舗装診断士試験とは
既設舗装の調査・評価、維持修繕計画、補修工法の選定など、舗装の診断に関する高度な知識を認定する民間資格です。道路舗装を効率的に管理・更新するための技術者を対象としており、舗装の劣化状況を把握し、適切な補修や維持管理につなげる力が問われます。
試験は択一式試験と記述式試験で構成されています。択一式では、舗装に関する基礎知識、舗装の管理、点検・評価、補修計画、補修工事、技術者倫理などが出題されます。記述式では、実務経験に基づく経験記述や、舗装の破損状況から原因を推定し、必要な調査・試験、補修方法などを考える専門記述が行われます。
道路建設会社、舗装会社、建設コンサルタント、土木工事会社、地方公共団体、道路管理に関わる企業などで活用しやすい資格です。国土交通省登録技術者資格にも位置づけられており、舗装の維持管理や補修設計に関わる技術者が専門性を高めるために向いています。
舗装診断士試験の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 建築・不動産 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 1級舗装施工管理技術者、技術士、土木学会認定資格、RCCMなどの所定資格を保有し、舗装関連業務の実務経験を満たす人 |
| 試験日程 | 年1回。例年6月ごろに実施 |
| 試験方法 | 筆記試験。択一式と記述式で実施 |
| 免除科目 | 択一試験に合格し、一定の条件を満たす人は、翌年度の択一試験が免除される場合があります |
| 試験場所 | 札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇などの指定試験地 |
| 受験料 | 20,000円/記述試験のみ:10,000円 |
| 登録・更新 | 試験合格後、登録申請を行うことで舗装診断士として登録されます。資格登録の有効期間は5年間で、更新には所定の手続きと技術講習の受講が必要 |
| 問い合わせ | 一般社団法人 日本道路建設業協会 |
| 関連資格 | 舗装施工管理技術者 土地家屋調査士 商業施設士 |
舗装診断士試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 6月28日 | 2月2日~2月20日 | 10月28日 |
舗装診断士試験の試験内容
学科試験で実施されます。舗装の点検、調査、診断、評価、補修設計、維持管理に関する知識が問われます。
舗装の劣化や損傷の状態を把握し、原因を推定したうえで、適切な補修方法や維持管理方針を判断する力が必要です。アスファルト舗装、コンクリート舗装、路面性状、構造評価、交通荷重、排水、材料、施工、管理基準などを幅広く理解しておく必要があります。
出題範囲
舗装の点検・調査
ひび割れ、わだち掘れ、平たん性、ポットホール、段差、すべり抵抗、路面の損傷などを確認するための点検・調査方法が問われます。
目視調査、路面性状測定、FWD調査、コア採取、たわみ量測定など、舗装の状態を把握するための調査手法を整理しておく必要があります。
舗装の診断・評価
調査結果をもとに、舗装の健全性や損傷原因を評価する内容です。表面的な損傷だけでなく、路盤、路床、排水、交通荷重、材料劣化などを含めて、損傷の原因を判断する力が問われます。
補修の必要性や優先順位を判断するため、舗装の構造的な健全性と機能的な状態を分けて理解しておくことが大切です。
補修設計・維持管理
切削オーバーレイ、打換え、表面処理、ひび割れ補修、路盤改良、排水対策など、舗装の状態に応じた補修方法が問われます。
補修工法の特徴、適用条件、施工上の注意点、維持管理計画、ライフサイクルコストなどを理解し、診断結果に合った対策を選定できるようにしておく必要があります。
舗装材料・施工
アスファルト混合物、コンクリート、路盤材料、路床、乳剤、骨材、締固め、温度管理、品質管理などが出題されます。
舗装の性能は材料や施工品質に大きく左右されるため、材料特性、配合、施工手順、品質管理項目を確認しておくことが重要です。
舗装の構造・設計
舗装構成、交通荷重、設計CBR、等値換算厚、疲労破壊、塑性変形、凍上、排水構造などが問われます。
舗装がどのように荷重を支え、どのような条件で損傷するのかを理解しておく必要があります。構造設計と維持管理を結びつけて考える力が求められます。
試験科目と出題数
試験は学科試験として実施されます。出題形式は択一式を中心とし、舗装の点検、調査、診断、補修、維持管理、材料、施工、構造設計などから出題されます。
具体的な出題数や試験時間は、年度ごとの試験案内で確認する形式です。舗装診断に関する実務的な知識を幅広く確認する内容です。
合格基準
合格基準は、試験回ごとに判定されます。固定の合格点が明確に示される形式ではなく、試験結果をもとに合否が決定されます。
