技術士試験の難易度・合格率・試験日など

目次

技術士試験とは

科学技術に関する高度な専門知識と応用能力を持ち、技術者として計画、研究、設計、分析、試験、評価、指導などを行うための国家資格です。技術士法に基づく資格で、技術系資格の中でも専門性と実務経験が重視される上位資格に位置づけられます。

技術士になるには、原則として第一次試験に合格するなどして技術士補となる資格を得たうえで、所定の実務経験を積み、第二次試験に合格して登録を受ける必要があります。ここで扱う技術士試験は、技術士補ではなく、技術士として登録するための第二次試験を中心としたものです。第二次試験は筆記試験と口頭試験で行われ、機械、船舶・海洋、航空・宇宙、電気電子、化学、建設、上下水道、衛生工学、農業、森林、水産、経営工学、情報工学、応用理学、生物工学、環境、原子力・放射線、総合技術監理などの技術部門があります。

建設コンサルタント、メーカー、プラント、インフラ、官公庁、研究機関、設計事務所など、技術職の幅広い分野で活かせる資格です。特に建設・インフラ分野では評価されやすく、管理技術者や照査技術者などの要件に関わる場面もあります。合格には専門知識だけでなく、実務経験に基づく課題解決力や技術者倫理を説明する力も求められるため、実務経験者向けの難関資格といえます。

技術士試験の基本情報

資格種別国家資格(名称独占資格)
ジャンル保安・技術
資格区分20種類
受験資格技術士第一次試験合格者またはJABEE認定課程修了者などで、所定の実務経験を満たす人。技術士補登録後に指導技術士のもとで4年を超える実務経験がある人、監督者のもとで4年を超える実務経験がある人、または7年を超える実務経験がある人などが対象
試験日程年1回。筆記試験は例年7月ごろ、口頭試験は筆記試験合格者を対象に11月〜翌年1月ごろに実施
試験方法筆記試験と口頭試験で実施。筆記試験は記述式、口頭試験は面接形式で実施
免除科目技術士第一次試験合格者またはJABEE認定課程修了者は、第二次試験の受験資格における基礎要件を満たします。第二次試験そのものの科目免除制度は特にありません
試験場所筆記試験は北海道、宮城、東京、神奈川、新潟、石川、愛知、大阪、広島、香川、福岡、沖縄などの指定試験地。口頭試験は東京都で実施
受験料20,500円
登録・更新第二次試験に合格し、登録手続きを行うことで技術士として登録されます。
問い合わせ公益社団法人 日本技術士会 
関連資格技術士補
CAD利用技術者試験
機械設計技術者試験
危険物取扱者

技術士試験の試験日

2026年度試験

試験日申込期間合格発表
筆記試験:7月19日・7月20日郵送:4月1日~4月15日
Web:4月1日~4月14日
筆記試験:11月上旬
口頭試験:12月~1月筆記試験合格者が対象最終:3月

技術士試験の試験内容

技術士試験は、技術士になるために必要な高度な専門知識、応用能力、問題解決能力、課題遂行能力、技術者倫理などを確認する国家試験です。ここでは技術士補につながる第一次試験を除き、第二次試験の内容を整理します。

出題範囲

第二次試験は、機械、電気電子、建設、上下水道、情報工学、環境、原子力・放射線などの技術部門ごとに実施されます。総合技術監理部門を除く20部門では、受験する技術部門に関する専門知識、応用能力、問題解決能力、課題遂行能力が問われます。

総合技術監理部門では、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理など、技術業務を総合的に管理するための知識と応用能力が出題されます。

試験科目と出題数

総合技術監理部門を除く20部門の筆記試験は、必須科目と選択科目で構成されます。必須科目では、技術部門全般に関する専門知識、応用能力、問題解決能力、課題遂行能力が問われます。選択科目では、選択した専門分野について、より具体的な専門知識、応用能力、問題解決能力、課題遂行能力を記述式で答えます。

総合技術監理部門の筆記試験は、必須科目と選択科目で構成されます。必須科目では、総合技術監理に関する択一式問題と記述式問題が出題されます。選択科目は、総合技術監理部門以外の20部門と同じ形式で、選択した技術部門・選択科目について記述式で解答します。

筆記試験に合格すると口頭試験に進みます。口頭試験では、技術士としての実務能力、コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント、技術者倫理、継続研さんなどについて確認されます。総合技術監理部門では、これに加えて総合技術監理に関する専門知識や応用能力も問われます。

合格基準

筆記試験は、必須科目と選択科目のそれぞれで60%以上の評価を得ることが合格の目安です。総合技術監理部門では、必須科目と選択科目のそれぞれで基準を満たす必要があります。

口頭試験も、各試問事項で60%以上の評価を得ることが必要です。筆記試験と口頭試験の両方に合格することで、技術士第二次試験の合格となります。

技術士試験の受験者数・合格率

年度受験者数合格者数合格率
2025年24,135人2,752人11.4%
2024年23,043人2,395人10.4%
2023年22,877人2,690人11.8%
2022年22,489人2,632人11.7%
2021年22,903人2,659人11.6%

