手話通訳士になるには?試験の難易度・合格率・試験日など

目次

手話通訳士試験とは

手話通訳士として活動するために必要な知識と技能を評価する認定試験です。聴覚障害のある人と聞こえる人との間で、手話を用いて正確に情報を伝える力が問われます。

試験は学科試験と実技試験で行われます。学科では、障害者福祉、聴覚障害、手話通訳のあり方、国語などが出題され、実技では音声を手話に訳す聞取り通訳、手話を音声に訳す読取り通訳が行われます。

福祉施設、自治体、医療機関、教育機関、相談支援、講演会・会議・イベントでの通訳、聴覚障害者支援に関わる仕事などで活かしやすい資格です。国家資格ではありませんが、厚生労働大臣が認定する手話通訳技能認定試験であり、手話通訳の専門性を示せる資格といえます。

手話通訳士試験の基本情報

資格種別公的資格
ジャンル介護・福祉
資格区分なし
受験資格20歳以上。受験日の属する年度末までに20歳に達する者を含む
試験日程年1回。学科試験は例年7月ごろ、実技試験は例年9月ごろに実施
試験方法学科試験、実技試験で実施。学科は4科目、実技は聞取り通訳試験と読取り通訳試験で構成
免除科目前年度の学科試験で合格基準を満たした者は、申請により翌年度の学科試験が免除され、実技試験のみ受験可能
試験場所埼玉県、東京都、大阪府、福岡県などの指定会場で実施
受験料22,000円
登録・更新合格後、手話通訳士として登録手続きを行うことで登録証・登録証カードが交付されます。登録更新制度あり
問い合わせ聴力障害者情報文化センター公益支援部門
関連資格言語聴覚士
介護福祉士
手話技能検定
介護職員初任者研修
日盲社協社内検定

手話通訳士の試験日

2026年度試験

試験日申込期間合格発表
学科試験:2026年7月26日
実技試験:2026年9月27日
4月21日~5月20日学科:9月上旬
実技:2027年1月29日

手話通訳士の試験内容

聴覚障害者福祉、手話通訳の役割、国語力、手話による通訳技能が問われます。学科試験では制度や支援に関する知識を確認し、実技試験では音声を手話へ、手話を音声へ正確に通訳できるかが評価されます。

出題範囲

学科試験では、障害者福祉の基礎知識、聴覚障害者に関する基礎知識、手話通訳のあり方、国語が出題されます。

障害者福祉では、障害者福祉制度、社会福祉、権利擁護、福祉サービスなどが中心です。聴覚障害者に関する分野では、聴覚障害の特性、生活上の課題、情報保障、コミュニケーション支援などが問われます。

手話通訳のあり方では、通訳者の役割、倫理、守秘義務、通訳場面での対応、関係者との連携などが出題対象です。国語では、語句、文法、文章理解、要約、表現など、通訳に必要な日本語力が問われます。

実技試験では、聞取り通訳と読取り通訳が行われます。聞取り通訳では、音声で提示された内容を手話で表現し、読取り通訳では、手話で提示された内容を音声で表現します。

試験科目と出題数

試験は、学科試験と実技試験で構成されます。学科試験は4科目で、障害者福祉の基礎知識、聴覚障害者に関する基礎知識、手話通訳のあり方、国語から出題されます。

実技試験は2科目で、聞取り通訳試験と読取り通訳試験が行われます。聞取り通訳は音声による出題を手話で解答し、読取り通訳は手話による出題を音声で解答します。各科目2問ずつ出題されます。

合格基準

学科試験は、全科目で得点があり、4科目の総得点が60%程度に達していることが基準です。問題の難易度によって補正される場合があります。

実技試験は、聞取り通訳と読取り通訳の内容について、通訳の正確さ、手話表現、音声表現、流れ、態度などが評価されます。学科試験に合格した人、または学科試験免除の対象者が実技試験に進み、実技試験の評価基準を満たすことで合格となります。

手話通訳士の受験者数・合格率

年度受験者数合格者数合格率
2025年度1,113人125人11.2%
2024年度1,076人59人5.5%
2023年度1,041人127人12.2%
2022年度1,097人146人13.3%
2021年度1,071人103人9.6%

手話通訳士の難易度

福祉・コミュニケーション系資格の中では難しめの試験です。手話を覚えているだけでは合格しにくく、日本語と手話の双方を正確に理解し、場面に応じて自然に通訳できる力が求められます。

この試験では、手話通訳の実技に加えて、聴覚障害者福祉、社会福祉、障害者制度、手話通訳者の役割、倫理、関係法規なども関係します。単に単語を手話で表せるかではなく、話の内容を理解し、意味を保ったまま分かりやすく伝える力が重要になります。

