航空整備士になる為の試験で学科試験に合格後、一定の実務経験を経て実地試験に合格することで晴れて航空整備士になることができます。(養成施設指定校を卒業すれば実地試験は免除)
航空整備士の他に空運航整備士がありますが、航空整備士は整備全般に関わる業務が行えるのに対して、空運航整備士はライン整備に限られます。
それぞれで一等と二等があり、一等では大型機も含めた全ての航空機、二等では小~中型機の整備を行うことができます。
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航空整備士試験の基本情報
資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
ジャンル | 車・船・航空 |
資格区分 | 一等航空整備士、二等航空整備士、一等航空運航整備士、二等航空運航整備士 |
受験資格 | 高等学校を卒業後、実務経験もしくは養成施設指定校の卒業どちらかは必須(下記参照) |
試験日程 | 7月、11月、3月 |
試験方法 | 学科試験、実地試験 |
免除科目 | ・学科試験は科目合格制度 ・養成施設指定校を卒業すれば実地試験は免除 ・一等航空整備士試験については二等航空整備士取得者は一部科目免除 |
試験場所 | 千歳、岩沼、東京、名古屋、大阪、福岡、宮崎、那覇 |
受験料 | 【学科試験】5,600円 |
登録・更新 | 【登録免許税】3,000円~6,000円 |
主な対象者 | 小学生
中学生
高校生
大学生
専門生
社会人
その他 |
問い合わせ | 国土交通省 安全部運航安全課 |
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航空整備士になるまでの流れ
まず大前提として高等学校を卒業する必要があります。
養成施設指定校を卒業する場合
筆記試験に合格することで二等航空整備士になることができます。(実地試験は免除)
そして、航空会社などの採用試験に合格後、2年以上の実務経験で一等航空整備士の受験資格を得ることができます。
航空会社の面接を受ける際には既に資格を取得しているので、かなり有利になります。
養成施設指定校以外の大学・専門学校を卒業する場合
航空会社などの採用試験に合格後、
- 実務経験3年以上
- 航空局認定の整備訓練課程修了者で実務経験1年以上
で二等航空整備士の受験資格
- 実務経験4年以上
- 二等航空整備士を取得してから実務経験2年以上
で二一航空整備士の受験資格
をそれぞれ得ることができます。
高等学校を卒業する場合
大学などと同じく、そのまま航空会社などの採用試験を受験するか、養成施設指定校に入学して航空整備士を目指すのかの二択になります。
高卒無資格で採用されることは稀なので、一般的には養成施設指定校を経由して目指すルートをお勧めします。
航空整備士試験の受験者数・合格率
受験者数は約400人(2018年11月試験の場合)
合格率の全国平均は20%程。(養成学校から受験すれば学校によって合格率はほぼ100%)
航空整備士試験の難易度
二等航空整備士資格を取得するためには、航空専門学校に入学し、在学中もしくは卒業後に取得をする場合と、無資格で航空系会社に就職し、実務経験を磨きながら取得する方法があります。
航空専門学校に入学して取得する場合には、学科対策を完璧に行いますので取得率はほぼ100%となっていますので難易度は低いと言って良いでしょう。
一方、実務経験を積みながら独学で学科試験に臨む場合はかなり厳しく、合格率も20%程度と言われていますので難易度は高いと見て良いでしょう。
一等航空整備士資格の場合は実務経験を積んでからの挑戦となりますが、こちらも合格率は20%程度と言われていますので難易度はとても高いと推測されます。仕事をしながらの挑戦となりますので、仕事と勉強の両立をしっかりとしなければ合格レベルに達するのは難しいでしょう。
ただ、学科試験は科目合格制度がとられていますので合格チャンスは広がります。一等航空整備士・二等航空整備士どちらも、試験は四肢・五肢択一式なので、完璧に語句などを覚える必要がないものの、航空法規や期待構造など深い部分まで問われる内容となっているため難易度の高い問題となっています。
航空整備士の仕事
航空整備士の資格を大いに活かせるのは、航空会社の整備部門や関連会社ですが、その他にも宮内庁やテレビ局や新聞社などの報道機関、救助に必要な小型機やヘリコプターを所有している警察や消防、航空自衛隊や海上保安庁などの官公庁、さらには自社機を所有している企業などへの就職にも有効になります。
また航空機部品を製造するメーカーやエンジン関連の会社でも活かすことができる資格です。航空機を利用しての旅行や出張をする人は年々増えていますし、これからも増加することが見込まれています。
しかも、大手航空会社だけではなく格安航空会社LCCの路線拡大も進んでいますので航空整備士の需要は今後ますます増えてくと推測できます。