技術士試験の難易度

技術士試験は、理工系・技術系資格の中でもかなり難しい試験です。単に専門知識を覚えるだけではなく、技術者として課題を分析し、解決策を考え、社会的な影響や安全性、倫理まで含めて説明する力が求められます。

この試験で特に難しいのは、知識量よりも「技術士らしい考え方」を文章で示す必要がある点です。専門分野の知識があるだけでは不十分で、現状の問題点を整理し、複数の解決策を比較し、リスクや実現性まで踏まえて論理的に記述する力が必要になります。

また、技術士試験は建設、上下水道、機械、電気電子、情報工学、応用理学、環境、衛生工学、農業、森林、水産、総合技術監理など、部門ごとに専門性が大きく異なります。自分の実務分野に合った部門を選んでも、試験では普段の業務範囲を超えた知識や、社会課題への対応力が問われるため、経験だけで乗り切るのは難しい試験です。

論文式の試験では、限られた時間内に設問の意図を読み取り、筋道の通った答案を作成する必要があります。技術的な正しさだけでなく、課題設定、解決策、効果、リスク、関係者への配慮などを一貫して説明できるかが重要です。実務経験が豊富な人でも、答案として整理する練習をしていないと得点につながりにくいでしょう。

さらに、口頭試験では、業務経歴や技術者倫理、継続研さん、専門的応用能力などを自分の言葉で説明する力が求められます。技術者としての実績や考え方を問われるため、知識試験というより、実務経験と専門性を総合的に評価される試験です。

建設コンサルタント、メーカー、インフラ、プラント、情報通信、環境、行政技術職などで専門業務に携わっている人は、実務経験を活かしやすい資格です。一方で、専門知識があっても、技術的課題を論理的に文章化する力や、技術者としての責任・倫理を説明する力が不足していると、合格までのハードルは高くなります。

資格侍

合格率は毎年10%程で、しかもその受験者のほとんどが技術に関する知識に長けた人ばかりと考えると、かなり難易度の高い資格だと言えるでしょう。

技術士試験の勉強法

技術士試験は、専門分野の知識だけでなく、技術者としての課題解決力、応用能力、マネジメント力、倫理観などが問われる試験です。部門が多く、出題内容も専門分野によって異なるため、まずは自分が受験する技術部門と選択科目を決め、過去問を確認して試験の傾向をつかみましょう。

第一次試験ではなく第二次試験を受験する場合は、筆記試験の論述対策が中心になります。単に知識を並べるのではなく、課題を抽出し、原因を分析し、解決策を示し、効果やリスクまで説明できるようにすることが大切です。

特に重要なのは、答案の型を作ることです。背景、課題、解決策、留意点、リスク、効果、技術者倫理といった流れを意識しながら、制限時間内に筋道立てて書く練習を重ねましょう。過去問を使って、いきなり全文を書くのではなく、まず答案構成を作る練習から始めると効率的です。

口頭試験では、業務経歴や筆記試験の内容をもとに、技術士としてふさわしい経験・判断力・倫理観があるかを確認されます。自分が担当した業務について、課題、工夫した点、成果、リスク対応、関係者との調整を具体的に説明できるように整理しておきましょう。

技術士試験は、専門知識の暗記だけでは対応しにくい試験です。過去問を分析し、自分の実務経験と専門知識を結びつけながら、論理的に答案を書く練習を積み重ねる勉強法がおすすめです。

資格を活かせる仕事

建設コンサルタント、設計会社、メーカー、プラント関連企業、電力・インフラ関連企業、官公庁・自治体、研究開発、環境コンサルタント、情報システム関連企業、技術系コンサルティング会社などがあります。特に、設計、調査、技術評価、品質管理、研究開発、プロジェクト管理、技術指導、公共事業の計画・監理などに関わる仕事では、資格で学んだ知識や経験を活かしやすいでしょう。

技術士は、技術系資格の中でも社会的評価が高く、部門によっては就職・転職や昇進、独立、受注条件に関わることもあります。特に建設部門や上下水道部門などでは、建設コンサルタント業務や公共事業に関わる場面で評価されやすく、会社によっては資格手当や管理技術者としての配置に関係する場合もあります。

一方で、技術士は「取得すればどの業界でもすぐ有利になる」という資格ではありません。部門によって活かせる分野が大きく異なり、実務経験や専門分野との一致が重要になります。たとえば、建設部門であれば土木設計やインフラ整備、機械部門であればメーカーや設備設計、情報工学部門であればIT・システム分野といったように、自分の経験と資格部門が合っているほど評価されやすくなります。

また、技術士は独立を目指せる資格でもありますが、資格だけで安定して仕事を取るのは簡単ではありません。実務実績、専門分野での信頼、人脈、営業力、報告書作成力、顧客対応力なども必要になります。

技術士試験は、技術者としてキャリアアップしたい人や、専門分野で管理・指導・コンサルティングに関わりたい人に向いています。実務経験と組み合わせることで強い武器になり、技術系資格の中でも取得する価値の高い資格といえるでしょう。

資格を広めてくれると嬉しいです!
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