建物の外壁は、雨や風、ほこりや化学物質などの影響により、年々劣化をしていくものです。
これらの劣化は、目に見えない内側などで起こっているため、人の目では劣化の確認をすることが難しいです。
そのようなとき、赤外線サーモグラフィを用いた検査が活躍します。
この検査は、建物を壊すことのない、非破壊検査となっているため、建物を傷めることなく、詳細な結果を導き出すことができます。
この検査を行う専門家を赤外線建物診断技能師といいます。
資格を取得するためのフォローアップ研修・実務研修も行われていますので、そちらを受講し、資格取得を目指すと良いでしょう。
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赤外線建物診断技能師試験の基本情報
資格種別 | 民間資格 |
ジャンル | 建築・不動産 |
資格区分 | なし |
受験資格 | 誰でも受験できます |
試験日程 | 不定期(月数回)※12月は実施されない |
試験方法 | 筆記試験 |
免除科目 | なし |
試験場所 | 全国各地 |
受験料 | 13,000円(再受験は8,500円) |
登録・更新 | 2年毎の更新が必要(更新料は5,000円) |
主な対象者 | 小学生
中学生
高校生
大学生
専門生
社会人
その他 |
問い合わせ | 一般財団法人 職業技能振興会 |
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赤外線建物診断技能師試験の試験内容
出題形式
筆記試験(選択式、記述式):30問
出題範囲
- 日本における建築物と建物診断
- 赤外線診断調査の歴史と現状、応用例
- 建築の基礎知識
- 赤外線カメラを使用した赤外線診断手法
- 赤外線カメラを使用した赤外線診断実務
- 建築基準法改正に伴う特殊構築物定期報告の変更と注意点
- 長期修繕計画について
- 赤外線判断の進め方と注意点
合格点
7割以上の点数
赤外線建物診断技能師試験の受験者数・合格率
受験者数と合格率共に非公開
研修受講者の合格率は90%程と言われています!
赤外線建物診断技能師試験の難易度
研修を受講すればさほど難しい試験ではありません。
赤外線建物診断技能師試験の勉強法
試験に対応したテキストを市販で購入することができませんので、独学での勉強は苦戦すると思います。
一般社団法人街と暮らし環境再生機構が「赤外線建物診断技能師研修」を実施しているので、合格を目指すなら受講した方が得策です。
受講料は30,800円で
- 赤外線建物診断概要
- 赤外線サーモグラフィを使用した赤外線診断手法
- 赤外線サーモグラフィを使用した赤外線建物診断実務基礎知識
- 赤外線建物診断実務事例
- 赤外線診断の進め方と注意点
- 赤外線建物診断技能師認定試験対策
の6つのカリキュラムで構成されています。
研修の中で試験も実施されます。
研修について詳しくは「一般社団法人街と暮らし環境再生機構」の公式サイトをご覧ください。
資格を活かせる仕事
赤外線建物診断技能師の資格を取得していると、建設会社や不動産管理会社、リフォーム会社や、住宅検査会社、損害保険会社などに就職する際に有利となります。
建設会社やリフォーム会社であれば、営業や設計、工務を担当する際にこの資格が活かされ、不動産管理会社であれば、営業やコンサル業務で活かすことができます。
また、住宅検査会社や損害保険会社であれば、営業や実務でこの資格を活かすことができます。
太陽光発電の設置や、自然エネルギーの代替が増加し、加えて平成20年には国土交通省によって、特殊建築物の定期報告制度における外壁診断等の見直しがあったため、赤外線サーモグラフィを用いた非破壊検査のできる、赤外線建物診断技能師の需要は高まっています。
赤外線サーモグラフィを用いた検査であれば、戸建てやマンションなどの雨漏り場合、原因や箇所を見つけることができますし、マンションなどの大規模改修前には、外壁の劣化状況を的確に判断することができますので、無駄な改修をする必要がなくなります。
これは、住居者や管理者が負担する工賃を軽減することにつながるため、今後も変わらずニーズがあるでしょう。