第1種から第4種までに分かれ、区分に応じて公害総論、大気概論、大気特論、ばいじん・粉じん特論、有害物質特論、大規模大気特論などを受験します。

水質関係は、水質第1種から第4種までに分かれ、区分に応じて公害総論、水質概論、汚水処理特論、水質有害物質特論、大規模水質特論などを受験します。

騒音・振動関係は、公害総論、騒音・振動概論、騒音・振動特論で構成されます。

ダイオキシン類関係は、公害総論、ダイオキシン類概論、ダイオキシン類特論で構成されます。

主任管理者は、公害総論、大気・水質概論、大気関係技術特論、水質関係技術特論など、管理者として必要な総合的な内容から出題されます。

合格基準

科目ごとに合否が判定されます。各科目で原則として60%以上の得点が必要です。

科目合格制度があり、合格した科目は一定期間、免除の対象になります。複数科目を受験する区分では、必要な全科目で合格基準を満たすことで、その試験区分の合格となります。

公害防止管理者試験の受験者数・合格率

年度受験者数合格者数合格率
2025年度19,845人7,175人36.2%
2024年度20,263人5,244人25.9%
2023年度20,494人4,843人23.6%
2022年度20,456人5,179人25.3%
2021年度19,946人5,774人28.9%

公害防止管理者試験の難易度

公害防止管理者試験は、環境・化学・設備管理に関わる知識がある人でも、区分によってはしっかりした対策が必要な試験です。大気・水質・騒音振動・ダイオキシン類などの区分があり、受験する区分によって学習範囲や難しさが大きく変わります。

つまずきやすいのは、環境法令と技術分野の両方を学ばなければならない点です。大気関係では燃焼、ばい煙、有害物質、測定方法など、水質関係では排水処理、汚濁物質、分析方法、処理設備などを理解する必要があります。単に用語を覚えるだけでなく、発生原因、処理方法、測定方法を関連づけて整理することが大切です。

特に大気1種・水質1種のような上位区分は、出題範囲が広く、化学や設備に関する知識も必要になります。計算問題や測定・分析に関する内容も出てくるため、環境管理の実務経験があっても、普段扱わない分野は別途対策が必要です。

一方で、科目合格制度があるため、一度ですべての科目に合格できなくても、複数回に分けて合格を目指しやすい面があります。過去問から出題傾向をつかみやすい試験でもあるため、頻出テーマを繰り返し確認し、苦手科目を残さないことが重要です。

工場の環境管理、排水処理、ボイラー・焼却設備、化学分析、設備保全などに関わっている人は、実務と結びつけながら学習しやすい資格です。初学者の場合は、まず受験区分を絞り、公害総論・法令・技術科目を分けて整理しながら、過去問演習を中心に対策を進めることが大切です。

公害防止管理者試験の勉強法

過去問を中心に進めるのがおすすめです。公害防止管理者試験は出題範囲が広い一方で、頻出論点もあるため、最初に過去問を解いて出題傾向をつかみ、分からない部分をテキストで復習すると効率的です。

大気関係では燃焼、ばいじん、硫黄酸化物、窒素酸化物、測定方法など、水質関係では排水処理、BOD・COD、窒素・りん、汚泥処理、有害物質などが重要になります。区分ごとの専門分野を重点的に確認しておきましょう。

法令分野では、公害防止組織法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法など、関連法規の知識が問われます。数字や基準値、届出、測定義務などは混同しやすいため、表にまとめて繰り返し復習すると覚えやすくなります。

公害防止管理者試験は、実務経験がある方でも試験向けの知識整理が必要です。基本的には、過去問を反復し、法令、測定方法、処理技術、区分ごとの専門分野を重点的に復習する勉強法がおすすめです。

資格を活かせる仕事

化学工場、製造工場、鉄鋼・金属・紙パルプ・食品・機械・電力関連の事業場、環境管理部門、品質管理部門、設備管理、排水処理施設、環境測定会社、環境コンサルタントなどがあります。特に、工場排水の管理、排ガス対策、測定データの確認、行政への届出、環境基準の遵守、設備の点検・改善などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。

公害防止管理者は、環境系資格の中でも工場や事業場の実務に近い資格です。大気関係、水質関係、騒音・振動関係、ダイオキシン類関係など区分が分かれているため、自分の勤務先や担当業務に合った区分を取得することで、より実務に直結しやすくなります。

この資格は、製造業や環境管理の分野では評価されやすい資格です。特に、一定規模以上の工場では法令上の選任に関わることがあるため、会社側にとっても資格保有者の価値があります。職場によっては、資格手当や配置、昇進の評価につながる場合もあります。

一方で、公害防止管理者だけで就職・転職が必ず大きく有利になるわけではありません。実務では、工場設備の知識、環境測定、排水・排ガス処理、法令対応、現場経験なども重視されます。

公害防止管理者試験は、製造業や工場の環境管理、設備管理、環境測定に関わりたい人に向いています。エネルギー管理士、環境計量士、危険物取扱者、ボイラー技士、電気主任技術者などと組み合わせることで、工場管理や環境保全分野でより活かしやすくなるでしょう。

受験者の口コミ評判

タップ(クリック)で口コミが見れます

成人男1転職で有利にならない
2.0 長友 20代会社員

公害防止管理者は必置資格ですが、今は比較的飽和状態になっていますので、公害防止管理者の資格を持っているからといって転職に有利になることはあまりないです。
私も水質一種、大気一種を取得しましたが、勉強になったという以上のメリットは感じられません・・・(2019年11月)

スーツ男学生さんにはお勧め
1.5 二村 40代会社員

公害防止管理者の資格は、講習でもとれるので、資格としての価値はあまり無いように思います。会社で必要であれば、従業員に講習で取らせれば済む話ですからね 。
ただ、学生さんは取っておくことで、環境に対してある程度知識があると認識されるので、就職に有利になるかもしれませんね。(2018年7月)

スーツ男3ヵ月で取得できる
 りも 40代会社員

勉強法としては、過去問(6年分)をみっちり解きながら、オーム社の大気関係攻略テキストをこなしつつ、kougai.netからダウンロードできる問題をせっせとこなしていきました。
マークシート式だし、科目60%取れれば合格できるので、3ヶ月も勉強すれば独学でも充分取得できます。(2017年10月)

スーツ男コツコツ勉強すれば合格できる
4.0 KAN 40代会社員

公害防止管理者の試験は独学で大丈夫です。難易度はそこそこ高いと思いますが、試験は科目合格制なので、コツコツ勉強していけば難なく合格できます。基本は過去問をこなしつつ、気に入った参考書1冊あれば大丈夫です・・・(2017年2月)

資格を広めてくれると嬉しいです!
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