土地家屋調査士試験とは
土地家屋調査士試験は、不動産の表示に関する登記や土地・建物の調査、測量に関わる専門家である土地家屋調査士になるために必要な国家試験です。土地家屋調査士は、土地の分筆・合筆、地目変更、建物の新築・増築・取り壊しなどに伴う登記手続きや、境界に関する調査・測量を行います。
試験は筆記試験と口述試験に分かれており、筆記試験では民法、不動産登記法、土地家屋調査士法、測量に関する知識に加え、図面作成を含む記述式問題が出題されます。法律知識だけでなく、測量計算や作図の力も必要になるため、文系・理系の両方の要素を持つ試験です。
不動産登記、測量、建設、土木、不動産会社などに関わる仕事で活用しやすい資格です。独立開業を目指せる資格でもあり、司法書士や行政書士などの法律系資格、測量士・測量士補などの測量系資格と組み合わせることで、業務の幅を広げやすくなります。
土地家屋調査士の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
| ジャンル | 建築・不動産 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年1回。筆記試験と口述試験に分けて実施 |
| 試験方法 | 筆記試験と口述試験 |
| 免除科目 | 測量士、測量士補、一級建築士、二級建築士となる資格を有する人などは、申請により午前の部の試験が免除されます。また、筆記試験合格者は、一定の条件により翌年度の筆記試験が免除されます。 |
| 試験場所 | 筆記試験は全国の指定試験地。口述試験は一部地域の指定試験地で実施。 |
| 受験料 | 8,300円 |
| 登録・更新 | 試験合格後、土地家屋調査士として業務を行うには、日本土地家屋調査士会連合会の土地家屋調査士名簿への登録が必要。 |
| 問い合わせ | 法務局、各法務局各地方法務局の総務課 |
| 関連資格 | 測量士 行政書士 司法書士 土地区画整理士技術検定 |
土地家屋調査士の試験日
2025年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 筆記:10月19日 口述:1月22日 | 7月28日~8月8日 | 筆記:1月7日 最終:2月13日 |
土地家屋調査士の試験内容
筆記試験と口述試験で構成されています。筆記試験は午前の部と午後の部に分かれており、午前の部では測量に関する知識、午後の部では不動産登記法、民法、土地家屋調査士法、記述式問題が出題されます。
測量士、測量士補、一級建築士、二級建築士の資格を持っている場合は、午前の部が免除されます。多くの受験者は午前の部を免除し、午後の部を中心に受験します。
出題範囲
口述試験
筆記試験合格者を対象に実施されます。不動産の表示に関する登記、土地家屋調査士法、土地・建物の調査測量、申請手続などについて、口頭で答える力が問われます。
筆記試験で問われる知識を前提に、登記申請や調査測量に関する基本事項を正確に説明できるようにしておく必要があります。
筆記試験 午後の部
民法、不動産登記法、土地家屋調査士法、記述式問題が出題されます。
択一式では、民法、不動産登記法、土地家屋調査士法などから20問出題されます。不動産登記法では、土地・建物の表示に関する登記、地目、地積、分筆、合筆、建物表題登記、区分建物などを理解しておく必要があります。
記述式では、土地と建物に関する問題が出題されます。事例や資料を読み取り、登記申請書、図面、求積、申請情報などを作成・判断する力が問われます。
筆記試験 午前の部
平面測量、作図、測量計算など、測量に関する知識と技能が問われます。
測量士、測量士補、一級建築士、二級建築士の資格を持っている場合は免除されるため、実際には午後の部を中心に受験するケースが多くなります。
試験科目と出題数
午後の部は、択一式20問と記述式2問で構成されています。記述式は、土地に関する問題1問、建物に関する問題1問です。試験時間は2時間30分です。
午前の部は、測量に関する試験として実施されます。免除資格を持たない場合は、午前の部と午後の部の両方を受験する必要があります。
口述試験は、筆記試験合格者を対象に実施されます。具体的な出題数は固定されておらず、土地家屋調査士業務に関する知識を口頭で確認する形式です。
合格基準
筆記試験は、択一式、記述式、総合点のそれぞれで基準点を満たす必要があります。択一式と記述式のどちらか一方でも基準点に届かない場合、総合点が高くても合格できません。
合格基準点は試験回ごとに決定されます。令和7年度は、択一式の基準点が37.5点、記述式の基準点が32.5点、総合点の合格点が76.0点でした。
口述試験は、筆記試験合格者に対して行われ、土地家屋調査士として必要な知識や受け答えが確認されます。
土地家屋調査士の受験者数・合格率
| 年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 5,821人 | 4,824人 | 489人 | 10.1% |
| 2024年度 | 5,471人 | 4,589人 | 505人 | 11.0% |
| 2023年度 | 5,219人 | 4,429人 | 428人 | 9.7% |
| 2022年度 | 5,400人 | 4,404人 | 424人 | 9.6% |
| 2021年度 | 4,733人 | 3,859人 | 404人 | 10.5% |