特に難しく感じやすいのは、聞き取った日本語をそのまま置き換えるのではなく、内容を整理して手話表現に変換する部分です。話の流れ、話者の意図、感情、場面に合った表現を瞬時に判断する必要があり、手話の語彙力だけでなく、日本語理解力や要約力も問われます。

また、読み取り通訳でも、手話表現を見て正確に意味をつかみ、日本語として自然に表現する力が必要です。地域差や表現の個人差もあるため、限られた知識だけでは対応しにくく、実際の会話や通訳場面に慣れているかどうかで差が出やすい試験です。

手話サークル、聴覚障害者支援、福祉施設、行政窓口、教育現場などで手話に継続的に触れている人は、経験を活かしやすい資格です。一方で、手話学習を始めたばかりの人にとっては、語彙、表現力、読み取り、日本語への変換、通訳倫理まで幅広く求められるため、取得ハードルは高めです。

資格侍

20歳以上であれば、誰でも受験することができますが、合格率の推移を見てもかなり難易度の高い資格になりますので、手話通訳としての実務経験がなければ合格することは困難になります。

手話通訳士の勉強法

手話の表現力・読み取り力に加えて、聴覚障害に関する知識、福祉制度、通訳倫理、社会福祉や障害者支援の基本を幅広く学ぶことが大切です。まずは、日常会話レベルの手話だけでなく、ニュース、講演、相談場面などで使われる表現に慣れ、内容を正確に理解して伝える力を身につけていくと学習しやすくなります。

勉強を進める際は、単語を暗記するだけでなく、文脈に合わせて自然な手話表現に変換する練習が重要です。日本語の語順をそのまま手話に置き換えるのではなく、意味のまとまりを捉え、表情、視線、間、体の向きなども含めて伝えることを意識すると、表現の質が高まりやすくなります。読み取りでは、相手の手の動きだけでなく、表情や口形、話の流れを含めて理解する練習が必要です。

また、手話通訳士には、正確に訳す力だけでなく、中立性や守秘義務、利用者の意思を尊重する姿勢も求められます。医療、教育、福祉、行政、就労支援など、通訳が必要になる場面は幅広いため、それぞれの場面でどのような配慮が必要かを整理しておくと実務に近い形で理解できます。

試験対策では、手話表現、読み取り、要約、通訳技術、聴覚障害者福祉、関係法規、通訳倫理をバランスよく復習すると効果的です。実技対策では、録画して自分の表現を確認したり、実際の手話動画を繰り返し見たりして、表現の癖や読み取りの弱点を把握することが大切です。知識を「内容を理解する」「意味を整理する」「自然な手話で伝える」「通訳者として適切に関わる」という流れで学ぶと、試験本番でも対応しやすくなります。

資格を活かせる仕事

自治体の手話通訳、福祉事務所、聴覚障害者情報提供施設、社会福祉協議会、学校・教育機関、医療機関、相談支援機関、講演会・イベントでの通訳、テレビ・動画の手話通訳などがあります。特に、行政手続き、病院受診、学校生活、就労支援、研修会、講演会など、正確な情報伝達が必要な場面では、資格で学んだ知識と技能を直接活かしやすいでしょう。

手話通訳の仕事では、単に手話ができるだけでなく、話の内容を正確に理解し、相手に伝わる形で表現する力が求められます。福祉、医療、教育、法律、行政などの場面では専門用語も出てくるため、幅広い知識や状況判断力も重要になります。

この資格は、手話通訳や聴覚障害者支援の分野では専門性を示しやすい資格です。自治体や福祉関連の通訳業務では評価されやすく、登録通訳者や派遣通訳、相談支援の仕事につながる場合もあります。

一方で、手話通訳士を取得しただけで安定した常勤職に就けるとは限りません。手話通訳の仕事は非常勤や派遣、登録制の形も多く、安定した収入を得るには、福祉・行政・教育分野での実務経験や、他の資格・職務経験と組み合わせることが重要です。

手話通訳士試験は、聴覚障害のある人の社会参加や情報保障を支えたい人に向いています。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、教員免許、福祉・医療・行政分野の実務経験と組み合わせることで、福祉や相談支援の分野でより活かしやすくなるでしょう。

受験者の口コミ評判

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成人女1難しそう
4.0 里見 20代バイト

私のおじいちゃんが耳が聴こえなくなったことが理由で、手話に興味を持ち今は障害者援護施設でアルバイトとして働いています。手話通訳士の試験は私の学力では難しそうなのでまだチャレンジしませんが、もう少し実務を積んでから挑戦したいと思いっています。(2019年2月)

中年スーツ女実務経験を積んだ
4.5 らけ 40代会社員

2016年度試験に合格しました。合格率ほど難易度の高い試験とは思いませんでしたが、実技もあるので独学で合格するのは困難だと思います。ちなみに私は実務経験を積んでから民間企業がしている手話教室に通って試験対策をしました。(2017年12月)

資格を広めてくれると嬉しいです!
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