点検・調査方法を覚えるだけでなく、損傷の原因を推定し、診断結果に応じた補修方法を選べるかが重要です。舗装の材料、構造、施工、維持管理を一体的に理解しておく必要があります。
舗装診断士試験の受験者数・合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 614人 | 165人 | 26.9% |
| 2024年度 | 778人 | 127人 | 16.3% |
| 2023年度 | 937人 | 158人 | 16.9% |
| 2022年度 | 1,193人 | 329人 | 27.6% |
| 2021年度 | 1,242人 | 206人 | 16.6% |
舗装診断士試験の難易度
舗装診断士試験は、舗装工事や道路維持管理の実務経験がある人でも、しっかりした対策が必要な試験です。舗装の基礎知識だけでなく、損傷の原因を読み取り、調査方法や補修方法を判断する力まで求められるため、実務経験と専門知識の両方が重要になります。
難しさの理由は、舗装の管理、点検・評価、補修の計画・設計、補修工事に関する知識を幅広く理解する必要があるためです。ひび割れ、わだち掘れ、平たん性の低下、ポットホール、段差などの損傷について、表面的な状態だけでなく、交通量、気象条件、路盤・路床、排水、施工品質などの背景まで考える必要があります。
特に負担になりやすいのは、記述式の対策です。経験記述では、自分が関わった業務の概要、役割、技術的課題、解決策、結果を分かりやすくまとめる力が求められます。実務経験があっても、試験で評価される形に整理して書けないと得点につながりにくいため、事前に記述の型を作っておくことが大切です。
専門記述では、舗装の破損状況や現場条件から原因を推定し、必要な調査・試験、補修方法を説明する力が問われます。単に工法名を覚えるだけではなく、なぜその損傷が起きたのか、どの調査で確認するのか、どの補修が適切なのかを筋道立てて考える必要があります。
舗装工事、道路維持、土木施工管理、調査診断などに関わっている人は、実務と結びつけながら学習しやすい資格です。一方で、舗装診断や維持修繕の経験が少ない人は、損傷原因の見極めや補修方法の選定で難しさを感じやすいでしょう。択一対策で基礎知識を固めつつ、記述対策では自分の経験と舗装診断の考え方を整理しておくことが重要です。
舗装診断士試験の勉強法
ひび割れ、わだち掘れ、ポットホール、段差、平たん性の低下、沈下、剥離など、舗装に発生する損傷の特徴を押さえることが大切です。単に名称を覚えるだけでなく、なぜその損傷が起きるのか、どのような調査で確認するのかを関連づけて理解すると覚えやすくなります。
調査・診断分野では、路面性状調査、FWD調査、コア採取、支持力評価、交通量調査、排水状況の確認などを整理しておきましょう。損傷の原因を推定し、適切な補修・修繕方法を選ぶ力が重要になります。
記述式や実務的な問題では、診断結果をもとに補修工法を提案する力が求められます。切削オーバーレイ、打換え、表面処理、路盤改良、排水改善などについて、どのような状態でどの工法を選ぶのかを説明できるようにしておくとよいでしょう。
舗装診断士試験は、舗装工事や道路維持管理の経験がある方でも、診断・評価・補修計画の視点で知識を整理する必要があります。基本的には、テキストで基礎を確認し、過去問や演習問題で損傷原因・調査方法・補修工法を重点的に復習する勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
道路舗装会社、土木工事会社、建設コンサルタント、道路維持管理会社、ゼネコン、自治体や道路管理者、空港・港湾・物流施設の維持管理部門などがあります。特に、舗装の点検、劣化診断、補修計画の作成、道路維持管理、舗装修繕工事に関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
道路舗装は、交通量や気候、地盤条件、施工品質によって劣化の進み方が変わります。表面だけを見て補修するのではなく、劣化原因を見極め、必要な工法や補修時期を判断する力が求められます。そのため、舗装の構造や材料、調査方法、維持管理に関する知識を持つ人材は、道路インフラの長寿命化に関わる現場で重要です。
この資格は、舗装・道路維持管理・土木分野では実務に結びつきやすい資格です。一方で、一般企業への就職・転職で幅広く評価される資格ではなく、活かせる分野はかなり専門的です。
舗装診断士試験は、道路舗装や維持修繕、インフラ管理に関わる人が専門性を高めるために向いている資格です。土木施工管理技士、舗装施工管理技術者、技術士、測量士などの資格や、道路工事・点検・補修の実務経験と組み合わせることで、より仕事に活かしやすくなるでしょう。