土地家屋調査士の難易度
土地家屋調査士試験は、不動産系資格の中でも難しい部類に入る試験です。法律知識だけでなく、測量・図面作成・計算問題への対応も必要になるため、暗記中心の資格試験とは違った難しさがあります。
難しさの理由は、民法や不動産登記法などの法律科目に加えて、土地や建物の調査・測量に関する実務的な知識が問われるためです。特に不動産登記法は出題の中心になりやすく、土地の分筆、合筆、地目変更、建物表題登記など、登記手続きの流れを正確に理解しておく必要があります。
また、土地家屋調査士試験では記述式問題の対策が大きな負担になります。文章で答えるだけでなく、測量計算や図面作成を限られた時間内に処理する必要があるため、知識を覚えただけでは得点につながりにくい試験です。問題文から条件を読み取り、必要な計算を行い、正確な図面や申請書類の形にまとめる力が求められます。
数学や測量に苦手意識がある人は、計算問題や作図に慣れるまで時間がかかりやすいでしょう。一方で、測量士補や測量士の知識がある人、建設・不動産・測量関連の実務経験がある人は、学習内容をイメージしやすく、取り組みやすい面があります。
合格を目指すには、択一式の知識を固めるだけでなく、記述式の演習を繰り返すことが重要です。特に図面作成や計算は、解き方を理解するだけでなく、時間内に正確に処理できるまで練習する必要があります。法律、測量、作図をバランスよく学ぶ必要があるため、初学者にとっては学習負担の大きい試験といえます。
土地家屋調査士の勉強法
択一式では、不動産登記法を中心に、民法、土地家屋調査士法などの知識が問われます。特に不動産の表示に関する登記は重要なので、土地の分筆・合筆、地目変更、建物の表題登記、滅失登記など、手続きの流れを整理しながら覚えることが大切です。
記述式では、土地・建物に関する申請書作成や図面作成の力が求められます。知識を覚えているだけでは対応しにくいため、過去問や記述式問題集を使い、問題文から必要な情報を読み取り、正確に答案へ落とし込む練習を重ねましょう。
測量計算や作図は、慣れるまで時間がかかる分野です。座標計算、面積計算、求積、図面の読み取りなどは、解き方を理解したうえで、実際に手を動かして何度も練習することが重要です。電卓の使い方にも早めに慣れておくと、本番で時間を短縮しやすくなります。
土地家屋調査士試験は難易度が高く、記述式対策の比重も大きい試験です。法律知識だけでなく、測量計算や図面作成の訓練も必要になるため、過去問演習を軸にしながら、記述式は添削講座や資格学校を活用するのも有効です。基本的には、択一で基礎知識を固め、記述式で計算・申請書・図面作成を繰り返す勉強法がおすすめです。
土地家屋調査士のテキスト
土地家屋調査士 択一式過去問 令和8年度版
日建学院の択一式過去問題集です。過去8年分の択一式問題を項目別に分類しており、問題演習を通して法的思考力と解答力を養える構成になっています。分野ごとに弱点を確認したい人に向いています。
土地家屋調査士 記述式過去問 令和8年度版
記述式の本試験問題を使って実戦演習をしたい人におすすめです。土地・建物の記述問題は、解法手順や時間配分に慣れることが重要です。択一対策と並行して、過去問で答案作成の流れを確認すると効果的です。
資格を活かせる仕事
土地家屋調査士事務所、測量会社、不動産会社、建設会社、ハウスメーカー、司法書士事務所、行政書士事務所、開発・造成に関わる会社などがあります。特に、土地の分筆・合筆、地目変更、建物表題登記、境界確認、現地調査、測量図面の作成などに関わる仕事では、資格を直接活かしやすいでしょう。
土地家屋調査士は、不動産登記の中でも「土地や建物の形・面積・利用状況」を扱う専門家です。土地の境界や登記内容は、不動産売買、相続、建築、開発などにも関わるため、正確な測量と法律知識の両方が求められます。
この資格は独占業務があるため、不動産・測量・登記分野では実用性が高い資格です。土地家屋調査士事務所で経験を積んだ後、独立開業を目指すことも可能です。
一方で、試験に合格しただけで安定して仕事が得られるわけではありません。実務では、測量機器の扱い、CADスキル、現地調査、境界立会い、近隣住民との調整、登記申請の実務なども重要になります。独立する場合は、司法書士や不動産会社、建設会社などとのつながりも大切です。
土地家屋調査士試験は、不動産登記や測量の専門職として働きたい人にとって、取得する価値の高い資格です。司法書士、行政書士、測量士補、宅地建物取引士などと組み合わせることで、不動産・登記・測量分野でさらに活かしやすくなるでしょう。
受験者の口コミ評判
タップ(クリック)で口コミが見れます
測量士補と同一年度に受験することができる
5.0 チャップリン 30代会社員
土地家屋調査士は不動産の表示の登記をする職業です。試験は午前と午後の部があり、大抵の人は測量士補の資格で午前免除を受けます。
土地家屋調査士の願書提出は、測量士補の試験合格発表より前ですが、実は同一年に合格することが可能です。後から追加で測量士補の合格証を送れば良いことになってます。
調査士試験の数学はぱっと見のイメージより易しいです。調査士本試験で難しいと言われてるのが時間配分。問題の解く順番の王道は択一→建物→土地です。私もこの順番で合格しました。
合格のコツはとにかく図面を完成させることです。文章も時間がある限り諦めずに何か書いて埋めて下さい。(2015年8月)


測量士補と同一年度に受験することができる